直腸後方の嚢胞性病変
・比較的稀。
・大部分は先天性嚢胞。
・類表皮嚢胞(epidermoid cyst)、類皮嚢胞(dermoid cyst)、腸管嚢胞(enteric cyst)、神経腸管嚢胞(neurenteric cyst)が含まれる。
・腸管嚢胞は、尾腸嚢胞(tailgut cyst)と腸管重複嚢胞(duplication cyst)に分けられる。
・他、仙尾骨奇形腫(sacrococygeal teratoma)、仙骨髄膜瘤(sacral meningocele)など。
尾腸嚢胞(tailgut cyst)
・尾腸嚢胞(tailgut cyst)は一般的に退行し消失するものが遺残しているもの。別名retrorectal cystic hamartoma。
・好発年齢35歳前後で女性に多い。
・半数は無症状で偶然発見される。
・症状がある場合は、直腸圧排による便秘、排便時痛、下腹部痛など。
・合併症は、慢性感染症、直腸出血、悪性腫瘍。
・7%程度に悪性腫瘍を合併する。
・仙骨前方、直腸背側に薄壁を有する単房もしくは多房性嚢胞として認められる。内部は、漿液性〜粘液性。
後腹膜嚢胞性病変の鑑別診断
- 先天性嚢胞
- 嚢胞性リンパ管腫(cystic lymphangioma)
- 嚢胞性中皮腫(cystic mesothelioma)
- 仮性嚢胞
- 粘液性嚢胞腺腫(稀だが悪性化の可能性あり)