先に結論:JCSとGCS

  • JCS(3-3-9度方式)は日本でよく使う意識レベルの評価で、I(刺激なしで覚醒:1〜3)・II(刺激で覚醒:10〜30)・III(刺激でも覚醒しない:100〜300)に分けます
  • GCSは開眼(E1〜4)・言語(V1〜5)・運動(M1〜6)の合計3〜15点で評価し、国際的に使われます。8点以下は重症で気道確保を考えます
  • 挿管中は言語を評価できないためV=Tと記載します(例:E2VTM4)
  • JCSとGCSは1対1には変換できず、変換表で求めた値は目安です

JCS(Japan Coma Scale)

Ⅰ 覚醒している Ⅲ 刺激でも覚醒しない

1

意識清明でない

 100

痛みに対し払いのける

2

見当識障害

200

痛みで手足動く・顔をしかめる

3

名前・生年月日いえない

300

全く反応しない
Ⅱ 刺激で覚醒する    

 10

普通の呼びかけで開眼 R 不穏

20

大声・揺さぶりで開眼 I 糞便失禁

30

痛み刺激でようやく開眼 A 自発性喪失

 
GCS(Glasgow Coma Scale)

3をwordと考え、E(呼びかけ)・V(言葉)・E(Eye Opening)・V(Verbal response) M(Motor response)

開眼

目を開けて!

言語

名前・日付・場所

運動機能

手を握って!(→爪を押す)

6

命令に従う(OKの6)

5

見当識良好

少し反応はする

4

自発的に

やや混乱

屈曲逃避(4の字)

3

呼びかけで

言葉だけ「痛~」

四肢屈曲(3の字)

2

疼痛(2)で

意味不明「う~」

四肢伸展(除脳姿勢)

1

開眼せず

発語せず

全く動かず

挿管中はVTと表記し(合計点では1点に換算する扱いと評価不能として扱う扱いがあり、施設や文献により異なる)、E(1-4)V(1-5)M(1-6)なお個々の患者の評価では、合計点ではなく開眼・言語・運動の3要素を分けて記載することが推奨されており、合計点は集団の重症度の記述に用いるのが原則とされています。頭部外傷では、GCS合計点から対光反射のない瞳孔の数(0〜2)を引くGCS-Pupilsスコア(GCS-P、1〜15点)も提案されています。GCS 3点の死亡率51%に対しGCS-P 1点では74%と、最重症域の予後をより細かく分けられます。

GCSの「VT」とは(挿管中のGCS)

  • VTのTは気管チューブ(tube)のTで、挿管や気管切開で声が出せず、言語(V)を評価できないことを示す。合計点にせず、E2VTM4のように分けて書く。
  • 運動(M)は挿管中も評価でき、外傷患者204,181例の解析ではMだけで合計点とほぼ同じ予後予測能があった(ROC曲線下面積:合計0.89、Mのみ0.87)(Healey 2003)。

JCSとGCSは変換できる?

JCSは覚醒の程度、GCSは3要素を見るため、1対1には対応しません。日本の救急外来の成人8,194例から作られたJCS→GCSの変換方法では、検証群で変換値と実際のGCSが一致したのは80.3%、1段階のずれまで許すと93.2%でした(Nakajima 2023)。変換値は目安として扱います。
 

参考文献

  1. Teasdale G, Jennett B. Assessment of coma and impaired consciousness. A practical scale. Lancet. 1974;2(7872):81-4. PubMed
  2. Teasdale G, Maas A, Lecky F, et al. The Glasgow Coma Scale at 40 years: standing the test of time. Lancet Neurol. 2014;13(8):844-54. PubMed
  3. Shigematsu K, Nakano H, Watanabe Y. The eye response test alone is sufficient to predict stroke outcome–reintroduction of Japan Coma Scale: a cohort study. BMJ Open. 2013;3(4). PubMed
  4. Brennan PM, Murray GD, Teasdale GM. Simplifying the use of prognostic information in traumatic brain injury. Part 1: The GCS-Pupils score: an extended index of clinical severity. J Neurosurg. 2018;128(6):1612-1620. PubMed
  5. Healey C, Osler TM, Rogers FB, et al. Improving the Glasgow Coma Scale score: motor score alone is a better predictor. J Trauma. 2003;54(4):671-8. PubMed
  6. Nakajima M, Okada Y, Sonoo T, et al. Development and Validation of a Novel Method for Converting the Japan Coma Scale to Glasgow Coma Scale. J Epidemiol. 2023;33(10):531-535. PubMed

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