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骨シンチグラフィによる骨転移の診断(Bone scan)

悪性(骨転移)を示唆する所見

①転移性骨腫瘍は骨髄で増殖するため、骨の長軸方向に進展しやすい。
※骨折は長軸に垂直に生じやすい。

②転移性骨腫瘍は骨の中に生ずる。
※変性性変化は関節面の両側に生ずる。

③転移性骨腫瘍は病変の中央よりも周辺の方に集積が強い(ドーナツ型)。
※他の原因によるものは中央部に集積が強い。 但し、前立腺癌の骨転移は例外である。

④骨転移の集積は、不均一な分布である。

⑤骨転移は、赤色骨髄の分布もしくは Batoson’s plexusの分布に一致する。但し、肺癌や胃細胞癌では例外がある。

症例 60歳代男性 前立腺癌

prostate cancer bone meta

骨シンチにて左第7肋骨に骨に沿って異常集積あり。同部位はCTにおいても骨硬化を示している。骨転移の所見。

症例 40歳代女性 腰痛。乳がん術後。

bone scan bone meta(放射線科診断専門医試験問題2010年73番より引用)

骨シンチにて肋骨の長軸に沿った異常な集積が散見される。転移性骨腫瘍を疑う所見。

症例 60 歳代の男性。腰痛を主訴に来院

multiple bone metastasis2007年放射線科診断専門医試験問題70より引用。

両側肩甲骨、肋骨、椎体、両側骨盤(特に左腸骨)、仙骨に限局性の異常な集積あり。長官骨の長軸方向に伸展を認めており、多発性骨転移を疑う所見。

骨シンチの注意点

・多くの骨転移巣は、骨シンチで集積の増加=hot spotとして表現されるが、場合により周囲よりも低集積=cold spotとなることがあるので注意が必要。

骨梁間型の骨転移は骨シンチでほとんど正常な所見を呈するので注意が必要。

びまん性に骨転移をきたした場合、一見正常所見と間違えることがある。これを、superscanあるいはbeautiful bone scanと呼ぶ。正常像との鑑別は、腎臓がきちんと描出されているか確認することである。(正常の場合は、腎臓は描出されて、superscanの場合は描出されない

症例 60歳代男性 前立腺癌

Superscan


参考症例 40歳代女性 高カルシウム血症の精査

hyperparathyroid(放射線科診断専門医試験問題2010年72番より引用)

高カルシウム血症への骨シンチで、びまん性の骨への集積の亢進を認め、腎臓の描出を認めていない(absent kidney sign)。副甲状腺機能亢進症が疑われる。

症例 10 歳の男児。腰痛。→正常所見。

bone scan2007年放射線科診断専門医試験問題72より引用。

成長期の小児では、骨成長端でmineral turnoverが亢進し、骨端で集積が強くなる。正常の所見。

骨シンチ画像を見ただけで直ちに診断できるもの

Sternocostoclavicular hyperostosis (SAPHO syndrome)
症例 46 歳の女性。乳癌の全身検索のため骨シンチグラフィ。

SAPHO syndrome2005年放射線科診断専門医試験問題73より引用。

骨シンチグラムにて、左右の鎖骨および胸骨に集積亢進を認めており、牛頭の形(bull’s head pattern)の所見。SAPHO症候群を疑う所見。

Insufficiency fracture脆弱性骨折

特に骨盤で見られ、低栄養、骨粗鬆症、放射線治療などが原因で脆弱化した骨が、日常的な外力により骨折に陥るもの。シンチで、H字型の集積増加がみられるのが特徴で、HONDAサインと呼ばれる。

症例 70歳代女性

Insufficiency fracture

仙骨にHondaサインあり。不全骨折(脆弱性骨折)を疑う所見。右恥骨にも集積あり。

症例 86 歳の男性。腰痛のため,骨シンチグラフィ施行。

Insufficiency fracture2006年放射線科診断専門医試験番号70より引用。

仙骨にHondaサインを認めており、不全骨折(脆弱性骨折)を疑う所見。それ以外にも、両肋骨に微小骨折、胸椎の圧迫骨折を認めている、背景に骨粗鬆症があると考えられる。

症例 80 歳の女性。乳癌による乳房切除術後。誘因なく腰痛が出現。

insufficiency fracture12005年放射線科診断専門医試験問題18より引用。

MRIでは左右仙骨翼に縦走する骨折線をあり、骨シンチにて特徴的なHondaサインを認めており、これから脆弱性骨折疑い。

Hypertrophic osteoarthropathy肥厚性骨関節症

肺癌によることが多い。プロスタグランジンの代謝異常に起因するといわれている。骨シンチで、上下肢、特に脛骨の骨幹に沿ったびまん性の集積増加が特徴。→肥大性骨関節症の症状、骨シンチ画像診断

症例 50歳代男性 肺癌

Hypertrophic osteoarthropathy1

骨シンチとFDG PETの比較

FDG-PETは溶骨性の骨転移の診断により有用。骨シンチよりも特異度が高い(骨シンチは偽陽性が多い)

骨シンチは造骨性の骨転移の診断により有用。

・乳癌の場合は、溶骨性、造骨性両方あり、むしろ溶骨性が多いので、シンチのみでは転移なしと断定はできない。

・また溶骨性転移でも骨シンチで集積することあり、これは溶骨周囲に反応性の造骨があるから。

・CTでは溶骨性、造骨性ともに判定可能。ただし、難しい症例もかなりの割合あり。

骨シンチ FDG PET
偽陽性 変性、骨棘 炎症
偽陰性 溶骨性転移
びまん性転移
膀胱の近傍
造骨性転移
脳や膀胱の近傍
特徴 感度が高い 特異度が高い
症例 40歳代女性 乳癌

scinti

症例 50歳代女性 乳癌

scinti1

参考)骨シンチの Computer Assiated Diagnosis

・BoneNavi®は前立腺癌では予後因子として使える。

参考)骨シンチによる変性性石灰化への集積

・組織変性部位にCaのoverloadが起こる→Ca沈着部位に集積。

・横紋筋融解症、筋挫滅、脳梗塞、心筋梗塞、腫瘍壊死など。

症例 50 歳代の男性。両肩の痛み。

bone scan

2013年放射線科診断専門医試験問題80より引用。

横紋筋に集積が見られる。急性腎不全の原因となる横紋筋融解症の診断には、骨シンチが有用。

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