先に結論:脳挫傷とは・CT/MRIの見え方
- 脳挫傷は、頭を強く打ったときに脳の表面(皮質)が傷ついて、小さな出血とむくみが起こるものです。ぶつけた側の反対側(対側損傷)にも起こりやすく、前頭葉・側頭葉の底面(頭蓋底のでこぼこにこすれる場所)が好発部位です
- CTでは点状の白い出血(高吸収)とまわりの黒いむくみ(低吸収)が見えます。受傷直後のCTでは目立たず、数時間〜1日後に出血やむくみがはっきりしたり、広がったりすることがあるため、経過のCTが大切です
- MRIでは小さな挫傷もFLAIR・DWIで白く、出血はT2*強調像・SWIで黒く見え、CTより見つけやすいです。重いものでは血腫の手術が必要になり、後遺症としててんかんや高次脳機能障害が残ることがあります
※頭を打ったあと、頭痛・吐き気・ぼんやりする・手足の動かしにくさがあるときはすぐに受診してください。
脳挫傷(cerebral contusion)とは?
- 脳挫傷は表層を含めた皮質を中心に起こり、点状出血と脳浮腫が特徴。
- 点状出血は次第に融合する。
- 慢性期には壊死と萎縮瘢痕が残存する。
- 脳挫傷には衝撃側に起こる直接損傷(coup injury)と反対側に起こる対側損傷(contrecoup injury)がある。
- びまん性軸索損傷とは分けて述べられるが、びまん性軸索損傷の合併がある。
- 意識清明期(受傷後いったん意識が戻り、血腫の増大でその後悪化する経過)は急性硬膜外血腫に特異的ではなく、急性硬膜下血腫、脳挫傷、脳内血腫でも認められる。
- 重症例ほど遅発性てんかんになることが多い。頭部外傷後のけいれんの起こりやすさは、重症外傷で一般の17.0倍と高く、硬膜下血腫を伴う脳挫傷は危険因子の一つでした(Annegers 1998)。
関連記事)脳挫傷のまとめ
脳挫傷の好発部位は?
- 前頭葉や側頭葉の底部に好発する。前頭葉や側頭葉の底部の挫傷は前、中頭蓋窩の凹凸のある骨との衝突で起こる。

脳挫傷のCT、MRI画像診断は?
▶CT所見
- 超急性期には正常もしくは軽度の低吸収。
- CTでは外傷に伴う脳内出血があるところに脳挫傷があると考えればよいし、逆に脳挫傷があるところに脳内出血が起こっていると見ればよい。
- 直後に画像でわからなくても、急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫とともに、(数時間〜)1日後以降に点状に出血(高吸収)や浮腫(低吸収)が明瞭になる(salt and pepper)ことがある。出血性挫傷は受傷後数時間のうちに拡大したり、離れた部位に新たな出血が出現したりすることがあり、hemorrhagic progression of a contusion(HPC)と呼ばれます。二次性脳損傷の中でも重いものとされ、初回CTで小さくても再検査で確認することが大切です。保存的治療を開始した脳挫傷98例の検討では、45%がCTで30%以上の増大を示し、19%が手術を要しました。初回の挫傷の大きさと硬膜下血腫の合併が増大の予測因子でした(Alahmadi 2010)。
▶MRI所見
- 挫傷部(浮腫部)はT2強調像で境界明瞭な高信号、T1強調像では低信号。
- 血腫はT1強調像で等〜高信号、T2*強調像やSWIで低信号を呈する。
- 早期や小さな脳挫傷はDWIで高信号を呈する。
- 経過観察が必要。
※びまん性軸索損傷(DAI)の出血もT2*強調像やSWIで低信号を示す。DAIの場合は大脳皮質髄質境界、脳梁、基底核や脳幹部に好発する。
▶症例 60歳代男性 交通外傷

▶症例 30代男性 頭部外傷 受傷5日目のMRI

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参考文献
- Currie S, Saleem N, Straiton JA, et al. Imaging assessment of traumatic brain injury. Postgrad Med J. 2016;92(1083):41-50. PubMed
- Kurland D, Hong C, Aarabi B, et al. Hemorrhagic progression of a contusion after traumatic brain injury: a review. J Neurotrauma. 2012;29(1):19-31. PubMed
- Alahmadi H, Vachhrajani S, Cusimano MD. The natural history of brain contusion: an analysis of radiological and clinical progression. J Neurosurg. 2010;112(5):1139-45. PubMed
- Shetty VS, Reis MN, Aulino JM, et al. ACR Appropriateness Criteria Head Trauma. J Am Coll Radiol. 2016;13(6):668-79. PubMed
- Annegers JF, Hauser WA, Coan SP, et al. A population-based study of seizures after traumatic brain injuries. N Engl J Med. 1998;338(1):20-4. PubMed
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