尿膜管遺残
・膀胱は下部尿膜管より形成される。そのため正常でも膀胱頂部は尿膜管の遺残があり、正中臍索(線維性の索状構造)として臍に向かう。
・しかし、出生時以降も尿膜管が残存することがあり、開存している部位により、
- 尿膜管開存(patent urachus)50%、
- 尿膜管洞(umbillical urachal sinus)15%、
- 尿膜管憩室(vesicourachal diverticulum5%)、
- 尿膜管嚢胞(urachal cyst)5%
の4つに分けられる。
・このうち、尿膜管洞、尿膜管憩室は感染を併発しやすいが、症状の有無は膀胱、臍との交通の有無にもよる。
・膀胱と交通している→膀胱炎症状、
・臍と交通している→臍からの膿流出など臍炎。
・交通のない場合は、下腹部痛、有痛性腫瘤、発熱などを主訴とする。
・成人では膀胱頂部に発生する尿膜管癌の発生に注意する。
症例 30歳代男性 尿膜管洞への膿瘍形成
臍直下に周囲脂肪織濃度上昇を伴う膿瘍形成あり。尿膜管洞への膿瘍形成を疑う所見。
症例 尿膜管洞への膿瘍形成
動画で学ぶ尿膜管洞
大変、参考になりました。有難うございました。