先に結論:混合型肝癌(combined HCC-CCA)

  • 混合型肝癌は1つの腫瘍の中に肝細胞癌と肝内胆管癌の両方の成分がある癌で、原発性肝癌の数%です(WHO分類ではcombined hepatocellular-cholangiocarcinoma)
  • 肝細胞癌より予後が悪く、腫瘍が大きく脈管侵襲・肝内転移を伴うことが多いです
  • 画像は動脈相で辺縁や一部が染まり、遅い相で中心部が染まるなど、肝細胞癌と胆管癌の特徴が混ざります。腫瘍マーカー(AFP・PIVKA-IIとCA19-9・CEA)が両方上がることも手がかりです

症例 50歳代男性 閉塞性黄疸、右季肋部の不快感

混合型肝癌 造影CT 遅延相 横断像
引用:Radiopaedia(Cholangiohepatoma)

造影CT遅延相の横断像で、肝右葉に約10×6cmの浸潤性の腫瘤を認め、内部は不均一に造影されています。本症例では動脈相で腫瘤の内側部分が濃染してwashoutを示す(肝細胞癌的)一方、遅延相で辺縁が造影され被膜の陥凹を伴う(胆管癌的)という両方の特徴があり、AFPとCA19-9がともに上昇し、生検で混合型肝癌と診断されています。画像所見は肝細胞癌と胆管癌の両方と重なり、術前に画像だけで正しく診断できるのは少数(感度約3割)で、胆管癌と誤診されることが多いと報告されています。典型像がない場合は腫瘍マーカーや生検を併せて判断します。61例の検討では、LI-RADSの主要所見だけで判定すると54.1%(33例)が肝細胞癌の基準を満たし、誤分類されうることが示されました。ただしそのうち29例は非肝細胞癌の悪性腫瘍を示す副所見を少なくとも1つもっており、副所見を加えて評価すると正しく分類できる可能性があります。

混合型肝癌

・肝細胞への分化と胆管細胞への分化の両方を単一腫瘍内に示す原発性肝癌と定義される(国際コンセンサス用語ではcHCC-CCA)。

・HCCより予後が悪い。

・HBV陽性が多い。

・最大腫瘍径が大きい、脈管侵襲および肝内転移を伴い進行した症例が多い。

・iCCA成分が多いものほど予後が悪い。iCCA優位型とHCC優位型がある。

・Allen type A,B,Cがある。Aは別々に存在。Bは同一腫瘍内に別れて存在。Cは同一腫瘍内に混合して存在。

※HBVからのHCCは大型なものが多い。脈管浸潤が多い。

混合型肝癌とHCC・CCCの違い

混合型肝癌は肝細胞癌(HCC)と胆管細胞癌(CCC、肝内胆管癌)の両方の性質をもち、画像でもどちらかに似たり、特徴が混ざったりします(Low 2026)。

HCC CCC 混合型肝癌
造影 動脈相で濃染→washout 辺縁がリング状に染まり、遅い相で中心が染まる 両方が混在
腫瘍マーカー AFP・PIVKA-II CA19-9・CEA 両方上がることがある
予後 比較的よい 不良 両者の中間(Low 2026)

混合型肝癌でよくある疑問(Q&A)

Q. 手術の前に診断できますか?
A. 難しい腫瘍です。生検でも片方の成分しか採れないことがあり、切除後に初めて正しく診断されることも多いとされます(Low 2026)。

Q. 「混合性肝癌」と同じですか?
A. 同じ腫瘍を指す呼び方です。

参考文献

  1. Brunt E, Aishima S, Clavien PA, et al. cHCC-CCA: Consensus terminology for primary liver carcinomas with both hepatocytic and cholangiocytic differentation. Hepatology. 2018;68(1):113-126. PubMed
  2. Fowler KJ, Sheybani A, Parker RA, et al. Combined hepatocellular and cholangiocarcinoma (biphenotypic) tumors: imaging features and diagnostic accuracy of contrast-enhanced CT and MRI. AJR Am J Roentgenol. 2013;201(2):332-9. PubMed
  3. Nagtegaal ID, Odze RD, Klimstra D, et al. The 2019 WHO classification of tumours of the digestive system. Histopathology. 2020;76(2):182-188. PubMed
  4. Potretzke TA, Tan BR, Doyle MB, et al. Imaging Features of Biphenotypic Primary Liver Carcinoma (Hepatocholangiocarcinoma) and the Potential to Mimic Hepatocellular Carcinoma: LI-RADS Analysis of CT and MRI Features in 61 Cases. AJR Am J Roentgenol. 2016;207(1):25-31. PubMed
  5. Low G, Qian XJ, Ramji A, et al. An Updated Review of Combined Hepatocellular Cholangiocarcinoma: A Rare and Poorly Understood Neoplasm. Diagnostics (Basel). 2026;16(2):314. PubMed

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