先に結論:IVRでの患者被ばくを減らすポイント

  • IVRの被ばくを減らす基本は透視時間を短く・照射野を絞る・拡大透視を控える・パルス透視や低いフレームレートを使うことです
  • X線管は患者からできるだけ離し、検出器(I.I.・FPD)はできるだけ患者に近づけると、皮膚線量を大きく減らせます
  • 長い手技では照射の角度を時々変えることで同じ皮膚に線量が集中するのを避け、皮膚障害(紅斑・潰瘍)を防ぎます

IVRで患者の放射線被ばく低減のために覚えておくべき8つのこと

  1. 透視時間を短くする。
  2. 体格の大きな患者では線量率が高くなり、累積線量も早く増加する。
  3. 画質を考慮しつつも、管電圧(kVp)をできるだけ高く、電流をできるだけ低くする。
  4. X線管を可能な限り患者から遠ざける。(通常患者の下にある)
  5. 検出器(イメージインテンシファイア〔I.I.〕や現在主流のフラットパネル検出器〔FPD〕)を可能な限り患者に近づける。
  6. 拡大透視は被曝を増やす。
  7. 体格の小さい患者あるいは、イメージインテンシファイアを近づけられないときは、グリッドを外す。
  8. 照射野は必要最小限にする。皮膚障害は数Gyを超える皮膚線量で照射後約1か月して現れることが多く、以前に3〜5Gy以上照射された皮膚は見た目が正常でも再照射で強く反応するため、繰り返す手技では過去の線量も考慮する。米国放射線防護審議会(NCRP)は、基準点の累積空気カーマ5 Gyを「相当量の線量(SRDL)」とし、これに達した患者は皮膚障害の経過観察の対象としています。一過性の紅斑は2〜5 Gyで起こり、それを超えると永久脱毛・潰瘍・落屑が起こりうるとされます。

kVp(管電圧)とは

  • kVp(キロボルトピーク)はX線管にかける電圧の最大値で、X線のエネルギー(透過力)を決めます。mA(管電流)はX線の量を決めます。
  • kVpを上げると体を通り抜けるX線が増えるため、同じ明るさの画像に必要なmAを減らせ、皮膚線量が下がります。その分コントラストは下がるため、画質とのバランスで設定します(上の3)。

拡大率と被ばくの関係

  • 幾何学的拡大:拡大率は「焦点〜検出器の距離 ÷ 焦点〜患者の距離」で表されます。X線管を患者に近づけたり検出器を離したりすると拡大率が上がり、皮膚線量も増えます(上の4・5)。
  • 電子的拡大(拡大透視):視野を小さくすると、明るさを保つため装置が線量率を上げるので被ばくが増えます(上の6)。

 

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参考文献

  1. Balter S, Hopewell JW, Miller DL, et al. Fluoroscopically guided interventional procedures: a review of radiation effects on patients’ skin and hair. Radiology. 2010;254(2):326-341. PubMed
  2. Vano E, Fernandez JM, Sanchez RM, et al. Patient radiation dose management in the follow-up of potential skin injuries in neuroradiology. AJNR Am J Neuroradiol. 2013;34(2):277-282. PubMed
  3. Stecker MS, Balter S, Towbin RB, et al. Guidelines for patient radiation dose management. J Vasc Interv Radiol. 2009;20(7 Suppl):S263-73. PubMed
  4. Kirkwood ML, Arbique GM, Guild JB, et al. Radiation-induced skin injury after complex endovascular procedures. J Vasc Surg. 2014;60(3):742-8. PubMed

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