アキレス腱炎、アキレス腱付着部炎、アキレス腱周囲炎
- 急性型と慢性型がある。
- 急性型では、ランニングや強い負荷により起こる。
- 自発痛、運動時痛、圧痛を主訴とする。
- 急性の過度のストレスでは断裂に至ることあり。
- 慢性的な経過により、いわゆるアキレス腱症となる。アキレス腱炎という名称ではあるが、実際は使い過ぎによる部分断裂を指す。
- 陳旧期には骨変化や石灰化を伴うことあり。
- 炎症所見がアキレス腱付着部に限局するとアキレス腱付着部炎となる。
- 腱傍組織に炎症が波及するとアキレス腱周囲炎となる。
- ただし、アキレス腱炎、アキレス腱付着部炎、アキレス腱周囲炎の鑑別は困難な場合も多い。
画像所見
- アキレス腱の局所的な肥厚。
- アキレス腱炎はアキレス腱内部にT2WIやSTIRにて異常高信号を認める。
- アキレス腱付着部炎では踵骨付着部に異常高信号や紡錘状の肥厚を認める。
- アキレス腱周囲炎では、アキレス腱の前方の傍組織(paratenon)に浮腫性変化を認める。
症例 50歳代女性 数年前より右踵の腫瘤、疼痛あり。
レントゲンでアキレス腱付着部に骨変化を認めています。
MRIではSTIRでアキレス腱の肥厚および付着部に異常高信号を認めています。また前方の傍組織にも異常高信号あり、アキレス腱付着部炎+アキレス腱周囲炎と診断されました。