溶骨性骨転移
- 転移性骨腫瘍の75%。造骨性が15%、混合型が10%。
- 肺癌、乳癌が多い。他多数。ただし、肝細胞癌、腎癌、甲状腺癌でも起こるので注意。
- 骨の30%以上が破壊されて初めて単純X線写真で描出される。
- 骨膨張性変化を生じることがあり、腎癌では隔壁を有する膨張性病変となることもある。(造骨型の膨張性変化を来すものとしては前立腺癌がある。)
- 原発性悪性骨腫瘍において、骨膜反応が高頻度に見られるのに比し、転移性骨腫瘍に骨膜反応が見られることは稀。
- 例外として、前立腺癌、消化器癌、小児の網膜芽細胞腫や神経芽細胞腫ではspiculationやsunburst typeの骨膜反応を認めることがあり、造骨型転移に伴うことが多い。
- 筋肉や筋膜などの軟部組織転移巣が骨化することがあり、骨転移巣に隣接して認めることもある。胃癌、結腸癌、膀胱癌、乳癌、肺癌などの報告あり。
- 骨外骨肉腫や外傷、熱傷後の骨化との鑑別が必要。
- 転移を生じた骨は脆弱となり、病的骨折を合併することがある。椎体の圧迫骨折や大腿骨近位部骨折、が多い。原発は乳癌が多い。
- 長管骨の病的骨折は骨皮質の50%以上が破壊された場合に生じると考えられている。
症例 70歳代 男性 腎癌術後
右第6肋骨に膨張性に発育する溶骨性腫瘤あり。
両側の腸骨にも同様の所見あり。
腎癌の多発骨転移と診断されました。
症例 60歳代 男性 腎癌術後
右7肋骨に溶骨性腫瘤あり。
手術にて腎癌の肋骨転移と診断されました。
症例 50歳代 男性 腎癌術後
左恥骨及び、椎体に溶骨性病変あり。
腎癌の骨転移と診断されました。
動画で学ぶ溶骨性骨転移の画像診断(腎癌術後)
椎体に溶骨性病変を認めています。
椎体骨に溶骨性病変を認めています。
転移性骨腫瘍を疑う所見です。
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