第15回核医学専門医試験【解答】
2019年受験予定の「コーヒー好きのY」先生が作ってくださいました。
感謝感謝ですm(_ _)m
1,
解答b
- a.放射性物質が1秒間に崩壊する原子の個数がベクレルである。1Bqは1秒間に1個の放射線改変が起こる放射性物質の量。1Bq=1s-1=1dps(decays per second )
- b.半減期は放射線原子の数が半分になるまでの時間を指す。
- c.数秒から数ヶ月で壊変しつくす、壊変速度の速い核種を短寿命核種とよぶ。半減期とほぼ同義でいい。
- d.放射能とは本来は放射性同位元素が放射性崩壊を起こして別の元素に変化する性質(能力)を言う。ただ一般的に放射線物質の「単位時間あたりに崩壊する原子の個数」をその物質の放射能と呼び、単位としてベクレルを用いる。
- e.放射能を縦軸、経過時間を横軸にとると、半減期で半分(0.5)、2半減期で1/4(0.25)、3半減期で1/8 (0.125)となるので、指数関数的に放射能が減る曲線グラフとなる。ここで縦軸にlog2をとると、log(2)1=0, log(2)1/2 = -1, log(2)1/4 = -2, log(2)1/8 = -3 となるので、直線のグラフになる。よって○
2,
解答b
11Cはメチオニンでも使っているPET核種。つまりβ+崩壊。
β+崩壊は陽子がβ+と中性子(と中性微子)とに分解される反応。
陽子が一つ減る = 原子番号が一つ減る。
中性子に変わる = 重量数は変わらない。
Cのひとつ手前(原子番号が一つ小さい)の核種はB(ホウ素)。
重量数は変わらず11。
よって解答b
ほかの年度の過去問で18Fの問題もあったが同じ考え方。
3,
解答e
- a.X線を発生させる際に陰極(フィラメント)から電子を放出し、陽極(ターゲット)にぶつけ、制動放射線を発生させている。電圧が低いと、長波長で透過力の弱いX線が出る。電圧が高いと短波長で透過力の強いX線が出る。測定の原理は感光であり電離作用ではない。
- b.PETは消滅放射線を検出器が感知することで画像を作成する。BGOやLSO,GSOなどを使用したシンチレーション反応により測定。
- c.SPECTはNaIなどによるシンチレーション反応により測定。
- d.液体シンチレータを使用した放射線検出器の一種。β線、α線等の荷電粒子の計測に適している。液体シンチレータは、トルエン、キシレンなどの溶媒にターフェニール、PPO(2 phenyl−5 diphenyl oxazole)などの蛍光物質の溶質を溶かし込んだもの。名前の通りシンチレーション反応により測定。
- e.GMサーベイメータ(ガイガーミュラー管)は円筒形の本体内部にヘリウムやアルゴンなどの不活化ガスが封入されており、壁材には電流が流れている。主にガンマ線・X線の空間線量の測定に有用で放射線が壁材と反応し、内部に電子が放出。電子が内部のガスに電離を引き起こす。電離により生じたイオンの放電をはかることで測定を行う。感度が高く、応答も早い。安価でもあり広く普及している。
★通常の細い筒状のGMサーベイメータは上記のとおりガンマ線・X線の検出にすぐれるが、大面積端窓型のGM管はベータ線の表面汚染検出に有用。
空間線量の単位はSv、表面汚染の単位はcpm。
4,
解答d
放射線同位元素の放射能を測定するために用いるのがドーズキャリブレーター。井戸型の形状の電離箱。感度の高い加圧ガス封入型が普及している。検出器に試料を 挿入すると,放射性物質から放出されるX線やγ線などの非荷電粒子線が電離箱内に電離イオンを生じさせ電離電流が発生する.もとの放射線のエネルギーに依存して生じるイオンの量が異なる。核種を指定する(つまり放射線のエネルギーを指定する)と、それぞれの核種に応じて係数が設定されているため自動で計算して、電離電流から正確な放射能量を算出してくれる。
ウェル型シンチレーションカウンターとは検出の機序が異なる。
- a.文章通り。第13回にも全く同じ選択肢。
- b.その通り。
- c.ガンマ線専用
- d.えられた電離箱検出器中に生成した電離電流値を核種ごとに設定された換算定数によって放射能量(Bq)に変換する方式をとるため、核種は自分で設定する必要がある。よってこれが×。
- e.試料との位置関係などにより起こる検出効率の変化のことを指す。ウェル型は全方向で検出できるため、一般のサーベイメーターなどと比べると高いといえると思う。
5,
解答c
- a.同時計数による撮像はPETの特徴。(対角線に飛ぶ消滅放射線を計測し、その検出の位置から線源の位置を推定する)
- b.同時計数を行うため、検出器にとどくガンマ線にはシンチにおけるいわゆるカウントだけでなく、もともと飛来方向の情報を含んでいる。このためコリメータは使用する必要がない。
- c.エネルギーが511KeVと高く、透過性が高いため、一般的なガンマ線検出器と比較してより厚いシンチレータが必要となる。よってこれが×。
- d.コリメーターがなく、感度、解像度ともに向上できる。
- e.核種ごとにエネルギーピークがことなることを利用して同時収集を行っている。PET核種はどれも511KeVの単一エネルギーなので同時収集はできない。
6,
解答a
そもそも減弱補正(吸収補正)とは放出された放射線が検出器にたどりつくまでに減弱した(吸収された)分を補正する方法。PETでの画像の構成方法では、同時計数をおこないその直線上に線源があると考えるため、一つの同時計測線上の線源がうける減弱の影響は線源の位置に依存しないという特性を有する。このため線源が被検者の体外にある場合でも,線源が体内にある場合と同じ減弱の影響を受けると考えられる。
よって、事前に密封線源等を用いてPET内に何も無い状態でスキャン(ブランク)を行い,吸収体(被験者)がPETに入った状態でおなじ密封線源を用いてスキャン(トランスミッション)を行うことで吸収体の有無による計数率の比から減弱補正係数を算出できる。PET/CTでは,スキャン時のCT画像のピクセル値(HU値)を511 keVのμ値に変換して減弱補正を行っている。HUから511keV線減弱係数への変換法にはHybrid法とBilinear法の2種類ある。
- a.上記の表のとおり。
- b.低電圧CTをとることで、ヨード造影剤のCT値を上昇させ、造影剤使用量を減らすテクニックがあることでもわかるが、電圧はCT値に影響する。そしてCT値は上記変換に直結するので、補正にも影響をうける。120kVが基本。
- c.呼吸により肺野と腹部が重なり、その部分の減弱を過小評価してしまう。そのため補正が十分かからずに横隔膜付近にドーム状にコールド領域を生じることがある。CTを呼気状態で撮ったほうがアーチファクトは少なくなる。
- d.上記表のとおり。CT撮るので被爆は増える。
- e.あとでよい。なお直近にCTを撮っているなど、診断においてCT画像による位置情報などが不要な場合は線量をかなり落としても補正用のCTとしては十分。
7,
解答a?
リストモードでは、検出したガンマ線を時系列に時間データとともに保存しスキャン後の処理で時間分割を行え、ダイナミック画像データを作成する。
フレームモードではあらかじめ決めた一定の時間の範囲ごとに撮影を行い、それを繰り返していく。
つまりリストモードは撮りっぱなしにして後で編集、フレームモードは一定時間ごとの細切れ画像を複数とる感じ。
- a.撮影のカメラの位置を変えることはできない。
- b.放射能がへると、一回の画像におけるフレーム数を増やす必要がある。
- c.汎用型をつかうことも多い。
- d.投与量は体重や薬剤によってきまり、フレーム数で決まるものではない。
- e.基本的には局所の評価。
技師さんに聞いたのですが、核種によって違うとのこと。
フレーム配置という言葉もあまり一般的ではないよう。
一応解答a かな、と。
8,
解答 d
- a.金属と非金属原子(配位子)とは結合した化合物を錯体とよぶ。配位結合とは結合する原子の片方からのみ結合電子が分子軌道上に提供される結合方式。絶対ではないが、多くの金属錯体は配位結合で形成される。
- b.タンパク質の側鎖と金属RIを結合したもので動態などをモニタリングする手法があり、生命科学の分野ではよくつかわれてきていた。よって〇。
- c.二官能性という言葉の意味は官能基が二つある、ということ。配位子とペプチドとの結合をするものを限定してさすわけではないが、直接は結合しないペプチドなどを、いったん結合させた配位子を介して結合させる手法を用いることがあるらしく、答えとしては〇
- d.いろいろ書いているが結局ここが「還元」とのひっかけであるというさんざん既出の問題。よく見るTcO4–はいわゆるイオンの状態。テクネは+7から-1までの酸化数をとり、7価のTcO4–が最も安定。化学的反応性に乏しいため、他の化合物と結合させるためにより酸化数の低い状態に「還元」する必要がある。
- e.そのようです。
9,
解答d
- a.[18O]H2Oを用い、18O(p,n)18F反応により製造するのが一般的。照射終了直後には、多少に係わらず13Nのイオン性物質が検出される。×。
- b.RI核種を生成するときには荷電粒子やガンマ線を特的の核種(ターゲット物質)に対して加速器を用いて照射することで、核反応や光核反応を引き起こし、目的のRIを生成する方法をとる。ここでいう照射時間はその照射のことを指すと思われる。放射能は核種により規定され、照射時間に比例するものではない。
- c.99mTcの原料となる99Moは北米やカナダより100%輸入に頼っており、原子炉で生成されている。海外の原子炉の老朽化やテロ対策などで供給が時々不安定になる。100Mo (n, 2n) 99Moにより,99Moをサイクロトロンで国内製造しようとする動きがあるが、商業利用とはなっていない。
- d.〇。他にサイクロトロンで生成されるものとして、Tl, Ga, 123-I, Inがある。ちなみに131-Iと125-Iは原子炉。137Csや133Xeも原子炉。 ジェネレータで取り出せるものは99M o /99mT c ,81Rb /81mK r ,62Zn/62Cu,68Ge/68Gaなどがある。
- e.核反応とはある核種にエネルギーを与えて反応を起こさせることだが、与えるエネルギーにより励起の程度が変わるため、ガンマ線、中性子、陽子、アルファ粒子など放出されるものも変わる。よってエネルギーは大切。標的核の大きさによってはある程度エネルギーが高くないと反応を起こせない。
10,
解答e
- a.99mTc製剤は遊離したあと腎排泄するので、腎集積をみても標識不良はわからない。甲状腺や唾液腺にフリーのテクネが集積する。
- b.もちろんある。標識化合物の化学的純度の低下が標識率低下につながる。
- c.常温に戻すなどの基本ああるが、MAAは冷凍だし、MIBIやMAG3は加熱が必要。HMPAOでは24時間以内に一度溶出したキットを用い、溶出後は2時間以内に調整を行う。調整後は30分以内に使用する、などの制限がそれぞれにある。
- d.過テクネチウム酸ナトリウムの量が多すぎても少なすぎても標識率の低下につながる。過去問にもあったがこれは×。
- e.標識不良を確認できる指標として、放射性医薬品の全放射性物質中に含まれる標識化合物の割合を示す放射化学的純度(radiochemical purity ;RCP)がある。これが正解。
11,
解答d
- a.8日
- b.78時間
- c.110分
- d.50日 正解。
- e.2.8日
12,
解答e
- a.糖代謝
- b.脳血流量。注射で投与し脳内で素早くCO2に変換される。同じく脳血流量の検査にCO215Oがあり、こちらはガス。
- c.アミノ酸代謝。
- d.心筋血流量。
- e.正解。
脳循環の評価においては、通常はCO215O→O215O→C15Oを順に吸入して検査を順次行っていく手法がとられる。それぞれ局所脳血流量(regional cerebral blood flow: rCBF)、→局所脳酸素代謝率(regional cerebral metabolic rate for oxygen: rCMRO2)、局所脳酸素摂取率(regional oxygen extraction fraction: rOEF)、→局所脳血液量(regional cerebral blood volume: rCBV)を測定する。
13,
解答d
- a.単純拡散でBBBを超えて脳内に分布する。
- b.細胞壁を介して1価の陰イオンが取り込まれることで分布する。
- c.脂溶性でBBBを単純拡散で超えたあと、細胞内にて水溶性に分解され滞留する。グルタチオンとの反応が示唆されている。ECDもほぼ同じ機序だがエステラーゼにより分解される。
- d.123I-IMPはいったん肺に取り込まれた後、血液脳関門を通過して初回循環でほぼ100%が脳組織に取り込まれる。その後、緩徐に洗い出されるも肺をリザーバーとして集積は安定し、最終的には投与量の約8%が脳組織に集積する。集積機序は化学的小塞栓子と考えられる。よってこれが×
- e.ベンゾジアゼピン受容体に結合する。
14,
解答b
- a.そんなことしません。
- b.〇
- c.コロイドや99mTc-HASでは振盪しすぎると粒子径が大きくなりすぎ、hot spotをつくってしまう。よって×。
- d.他にも99TcO4などが溶出し標識率を低下させる要因となる。
- e.従いましょう。
15,
解答b.
- アクリル製の注射筒=ベータ線を防ぐという意味と考えると、答えは内用療法に用いるb
16,
解答はd
- a.水溶性溶液で皮下や皮内に投与するものを除く製剤に対してエンドトキシン試験が規定されている。よってガスは除外。
- b.pH規定はなされている。
- c.γ線スペクトロメーターで測定するのは放射性核種純度。放射化学的純度は特的の化学形をとっている放射能の比率を出すもので、クロマトグラフィ(ろ紙・薄層・液体)や電気泳動などを用いる。標識化合物の純度検定には化学的純度と放射化学的純度を調べる。
- d.自己分解とは自己の放出する放射線により核種が分解する作用のこと。鉛容器での保管は被爆を減らすため。なので防げないという文面であっている。
- e.それ以外にも標識率の低下などで規定されているものがある。HMPAOは調整後30分以内に使用、など。
17,
解答 d
射性薬剤の内部被ばく線量を評価するためには,①注目する臓器および周辺臓器における放射能の時間的変化,②各臓器に集積した放射性核種から放射されるエネルギーのうち,どの程度のエネルギーが評価対象の臓器に吸収されるか,③臓器の質量,の諸量が必要になる.MIRD法は,前述の諸量から体内に投与された放射性薬剤の体内動態をモデルで計算し,各臓器に分布した放射線によって体内の各臓器が吸収するエネルギーを数学的ファントムのシミュレーション計算で求め,各臓器の吸収線量から等価線量や実効線量を評価する計算方法である.線源の単位累積放射能当たりの標的臓器への平均吸収線量“S値”が,放射性核種ごとに算出されて いる
- a.文章通り。
- b.文章通り
- c.楕円柱。
- d.図の通りの形状(なんという形かわからないが)。弾丸形のようなもの。楕円体を平面で切ったものとは違うと思う。
- e.内部被曝を評価するものだが、標的臓器への集積から、実効線量がでるため、患者との距離や核種などの情報がそろえば介助者への被曝量は算出できる。
18,
解答b
以下ストロンチウム製剤の適正使用マニュアルより抜粋。
また1年以内は授乳の中止、2年間は避妊する、患者情報カードを携帯するなどのルールがある。
- a.○
- b.特段規定されていない。
- c.○
- d.○
- e.○
よって解答b
病人を介護する者の被ばく線量について、「1行為あたり5mSv、病人を訪問する子供には、1mSv以下に抑制すべきである。」という勧告がなされていることに基づいた対応。
なお記録として退出を認めた場合は、下記の事項について記録し、退出後2年間保存すること。(1)投与量、退出した日時、退出時に測定した線量率(2)授乳中の乳幼児がいる母親に対しては、注意・指導した内容
131I-NaIによる残存甲状腺破壊(アブレーション)は外来で30mCi(1110MBq)までを投与可能だが、この場合特に以下のような注意事項がある。
19,
解答e
2011年の過去問に全く同じ問題がある。
診断能力は問わないようです。
20,
解答d
- a.退出基準を決めているのは医療法。
- b.投与量に基づく退出基準、測定線量率に基づく退出基準、患者ごとの積算線量計算に基づく退出基準の3つが認められている。
- c.投与量に基づく退出基準ではSrは200MBq, 131I-NaIは500MBq, Y-90は1184Mbq, と規定されているよってこの選択肢は×。
- d.患者ごとの積算線量計算に基づく退出基準(実効半減期や体表面から1メートルにおける積算線量を算出し、介護者の被爆が5mSv以下、公衆被爆が1mSv以下と判断される)に基づく退出基準がある。本来は計算が必要だが、外来での甲状腺がん術後の残存甲状腺へのアブレーションの場合(131I-NaIで1110MBq。最大投与量ではなくこの値限定)と骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌(Ra-223で1MBqこちらは最大投与量。55kBq/kgを4週間間隔で最大6回まで投与するというマニュアルに従った場合。)については上記退出基準を満たすものとして取り扱うという規定がある。よってこれは正解。
- e.上記のように定められている。×。
21,
解答 d
使用の場所等の制限(医療法施行規則第 30 条の 14) 診療用放射性同位元素は、診療用放射性同位元素使用室で用いなければならない。ただし、手術室において一時的に使用する場合、または移動させることが困難な患者に対して放射線治療病室において使用する場合、もしくは適切な防護措置及び汚染防止措置を講じた上で集中強化治療室・心疾患強化治療室において一時的に使用する場合についてはこの限りではない。
との記載あり。
また、H16年には厚労省より「特別の理由による場合であって、かつ、適切な防護措置を講じたときにおいては、陽電子断層撮影診療用放射性同位元素使用室において診療用放射性同位元素を用いることが認められるものであること。」という通知が出ている。
こられより、a, b, c, eについては法令上認められている。
22,
解答b
- a.不要。I-131 アドステロールではブロックする。通常脳SPECTではヨード製剤であってもブロックまではしていない。
- b.文章通り。肺に微少塞栓子としてひっかかり、肺がリザーバーの役割をして脳内に平衡分布する。
- c.逆。標識率が下がるので標識したら30分以内に使用する。24時間以内に溶出したジェネレーターを用いて、溶出後2時間以内には標識。標識後は30分以内に使い切るなど制限が意外に多い。
- d.脳血流では使わない。使うのはアセタゾラミド(ダイアモックス)。
- e.3D-SSPなどの統計解析は標準脳へ当てはめて解析が行われている。
23,
解答d
- a.あまり近いと発作で抜けたり、汚染のリスクも高いと思われるが、いたずらに長いのもおかしい。できるだけ、の程度によるので微妙な選択肢。
- b.○。小児科区医学検査適正施行のガイドラインにほぼ同様の文章あり。
- c.一般的にしています。
- d.発作時間1-2分なら、その後鎮静などをしなくても動きなどの影響なく撮像ができてとりやすい。ECDなどは1-2分で脳内分布が決定するため。1-2秒は短すぎる。おそらくこれが×。
- e.一般的にしています。
24,
解答 c
血行力学的脳虚血とは、高度の狭窄や閉塞が存在しているときに、血圧低下やなんらかの還流低下により末梢の血液が不足し梗塞状態に陥ることを指す。
狭窄や閉塞といった慢性変化に対して代償作用が働いている状態を考える。
還流圧が低下しており、その代償に血液量の増加(血管抵抗の低下、血管の拡張)や酸素摂取率の上昇といった代償作用が働いている。
- a.○
- b.○ アセタゾラミド負荷のいい適応である。
- c.正常脳では過呼吸負荷で脳血流が減少する。この状態は本来虚血でも起こるが、血管拡張している状態のため反応性は低下している。
- d.定義通り。血圧低下で血流は減少しやすい。
- e.代償性に血管拡張の状態となっているので再建後の過潅流リスクは上がる。
JET studyでは、症候性の内頚動脈および中大脳動脈閉塞あるいは狭窄症に対し、頭部画像上広範な脳梗塞を認めず、脳血流検査で安静時血流量が正常値の80%未満かつアセタゾラミド脳血管反応性が10%未満の脳循環予備能が障害された例では、外科的治療の有効性がみられる、という結果がでている。
25,
解答e
- a.投与後3時間
- b.DATscan 投与後3-4時間。
- c.IMPはDynamicをとり、分布が安定する20分後くらいから40分後くらい。
- d.一時間後にPET/CT撮像しました。
- e.11C-PIB 脳アミロイドイメージング。以下添付文書より「フロルベタピル(18F)として370MBqを静脈内投与し、投与30分後から50分後までに撮像を開始する。撮像時間は10分間とする。」とのことで正解。至適といえるかは諸説あるような気はするが
26,
解答e
- a.EF低下はDCMで著明となることが多いが、虚血性心不全でもEF低下は起こり、どちらとは言いがたい。
- b.EDVはDCMで特に大きくなるので×。ただ虚血性心不全でもリモデリングの結果最終段階では心拡大が高度になることがある。
- c.左室拡張末期圧が上昇し、心不全となると最終的には右室負荷がおこるが、どちらで多いとはいいきれない。
- d.血流には問題ないが、DCMでも血流シンチでの低下はみられる。ただしICMと比較すると、ICMにて冠動脈支配にリンクした大欠損がみられるのに対して、DCMでは多発小欠損となることが多い。これは心拡大に伴う間質の拡大や心筋繊維化を反映するためとされているが、いずれにせよ、比較して「範囲が広い」とはいえない。(心臓核医学ガイドラインでは、「DCM と比較して虚血性心不全では血流低下の範囲が広く程度がより著明である.」と記載がある。×。
- e.言葉足らずな選択肢だが、おそらくTl-BMIPPのミスマッチのことと思われる。BMIPPは脂肪酸代謝を反映し、その低下は梗塞部を含む心筋障害リスク領域で起こる。血流とのミスマッチ(BMIPPの低下がTl集積低下より広い範囲でみられる)はischemic penumbraを意味し、ミスマッチ領域の心筋にviabilityがあることを示す。これは虚血で起こりやすい所見。DCMではBMIPPの低下やミスマッチが起こる頻度は低い。
なお、HCMではBMIPPの低下が肥大部分を中心に広くみられ、ミスマッチの程度が明らかに高度であるとされ特徴的といわれている。ただし病期が進みHCM拡張相となると繊維化も進み血流も低下してくる。
27,
解答a
再分布現象があり、一回投与で検査が可能であること、初回循環における心筋描出率が高いことがTl(初回描出率80-85%)の(Tc(=50-55%)と比較しての)メリットである。
よってa> b,c は間違いない。
82Rb+イオンは投与後速やかに心筋に集積し,それ以外に肺・肝臓・脾臓・腎臓への分布も認める。心筋集積は,投与後 1 分時点で既に認められ,初回循環抽出率(first-pass extraction fraction)は約 60%である。体外へは主に腎尿路系より排泄される(製品仕様書より)
13NH3の初回循環描出率は80%程度と高い(Circulation63;1259-1272,1981.)ということだそう。
aとeは肉薄しているが、一応aか。
というか、dとeの値を知っている受験生なんていたのか?
28,
解答e
- a.一過性心拡大とは負荷時において心内膜側の虚血(血流低下)を反映して内腔側の集積が低下し心拡大して見える状態。EDVにて10%以上の増加を示すと陽性とすることが多いよう。冠動脈が心筋を外から栄養しているため、内膜側より虚血が起きやすいことが理由。多枝病変でみられやすい。
- b.文章通り。
- c.文章通り
- d.文章通り
- e.サルコイドーシス精査の心PETでは心筋の糖代謝をなるべく落とすために、高脂肪・低炭水化物食をとることが有用である。一方でバイアビリティの検査の場合は糖代謝を高めた状態で行う方が好ましく、低炭水化物にする意義はない。
なお、ガイドラインでは、「糖尿病の合併がない場合はFDG静注60分前に50〜75gのブドウ糖を負荷することにより血糖値を上昇させてからPET画像を得る.空腹時から高血糖状態にある場合は糖負荷後の心筋FDG集積に影響を及ぼす可能性があり、空腹時の血糖値が130mg/dLを超える場合は,10mg/dLごとに速効型インスリン 1 単位を静注することが薦められている」
29,
解答 d まあいいでしょう。
30,
解答d
- a.Gaの生理的集積部位は鼻腔、涙腺、唾液腺、肺門、肝臓、腸管、精巣、骨盤や腎臓。心筋や甲状腺の集積はよくない。(サルコイドーシスやリンパ腫・・・)
- b.Srは基本的には骨シンチと同じ分布をする。
- c.フリーのTcやTc-MIBIは唾液腺、甲状腺、心筋、肝臓、胆嚢、腸管、腎、骨格筋などに集まる。(胆嚢ついては心筋シンチで邪魔になるので牛乳のましたりしてるよね)でも、MAAは肺血流シンチで肺血管床でトラップされる、ほかが描出されるのはシャントの時。
- d.生理的集積部位は唾液腺、甲状腺、心臓、膀胱、腸管、正常の副腎も淡く描出される。肝臓よりも高い集積を異常と判定する。選択肢に最も合致。
- e.甲状腺と副腎にあつまる。肝臓にも生理的集積が起こりうる。
なお、Tlの生理的集積は鼻腔、唾液腺、心筋、肺、肝臓、腸管、腎臓、骨盤、骨格筋におこるので、Tlがあると答えになりうる。
31,
解答a
- a.ない。
- b.24時間までに10%程度が尿中へ。その後は腸管排泄。つまりbは×。
- c.多すぎる。74MBqが標準。多くて111MBqまで。740MBqはTc。
- d.Gaの統計画像解析はない。。。なんで無いんだろうね。
- e.中エネルギー汎用コリメーター(MEGP)を用いる。
高エネルギー用コリメーターは131Iに用いる。
必要以上に高いエネルギー用コリメーターを使用した場合は干渉縞が現れることがある。
32,
解答d
- a.○
- b.意見が分かれているようではあるが、省略可能という報告は複数ある。(省略できないという意見もあるみたいですが・・・)
- c.造影CTで繊維化と残存腫瘍の鑑別が難しい症例においてもPETは診断能が高くviable lesionの同定に優れるという報告あり。○
- d.同等の場合はscore 3。
- e.ホジキンリンパ腫やDLBCLはFDG-avid。低悪性度の中でも濾胞性リンパ腫(FL)やマントル細胞リンパ腫はFDG-avidだが、MALTAリンパ腫や辺縁帯リンパ腫、小リンパ急性リンパ腫(SLL)はFDGが集積しないこともある。
33,
解答d
- a.肺高血圧の原因として肺塞栓(特に慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH))がある場合があり、有用。
- b.有用。注射後すぐに全身像を撮像する。(時間がたつと分解されたTcが分布してしまうため)
右左シャント率= (全身カウント数-全肺カウント数)/ 全身カウント数
脳や腎の明らかな描出は15%以上のシャント率が推定される。正常値ははっきり決まっていないが5%~10%位の報告が多い。 - c.使用する。足背静脈より投与する。
- d.一般的に心プールシンチグラフィーとよばれるこの手法はTc-HASやTc-RBCで行うがTc製剤なら可能。
- e.動注リザーバーよりRIを投与し分布を確認することができる。
以上のようにどれでも答えになるが、MAAを使うという文献が確認できなかったのはd
34,
解答おそらくe
- a.テクネガスの粒子は50-150nm程度と超微粒子。時間がたつと粒子径が大きくなるので生成から10分以内に吸入する。深呼吸→5秒くらいのいき止め→普通の息を数回繰り返す。85%と高率で肺内に沈着する。
- b.できる。肺内からの生物学的半減期が長いため撮像には余裕がある。
- c.文献はなし。難しい??
- d.気道に解剖学的/機能的な異常があるとhot spot形成がある。×。
- e.末梢分布がよく、最大吸気位では特に下葉末梢に分布する。○
ほかに過去問であったものとして、テクネガスは炭素粒子を含む○、アルゴンガス環境下で生成される○、
Tc-HSAエアロゾールで粘液繊毛輸送機能の評価ができる。
Tc-DTPAエアロゾールで肺胞上皮透過性が評価できる。
がある。
35,
解答 d
- a.肝アシアロシンチのことで副脾の診断には使わない。副脾で使うのはスズコロイドやフチン酸。
- b.99mTc-PMTを使い胆道シンチを行う。
- c.99mTc-GSAがいい適応。コロイドは網内系に集積する特性があり肝血流を反映するが肝機能を反映することとイコールではない。
- d.正解。早期では分泌低下。疾患が進行すると集積も低下する。
- e.99mTc-HSAやRBC、コロイドを用いる。
36,
腎動態シンチによる腎血管性高血圧の評価で負荷をするのはカプトプリルである。
解答b
腎動脈が狭窄すると、灌流圧が下がるため、レニン-アンギオテンシン系が賦活して、末梢側が収縮し、灌流圧をあげようとする。アンギオテンシンによる作用で高血圧となる。
ACE阻害薬であるカプトプリルを投与すると、アンギオテンシン変換酵素の阻害によりアンギオテンシンⅡの生成が抑制される。これにより高血圧を治療する。一方で腎においてはカプトプリル投与により灌流圧(糸球体濾過圧)が低下する。するともともとの腎動脈狭窄があるため、GFRが低下する。
負荷なしと内服直後に撮像する負荷ありの2回撮影。
もともと高度腎機能障害がある場合や、両側腎動脈狭窄がある場合は診断能が低下する。
37,
解答d
- 肥厚性骨関節症は棍棒状指端肥大症とも呼ばれ,骨膜下の新規骨形成,ばち指,滑膜炎を三徴とする病態。肺疾患などに合併。両側対称性に骨皮質に沿って線状のRI集積をしめすdouble stripe signが特徴。
38,
解答c 直前でいいと思います。
動脈相、血液プール相、骨相からなる骨シンチの撮像方法。
1相目はRIを注入直後に撮像する血流相(RIアンギオ)。2相目はRIを注入して5分後から撮像する血液プール相。3相目は通常の骨シンチグラフィと同様、3時間後の遅延相である。急性骨髄炎と蜂窩織炎との鑑別診断に用いられることがある。急性骨髄炎では早期相で血流増加,血液プール増加および骨シンチグラフィで骨に集積亢進を認める。これに対し,蜂窩織炎では,血流増加,血液プール増加を示すが骨シンチグラフィで骨は正常か骨にびまん性に軽度の集積を認めるのみである。
過去問では感染のほかにRSDが選択肢となっていた。
《Reflex sympathetic dystrophy》 反射性交感性ジストロフィといわれ,略してRSDとされる。四肢末梢において腫脹,疼痛,麻痺,可動制限を呈する原因不明の疾患であり,3相骨シンチグラフィの早期相,血液プール相で血流の増加と血液プールの増加,遅延相で関節周囲の異常集積を示すのが特徴である。
39,
解答b
一般名になじみがないが、いわゆるオクトレオスキャンのこと。
ソマトスタチン受容体に結合する。いわゆる神経内分泌腫瘍や、カルチノイド、小細胞がんなどに集積。(インスリノーマはソマトスタチン受容体がほかのNETに比べて少なく偽異性になりやすい)ほかに、褐色細胞腫やパラガングリオーマ、下垂体腫瘍、甲状腺髄様癌など。さらにはリンパ腫や乳がん、髄膜腫などでも集積が高くなりやすいとのこと。(腫瘍以外ではサルコイドーシスの肉芽や関節リウマチなども集積)
NETで最も感度が高いのはSRSで89% (PET 58%, MIBG 52%)
NETG1でSRS 87%, FDG 41%, MIBG 48%
NETG2でSRS 96%, FDG 73%, MIBG 73%
NECで SRS 69%, FDG 92%, MIBG 46% との結果 by Binderupら。
- a.分化度の低い癌になると集まりにくくなる。
- b.NETに対してはより高く集積する。○
- c.上記よりMIBGが最も低い。
- d.Ki指数が高いとSRSは低下しやすい。
- e.SRS陽性ということはより高分化で正常細胞に似ているということなので、×。
選択肢を冷静にみれば、Ki-67が高い方が一般に悪性度が高いということさえ知っていれば、a, d, eは実は同じことを言っている(悪性の方がSRSが集まるよ、というひっかけ)ので、まとめて外すしかない。MIBGに劣ることはなさそうだしね。。グレードの低いNETはFDG陽性となりにくいことも比較的よく知られた知識か。
40,
解答e
以下ガイドラインより抜粋。
1.適応 (原則として、正常甲状腺は外科的に全摘して行うこと。)
- 組織型:乳頭癌、濾胞癌 ・ 肺、骨などへの遠隔転移を認める場合
- 非治癒切除例(術後に残存する腫瘍組織が存在する場合)
- 術後再発例(局所、頸部リンパ節など)
- 血清サイログロブリン高値の場合
- 残存甲状腺の破壊(手術後、再発率を低下させる)目的の場合
- a.原則は甲状腺は切除する。局所に手を出せない場合は放射線治療や分子標的治療薬。
- b.アブレーションの目的は残存甲状腺を焼きはらうこと。
- c.131Iの退出基準は500MBq。ただし、術後(転移なし)のアブレーションに限り30mCi(=1110MBq)の外来治療ができることになっている。 他の問題で書いたとおり生活上の注意なども伝える必要がある。
- d.原則的には131Iの集積がみられなくなった場合は治療効果が見込めないと考えられる。
- e.CTくらいはとってほしいが・・・アブレーション後のサイログロブリン上昇は再発、転移を示唆するので適応はある。
41,
解答a
- a.アルファ線は粒子線であり飛距離は非常に短い。
- b.その短い距離で全エネルギーを使うということで、RBEは高い。
- c.その通り。高LET放射線であるアルファ線の特徴。
- d.その通り。高LET放射線であるアルファ線の特徴。
- e.その通り。高LET放射線であるアルファ線の特徴。
42,
解答e
223Raはゾーフィゴ。半減期は11.4日。
- a.α線放出核種である。α線は質量数4、陽子数2のHe粒子。崩壊後は219Rnで正解。
- b.4回のα崩壊と2回にベータ崩壊を経て、207Pbになる。
- 暗記でなく、あえて考えてみると、重量数はα崩壊4回で-16。よって207になる。原子番号はα崩壊4回で陽子-8, ベータ崩壊(中性子→陽子+β-)で陽子+2 結果-6。
- あとは周期表(Beの段の一番下)のRaからRa→Fr→Rn→At→Po→Pbと戻るだけ。
- c.適応どおり。
- d.その通り。
- e.主要評価項目である全生存期間(OS)の中間解析(本剤群541例,プラセボ群268例)において,プラセボ群と比較して本剤群で統計学的に有意なOSの延長が認められた〔中央値(95%信頼区間):本剤群0(12.0〜15.8)ヵ月,プラセボ群11.1(8.8〜12.9)ヵ月。とのことで、生存期間の延長にエビデンスあり。
43,
解答b
- アセタゾラミド負荷で右大脳半球の広範囲で集積低下(血流増加能が低下)
- PETによる脳血液量はC15Oによる。右大脳半球にて血流量が増加している。
- PETによる酸素摂取率はO215Oによる。右大脳半球にてOEFの増加がみられる。
- 平均通過時間(=mean transit time)は組織中を流れる血流の平均通過時間を表し、エネルギー供給の効率性を反映する。単位は(s)である。脳血管障害によって灌流圧が低下すると、脳血管の自律調節能が働き代償性の血管拡張が生じ脳血流を維持する。つまりMTTが延長する。灌流異常域に最も鋭敏。右大脳半球にて延長。
- a.アセタゾラミドで低下がある。予備能障害あり。
- b.×。いわゆる血行動態性脳虚血の状態。
- c.Stage2は代償作用による血液量増加が限界となりflowが低下、OEFが上昇している段階。図に合致。
- d.血管床を拡張し血液量を増やしている段階。〇。
- e.代償作用によりCMRO2は維持されている。〇。
44,
解答c
MRIにて右側頭葉内側、海馬などに信号上昇がみられる。右前頭葉や左海馬、海馬傍回でも信号上昇あり。同部で高度の血流増加あり。感染所見あり。素直に解答c
- a.CJDでの信号変化に一致しない、脳萎縮もない。集積は低下する。
- b.このMRIで膿瘍というのは非典型的。
- c.普通に考えてこれと思う。
- d.変化は中脳や橋、延髄、視床~基底核に多い。亜急性期では信号上昇、慢性期では信号低下。シンチの報告は少ないが、基本的には集積低下するようです。
- e.基本的な病態は血管炎とそれによる血流異常。主幹動脈支配に一致しない小虚血病変が多発する。SPECTでも広範な範囲における多発小病変(血流低下)がみられる。
45,
解答d
- IMPでは後頭葉優位にやや血流低下。右頭頂葉や左前頭葉、側頭葉も少し低いようにみえる。→実際どれでもありうる程度の変化だが後頭葉の低下からdを選ばせたいのだろと。
- DATscanにおける両側DAT高度低下。→d,e
- MIBGにおける心集積高度低下。→d
46,
- MRIでは右海馬が体側と比較してややhigh厚い。
- FDGにて右側頭葉前方の集積が体側よりも低下。
- 右側頭葉内側ではメチオニン集積も低下か。
解答e
- a.海馬硬化症なら海馬の萎縮があるはずだが、はっきりしない。あと年齢がやや高いか。
- b.明らかな梗塞巣はない。梗塞後なら萎縮するはず。
- c.重積状態を疑うような信号上昇はみられない。
- d.メチオニンは腫瘍性病変の否定のためか。
- e.おそらくこれ。年齢は合致する。画像も合致する。扁桃腫大と判断される症例のなかに、過誤腫や星細胞腫などによるものが含まれていることがある、という報告あり。それを踏まえてのメチオニンか、と出題者の意図を汲んでやることにする。
47,
解答b.
はしやすめ。投与後数分で脳内分布が決まること、その後安定する(つまり発作が収まってから撮影できる)こと、調整後の安定性があり発作を待てること、などメリットが多い。
48,
解答b 引き続きはしやすめ。
両側DAT高度低下。
やや左右差あり。
b以外はどれも低下する。
49,
- 負荷時に下後壁での集積低下あり。安静時に再分布している。
- wall thickeningは前壁中隔や後壁の一部~側壁心尖部で低下がある。
Wall thickningとは心筋の収縮期における壁厚増加率。関心領域を設定し、壁厚が増加すると関心領域内の心筋量が増加する特性を生かして心筋壁厚を評価する。心バイパス術後などでは中隔のparadoxical motionがおこり内膜面をトレースするwall motionでは低下して見えるが、thickningは保たれることが多く、壁運動異常の評価にはwall motionよりも正確性が高いとされる。正常下限は心尖部で50%。辺縁に行くと徐々に下がる。
解答c
a, bは〇。eも上記の説明とおり。dについても異論はないと思われる。Cについてはviabilityは再分布があり保たれている。同部でのwall thickeningの低下もない。
50,
解答b
- a.もっと多いと思います。
- b.文章通り。
- c.冠動脈狭窄の推定を行うことはできるが、解析を直接することはできない。
- d.適応はある。ただし、左脚ブロックや心尖部心室ペーシングでは中隔の収縮期が長くなり拡張期が短くなる。運動負荷では心拍数が増加して拡張時間がさらに短縮する。冠血流は拡張期に多く流れるため頻拍では中隔の血流が低下する。このため運動負荷ではしばしば中隔中心に可逆性血流欠損像を呈する。→よって薬剤負荷を用いるべき。
- e.AMIは負荷は禁忌。ピロリン酸シンチなど適応になるものもあるが、ベッドサイドはダメ。
51,
解答e
- a.文章通り。
- b.消化管にあつまることを避けるために当日は水分のみ。〇
- c.文章通り。腸管排泄を促す。
- d.〇
- e.×。朝は絶食がいいが、高脂肪職は特に記載なし。
52,
キーワードや心臓のFDG-PETからサルコイドーシスと考える。
ラムダサイン的なものがみられる。
心筋壁にも集積が強い。
解答c
- a.素直に考えればサルコイドーシス病変への集積。
- b.虚血による変化ではないと思われる。
- c.おそらくこれが正解。
- d.造影MRI(LGE)と、FDG集積とが一致し、サルコイドーシスの活動性を反映することはしられているが、必須ではないし、PMI後だし。
- e.肺門部の変化はサルコイドーシスによるリンパ節と考えるのが妥当。
53,
解答c
前壁では固定性の集積低下。
- 下後壁では不完全fill-in
- 心尖部も不完全fill-in
- a.甲状腺に集積している、胆嚢から腸管へ排泄されている。などの点からTcと思われる。
- b.前壁に低下あり、固定性。梗塞後と思われる。
- c.下後壁では不完全fill-inがある。虚血が疑われる。
- d.側壁は特に低下はっきりせず。
- e.明らかな心拡大なし。プラナー像では負荷時一過性内腔拡張のようにみえるが、QGSとかをみないと判断難しいと思います。
54,
解答a
心筋血流シンチにおいて、下壁部は減衰などの影響で偽欠損となりやすい。腹臥位撮像を行うことで、吸収アーチファクトを回避できるため、紛らわしい症例では追加撮像を行う。
- a.安静時でもやや下壁が落ちてみえるが、腹臥位負荷をふまえてみると正常範囲ととらえるべきか。
- b.ST変化については上昇は1mmだが、上行型の低下では5mmらしい。しらんよ。
- c.これでするなら初めからシンチしなくてよくないか。
- d.はっきりとした低下はみられない。
- e.心拍数は年齢別予想最大心拍数の 85%以上: (220 – 年齢)× 0.85 この症例では136bpmになるので負荷はかかったと判断する。
55,
解答d
肝右葉、造影CTにてリング状のやや不整な造影効果あり。シンチでベースの肝臓よりやや強い集積がみられている。
99mTc-HSAは血管内やblood poolに留まる。肝血管腫の評価に有用。
56,
- a.無治療とわざわざ書いて、これで「転移でしたー、なぜか消えてるね」っていうのは試験じゃなくて嫌がらせ。
- b.腰椎への集積は変形性変化疑い。骨折だと椎体全体に帯状に集積する。
- c.おそらくこれが正解。H signにみえるほどHではないが、10か月後のシンチでも淡くは集積している。
- d.仙腸関節とは若干位置が異なるように思われる。
- e.ここを汚染するのは結構難しいし、10か月後でも淡い集積は残存している。
57,
TSH高値、FT4低下。抗サイログロブリン抗体および抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体高値。以上より橋本病を疑う。
TSHレセプター抗体はバセドウ病で上昇するが今回は正常範囲。
解答a ホルモン異常で甲状腺に集積することを知っているかどうか、か。
58,
解答e
副甲状腺シンチ(Tc-MIBI)では早期では甲状腺と副甲状腺腺腫に集積があるが、後期相では甲状腺の生理的集積が洗い出させる。
図Bで写っているのが副甲状腺腺腫。
選択肢は実は画像全く関係なくeを選んで終わり。
59,
解答b
全身像・骨はごく淡い程度。心臓、甲状腺は集積せず。
→Gaシンチと思われる。
撮像は48-72時間後。ということで解答b
60,
解答e
111In-pentetreotide はいわゆるソマトスタチンシンチ(オクトレオスキャン)。
ソマトスタチン受容体に集積する。
- a.ドパミントランスポーターは関係ない。Ioflupane。
- b.脾臓には生理的集積があるが、集積が高すぎるようには思う。ただ転移として典型的とはいえず、FDGもそこまで入っていない。
- c.腎臓は排泄経路であり生理的に集積する。
- d.肝の腫瘤にはオクトレオスキャンの集積なし。FDGで非常に強い集積あり。転移は疑われる。ただしFDG-PETにて明らかな原発巣は指摘できない。
- e.ほかの問題でもあったとおり、癌となるとオクトレオスキャンの集積は低下し、FDG集積は亢進する。内分泌癌の転移として矛盾はない。
- dは理由の部分で外し、解答e。
7はbじゃないでしょうか。
aのフレーム配置というのは、解説の中でも述べられているように、リスト収集はレトロスペクティブにリコンできますので、フレーム数を増やしたり減らしたりが容易だということだと思います。
bに関しては放射能が低下するため、1フレームあたりのカウントは低下します。そのため1フレームを長くする、つまり(単位時間あたりの)フレーム数を減らすことでS/Nを稼ぐことで、画像の変化がノイズによるものなのか、放射能濃度分布の変化によるものなのかが分かりやすくなると思います。
9正解には異論ありません。
bに関しては放射能が比例はしないということだと思います。例えば照射量する試料が完全に放射化しきったら、その2倍の時間をかけて照射しても放射能は倍にはなりませんよね。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/004/008/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2010/07/15/1295300_13.pdf
>生成量は運転時間に比例しないことから1時間程度 の照射が多い
との記載があります。
おそらく放射化分析の公式で表されると思います。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/radioisotope_f/20190826/20190826173757.jpg
17
モデルがいろいろあるみたいなのでなかなかに難しいところなのですが、例えば以下のモデルでは肺は楕円体を半分に切ったような形をしています。
https://twiki.cern.ch/twiki/bin/view/Geant4/AdvancedExamplesHumanPhantom
なのでdは正しいのかなと思いました。
解説でも触れられていますが、介助者の被曝量に関しては距離などのデータ不足ですので、個人的にはeを正解に推したいです。
27
アンモニアとTlの心筋抽出率には色々報告があり、ばらつきがあるようです。
http://www.rinshokaku.com/magazines/2016/49_4.pdf
こちらに心筋抽出率のグラフ(図1)があり、このグラフからするとアンモニアの方が抽出率が高いようです。
私も悪問だと思います。。。
33
ファーストパス法は収縮期と拡張期の心臓のカウントの変化をみてEFを割り出すという手法です。
なので左室駆出率だったら肺でトラップされるMAAは使えないのですが、右室駆出率ならできそうな気がします。
一応下記文献ではMAAでRVEFを測定しています。CTEPHに対する血管形成術後の評価で、肺血流分布確認するついでにRVEFも評価しちゃおうという発想と思います。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ihj/63/1/63_21-437/_pdf
もちろん一般的かというとそうでもない気がしますし、かなり新しめ(2022年)の文献です。ほかの選択肢が明らかに正しいことを考えるとdが正解で問題ないと思います。
34のcですがおそらく気管切開されている場合は最大吸気位での止めが難しくなるからじゃないかなと思います。
https://inis.iaea.org/search/search.aspx?orig_q=RN:29023696
文献的には、こんなデバイスを用いたら通常適応が難しい気管切開の患者でもテクネガスを使う事ができるよ的なことが書かれているようなので、通常は難しいという解釈でよいのかと思います。