腎血管性高血圧の原因と狭窄部位(FMD:fibromuscular dysplasia)
・腎動脈狭窄によりレニン分泌が亢進することにより、アンジオテンシンⅠ→アンジオテンシンⅡ→二次性高血圧の原因となる。
・発生頻度は1%以下。若年性高血圧の3%程度。血漿レニン活性の高い症例などには精査を進めていく。
・原因としては動脈硬化が2/3、線維筋異形成(FMD:fibromuscular dysplasia)が1/3。
・ほか、高安病や、神経線維腫症、腫瘤による圧排、その他の動脈炎が原因となる。
・動脈硬化の場合は、本幹近位部の1/3に見られる。50歳以降の男性に多い。
・線維筋性異形成の場合は、本幹遠位部1/3に見られる。数珠状狭窄を認める。20-30歳代の女性に多い。
・診断はドップラー超音波、CTA、MRAにて行う。
・治療はバルーンカテーテル、ステントによる経皮的血管形成術(PTA)を行う。
線維筋異形成(FMD:fibromuscular dysplasia)
・原因は不明。
・内膜線維増殖(intimal fibroplasia)、中膜線維増殖(medial fibroplasia)、外膜下過増殖(subadventitial hyperplasia)の3つに分類される。
・小児および若年成人の、腎血管性高血圧の原因として最多。
・女性に多い。
・無症状の事が多い。
・腎動脈、頸動脈、椎骨動脈などに狭窄を起こす。
・最も多いのは中膜型で、腎動脈の中央〜遠位に数珠状狭窄をきたす。両側性が多い。
・治療はPTA。根治的効果が期待できる。