・膀胱は反転した腹膜の下面に接して存在する腹膜外臓器。(膀胱の臓側腹膜 に覆われていない部分は、外膜が周囲を覆っている。)
・膀胱の最大容量は、通常男性で約500mL、女性で約700mLであり、200~300mLの尿がたまると尿意を催す。壁の厚さ(粘膜~筋層)は、尿が充満しているときで2~ 5mm、尿がないときで8~15mmである。
・ある程度の尿が貯留している状態では、三角錐のような形状をしている。錐の頂点を膀胱頂部(あるいは膀胱尖)という。
・頂部は発生学的に臍動脈に由来した正中臍靭帯へ移行し固定されている。
・アランチウス管に由来する尿膜管(urachus) も正中臍靭帯に含まれる。
・前壁は腹膜に覆われておらず、豊富な脂肪と静脈叢を含む膀胱前腔 retropubic fat pad(Retzius腔:レチウス腔)を介して恥骨に接している。
・尿管は底部の壁を斜めに貫き、粘膜下を走行して膀胱三角部に開口する。
・膀胱壁は3層からなる厚い平滑筋層(外側から縦走,輪状,縦走)と、粘膜下層および粘膜で構成される。尿管から連続した移行上皮がその内壁を覆っている。外は、外膜あるいは漿膜(腹膜)からなる。 平滑筋層が最も厚い。
・血流の分布
・動脈:内腸骨動脈→上・下膀胱動脈 ・静脈:膀胱周囲の静脈叢を経て内腸骨静脈に還流。 ・リンパ流:外腸骨リンパ節群に還流。ただし、膀胱前壁は内腸骨リンパ節に還流。