医師・医学生のみなさんに、こんなアンケートをお願いしました。

仕事の合間や通勤中、気分転換したいときに聴きたくなる曲があれば教えてください。
曲名/アーティスト名と、その理由もぜひ。

その結果、かなり面白い回答が集まりました。

医師・医学生と聞くと、なんとなくクラシックとかジャズとかを優雅に聴いていそうなイメージがあるかもしれません。

しかし実際の回答を見ると、かなり人間味があります。

通勤中にテンションを上げたい人。
国試前に聴いていた曲を今も聴いている人。
当直明けに心を無にしたい人。
ライブの思い出を抱えている人。
失恋、受験、コロナ禍、部活、家族、子どもとのドライブ。

もはや「お気に入りの一曲」というより、人生のBGM集でした。

今回は、アンケート回答のうち、医師・研修医・医学生のみを抽出し、無回答や「特になし」などを除外。さらに、明らかな重複回答を整理したうえで、1,432件を対象にランキング化しました。

自由記述のため、表記ゆれはできる範囲で整理しています。
たとえば「ミセス」「Mrs.Green Apple」「Mrs. GREEN APPLE」は同じアーティストとして集計しました。

医師・医学生に人気だったアーティストランキング

まずは、アーティスト名が判定できた回答を中心にランキング化しました。

順位 アーティスト 回答数
1位 Mrs. GREEN APPLE 63
2位 Mr.Children 50
3位 サカナクション 41
4位 27
5位 米津玄師 24
6位 back number 21
7位 Vaundy 20
7位 藤井風 20
9位 YOASOBI 18
10位 ヨルシカ 17
10位 BUMP OF CHICKEN 17
12位 King Gnu 16
13位 HANA 14
13位 スピッツ 14
13位 ONE OK ROCK 14
16位 サザンオールスターズ 13
17位 宇多田ヒカル 12
18位 あいみょん 10
18位 RADWIMPS 10
18位 Official髭男dism 10

1位でも63票なので、「思ったより少ない?」と思うかもしれません。
しかし、これは人気が弱いというより、自由記述の回答がとにかくバラけたためです。

医師・医学生のプレイリスト、かなり多様です。
当直室でシャッフル再生したら、ミセスの次にバッハ、その次にHANA、その次にサザンが来る可能性があります。情緒が救急外来くらい忙しいです。

1位:Mrs. GREEN APPLE

1位は Mrs. GREEN APPLE でした。

「ミセス」「Mrs.Green Apple」「Mrs. GREEN APPLE」「ミセスグリーンアップル」など表記はいろいろでしたが、まとめると最多票でした。

曲名では「ライラック」「lulu.」「ケセラセラ」「ダンスホール」「Soranji」「ニュー・マイ・ノーマル」などが挙がっていました。

全体的に、朝の通勤、疲れたとき、気分を上げたいときに聴いている人が多い印象です。
医師・医学生にとってミセスは、もはや音楽というより、出勤前の点滴です。内服でも可。

回答者の声

すけさん・医師2年目
「我逢人 / Mrs. GREEN APPLE」
人に対して好きだとか嫌いだとか沢山思う中で、優しさで自分が傷ついたり、救えなかったりもすることを歌っている曲です。子どもたちを支援するボランティアをしていた時に、自分の力だけでは救えないことに苦しんだ時、この曲が心を癒やしてくれました。

匿名さん・研修医
「lulu. / Mrs. GREEN APPLE」
国試直前期に聞いていました。当時の緊張感や挑戦心、医師になることへの意気込みを思い出して、医師となった今も頑張ろうと思えます。「初心忘るべからず」でこれからも頑張っていきたいです。

まりもいちさん・医師1年目
「ニュー・マイ・ノーマル / Mrs. GREEN APPLE」
気分新しく1日を始められるような気がする曲なので、ことあるごとに聞いています。車の中で聞くことも多いです。

「国試直前期に聴いていた曲を、医師になってからも聴く」というコメントはかなり良いですね。
曲を聴くたびに、あの頃の緊張感、眠気、焦り、そして少しの希望が戻ってくる感じがあります。

2位:Mr.Children

2位は Mr.Children でした。

ミスチルは、世代を問わず強いです。
「終わりなき旅」「HANABI」「彩り」「Again」「innocent world」など、曲名もかなり幅広く挙がっていました。

医師・医学生の回答を見ると、ミスチルは特に 受験、国試、人生の節目 と結びついている印象があります。

ミスチルは音楽界のロングセラー薬剤です。
効能効果:落ち込んだ時、疲れた時、人生がやや曇った時。
用法用量:通勤中、車内、国試直前、必要時。

回答者の声

ゆかさん・医学生6年目
「終わりなき旅 / Mr.Children」
歌詞が国試勉強している状況と重なって励まされるから。

akira0623さん・医師1年目
「Again / Mr.Children」
国試期間の最後の追い込み時期にリリースされ、勉強中に聞いていました。

医医医ー医・医ー医医さん・医学生5年生
「HANABI / Mr.Children」
医学部の受験でしんどかった頃、この曲を聴いてコードブルーの山Pみたいな医者になるぞと自分を鼓舞していました。

コードブルーの山Pを目指して医師になる。
これはかなり正しい医学生の原動力です。多分、全国に一定数います。

3位:サカナクション

3位は サカナクション でした。

「新宝島」「ミュージック」「ユリイカ」「アルクアラウンド」「Aoi」「忘れられないの」「夜の踊り子」などが挙がっています。

サカナクションは、ただテンションを上げるというより、少し頭を整理したいときや、静かに気分を切り替えたいときに選ばれている印象でした。

医療者の脳内は、日々タスクが多すぎます。
病棟、外来、検査、レポート、指示、申し送り、カンファ、そして謎の書類。
そこにサカナクションを流すと、ちょっとだけ脳内のUIが整うのかもしれません。

回答者の声

あにんさん・医師1年目
「ユリイカ / サカナクション」
サカナクションの他の曲にも共通して言えることですが、聴くと落ち着きます。聴くマインドフルネスに近いかもですね。

タキケンさん・医師1年目
「アルクアラウンド / サカナクション」
通勤時、気合いを入れるために聞いています。

ranmaruさん・医学生5年目
「ミュージック / サカナクション」
落ち着きたいときに聴きたくなります。

「聴くマインドフルネス」という表現がかなりしっくりきます。
サカナクションは、医療者の交感神経を少しだけ人間側に戻してくれるのかもしれません。

4位:嵐

4位は でした。

「Five」「Happiness」「サクラサケ」「Troublemaker」「ファイトソング」などが挙がりました。

嵐は、単に元気が出るというだけでなく、学生時代の思い出や受験期の記憶と結びついている回答が目立ちました。

医師・医学生にとって、嵐は「青春の保存フォルダ」みたいな存在なのかもしれません。
開くと、なぜか受験期の自分が出てきます。

回答者の声

ぽんすけさん・医師1年目
「Five / 嵐」
学生時代から大好きな嵐。活動休止は寂しいですが、休憩中に曲を聴いていると当時の思い出が蘇ってきて、とても懐かしい気持ちになります。

kさん・医師1年目
「サクラサケ / 嵐」
高校受験、大学受験、国家試験受験の前によく聴きました。

匿名さん・医学生
「嵐のHappiness」
嵐の最終ライブをニュースで見て、それから朝の登校時間に聞くようになりました。元気が出て、今日も頑張ろうと思えます。

「高校受験、大学受験、国家試験受験の前によく聴いた」というコメント、すごいですね。
人生の関所を全部嵐で突破しています。もはや縁起物です。

5位:米津玄師

5位は 米津玄師 でした。

「IRIS OUT」「Jane Doe」「LADY」などが複数挙がっています。
映画やアニメをきっかけに好きになったという回答もありました。

米津玄師の曲は、テンションを上げるだけでなく、少し沈んだ気分や、言葉にしにくい感情にフィットする感じがあります。

医師・医学生の生活は、わりと感情を後回しにしがちです。
そんなときに米津玄師を聴くと、放置していた感情が急にカルテ開示されることがあります。

回答者の声

もぐもぐさん・医師10年目
「LADY / 米津玄師」
耳に残って、つい口ずさんでしまう曲。モヤモヤが晴れていく感じ。

yさん・医師12年目
「IRIS OUT / 米津玄師」
Apple Musicでランキングに入っていて、通勤中によく聴いています。

たたたさん・医師6年目
「JANE DOE」
勉強中に永遠にループすると落ち着く曲のため。

「勉強中に永遠にループすると落ち着く」というのは、医師・医学生あるあるですね。
同じ曲を流し続けることで、脳を作業モードに固定する。音楽というより、集中環境の一部です。

6位:back number

6位は back number でした。

「水平線」「SISTER」「高嶺の花子さん」などが挙がりました。

back numberは、医師・医学生の回答の中でも、特に 思い出、受験、通勤、コロナ禍 と結びついている印象でした。

back numberの曲は、疲れているときに聴くと刺さります。
刺さるのですが、刺さり方がやさしいです。
採血でいうと、上手い人の針です。

回答者の声

nanaさん・医師6年目
「水平線 / back number」
コロナ禍で、6年続けた部活のイベントができなかったこと、卒業旅行に行けなかったこと、人生のイベントができなかったこと、いろいろ思い出します。

かすみさん・医師2年目
「SISTER / back number」
受験のしんどい時に聞いたのと、歌詞の内容が頑張る人に向けたもので共感できるから。

Dr Rさん・医師1年目
「SISTER / back number」
重くも軽くもなく、通勤時にちょうどいい塩梅の曲だから。

「通勤時にちょうどいい塩梅」という表現が良いですね。
朝から重すぎても困る。でも軽すぎても心に入ってこない。back numberはその中間を攻めてきます。

7位:Vaundy

同率7位は Vaundy でした。

「怪獣の花唄」「灯火」「踊り子」「呼び声」などが挙がっています。

Vaundyは、通勤中に気分を上げたい、ライブで好きになった、前向きになりたい、という回答が目立ちました。

医師・医学生の通勤曲としてVaundyはかなり相性が良さそうです。
朝の駅、眠い顔、片手にコーヒー、耳にはVaundy。
この時点ではまだ人間です。病院に着いてからが勝負です。

回答者の声

ルクラさん・医師1年目
「呼び声 / Vaundy」
ライブで聴いて好きになりました。悩みごとなどを抱えた時に聴きます。

しおんさん・医師1年目
「灯火 / Vaundy」
思うようにいかないこともある日々の中で、それでも前を向いて未来に向かって歩もうとする歌詞に勇気づけられます。

さばさん・医師2年目
「怪獣の花唄 / Vaundy」
通勤の時のやる気が出ます。

「通勤の時のやる気が出る」は非常に重要です。
医療者にとって、出勤前にやる気が1ミリでも出る曲は、だいたい名曲です。

7位:藤井風

同じく7位は 藤井風 でした。

「きらり」「帰ろう」「花」「もうええわ」などが挙がっています。

藤井風は、テンションを上げるというより、気持ちを整える、落ち着かせる、やわらかくするという回答が多い印象でした。

医療現場では、いろんなことがあります。
ムカつくこと、落ち込むこと、うまくいかないこと、理不尽なこと。
そんな時に「もうええわ」と言ってくれる存在は大事です。しかも歌が上手い。

回答者の声

shawさん・医師1年目
「もうええわ / 藤井風」
ムカつくことがあっても気持ちが落ち着けるから。

大木聡也さん・医学生5年目
「帰ろう / 藤井風」
気持ちを落ち着かせたいときによく聞きます。

ヴラディレーナ・ミリーゼさん・医学生
「花 / 藤井風」
音や歌詞が魅力的。やむを得ず祈りたいとき、内なる花を探したいときに聴きます。

「やむを得ず祈りたいとき、内なる花を探したいとき」というコメント、かなり文学的です。
医学生の感受性、侮れません。

9位:YOASOBI

9位は YOASOBI でした。

「群青」「夜に駆ける」「勇者」「アンコール」などが挙がりました。

YOASOBIは、テンポの良さ、歌声、アニメや作品とのつながり、そして「頑張る自分」との重なりで選ばれている印象です。

特に「群青」は、医師・医学生の中でかなり強く刺さっている回答がありました。
単なる応援歌ではなく、もがいている人の側に立ってくれる曲として受け止められていました。

回答者の声

まむろさん・医師1年目
「群青 / YOASOBI」
頑張れ、と傍観者の立場から応援する歌はいくつもありますが、この曲は当時必死にもがいていた自分の心をそのまま表してくれた曲でした。プレッシャーで潰されそうな時や、頑張るぞと気合いを入れたいときに聞いています。

しろたんさん・医師1年目
「夜に駆ける / YOASOBI」
テンポが良くて気分転換にちょうどよく、通勤中や作業の合間によく聴いています。サビの盛り上がりが印象的で、自然と気分が上がるところが好きです。

ニアさん・医師1年目
「勇者 / YOASOBI」
好きなアニメ『葬送のフリーレン』のオープニングだからです。出勤前の散歩の際によく聞きます。

「出勤前の散歩でYOASOBI」はかなり健康的です。
その生活習慣、見習いたいです。少なくとも寝起きでスマホを見て絶望するよりは良いです。

10位:ヨルシカ

同率10位は ヨルシカ でした。

「晴る」「ただ君に晴れ」「春泥棒」などが挙がっています。

ヨルシカは、透明感、切なさ、季節感、ドライブとの相性で選ばれている印象でした。

医師・医学生は、普段かなり現実的な世界にいます。
検査値、画像、病歴、処方、手技、書類。
そこにヨルシカを流すと、少しだけ季節が戻ってきます。

回答者の声

なちょさん・医師1年目
「ただ君に晴れ / ヨルシカ」
アップテンポなリズム、明るい旋律、透明感のある歌声、それでいながらどこか切ない歌詞が夏のひとりドライブにぴったりです。

いるかさん・医師2年目
「晴る / ヨルシカ」
心機一転頑張っていこうと思った今年の春先の心情にぴったりだと思ったので、よく聴いています。

たろうさん・医師2年目
「春泥棒 / ヨルシカ」
春に聴きたくなります。春の出会いと別れを桜になぞらえていて心に残ります。

ヨルシカの回答は、全体的に文章がきれいでした。
曲がそうさせるのか、ヨルシカを聴く人がそうなのか。おそらく両方です。

10位:BUMP OF CHICKEN

同じく10位は BUMP OF CHICKEN でした。

「天体観測」「supernova」「流れ星の正体」「GO」などが挙がりました。

BUMPは、単に元気を出すというより、つらい時期に寄り添ってくれる曲として選ばれている印象です。

BUMPを聴くと、ふだん忙しさで閉じていた感情のフォルダが勝手に開くことがあります。
しかも、だいたい深夜か帰り道です。危険です。でも良いです。

回答者の声

そもじょうさん・医師1年目
「流れ星の正体 / BUMP OF CHICKEN」
ふとした節目に星を見ながら聞いたりします。悩んでいることがちっぽけに感じたり、これからいいことがあるかもって思えます。

プルキンさん・医学生4年目
「supernova / BUMP OF CHICKEN」
辛いことがあった時に聞いています。恵まれた環境にいることを忘れないように。

まるこさん・医師1年目
「BUMP OF CHICKEN」
通勤時に聞いて、1日頑張ろうと思える曲が多いです。

BUMPは、医師・医学生の「何とか今日もやっていく」気持ちに寄り添っている感じがします。
派手に励ますというより、隣に座ってくれるタイプです。

曲名ランキングも見てみました

続いて、曲名単位でも集計してみました。
ただし、自由記述なので、曲名だけの回答、アーティスト名だけの回答、表記ゆれなどがあり、曲単位ではかなり票が割れています。

順位 曲名 アーティスト 回答数
1位 ライラック Mrs. GREEN APPLE 8
1位 HANABI Mr.Children 8
3位 終わりなき旅 Mr.Children 7
4位 IRIS OUT 米津玄師 6
4位 lulu. Mrs. GREEN APPLE 6
4位 怪獣 サカナクション 6
4位 Five 6
8位 Jane Doe 米津玄師 5
8位 ケセラセラ Mrs. GREEN APPLE 5
10位 ROSE HANA 4
10位 ミュージック サカナクション 4
10位 Again Mr.Children 4
10位 彩り Mr.Children 4
10位 ロビンソン スピッツ 4
10位 水平線 back number 4
10位 怪獣の花唄 Vaundy 4

曲名単位で見ると、「ライラック」と「HANABI」が同率1位でした。

ただ、1位でも8票です。
つまり、医師・医学生の好きな曲はめちゃくちゃ分散しています。

これはむしろ面白いポイントです。

誰かにとっては国試前の曲。
誰かにとっては通勤の曲。
誰かにとっては失恋の曲。
誰かにとってはライブで好きになった曲。
誰かにとっては当直明けに心を戻す曲。

同じ「お気に入りの一曲」でも、背景が全然違いました。

少数派だけど印象に残った回答

ランキング上位には入りませんでしたが、自由記述ならではの面白い回答もたくさんありました。

このあたりが、アンケート記事のいいところです。
ランキングだけを見ると「やっぱりミセス強い」「ミスチルは永遠」となりますが、少数派の回答を見ると、その人の人生や世代、勉強していた時期、家族との思い出まで見えてきます。

naoさん・医学生6年目
「stereo hearts / Gym Class Heroes」
マッチングから国試まで聴いていたから。

医学生らしい回答です。
「マッチングから国試まで」という期間指定が、もうかなりリアルです。
その時期に聴いていた曲は、医師になってからもただの曲ではなくなります。イントロだけで、あの頃の焦りと眠気が戻ってきそうです。

mayumiさん・医師20年目
「Perfect / Ed Sheeran」
穏やかになりたい時に聴きます。

これは非常にわかります。
医療現場で一日働いていると、穏やかでいること自体がすでに高度な技術です。
Ed Sheeranを処方したくなる日、あります。

まささん・医師40年目
「揺れる想い / ZARD」
melodyが好きです。

40年目の医師からZARD。
この一文だけで、世代の空気がふっと出ます。
「melodyが好き」という短いコメントも良いです。理由はこれくらいシンプルでいいのかもしれません。

mmofさん・医師1年目
「I Got Rhythm / ガーシュウィン」
クラシック、ジャズが好きだから。国試受験時にずっと聴いていました。

ガーシュウィンを国試中に聴いていた医師。
一気にプレイリストの偏差値が上がります。
国試直前期に同じ曲を繰り返し聴くのは、医学生あるあるかもしれません。曲というより、集中するためのスイッチですね。

ようかんさん・医師1年目
「Organ Prelude and Fugue in A minor, BWV.543 / Bach, Liszt」
バッハのパイプオルガン曲をリストがピアノ演奏向けに編曲したクラシック音楽です。国試の直前に何度も繰り返し聴いていました。

急に本格派が来ました。
曲名の情報量が、すでに論文タイトルくらいあります。
ただ、国試直前にバッハを繰り返し聴くというのは、かなり美しいです。焦りを整えるための音楽として、クラシックはやはり強いですね。

モサムさん・医師30年目
「My Wild Irish Rose / Keith Jarrett」
忙しいときに短い休息をとっているときに聴くと気持ちが落ち着きます。

このコメント、かなり味があります。
「短い休息をとっているとき」というところが医師らしいです。
長い休みではなく、短い休息。その数分に音楽を入れて、気持ちを戻す。大人の選曲です。

ムクムクさん・医師1年目
「MARIONETTE / BOØWY」
親が聞いていて自然と。

親の影響でBOØWY。
こういう回答もいいですね。自分で選んだようで、実は家族の音楽が体に残っている感じがあります。
医師1年目がBOØWYを聴いているというギャップも、なかなか良いです。

keiさん・医師30年目
「Beat It / Michael Jackson」
当時田舎高校生だった私にとって、歌もダンスもすべてがかっこよくて憧れました。

これはコメントが強いです。
「田舎高校生だった私にとって」という一言で、当時の衝撃が伝わってきます。
音楽は、その時代の自分にとっての“外の世界”だったりしますよね。

Rogerさん・医師30年目
「スローモーション / 中森明菜」
中森明菜のファンだったから。入浴中など。

入浴中に中森明菜。
急に生活感が出て、かなり良いです。
医師も家に帰れば、風呂で好きな曲を聴く普通の人間です。

TTさん・医師2年目
「ダンソン第二番」
ラテン系の曲としていいなと思ったから。勉強してる時などに聞きます。

この回答はかなり個性的です。
勉強中にラテン系の曲を聴く医師2年目。
静かなピアノでも、Lo-fiでもなく、ラテン。集中方法は人それぞれです。

ニノマエさん・医学生6年目
「鋼鉄ノ鳥 / 綿飴」
疾走感が最高。

ボカロ系の回答もありました。
「疾走感が最高」という短いコメントが、むしろ説得力があります。
医学部の勉強は長距離走ですが、時には疾走感で無理やり前に進む日もあります。

りささん・医師1年目
「Cheers to youth / SEVENTEEN」
疲れている時に聞くと頑張ろうと思える歌詞、曲調だから。

K-POPからの回答もありました。
疲れているときに「もう少し頑張ろう」と思わせてくれる曲は、医療者にとってかなり大事です。
栄養、睡眠、カフェイン、そして推しの曲です。

匿名さん・研修医
「Thanks for the Memories / Fall Out Boy」
曲調が出撃のような雰囲気で好きです。通勤中に聞いています。

「出撃のような雰囲気」という表現が最高です。
通勤というより、もはや病院への出陣です。
研修医の朝には、それくらいのBGMが必要な日もあります。

匿名さん・内科医
「ろくでなし / 越路吹雪」
なつかしい。

最後に越路吹雪。
この一言だけで十分です。
「なつかしい」という理由は、音楽においてかなり強い理由です。曲は記憶の保存媒体でもあります。

ランキング上位の曲は、多くの人に刺さる強さがあります。
一方で、こうした少数派の回答には、その人だけの時間や記憶が濃く出ます。

国試前に聴いていた曲。
親の影響で覚えた曲。
高校生の頃に衝撃を受けた曲。
短い休憩時間に気持ちを落ち着かせる曲。
通勤中に自分を出撃モードにする曲。

こういう回答を見ていると、医師・医学生のプレイリストは単なる音楽リストではなく、かなり個人的な人生のメモのようにも感じます。

まとめ:医師・医学生のプレイリストは、思ったより人間味がすごい

今回、医師・医学生1,432件の「お気に入りの一曲」を集計したところ、アーティストランキング1位は Mrs. GREEN APPLE でした。

続いて、Mr.Children、サカナクション、嵐、米津玄師、back number などが上位に入りました。

一方で、曲名単位ではかなり票が割れており、1位でも8票。
つまり、医師・医学生の音楽の好みはかなり多様でした。

ただ、回答を読んでいると、共通点もあります。

医師・医学生は、音楽を単なる娯楽としてだけでなく、

  • 通勤前に気合いを入れるため
  • 勉強や国試の記憶を思い出すため
  • 疲れた心を落ち着かせるため
  • 仕事終わりに人間に戻るため
  • つらかった時期を乗り越えた記憶として

聴いている人が多いようでした。

白衣のポケットには、聴診器、PHS、ペン、メモ帳。
そして見えないところに、それぞれの人生のBGMが入っているのかもしれません。

医療者は、今日もいろんな曲を聴きながら、なんとか病院に向かっています。
とりあえず出勤前にミセス。
落ち込んだらミスチル。
脳内を整えたい時はサカナクション。
限界が来たら藤井風に「もうええわ」と言ってもらいましょう。

それで今日も、なんとかやっていきましょう。

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