骨髄炎
病期分類
・病期1期:骨髄内の炎症。局所の痛み・圧痛・発熱を伴う。
・病期2期:骨髄の中に膿が貯まる。炎症は骨膜下まで及ぶ。
・病期3期:炎症が周囲軟部組織まで及ぶ。
・慢性骨髄炎とは半年以上持続する骨髄炎のこと。急性骨髄炎の20%が慢性骨髄炎に移行する。
・小児では、血行性に骨幹端に好発し、30%は腸骨など扁平骨に起こる。
・成人では、血行性に起こることは少なく、手術や外傷、軟部組織の感染に続発する。幼児や小にと比較して骨皮質の壊死や骨膜反応が少ない。しかし、慢性骨髄炎に移行しやすい。
画像診断
・急性骨髄炎で、単純X線写真の変化が明らかになるには2週間前後必要。骨破壊や骨膜反応が見られるようになる。慢性化すると、骨硬化性変化を認めるようになる。
・蛇行する骨溶解像は、ほぼ骨髄炎の確診所見と考えて良い。
・急性骨髄炎の早期診断には骨シンチかMRIを用いるのが有用。
・骨髄炎はMRIにて、急性骨髄炎は、炎症、浮腫、充血などを反映して、T1強調像で低信号、T2強調像・STIRで高信号、造影剤にて増強効果あり。
・ただし、加療後もこの信号は残ることが多いので注意する。
・急性期に診断・治療に遅れると、慢性骨髄炎へと伸展し、T1強調像・T2強調像ともに不整な低信号を示す骨硬化性変化が見られるようになる。ただし、慢性骨髄炎の中に活動性の病巣があれば、そこは急性期と同じ信号パターンを示す。
・慢性骨髄炎に特徴とされる、腐骨、骨柩、瘻孔はMRIでよく見られる。
・Brodie膿瘍は、慢性骨髄炎の特殊型。X線透過性の亜急性骨髄炎の病巣。
・亜急性期には、penumbra signと呼ばれる膿瘍腔を縁取る肉芽組織を反映して、T1WIで高信号の縁取りとして認められることあり。同部位は造影効果あり。( 感度75%,特異度90%以上)。ただし、同サインは骨嚢胞やランゲルハンス組織球症でも見られることあり。