放射線照射後
・数時間の細胞にみられるのは亜致死障害からの回復。潜在的致死障害からの回復。
※亜致死障害からの回復(SLD回復)=1回照射の線量を2回に分けると細胞生存率の上昇が起きる現象。
※潜在的致死障害の回復(PLD回復)=照射後環境変化で細胞生存率が上昇する現象。その環境とは低温、低栄養、低酸素状態など細胞が増殖しにくい状態。PLD回復は1時間以内に完了するものと、2−6時間で完了するものの2種類ある。
・再分布は10時間前後。
・再増殖は20時間くらい。
・再酸素化は24時間以内に起こるものが多い(分割照射中に起こる)
※分割照射に深く関係する4つのRにより正常細胞と癌細胞の障害に差が出る。
・回復(Recover)=上のSLD回復とPLD回復のこと
・再酸素化(Reoxygenation)=分割照射をすることにより腫瘍中心部の再酸素化が起こり、酸素効果により、放射線感受性が高まること。
・再分布、同調(Redistribution)=1回の照射で生き残ったS期の細胞(G2ブロック)が他の細胞周期に移行していくこと。
・再生(Regeneration)
照射後の環境条件
・エックス線照射後の細胞を低酸素状態にすると,通常の状態より細胞生存率が上昇する。
[deco_bg image=”marker-b” width=””]※ややこしいが、照射後に低酸素状態にしても酸素効果は期待できないが、潜在的致死損傷回復(PLD)は起こり、それにより生存率は上昇する。つまり、酸素効果による生存率は上昇しないが、PLDによる生存率は上昇する。[/deco_bg]
照射後の環境条件によって生存率の上昇が見られることがあり、潜在的致死損傷回復(PLD)と呼ぶ。 この条件は低栄養、低酸素、低pH、接触増殖阻害、定常増殖などの細胞を増殖抑制の起こる環境で、増殖抑制によって PLD を修復する時間が与えられることに依ると考えられている。細胞分裂が抑制され、その間に細胞はせっせと修復作業を行う。