相続税の基本

親が開業医だったり、不動産などの資産を持っていたりすると、いずれ相続の問題に向き合うことになります。このページでは、医師が知っておきたい相続税の基本と、早めに準備しておきたいことをまとめました。

結論:まず「基礎控除」と財産の総額を把握する

  • 相続税がかかるのは、財産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えたときだけ
  • 税率は財産が多いほど高く、最高55%
  • 自宅の土地には小規模宅地等の特例があり、評価額を大きく下げられることがある
  • 生前贈与のルールは2024年から変わった。早めに家族で話し合い、税理士に相談する

相続税がかかるかどうか

基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人の数 基礎控除
1人 3,600万円
2人 4,200万円
3人 4,800万円

預貯金・不動産・株式・生命保険金(一部)などを合わせた財産から、借入れや葬儀費用を差し引いた額が、基礎控除を超えると相続税がかかります。

医師の家族が気をつけたいこと

1. 開業医の親の財産

親が個人で開業していた場合、診療所の建物・土地・医療機器なども相続財産になります。医療法人の場合は、出資持分の扱いが問題になることがあります。医院を継ぐかどうかも含めて、早めに話し合いましょう。

2. 自宅の土地

亡くなった人が住んでいた土地を、配偶者や同居の家族などが相続する場合、小規模宅地等の特例で、330㎡までの部分の評価額を80%減らせることがあります。要件が細かいので、事前に確認が必要です。

3. 納税資金

相続税は、原則として亡くなったことを知った翌日から10か月以内に現金で納めます。財産の多くが不動産だと、納税資金が足りなくなることがあります。

生前贈与のルール(2024年からの変更)

  • 暦年贈与:1人あたり年110万円までは贈与税がかかりません。ただし、亡くなる前の一定期間に受けた贈与は相続財産に加算されます。この期間が、2024年1月以降の贈与から段階的に3年から7年に延びました。
  • 相続時精算課税:2024年1月以降は、この制度にも年110万円の基礎控除ができ、使いやすくなりました。

どちらがよいかは財産の額や家族構成で変わります。必ず税理士に相談しましょう。

今からできる準備

  1. 家族で話す:財産の内容、医院を継ぐか、誰が何を相続するか。
  2. 財産の一覧を作る:預貯金・不動産・保険・借入れなど。
  3. 相続に詳しい税理士に相談する:特例や生前贈与の使い方は、早く始めるほど選択肢が広がります。

自分自身の資産づくりについては医師の資産形成をどうぞ。

まとめ

相続税は、財産が基礎控除を超えたときにかかります。開業医の親や不動産がある家庭では、医院の承継・自宅の特例・納税資金を早めに考え、税理士に相談しておきましょう。

参考資料

※一般的な制度の紹介です。実際の判断は、相続に詳しい税理士にご相談ください。

最終更新:2026年10月