第16回核医学専門医試験【解答】
2020年受験された、さちうす先生が作ってくださいました。
感謝感謝ですm(_ _)m
1,
正解:b
b:ジェネレータ
2,
正解:d
d:β+崩壊、質量数は変化せず原子番号は-1
3,
正解:e
(720÷0.8)÷60=15cps(=Bg)
4,
正解:e
Sv=J/kg
a 線減弱係数を密度で割ったもの
間接電離放射線によって、物質の単位質量あたりから発生した荷電粒子の 運動エネルギーの総和、単位Gy
5,
正解:a
c.d=PET
e=SPECT
6,
正解:a
PETはコリメーターが存在しない。
7,
正解:c
a、腎レノグラム、唾液腺シンチグラムなど
d、SPECTの定量解析など画像の変形に用いる
e、心機能解析など
8,
正解:c
SUV=150×106/50×103分の9.0×103=3.0
9,
正解:c
a、局所血流
b、糖代謝
d、骨代謝
e、神経終末貯蔵顆粒
10,
正解:d
ドーパミンではなく、ベンゾジアゼピン受容体
11,
正解:c
6分の1(Te)=8分の1(Tp)+Tb分の1⇄Tb=24
12,
正解:e
a、約10分
b、約6時間
c、約2.8日
d、約13時間
13,
正解:a
b、1.1GBq
c、Treatment
d、全摘必須
14,
正解:d
a、64.1h
b、CD20
c、空気中で915μm
15,
正解:a
毎回必要
16,
正解:c
a、酸化を抑制する必要がある。
b、常温に戻す。
d、薬剤が混ざる危険がある。
e、酸化を防ぐため、空気は入れない。
17,
正解:c
a、されにくい。
c、外部被ばく。
18,
正解:c
2007年13では、この中から必要なものを3つ選ばせる問題あり。(この場合、a.cが不要。)
aについては、d.cで累積放射能が計算できるので不要とあったが、cについては明らかな誤りとあったため、1つ選ぶならcか。
(参考:リレー講座「診察」役立つ核医学の基本ー専門医試験見据え「安全取り扱い・関連法規・被曝その3」臨床核医学vol47.No1 5-8
19,
正解:d
ICRP84に記載あり?
20,
正解:e
a~d 短寿命核種
21,
正解:b
22,
正解:d
高血流域相関はIMPが良い。
23,
正解:a
18F-FDG:110min
99mTc:6h
123I:13h
24,
正解:a
b.30-50分
c.集積する
d.185MBq
e.認める
25,
正解:e
MIBG
26,
正解:d
c、16分割が一般的。
27,
正解:c
99mTc製剤では見られる。
28,
正解:c
a.保険適用はない(ATPもない)
b.左室心筋前壁
d.日本では約半数が20mSv以下
e.中壁基部
29,
正解:b
Gradelの方が高集積となる。
30,
正解:c
a,骨(−)
b,脳(−)
d,心(−)
e,甲状腺(−)
31,
正解:e
褐色脂肪組織
32,
正解:e
胃は描出されない。標識不良など。
33,
正解:a
動方向に移動する。
34,
正解:b
a.99mTc-MAA
c.肺血流
d.直後
e.緩徐に静注する
35,
正解:d
a.描出される。
b.PMT
c.5分後、10分後、以降10分
36,
正解:e
左上腹部の集積が経時的に亢進。脾湾曲〜下行結腸出血
37,
正解:b
38,
正解:c
肥圧性骨関節症
39,
正解:d
両側上腕骨近位幹端 大腿骨遠位骨幹端 脛骨近位骨幹端 に集積。
40,
正解:a
b.201TL
c.99mTc-フチン酸スズコセイド
d.201TL 48-72h
e.201TLなど
41,
正解:b
a.生理的集積は右>左 左副腎に病変が認められる場合が多い。
c.MIBGでで採用。アドステロールはまだ。
e.現在は123I-MIBGのみ。
42,
正解:c
a,骨転移
b,得られた
d,骨
e,腸管
43,
正解:e
a.左
b.有用と考えられる
c.DLB
d.DLB,PSP
側頭葉・頭頂葉 後部帯状回〜楔前部 血流低下。s/oアルツハイマー型認知症
44,
正解:d
DATscan→複数の集積低下あり
MIBG→心筋の集積低下なし
IMP→前頭葉優位の低下
MRI→中脳被蓋の萎縮
45,
正解:d
血流低下
46,
正解:d
右大脳病変のCCD
47,
正解:b
48,
正解:c
異常なし
49,
正解:c
運動負荷SPECTで中隔血流低下。
50,
正解:b
左前下枝領域の虚血
51,
正解:d
a.年齢などから高安動脈
b.認めない
c.生理的集積と鑑別困難
e.特に前処置は不要
天動脈壁にFDG集積
52,
正解:c
a,十分と考えられる
end point
1.症候限界性
2.年齢別予想最大心拍数の85%以上
3.ECGで0.2mSv以上の水平cm下降型st低下 or ST上昇 or 重篤な不整脈
4.血圧250mmHg以上 or 10mmHg以上の低下
d.認める
e.適応はある
53,
正解:d
54,
正解:c
d.保たれている
55,
正解:d
CT:早期流沫→washout
MRI:T1WI low T2WI high
MIBG:集積(-)
FDG:軽度集積(+)
SW:3.62
56,
正解:d
大腿骨に淡い点状集積(両側性)
左脛骨に集積→疲労骨折の疑い
57,
正解:e
58,
正解:c
a.問題ない
b.認めない
d.自己免疫性肺炎
e.連の病変
IgG4関連疾患の疑い。
59,
正解:a
b.骨有質
c.paragarg homa
d.FDGの所見?今回は無関係
e.病変
60,
正解:d
問題8について質問です。
55分後に撮影しているので、患者の放射能は半減期の1/2倍減衰しており、150×(1/2の1/2乗)=106MBqではないでしょうか。それを元に計算するとSUV=4.3かと思います。
考え方が違っていたら教えてください。今年受験するので。投与時の患者の放射能を元にするのか、撮影時の減衰補正した放射能を元にするのか調べても分かりませんでした。
撮影時の減衰補正した放射能を元にするため、たっさんの計算であっていると思います。
似たような問題が、放射線技師国家試験第66回の午前の59番にあります。
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/dl/tp140512-04a.pdf
11は計算結果にも24と書いてますので、選択肢はeだと思います。
13
甲状腺アブレーションは18歳以下は慎重投与なので禁忌ではないです。
https://oncology.jsnm.org/sites/default/files/pdf/thyroid-guideline_2018-06.pdf
eの遺伝子組み換えTSHはタイロゲンという注射薬で、これを用いることにより甲状腺ホルモン製剤を継続可能です。TSHにより甲状腺への集積を亢進させます。自己負担で、しかも6万円となかなかお値段がはりますが、、、
https://www.ito-hospital.jp/04_treatment/03_isotope.html
一番下のところに記載
14
90Yの空気中の最大飛程は915cmです。
http://www.mikage.to/radiation/beta_range.html
ただし、聞かれているのは組織内飛程だと思われ、平均5.3mm、最大11mmです。
反応時間はInが30分間、Yが5分間とYの方が短くなっています。理由は分かりませんでした。
http://www.iryokagaku.co.jp/frame/03-honwosagasu/403/403-264-266.pdf
バイスタンダー効果は放射線照射を受けてない近傍の組織が傷害される現象を言います。
17
解説にも書かれているようにeが正解だと思います。
19
胎盤通過性が添付文書に明記されているのはFDGだけですので、答えはaだと思います。糖と類似した挙動を示すので胎盤は通過するよなと思いました。ただしカリウムと類似した挙動を示すTlや、栄養分としてのヨードも胎盤通過しそうなので微妙ですね。あえて言うなら18Fが陽電子放出核種であり、陽電子は止まるまでの挙動がβ-線とだいたい同じであることを考えればβ-線放出核種と同等に扱っていいのかなと思いました。あまり良い問題じゃない気がします。
NaI123はγ線しか出さないI123を対象としているあたりが違いそうな気がしました。本気で選択肢にするのであればβ線放出核種であるNaI131を選択肢に持ってくるんじゃないかなという読みです。
・FDG
https://www.nmp.co.jp/member/inter/pdf/IF_FDG.pdf
ラットの胎児、ヒトの胎嚢に集積の報告あり、禁忌が明記。2018年版。
https://www.nmp.co.jp/sites/default/files/2022-03/IF_FDG_220324.pdf
新しい版だとやむをえない場合を除きに緩和されているようです。2022年版なのでこの出題のあとの改定ですね。そういう意味では今はもう成り立たない問題な気もします。
・HMDP
https://www.nmp.co.jp/member/inter/pdf/IF_CB.pdf
該当資料なし
・DTPA
https://www.nmp.co.jp/member/inter/pdf/IF_In-DTPA.pdf
該当資料なし
・NaI
https://www.nmp.co.jp/sites/default/files/2018-09/T_I-cap.pdf
原則として投与しないことが望ましいが、有益性が不利益を上回る場合にはというお決まりの文句。
・TlCl
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000052636.pdf
胎盤通過性についてはあるものの、催奇形性は確認できなかったとの報告あり。
https://www.nmp.co.jp/sites/default/files/2018-09/T_Tl.pdf
添付文書にも妊婦の禁忌はなし(慎重投与)。
20
正解はeであってますが、68Gaは半減期68分と18Fより短い核種です。ジェネレータで作られるため、法整備が煩雑となっており間に合っていないためのようです。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/senmon/radioisotope/siryo01/4_haifu.pdf
34枚目のスライド
23
一番半減期の長いI-123を最後に持ってくる点には同意ですが、この論理で行くと1番目と2番目は入れ替えても問題ないので、時間が変わりません。
例えば4半減期たったら次の検査ができるとして、ECDは24時間後、FDGは8時間後、IMZは52時間後に次の核種をできます。なのでECDを先にしてもFDGを先にしてもIMZが投与できるまでに24+8=32時間かかります。
ここでエネルギーに注目することでもう少し時間を節約できます。
エネルギーの点から18Fが511keV、99mTcが141keV、123Iが159keVです。ECDとIMZは体内に同時にあるとまずいですが(最近の半導体SPECTならこれらをエネルギーで分離できるようですが)、18Fはエネルギーが圧倒的に違いますし、PETは同時計測されなければカウントされませんのでECDが体内に残った状態でFDG-PETを撮ることもFDGが体内に残った状態でIMZ-SPECTを撮ることも理論的には可能だと思います(現実的にするかどうかわかりませんが)。
よってECDを投与して撮像→FDGを投与して撮像→ECD投与後24時間後にIMZ開始
でIMZ開始までに24時間で可能です。
FDGを先に投与してしまうと8時間待つ必要はありませんが、撮像が1時間後で撮像自体に30分前後かかるとして、ECD投与までにあれこれ含めると少なくとも2時間はかかります。そうするとECD投与して追加で24時間かかるので、全体で26時間以上かかることになります。
よってcが正解と考えます。
なかなかテクニカルな問題ですね。
28
正解はcで良いと思うのですが、TlClの被曝量が20mGyという点に疑問があったので調べました。
TlClの被曝量が34MBqあたり1mGyのようなので111MBqだと3mGyになります。添付文書上だとMIRD法で34MBqあたり1.7MBqなので、111MBqだと5.1mGyになりますね。
https://jsnc.org/p-jsnc-seminar/009/2010/0720
ちなみに99mTc-MIBIはその1/10くらいの被曝量です。
ちなみにアデノシン負荷は安静時の3~5倍、運動負荷は2~3倍のようです。
http://www.rinshokaku.com/contents/pdf/sec2/2.pdf
https://www.nmp.co.jp/sites/default/files/2018-09/T_Tl.pdf
36
個人的にはcの空腸出血を推したいです。
左上腹部に集積を認めますが、広がり方が割と領域を持って広がっているように見え、空腸だったらそういうふうに走行しているので矛盾しないかなと。下行結腸だったら経時的にもう少し下に伸びてくるのではないかと思いました。
また下行結腸の出血だったら内視鏡で見えるので、わざわざシンチはしないんじゃないかという読みもあります。
39
骨端線閉鎖前の小児の骨シンチだと思います。30歳よりもっと若いんでしょうけど、30歳以下であるのは正しいと思いますのでbが正解だと思います。上腕骨は近位骨幹端部に集積がありますが、生理集積なので以上集積ではないと解釈します。
https://www.nakayamashoten.jp/sample/pdf/978-4-521-73317-3.pdf
7枚目(書籍のページ的には3ページ目)に10歳代の小児の骨シンチ画像あり。
(S1右側の結節状集積が病変?椎体のosteoblastomaとかosteoidosteomaとかでしょうか?)
51
若干誤解があると行けないので補足ですが、糖質制限24時間が長すぎるだけで少なくとも4~5時間以上の絶食は必要です。サルコイドーシスでも18時間以上の糖質制限です。
52
cは基部側の前壁は明らかに虚血あるのでLADの虚血はあると思います。LCX、RCAの虚血はあるので3枝病変と思われ、一過性心内腔拡大を有意と取ってbを正解に推したいです。
57
eはどうも違うんじゃないかと思います。
(5)はかなり著明な心拡大があるように見え、肺の集積が不均一な感じ(mottled pattern)がするので、肺高血圧症を見ているのではないかと考えました。
この文献とかは若干似てる気もします。
https://jnm.snmjournals.org/content/43/6/757/tab-figures-data
(1) 末梢側優位の不均一な肺実質障害がありそうで、肺気腫の他にもCTEPHとか間質性肺炎とか色々考えられそうなんですが、胸郭の形状からこれを正解の肺気腫にあげたいです。
(2)は右肺にくさび状欠損があるので急性期の肺塞栓症と思います。
(3)は正常のようにも見えますが、甲状腺や腎臓が薄っすらと出ておりわざわざそこを見せているということは肺動静脈瘻などの右左シャントのある病態だと思います。
あと心臓の向きが違うようにみえるので右胸心かなと思いましたが、腎臓の描出が通常背面像で、甲状腺の描出が全面像で強く映るはずのところが逆転しているので、単に出題者が画像間違えただけかなと思います。
(4)は上葉(上肺野)優位の集積低下が見られ、肺気腫の可能性も考えましたが、この程度なら正常でも上葉の血流が少ないのでありえるかなと思いました。心臓もいわゆるdrop tearではないですし、横隔膜の平低化もなさそうです。そもそも呼吸困難感のある肺気腫ならもっとぼろぼろな肺になってそうです。
41ですが、解答はdではないでしょうか?Cushing病は下垂体性Cushingのことと思いますので副腎にはネガティブフィードバックで変化がないように思います。また、核医学ノート第6版でP158で、123I-MIBGの正常像のところに正常副腎はシンチグラム上ほとんど描出されないと記載されています。