「バイト先の病院が保険に入っているから大丈夫」と思っていませんか。医療事故で責任を問われるのは、病院だけでなく医師個人のこともあります。このページでは、勤務医やバイトをする医師が知っておきたい医師賠償責任保険(医賠責)の考え方をまとめました。
結論:バイトをする医師は、個人の医賠責に入っておくのが安心
- 医療事故では、病院だけでなく医師個人が損害賠償を求められることがある
- 病院が入っている保険(病院賠償責任保険)で、医師個人まで守られるとは限らない
- 常勤先以外で働くバイトでは、補償の範囲がさらにわかりにくくなる
- 個人で入る医賠責で、どこで働いても自分を守れるようにしておく
医療事故で責任を問われるのは誰?
医療事故が起きたとき、患者さんやご家族は、病院(開設者)に対して損害賠償を求めることも、診療した医師個人に対して求めることもできます。実際に、病院と医師の両方が訴えられることもあります。
| 保険 | 守るもの |
|---|---|
| 病院賠償責任保険 | 主に病院(開設者)の賠償責任。勤務医個人がどこまで補償されるかは契約による |
| 勤務医賠償責任保険(個人の医賠責) | 医師個人の賠償責任。勤務先が変わっても、契約の範囲で補償される |
バイトをする医師が特に注意したい理由
- 勤務先ごとに保険の内容が違う:バイト先の病院がどんな保険に入っていて、バイトの医師まで補償されるかは、病院によって違います。
- 慣れない環境で働く:初めての病院、知らない患者さん、使い慣れない電子カルテなど、リスクが高くなりがちです。
- 当直では一人で判断する場面が多い:救急対応や急変時の判断を一人で行うことがあります。
当直で求められる知識・手技は医師の当直バイトでの必須手技もどうぞ。
個人の医賠責の選び方
医師個人が入れる医賠責には、医師会や学会、医師協同組合などを通じた団体保険や、保険会社の勤務医向けの保険があります。選ぶときは、次の点を確認しましょう。
- 補償額:1事故あたり・保険期間中の支払いの上限
- 補償の範囲:常勤先だけでなく、バイト先や当直での診療も対象になるか
- 対象になる行為:診療・検査・処方など、どこまでが対象か(美容医療などは対象外のこともある)
- 示談交渉や弁護士費用:争訟費用が補償されるか
- 保険料と払い方:団体保険は割安なことが多い
日本医師会の会員向けにも医賠責の制度があり、会員の種類によって対象が変わります。すでに医師会や学会に入っている人は、その団体の保険から確認すると選びやすいでしょう。
保険料は経費になる?
勤務医の給与には、経費にあたる給与所得控除が最初から差し引かれているため、医賠責の保険料を自由に経費にすることはできません。開業医や、事業として報酬を受けている場合は、事業の経費として扱えることがあります。くわしくは税理士に確認しましょう。節税全体は医師の節税対策をどうぞ。
まとめ
医療事故の責任は、病院だけでなく医師個人に向けられることもあります。特にバイトをする医師は、どこで働いても自分を守れる個人の医賠責に入っておくと安心です。補償額と、バイト先での診療が対象になるかを必ず確認しましょう。
※このページは一般的な考え方の紹介です。保険の内容は商品や契約によって異なるため、加入前に約款や重要事項説明をご確認ください。
最終更新:2026年10月