前立腺正中部嚢胞性疾患
- 正中部に存在する嚢胞(先天異常)は2つあり、両者の画像での区別は難しいことが多い。
- muller管嚢胞、前立腺小室嚢胞の2つ。
- そのほかにも射精管嚢胞、過形成結節の嚢胞変性、嚢胞腺腫などがある。
- 尿道を圧迫して症状を来さない限り臨床的に問題になることはない。
- ただし、嚢胞内に充実部位がないかは要確認。
V G McDermott, T J Meakem, 3rd, A H Stolpen and M D Schnall :AJR 164:123-127/1995より引用改変
Muller管嚢胞
- 退縮するはずのMuller管の遺残物が嚢胞状になったもの。
- 男性の5%くらいにみられる。30-40歳代に不妊の精査で見つかることが多い。
- 尿道との交通性はみられない。
- PSAが高いこともあり、悪性腫瘍を合併することもある。
- 前立腺の後上縁から突出することが多い。
前立腺の後縁より突出する嚢胞があり、Mueller管嚢胞を疑う所見。
前立腺小室嚢胞
- 尿道との交通性があり。
- 他の奇形(尿道下裂、停留精巣、片側性腎低形成)を合併する頻度が高い。
- 小児期に診断されることが多い。
- 前立腺内に存在する。
傍正中部、外側にある嚢胞
- 精管、射精管、精嚢などの嚢胞が考えられる。
- 精嚢嚢胞では成人では多発嚢胞腎との関連がある。
- 他には炎症性、貯留嚢胞がある。前立腺外側に発生。