びまん性星細胞腫(diffuse astrocytoma)
- 神経膠腫のなかで膠芽腫に次いで多い(28%)。
- 小児原発性脳腫瘍の中では19%を占め、最多。
- 成人の大脳半球と小児の脳幹に好発。
- 40-44歳が発生のピークで、小児期にも20%の発生を見る。
- 肉眼的なtotal removalはせいぜい20%程度。
- 組織学的にはWHO gradeⅡで、5年生存率は65%前後である。
- gradeⅡであるが、浸潤性に発育し、脱分化して退形成性星細胞腫(WHO gradeⅢ)、膠芽腫(WHO gradeⅣ)へと進行して行くことが多い。
- 3つの亜型があり、それぞれ臨床像が異なる。原線維性(fibrillary)が基本形。
画像所見
- 成人の大脳半球の皮質下白質に、境界明瞭な高信号域をT2強調像やFLAIR像で呈する。しばしば、周囲の脳実質に浸潤し、境界不明瞭。
- 軽度の容積効果を脳溝など周囲構造に示すが、造影増強効果は乏しい。(血液脳関門が保たれているから)
- 石灰化は少なく(15~20%)、腫瘍内出血は稀。
脳幹膠腫 Brain stem glioma
- 中脳、橋、延髄などから発生。橋に発生するものが大部分。
- 小児に好発 (平均年齢は7歳)
- 橋発生の多くはびまん性に浸潤。Grade Ⅱの星細胞腫が多い。
- 放射線治療が選択されることが多いが、予後不良。中脳や延髄発生では限局性のものが多く、比較的予後良好 。
画像所見
- T1強調像で低信号、T2強調像で高信号 、 造影効果は弱いか、もしくはみられない。
- 石灰化や出血は少ない。
- 画像診断のみで治療方針が決定される。
- 腫瘍組織を得ることが部位的に困難。典型的な画像所見が得られれば、組織学的確認なしに放射線治療などの治療方針が決定。
ご案内
腹部画像診断を学べる無料コンテンツ
4日に1日朝6時に症例が配信され、画像を実際にスクロールして読影していただく講座です。現状無料公開しています。90症例以上あり、無料なのに1年以上続く講座です。10,000名以上の医師、医学生、放射線技師、看護師などが参加中。
胸部レントゲンの正常解剖を学べる無料コンテンツ
1日3分全31日でこそっと胸部レントゲンの正常解剖の基礎を学んでいただく参加型無料講座です。全日程で簡単な動画解説付きです。
画像診断LINE公式アカウント
画像診断cafeの
LINE公式アカウントで新しい企画やモニター募集などの告知を行っています。
登録していただくと特典として、脳の血管支配域のミニ講座の無料でご参加いただけます。