海馬硬化症
・側頭葉てんかんの原因疾患として最多。
・扁桃核硬化などを含めた側頭葉内側病変を総称して、内側側頭葉硬化(mesial temporal sclerosis)と呼ばれる。こちらの呼称の方がより適切と言われる。
・病理学的には、海馬、扁桃体から海馬傍回に及ぶ神経細胞脱落やグリオーシス。
・最も障害されやすい部位は海馬内アンモン角の中のCA1領域で、次いでCA3,CA4、海馬歯状回領域となる。CA2および海馬台は比較的保たれることが多い。
MRI画像所見
・海馬長軸に直交する斜位冠状断が有用。
・海馬・扁桃体の萎縮。
・T2強調像やFLAIR像での海馬領域の高信号域。ただし大脳辺縁系は正常でもFLAIRで高信号を呈するので判断には注意を要する。
・冠状断(T2WI,FLAIR)におけるhippocampal striationと言われる線状の低信号(浅髄板と連続してアンモン角の深層に沿って認める白質線維)の部分消失。
・その他:海馬傍回の皮質白質境界の不鮮明化。海馬歯の凹凸の平坦化。
・両側に認められることもある。(2割)
・二次所見としては、脳弓、乳頭体の萎縮、側脳室下角の開大や患側側頭葉〜大脳半球の萎縮。