勤務医の年末調整のポイント

毎年11月ごろになると、勤務先から年末調整の書類が配られます。常勤とバイトをかけ持ちしている医師は、年末調整のしくみを知っておくと、その後の確定申告がスムーズになります。このページでは、勤務医が年末調整で気をつけたいポイントをまとめました。

結論:年末調整は常勤先だけ。バイト分は確定申告で精算

  • 「扶養控除等申告書」を出せるのは1か所(主な勤務先)だけ
  • 年末調整は、その勤務先の給与だけが対象。バイト先の給与は含まれない
  • 保険料控除などは年末調整で出しておくと、確定申告で入力する手間が減る
  • 2026年分は基礎控除の改正が年末調整で精算される

年末調整とは

年末調整は、勤務先が毎月の給与から引いてきた所得税を、1年分の正しい税額に合わせて精算するしくみです。生命保険料や地震保険料、iDeCoの掛金などの控除も、ここで反映できます。

勤務医が出す主な書類

書類 内容
扶養控除等(異動)申告書 主な勤務先1か所にだけ出す。家族の扶養の情報など
基礎控除申告書など(まとめた様式) 本人の所得の見積額。所得が高いと基礎控除が減る
保険料控除申告書 生命保険料・地震保険料・iDeCoの掛金など
住宅借入金等特別控除申告書 住宅ローン控除を受ける人(2年目以降)

かけ持ちの医師が気をつけたいこと

1. 扶養控除等申告書は1か所だけ

扶養控除等申告書を出した勤務先の給与は「甲欄」、出していないバイト先の給与は「乙欄」で源泉徴収されます。2か所以上に出してはいけません。くわしくは医師バイトの源泉徴収と手取りをどうぞ。

2. バイト分は確定申告で精算

年末調整は常勤先の給与だけが対象です。バイト先の給与は年末調整されないので、翌年の確定申告で、すべての給与を合わせて精算します。年末調整されなかった給与の収入が年20万円を超えると、確定申告が必要です。手順は医師の確定申告のやり方をどうぞ。

3. 所得の見積りは「バイトを含めた合計」で

基礎控除は、合計所得金額によって額が変わり、合計所得が2,350万円を超えると減り始め、2,500万円を超えると0円になります。年末調整の書類に書く所得の見積りは、バイトなどを含めた合計で考えましょう。最終的には確定申告で正しく精算されます。

4. 年末調整で出せない控除は確定申告で

医療費控除、ふるさと納税の寄附金控除(確定申告をする人)、1年目の住宅ローン控除などは、年末調整では受けられません。確定申告で申告しましょう。ふるさと納税は医師のふるさと納税をどうぞ。

2026年分の改正のポイント

令和8年度の税制改正で、基礎控除や給与所得控除の最低保障額が引き上げられ、2026年12月の年末調整で精算されます。合計所得が2,350万円を超える人は基礎控除の改正の対象外です。くわしくは国税庁の「年末調整のしかた」で確認しましょう。

まとめ

年末調整は主な勤務先1か所の給与だけが対象です。保険料控除などは年末調整で出しておき、バイト分や医療費・ふるさと納税は確定申告で精算する、と分けて考えるとスムーズです。

参考資料

最終更新:2026年10月