フルニエ壊疽とはどういった病気なのでしょうか?

実は、死亡率も高く、非常に緊急性の高い疾患です。

今回は、そんなフルニエ壊疽の原因、画像診断についてまとめました。

Fournier壊疽(Fournier’s gangrene)とは?

研修医
フルニエ壊疽とは何でしょうか?
指導医
陰部に発生した壊死性筋膜炎のことです。
  • 50-60歳代の男性に多い。
  • 急速に進行して敗血症に至る予後不良な疾患で、死亡率は15-50%
  • 原因は、肛門周囲膿瘍、痔瘻、尿路感染、外傷、医原性(外科手術、血管造影)など。
  • ほとんどの例で好気性菌と嫌気性菌の混合感染。グラム陰性桿菌、連鎖球菌、ブドウ球菌、嫌気性連鎖球菌などによる。
  • 基礎疾患として、糖尿病患者に多い。他、アルコール依存、免疫低下状態、高齢者、長期入院者、栄養不良、悪性疾患、ステロイド使用者など。
  • 非常に進行の早い壊死性筋膜炎は感染性閉塞性動脈内膜炎に起因する。
  • 抗生物質投与と同時に、外科的デブリードマンを早急に行う必要があり、早期診断が重要となる。※ガス壊疽は1時間に1inch(2.54cm)進むと言われる。

  • 発症後12時間以内の手術→死亡率10%。
  • 発症後12時間以上経過→死亡率50%。
  • 発症後24時間以内の手術→死亡率を76%→12%に下げる。
    という報告あり。

 

関連記事)壊死性筋膜炎とは?治療は?

Fournier壊疽のCT画像所見

  • 会陰・陰嚢・陰茎・下腹壁・鼠径部・殿部などにX線もしくはCTでガス産生菌による皮下気腫を認める(90%以上)。ただし、早期例や起炎菌によっては明瞭なガスを伴わないことがあり、ガスがないことのみを根拠に否定してはならない。
  • 陰部の軟部組織の著明な腫脹や筋膜の肥厚を認める。
  • 会陰から鼠径部、下腹壁、内転筋群周囲、殿部へと筋膜連続性を意識して追跡することが重要。
  • 炎症波及による液体貯留、瘻孔、肛門周囲膿瘍、鼠蹊部のヘルニアなどをチェックする。

壊死性筋膜炎の診断基準

下記の1~6を満たすものをいう(Fisher,J R et al)

  1. 皮下を広がる広範な筋膜とその周囲の壊死であること
  2. 精神障害を来す中等度から重症の敗血症があること
  3. 筋肉が侵されないこと
  4. 創や血液の培養からClostridium sp.が同定されないこと
  5. 大血管の閉塞がないこと
  6. 病理組織検査で、高度な白血球浸潤や筋膜とその周囲の局所的壊死、微小血管の血栓の所見を認めること

症例 80歳代男性

臀部、会陰部、右鼠径管に沿って著明な皮下気腫を認めています。

右痔瘻に続発したフルニエ壊疽と診断されました。

参考文献:

  1. Leslie SW, et al. Fournier Gangrene. StatPearls. 2025.
  2. Ballard DH, et al. Fournier Gangrene in Men and Women: Appearance on CT, Ultrasound, and MRI and What the Surgeon Wants to Know. Radiographics. 2020.
  3. Levenson RB, et al. Fournier gangrene: role of imaging. Radiographics. 2008.
  4. Amendola MA, et al. Fournier’s gangrene: CT findings. Abdom Imaging. 1994.
  5. Singh A, et al. Fournier’s gangrene. A clinical review. Arch Ital Urol Androl. 2016.
  6. Schmid MR, et al. Differentiation of necrotizing fasciitis and cellulitis using MR imaging. AJR Am J Roentgenol. 1998.

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