精巣上体炎
- 急性陰嚢症を起こす疾患の1つ。
- もともと前立腺炎、尿道炎があり、精管・精索を介しての上行性感染によって引き起こされることが最も多い。
- 青年期では性交による感染から続発する。
- 起炎菌としては淋菌、クラミジア、マイコプラズマなどがある。
- 精巣上体は著明に腫大し、触れると激痛があり、局部の熱感と皮膚の発赤を認める。
- 発熱、悪寒に進展することが多い。
- 治療は早期に速やに抗生物質で加療。
- 重症化し、膿瘍形成や精巣炎を合併することがある。
精巣捻転と精巣上体炎の鑑別
精巣捻転症 | 精巣上体炎 | |
年齢 | 思春期〜40歳、時に新生児 | 20〜80歳 |
発症 | 急性 | 緩徐/亜急性 |
嘔気 | 伴う | 少ない |
疼痛 | 激痛 | 中〜重度 |
発熱 | なし | 多い |
尿検査 | 正常 | 多くは膿尿 |
精巣挙上すると | 疼痛持続 | 疼痛軽減 |
精巣の位置 | 上昇、横転のことあり。 | 正常 |
参考)泌尿器科疾患の緊急対応
精巣上体炎の画像所見
▶MRI所見
- 患側の精巣上体は腫大し、脂肪抑制T2強調像で高信号を呈し、著明な造影増強効果を呈する。
- 造影MRIにおいて、精巣の造影効果は正常であることが精巣捻転との大きな鑑別点。(精巣捻転では染まらない。)
こちらにも図や画像を用いて詳しくまとめました。→【MRI画像あり】精巣上体炎の原因や症状、治療法を徹底解説!
動画で学ぶ精巣上体炎の3症例
(症例1:10代男性、症例2:50歳代男性、症例3:20歳代男性)