放射線による細胞死
・増殖死(=分裂死)と間期死とに分類される。
増殖死(=分裂死)
- 照射後数回の細胞分裂後に死に至る。
- 巨細胞形成や細胞融合がみられる。
- 線維芽細胞での主要な細胞死の形態。
- 通常の線量(1-2Gy程度)で起こる。
間期死(=中間死):
- 放射線照射が原因で、次のM期に入ることなく、細胞が死ぬ。
- 1回も細胞分裂を経ることなく直ちにおこる細胞死。
- 原形質の融解が認められる。大線量照射が必要。
・アポトーシスとネクローシスとに分類される。
・線維芽細胞への低LET照射後はネクローシスによる細胞死が主。
・リンパ球でみられる高感受性間期死はアポトーシスである。
※放射線高感受性細胞でないとX線照射によるアポトーシスは起きない。線維芽細胞は比較的放射線抵抗性の細胞である。
・ネクローシスでは細胞膨化、細胞融解を伴う。
・アポトーシスでは細胞の縮小、クロマチンの凝集、DNA断片化が起こる。
・放射線高感受性細胞のアポトーシスには通常p53が関与している。