ベーチェット病
- 再発性口腔内アフタ性潰瘍(必須で初発症状のことが多い)、皮膚症状、眼病変、外陰部潰瘍を主症状とする炎症性疾患。
- HLA-B51との関連。日本人の陽性率は55%程度。
神経ベーチェット病
- 1−15%に発症、男性に多い。まれに、皮膚、眼病変に先行して発症。
- 神経ベーチェット病には急性型(ステロイド大量療法が奏功)と慢性型(MTXが奏功、HLA-B51の陽性例が多い)がある。
- 神経ベーチェットの原因は血管周囲炎が主体とされる。
- 血管性病変(深部静脈血栓症と動脈血栓症)と脳実質病変を起こす。
神経ベーチェット病の画像所見
- 脳幹(大脳脚、橋)、基底核、視床に分布。
- T2強調像で高信号、増強効果を認める。急性期病変では、DWIで高信号を呈するが、ADC値の亢進(=拡散の亢進)を来す事が多い。
※小・細小血管(静脈)周囲に炎症および脱髄を来す。静脈が相互の吻合枝を持たない脳幹部に病変が好発する。テント上では吻合枝を持ち発達している。
- 血管性病変(血管炎、静脈鬱滞、静脈血栓症、動脈瘤/閉塞/解離)
- 髄膜炎(<10%)
- 白質病変が最多との報告もあり。
- 慢性例では、高率に脳幹萎縮を伴うのが特徴的。
鑑別診断
- Neuro-Sweet病
- Neuro-sarcoidosis
- 悪性リンパ腫
- 原田病
- その他の血管炎
- 多発性硬化症