2018年に実際に試験を受けられて合格された、

  • 雁木先生
  • メガネ先生
  • batwoman先生
  • なか先生
  • O先生

に解答作成を手伝っていただきました。
ご協力いただき誠にありがとうございました。

解答ここはこうじゃないかなどございましたら、一番下のコメント欄に記載いただければ幸いです。

問題は、いずれも日本放射線学会サイトより引用しております。

基礎

1,放射線の相互作用とその名称の組み合わせで正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 衝突前後で,運動エネルギーが保存される。——光電効果
b 光子が物質に入射し,軌道電子を放出する。—–制動放射
c 光子が電子によって散乱され,波長が長くなる。—–コンプトン散乱
d 電子が原子核の近くで減速され,電磁波を放出する。—–弾性散乱
e 光子が核の電場によって消滅し,電子・陽電子対を生成する。—–電子対生成

正解:c, e

  • a:衝突前後で,運動エネルギーが保存される。=弾性散乱。
  • b:光子が物質に入射し,軌道電子を放出する。=光電効果。
  • d:電子が原子核の近くで減速され,電磁波を放出する。=制動放射。
  • 光電効果=金属や分子に光を当てると,金属表面や分子から電子が飛び出す現象。
  • コンプトン散乱=X線を物体に照射したとき、散乱X線の波長が入射X線の波長より長くなる現象。
  • 弾性散乱=原子・陽子・中性子・電子・光子など粒子どうしの衝突において、衝突前後で粒子の数や種類が変わらず、運動エネルギーの和が変化しない散乱。

2,マルチスライス CT で体軸方向の空間分解能に関連するのはどれか。2 つ選べ。

a スライス厚
b スキャン時間
c X 線検出効率
d ヘリカルピッチ
e 横断面のピクセルサイズ

正解:a,d

  • b-時間分解能
  • c-コントラスト分解能
  • e-体軸と直交する方向での空間分解能

3,MRI の化学シフトアーチファクトについて誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a 高磁場で増強する。
b 脂肪抑制法により低減できる。
c 送信 RF 強度が強いと増強する。
d 受信バンド幅を広げることで低減できる。
e スピンエコー(SE)法では周波数エンコード方向に出現する。

正解 c

a.高磁場で増強する。◯
b. 脂肪からの信号がなければ化学シフトは生じないので、b.は◯
d. 受信バンド幅を広げることで低減できる。◯(ただし、受信バンドを広げるとS/Nは下がる)
e. スピンエコー法では周波数エンコード方向に出現する。◯
なので、消去法で答えはcだと思いました。

4,医療情報用語の説明で誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a HIS——-診療録の電子化
b PDI——–DVDによる施設間情報連携の標準化
c RIS——-放射線検査の予約管理
d PACS——-医用画像保存フォーマットの標準化
e DICOM——-医用画像装置間通信の標準化

正解 d

医用画像保存フォーマットの標準化はDICOM。

  1. HIS(Hospital Information System:病院情報システム)。診療に関わる記録や業務の支援に関わるものの総称。
  2. PDI(Portable Data for Imaging:可搬型媒体でのデータ交換規約)。医療機関間でCD-RやDVD-R、USBメモリ*などのポータブルメディア(可搬型媒体)を用いて医療画像や関連情報を交換する時の基本ルール。
  3. RIS(Radiology Information System:放射線科情報システム)。放射線科部門における情報システム。放射線検査オーダーの予約管理、検査機器への連携、検査情報の管理、他部門システムとの連携など。
  4. PACS(Picture Archiving and Communication Systems:医療用画像管理システム)。医療画像データをネットワークを通じて受信し、保管・管理するシステム。
  5. DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)。動画を含む医用画像・検査情報データの規格および、それを通信・印刷・保存・検索するための国際標準規格。

5,8ビットの画像を8ビットのまま表示するモニターにおけるグレースケールの階調はど れか。1 つ選べ。

a 128
b 256
c 512
d 1024
e 2048

正解,b

  • 8ビットグレースケール画像=1画素が256通りの階調をもつモノクロ画像。2の8乗ということだと思います。

頭頚部

6,左手が急に動かしにくくなったという主訴で行われた頭部MRIのT1強調像を示す。 診断上,最も注意すべき部位はどこか。1 つ選べ。

a ①
b ②
c ③
d ④
e ⑤

正解 ,a

  • 右中心前回

関連:頭部CT、MRIにおける脳の中心溝の同定方法のポイントは?

7,30 歳代の男性。突然の頭痛で来院した。頭部単純 CT を示す。 脳室内出血の原因として最も考えられるのはどれか。1 つ選べ。

a 脳腫瘍
b もやもや病
c 脳動静脈奇形
d 脳動脈瘤破裂
e 高血圧性脳内出血

正解 c

  • 血栓化した動静脈が高吸収を示していると考え、AVMが疑われます。

8,50 歳代の女性。頭部 MRI で異常を指摘され来院した。造影脂肪抑制 T1 強調像を示す。画像検査と所見の組み合わせで可能性が高いのはどれか。2 つ選べ。

a CT―病変内の石灰化
b CT―病変近傍の骨破壊像
c 血管造影―病変の早期濃染
d FLAIR 像―鼓室内の信号上昇
e T2強調像―病変内の低または無信号域

正解 なし

  • 右内耳道から小脳橋角部に突出する造影腫瘤。聴神経腫瘍とすると当てはまる選択肢がない。dural tail signは指摘できないものの、選択肢からは髄膜腫と考えるべきか。髄膜腫と考えるとa,eが正解?不適切問題との噂。

9,20 歳代の女性。頭痛を主訴に来院した。頭部 MRI の T2 強調像と造影 T1 強調像を示 す。可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。

a 髄膜腫
b 上衣腫
c コロイド囊胞
d 脈絡叢乳頭腫
e 中枢性神経細胞腫

正解 e

中枢性神経細胞腫の典型像

  • 若年成人の脳室内腫瘍。側脳室に発生し、透明中隔や脳室壁に付着。境界明瞭・分葉状で、嚢胞石灰化を伴う。しばしばMonro孔を閉塞し水頭症を合併する。

関連:中枢性神経細胞腫の画像診断(central neurocytoma)

10,20歳代の女性。頭部のMRI検査で偶然,下垂体病変を発見された。頭部MRIのT1 強調矢状断像とT2 強調矢状断像を示す。可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。

a 胚細胞腫
b Rathke 囊胞
c 下垂体腺腫
d 頭蓋咽頭腫
e リンパ球性下垂体炎

正解 b

  • 典型的なラトケ嚢胞

関連:ラトケ嚢胞のMRI画像診断のポイントは?

11, 40歳代の女性,胃癌にて胃全摘術後。最近2週間の健忘症状を主訴に来院した。MRI の FLAIR 像を示す。 治療法はどれか。1 つ選べ。

a 降圧剤投与
b 抗菌剤投与
c ステロイド投与
d ビタミン B1 投与
e アシクロビル投与

正解 d

  • 頻出問題。視床内側、中脳水道周囲に両側対称性に異常高信号あり。Wernicke 脳症を疑う所見。治療はビタミンB1の投与。

関連:ウェルニッケ脳症とは?MRI画像診断のポイントは?

12, 40歳代の女性。数年前からSLEで治療を受けている。2 か月前から左上肢の麻痺と性格変化が進行した。頭部 MRI のT2強調像と造影T1 強調像を示す。可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。

a 膠芽腫
b 脳梗塞
c 悪性リンパ腫
d 多発性硬化症
e 進行性多巣性白質脳症

正解 e

  • 右皮質下U-fiberを侵すT1WI低信号、T2WI高信号。非対称性。この選択肢だとPML一択

関連:進行性多巣性白質脳症の画像診断

13,40歳の女性。1 年前から膿性鼻汁と鼻閉があった。単純CTの冠状断像と横断像を示す。可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。

a 貯留囊胞
b 嗅神経芽腫
c 扁平上皮癌
d 内反性乳頭腫
e 真菌性副鼻腔炎

正解 e

真菌性副鼻腔炎は片側性が多い。中心部高濃度は菌球形成を反映し、しばしば石灰化を伴う。

関連:真菌性副鼻腔炎とは?アスペルギルスは?画像診断のポイントはこれ!

14,60歳代の男性。耳下部腫瘤を主訴に来院した。頸部 MRI のT1強調像と脂肪抑制T2強調像を示す。 可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。

a 粘表皮癌
b 多形腺腫
c 類表皮腫
d Warthin腫瘍
e リンパ上皮性囊胞

正解 d

  • 中年男性の耳下腺腫瘍として、ワルチン腫瘍が鑑別の最上位。
  • 耳下腺内嚢胞性疾患は、非腫瘍性嚢胞(真の嚢胞)と 腫瘍性嚢胞の二つに大別される。
  • 非腫瘍性嚢胞(耳下腺病変の1%):唾液腺導管嚢胞とリンパ上皮性嚢胞がほとんど。
  • 腫瘍性嚢胞:良性腫瘍ではワルチン腫瘍(耳下腺内嚢胞性疾患の30-68%)。ほかに基底細胞腺腫、や筋上皮腫も嚢胞変性しやすい。多形腺腫の嚢胞変性はまれ。「日耳鼻 113: 441-449,2010 耳下腺内嚢胞性疾患の検討」より

関連:耳下腺腫瘍の代表!ワルチン腫瘍の画像診断!

15,偶発的に発見された甲状腺結節の超音波検査写真を示す。 可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。

a 悪性リンパ腫
b 甲状腺乳頭癌
c 甲状腺濾胞癌
d 甲状腺髄様癌
e 甲状腺濾胞腺腫

正解 b

内部に音響陰影を伴う高エコー→微細石灰化を反映か。乳頭癌か髄様癌か。問題文で可能性が「最も高い」ものを選ぶよう指示されており、頻度も考慮すると乳頭癌か。

超音波検査での微細石灰化は甲状腺癌の所見として、特異度86-95%と高く、感度が26-59%である。甲状腺癌の9割を超える乳頭癌の他、濾胞癌や髄様癌、転移性甲状腺癌にも認められる。(ただし、微細石灰化はacoustic shadowを伴わないほどに小さい(臨床画像 Vol.26,No.9,2010 P982(22))と記載があるが。)

超音波での微細石灰化はCTでの点状高信号に相当するが、微細石灰化のほとんどはCTで検出されなかったとの報告もあり感度には差がある(臨床画像 Vol.26,No.9,2010 P982(22)))という点も重要。

微細石灰化のうち砂粒小体(psammoma body、同心円状に石灰化が進み小さな結節となったもの)は乳頭癌に特徴的で、乳頭癌石灰化の1/4を占める。

  1. 悪性リンパ腫:甲状腺内に広汎ではあるが限局した低エコー像。輪郭は整。慢性甲状腺炎との鑑別を要する。慢性甲状腺炎との違いは限局しているかどうか。
  2. 甲状腺乳頭癌:輪郭不整な低エコー像。内部エコーは不均一で微細な石灰化が音響陰影を伴う高エコーとして描出される。
  3. 甲状腺濾胞癌:甲状腺実質のエコーと同様のエコー輝度、辺縁にhaloを伴う結節。内部エコーは不均一なこともある。濾胞腺腫との鑑別は切除病理で被膜浸潤or脈管浸潤の有無で診断。
  4. 甲状腺髄様癌:石灰化や嚢胞変性を伴うことがあり、典型的な所見はない。輪郭不整な充実性低エコー像を示し、細胞診で診断される。
  5. 甲状腺濾胞腺腫:甲状腺実質のエコーレベルに近いエコー像で周囲を低エコーで覆われた充実性結節として描出される。「甲状腺超音波診断 平野浩一 – 杏林医学会雑誌, 2017 」より

整形外科

16,60歳代の女性。椅子から立ち上がろうとして,右大腿の腫脹と痛みが突然出現した。 骨単純X線写真を示す。原因として可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。

a 薬 剤
b 骨転移
c Paget 病
d 骨軟化症
e 骨粗鬆症

正解 a

  • a,ビスホスホネート薬による非定型大腿骨骨折の比較的典型画像。部位(大腿骨骨幹部)、骨折部の骨皮質肥厚など。
  • c,Paget病を疑う硬化像などなし。
  • d,骨軟化症が60才まで発症しないことはないだろう。なので☓。
  • e,骨量低下を疑う所見はなく、骨粗鬆症も否定的。骨粗鬆症で折れる場所でもないと考えるので☓。

関連:ビスホスホネート長期服用例に発生した 非定形大腿骨骨幹部骨折の検討

17,12歳の男子。左投げの野球選手。左肩の疼痛を訴えて来院した。左肩MRIのT1 強調像とSTIR像を示す。可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。

a 腱板損傷
b 二頭筋長頭腱損傷
c 肩峰下三角筋下滑液包炎
d リトルリーガーズショルダー
e focal periphyseal edema(FOPE)zone

正解 d

リトルリーガーズ肩:10代前半の頻回の投球動作による外傷。

  • 脂肪抑制T2WIで骨端線~近位骨幹端の高信号。
  • MRIは診断そのものには不要だが、骨端線離開の程度や浮腫の広がりなど重症度評価に用いられる。(本問では明らかな離開なし)
  • focal periphyseal edema=傍骨端線部限局性骨髄浮腫:思春期の膝部において成長板を挟んで骨幹端と骨端に見られる骨髄浮腫。成長期の膝痛として発見されることが多い。

18,9 歳の男児。スポーツ時の右膝痛あり。右膝の単純 X 線写真と MRI(T2*強調像)を示す。治療方針として最も適切なのはどれか。1 つ選べ。

a 病巣掻爬
b ギブス固定
c 脛骨骨切術
d 関節鏡手術
e 経過観察

正解 d

離断性骨軟骨炎。

  • 本問の症例では関節軟骨が剥離しているので手術をしないと変形性関節症になってしまう。関節鏡で剥離した軟骨片を探すと思われる。

19,80 歳代の女性。示指から環指の感覚異常を主訴に来院した。手のMRI(脂肪抑制T2強調像)を示す。可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。

a 神経鞘腫
b 特発性筋炎
c 手根管症候群
d Guyon 管症候群
e de Quervain 腱鞘炎

正解 c

  • 正中神経の腫大・信号上昇あり。脱神経によると考える筋肉の信号上昇も認める

関連:手根管症候群のMRI画像診断

20,50 歳代の女性。半年前から左頸部の疼痛を主訴に来院した。頸椎の単純CTとMRI(T1強調像とT2強調像)を示す。正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 自然退縮がある。
b 椎体発生は稀である。
c 大きさが診断に重要である。
d 中年の女性に多い疾患である。
e 組織的には類骨骨腫と類似する。

正解 c,e

骨芽細胞腫。

  • 10~20 歳台に好発。
  • 類骨骨腫と病理的には同じ。1cm以下→類骨骨腫、1cm以上→骨芽細胞腫。
  • 椎体後方要素に好発。
  • 類骨骨腫は自然退縮するが、骨芽細胞腫は自然退縮しない。骨芽細胞腫は腫瘍掻爬・骨移植が標準的治療、10~20%は再発するので完全切除を。

関連:骨芽細胞腫

21,4歳の女児。右環指および小指の腫瘤を主訴に来院した。右手の骨単純 X 線写真(正面 像)を示す。 可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。

a 骨軟骨腫症
b 内軟骨腫症
c 悪性リンパ腫
d 線維性骨異形成
e Langerhans 細胞組織球症

正解 b

関連:内軟骨腫とは?レントゲン、MRI画像診断のポイントはこれ!

胸部

22,30歳代の男性。HIV検査陽性で経過観察中に全身倦怠感が出現し,受診。胸部X線写真と胸部造影CT 縦隔条件を示す。最も考えられる診断はどれか。1 つ選べ。

a 肺 癌
b 縦隔奇形種
c 悪性リンパ腫
d リンパ節結核
e サルコイドーシス

正解 d

  • 中心に造影不良域、辺縁に造影効果のみられる多発縦隔リンパ節腫大。選択肢のなかでは結核一択

23,60歳代の男性。急性呼吸不全がみられ,集中治療室で撮像された胸部X線写真を示す。カテーテルやチューブが挿入されていないのはどれか。1 つ選べ。

a 胃
b 気管
c 右房
d 大動脈
e 鎖骨下静脈

正解 e

  • e以外はいずれもチューブやカテーテルが挿入されている。CVカテーテルは右内頚静脈経由
  • a 胃:マーゲンチューブ
  • b 気管:気管挿管チューブ
  • c 右房:CVカテーテル(CVとしては太めでproximalの部分があるように見えるので、バスキャスかもしれません。by batwoman先生
  • d 大動脈:IABP

がそれぞれ挿入されている。

なお下大静脈から右室先端に留置されているのがtemporary pacingと考えられる。

 

24,30歳代の女性。脳腫瘍と腎腫瘍があり,全身検索の目的で行われた胸部CTを示す。この病態に合併するその他の肺病変はどれか。1 つ選べ。

a inflammatory pseudotumor
b Langerhans cell histiocytosis
c multicentric Castleman’s disease
d eosinophilic granulomatosis with polyangiitis
e multifocal micronodular pneumocyte hyperplasia

正解 e

  • 問題文と多発薄壁肺嚢胞でLAM→結節性硬化症の診断。合併するのはMMPH

関連:リンパ脈管筋腫症(LAM)の画像診断

25,20歳代の女性。健診の胸部X線写真で異常を指摘され来院した。胸部X線写真の正面像を示す。治療方針として最も適しているのはどれか。1 つ選べ。

a 摘出術
b 放射線療法
c 胸腔ドレナージ
d 分子標的薬投与
e 免疫チェックポイント阻害剤投与

正解 a

  • 石灰化を伴う肺外腫瘍。奇形腫を疑う。摘出。
  • 2014年22番と同じ画像。

関連:2014年放射線科診断専門医試験問題&解答解説【21-25】

26,60歳代の男性。定期健康診断で撮影された胸部X線写真にて異常を指摘され来院した。鑑別診断に最も有効なのはどれか。1 つ選べ。

a cervicothoracic sign
b comet tail sign
c extrapleural sign
d inverted S sign
e sail sign

正解 a

  • 右上縦隔内側に気管を左側に圧排する陰影あり。
  • cervicothoracic sign(頸胸部徴候)は、上縦隔の病変が気管を境に前方のもの(前縦隔)か後方のもの(後縦隔)かを推定するのに用いる。鎖骨より下方部分で境界が鮮明で、上方部分が不鮮明であれば陽性とし、気管より前方に位置すると推定される。
  • inverted S signは、右上葉の無気肺を来すような腫瘤の辺縁とminor fissure の上方偏位により全体として逆S字の辺縁が形成される。本症例には当てはまらない。

27,30歳代の女性。症状なし。 検診の胸部X線写真で異常を指摘された。造影CT と18F-FDG-PET/CT を示す。鑑別診断として適切なのはどれか。2 つ選べ。

a 傍神経節腫
b 悪性リンパ腫
c Castleman 病
d 悪性胚細胞腫
e 神経節細胞腫

正解 c e?

  • 乏血性でFDGが若干集積する腫瘤。除外診断的にc, eか?
  • Castleman病はFDG集積は軽度から中等度(SUVの平均値は 4.9)。「日呼外会誌 26 巻 7 号(2012 年 11 月)」より
  • a 傍神経節腫の場合、もっと多血性になるのが一般的か。
  • b 悪性リンパ腫ならば、FDGの集積をもっと均一に認めるのが一般的か。

28,30歳代の女性。一昨日より持続する発熱を主訴に来院した。胸部CTを示す。 本疾患の特徴で,誤っている組み合わせはどれか。1 つ選べ。

a 原因 —喫煙
b 血液検査 —CRP 上昇
c 胸部 X 線写真 —Kerley B 線
d 治療 —ステロイド投与
e 予後 —再発が高頻度

正解 e

  • AEP。CRPは上昇する。再発は珍しい。

関連:急性好酸球性肺炎とは?CT画像診断のポイントは?

29,50歳代の男性。全身倦怠感,発熱を主訴に来院した。胸部CTを示す。血液検査で異常値を示すと思われるのはどれか。1 つ選べ。

a IL-6
b IgG4
c 抗 SS-A 抗体
d β-D-グルカン
e α1-アンチトリプシン

正解 d

  • AIDSに合併したニューモシスチス肺炎を考えさせたいのでは(第322回東京レントゲンカンファレンス 症例6と非常に画像が似ているような)。年齢・主訴とも矛盾しない。
  • e:α1-アンチトリプシン欠損症では汎小葉性肺気腫を起こすが日本人には極めてまれ。高齢者に好発し、喫煙が主な原因となる。

関連:ニューモシスチス肺炎(カリニ肺炎、PCP)のCT画像診断のポイント!

30,30歳代の女性。職員健診の胸部X線写真で異常を指摘され来院した。胸部X線写真と胸部CTを示す。最も疑われる疾患はどれか。1 つ選べ。

a 肺内分画症
b 肺葉性気腫
c 気管支閉鎖症
d 先天性肺気道奇形
e アレルギー性気管支肺真菌症

正解 c

  • 頻出問題。左上葉に限局的な気腫性変化及び中心部に腫瘤あり。気管支閉鎖症

関連:気管支閉鎖症とは?画像診断のポイントは?

31,70歳代の男性。健診で撮影された胸部X線写真にて異常を指摘された。両肺の高分解能CTを示す。 鑑別診断として正しいのはどれか。1 つ選べ。

a 硅 肺
b 転 移
c サルコイドーシス
d 非結核性抗酸菌症
e 副鼻腔気管支症候群

正解 b

  • ランダムパターンの多発小結節。胸膜上に沢山あるのが気になりますが、選択肢内では一番血行性転移が考えやすいのでは。

関連:二次小葉と小葉から見た所見の分布(小葉中心性、汎小葉性、小葉辺縁性、気管支血管束沿い、ランダム)

32,40 歳代の男性。発熱と血痰を主訴に受診。以前から左肺上葉に病変を指摘されていたが, 半年間胸部 X 線写真でほとんど経時的変化が見られない。左肺の高分解能 CT を示す。鑑別診断として最も適切なのはどれか。1 つ選べ。

a 結 核
b 放線菌症
c ムコール症
d クリプトコッカス症
e 慢性壊死性アスペルギルス症

正解 e

少なくとも半年前から左上葉に空洞性病変が存在し、ほとんど経時的変化を認めていない。空洞形成を伴う上葉のconsolidation。免疫状態については記載がないが、これらから慢性壊死性肺アスペルギルス症を疑う所見。

関連:肺アスペルギルス症の分類は?CT画像診断の特徴は?

心血管

33,60 歳代の男性。肺血栓塞栓症の経過観察中に異常を指摘された。心臓CTの横断像(肺動脈レベル)と,冠状断像を示す。可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。

a 冠動脈瘻
b 肺動脈瘤
c 肺動脈解離
d 気管支動脈奇形
e 左冠動脈起始異常

正解 a

  • 冠動脈瘤と連続する拡張蛇行した異常血管があり、再構成冠状断では肺動脈とのシャント部に造影剤のジェットが描出されている。冠動脈肺動脈奇形(冠動脈瘻)の所見。

関連;冠動脈瘻の画像診断

34,12歳の男児。学校検診で心電図異常(不完全右脚ブロック)を指摘され来院した。造影3D-CTの後面像および前面像を示す。考えられる疾患はどれか。1 つ選べ。

a ファロー四徴症
b 左上大静脈遺残
c 単心室 Fontan 術後
d 完全大血管転位症
e 部分肺静脈還流異常症

正解 e

  • 背面像で右上肺静脈が上大静脈に入っているように見える。
  • 正面像で右房・右室の拡大あり。右脚ブロックの原因を疑う。

35,70歳代の女性。左室機能不全(左室駆出率 28%)の原因精査のため,心臓 MRIを撮像した。左室短軸シネ画像の 1 枚を示す。可能性が高いと考えられる疾患はどれか。2 つ選べ。

a 心室瘤
b 肥大型心筋症
c 拡張型心筋症
d たこつぼ心筋症
e 左室緻密化障害

正解 c,e

  • 左室壁に網目状の肉柱形成と深い間隙があり、左室心筋緻密化障害を疑う。左室緻密化障害は拡張型心筋症とオーバーラップする。
  • 左室緻密化障害は胎生期の心筋原基の緻密化過程が障害されて起こると考えられている稀な先天性疾患であり、心内膜側の厚い網目状の肉柱構造を示す層(緻密化障害層:NC)と外側の薄い緻密化心筋層(C)の二層構造で特徴づけられる。これだけは知っておきたい心臓・血管疾患の画像診断P143)

関連:2015年放射線科診断専門医試験解答+解説 34

36,70歳代の女性。胸痛がありCTを撮影した。 下記の内,正しいものはどれか。1 つ選べ。

a 気管支動脈起始部瘤を認める。
b 囊状胸部大動脈瘤を認める。
c 左肺動脈右肺動脈起始症がある。
d 大動脈弓部の第一枝は左総頚動脈である。
e 左鎖骨下動脈は気管と食道の間を走行する。

正解 d

  • 左鎖骨下動脈起始異常を伴う右側大動脈弓。Kommerell憩室もあり。正しい選択肢はdになる。
    ※Kommerell憩室:異常右鎖骨下動脈起始部の嚢状拡張のほか、広義として右側大動脈弓における左鎖骨下動脈起始部も含まれる。
  • e:異所性左鎖骨下動脈は気管と食道の背側を走行する。

関連:異所性左鎖骨下動脈とは?CT画像診断のポイントは?

37,50歳代の女性。左下肢の間欠性跛行を主訴に来院。左下肢造影CT横断像,CT血管撮影VR像,膝窩動脈の超音波カラードプラ長軸像を示す。正しい診断はどれか。1 つ選べ。

a 動脈解離
b 高安動脈炎
c 閉塞性動脈硬化症
d 閉塞性血栓血管炎
e 膝窩動脈外膜囊腫

正解 e

  • エコーでflowの見られない無エコー域あり。CTでは膝窩動脈に接した嚢胞性病変あり。
  • 膝窩動脈外膜嚢腫は外膜に発生した嚢腫により動脈狭窄をきたす非アテローム性動脈閉塞性疾患。

乳腺

38,20 歳代の女性。乳房にしこりを触れ来院。 病変の超音波所見として正しいものはどれか。1 つ選べ。

a 縦横比 —大
b 病変周囲 —乳管内進展(-)
c 後方エコー —減弱
d 病変の境界— 不整粗ぞう
e 前方境界線 —断裂(+)

正解 b

  • a 縦横比>0.7では悪性を疑う(硬い腫瘍は扁平化しにくい)
  • c 細胞増殖が多いと後方エコーは増強
  • e 乳腺と脂肪織との境界線の連続性が途切れていれば断裂と表現する

39,30 歳代の女性。左乳房下部に腫瘤を自覚して来院した。触診では左乳房下部にやわらかい腫瘤を触知する。乳房 MRI 画像を示す。鑑別診断として最も考えられるのはどれか。1 つ選べ。

a 過誤腫
b 乳腺症
c 線維腺腫
d 乳管内乳頭腫
e 非浸潤性乳管癌

正解 a?

  • T1WI高信号部が脂肪抑制造影T1WIで低信号化しており、脂肪含有腫瘍と考える。選択肢では過誤腫か。

40,50歳代の女性。検診のマンモグラムで異常を指摘され,精査目的で来院。 可能性が最も低いのはどれか。1 つ選べ。

a 硬 癌
b 乳腺症
c 乳腺線維症
d 充実腺管癌
e 放射状硬化性病変

正解 d

  • 構築の乱れ(distortion~一部spiculation)を認めており、明らかな腫瘤は同定できない。
  • 硬化性腺症も広義の乳腺症と考えると、構築の乱れを呈し難いのは充実腺管癌。

関連:浸潤性乳管癌とは?分類・MRI画像診断のポイントは?

腹部

41,食道閉鎖を疑う新生児の臥位胸腹部単純 X 線写真を示す。下記の Gross分類のうち可能性が高いのはどれか。2 つ選べ。

a A 型
b B 型
c C 型
d D 型
e E 型

正解  a b

  • 先天性食道閉鎖症の症例。食道閉鎖で経鼻胃管が反転して戻ってきている(coil-up像)、消化管ガスは描出なし。
  • Gross分類の頻度はC型(90%)>A型(10%)>E型(数%)、B・D型は稀。また、coil-up像は食道が盲端であることを示唆するので、この二点においてはA型とC型を疑いたいところですが、
  • KEY BOOKすぐわかる小児の画像診断p245「単純写真のポイントはC・D型は気管から瘻孔を通して吸気が流入するので消化管ガスは大量になる。」とわざわざ書いてあるのでC型は除外だと思います。

関連:先天性食道閉鎖症とは?

42,生後3か月男児。3 日間続く嘔吐と腹部膨満を主訴に来院。診察の後,腹部X線撮影が依頼された。 可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。

a 腸重積
b 中腸軸捻
c 消化管重複症
d Hirschsprung 病
e 鼠径ヘルニア嵌頓

正解 e?

  • 左鼠径部〜陰嚢が腫大して透過性が低下しているように見える。

関連:鼠径ヘルニアとは?内鼠径ヘルニア・外鼠径ヘルニアの違いは?

43,生後10か月女児。生後5か月から続く吸気性喘鳴を主訴に来院。ファイバースコープ で異常を認めたため,精査目的にMRIを行った。T1 および T2 強調冠状断像と造影後 T1 強調冠状断像を示す。可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。

a クループ
b 梨状窩瘻
c 気道異物
d 横紋筋肉腫
e 声門下血管腫

正解 e

  • 声門下左側にT2WI高信号でよく染まる構造あり。声門下血管腫。新生児・乳児期に声門下に生じる腫瘤性病変としてはもっとも頻度が高い。声門下の狭窄により上気道閉塞症状をきたす(ときに致死的)。生後6-8週頃に発生し、8-18ヶ月の間は増大を来す。MRIでの信号は一般的な血管腫と同様で、存在範囲や大きさの評価に重要。

参照:『すぐわかる小児の画像診断』p152-153声門下血管腫
関連:声門下血管腫の画像診断は?レントゲン、MRI所見は?

44,70歳代の男性。腹部膨満感で受診した。最近,腹部膨満感が強くなり,下腿浮腫も見られるようになってきた。35歳時に交通事故による骨盤骨折で輸血を受けている。肝予備能Child分類B相当。ダイナミック CT 門脈相を示す。治療法として適切なのはどれか。2 つ選べ。

a 放射線治療
b 拡大右葉切除術
c 肝動注化学療法
d ラジオ波焼灼療法
e 肝動脈化学塞栓療法

正解 a,c

  • Vp4のPVTTを伴うHCCに対する治療法。切除不能でRFAの適応もなし。TACEは禁忌。

45,30歳代の男性。上腹部不快感で近医を受診した際,上腹部エコーで異常を指摘された。 ウイルス性肝炎無し。肝機能異常無し。MRI 画像を示す。次に勧めるべき処置として正しいのはどれか。1 つ選べ。

a 経過観察
b 外科的切除
c 放射線治療
d ラジオ波焼灼療法
e 肝動脈化学塞栓療法

正解 a

  • nBnCの若年男性の偶発肝腫瘤。T2WIで肝実質よりわずかに高信号で、早期濃染あり。肝細胞相ではdefectなし。FNHが疑われるので経過観察。

関連:限局性結節性過形成(FNH)とは?CT、MRI画像診断のポイントは?

46,60歳代の女性。背部痛を主訴に来院した。造影CTを示す。考えられる疾患はどれか。2 つ選べ。

a 通常型膵癌
b 膵腺房細胞癌
c 漿液性囊胞腺腫
d 膵神経内分泌腫瘍
e 膵管内乳頭粘液性腫瘍

正解 a,b (e?)

  • 膵頭部に乏血性腫瘤あり。膵体尾部に主膵管の拡張あり。
  • c,dならば多血性腫瘤が一般的。
  • 主膵管の拡張があり、IPMNに通常型膵癌が合併している状態?ただし膵頭部に腫瘍があるから主膵管が拡張しているだけという可能性も。

47,60歳代の男性。上腹部痛を主訴に来院した。ダイナミックCTを示す。 この疾患で異常が見られにくい臓器はどれか。1 つ選べ。

a 胆 管
b 脾
c 腎
d 大動脈
e 前立腺

正解 b

  • 膵体尾部はソーセージ様に腫大し遷延性に造影効果あり。自己免疫性膵炎疑い。IgG4関連疾患が選択肢の中で起きにくいのは脾臓

関連:IgG4関連疾患とは?どこに発生する?CT画像あり!

48,40歳代の男性。心窩部痛を主訴に来院した。造影CTの横断像と再構成冠状断像を示す。 可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。

a 胆管癌
b 十二指腸癌
c Groove 膵炎
d 化膿性胆管炎
e 十二指腸潰瘍

正解 c

Groove領域に軟部陰影を認めており、消去法的にもGroove膵炎だと思われます。

関連:groove領域とは?膵癌・膵炎の画像診断のポイントは?

49,30 歳代の女性。比較的急性発症の左下腹部痛を主訴に来院した。腹部単純CT横断像を示す。 次にすべき対処法はどれか。1 つ選べ。

a 開腹術
b 経過観察
c 抗菌薬投与
d ステロイド投与
e 経皮的ドレナージ

正解 b

  • 下行結腸腹側に限局性の脂肪織濃度上昇あり。憩室や結腸壁肥厚は見られず、腹膜垂炎を疑う。経過観察。

関連:腹膜垂炎とは?CT画像診断のポイントは?

50,40歳代の男性,年末年始の休暇中に腹痛,嘔吐で救急外来を受診した。手術歴はない。 腹部膨満感が強いためCT を施行した。横断像と冠状断再構成画像を示す。診断と原因について最も考えられる組み合わせはどれか。1 つ選べ。

a 急性小腸炎—–アニサキス症
b 急性虫垂炎—–虫垂石(糞石)
c 小腸捻転—–腸回転異常
d 小腸閉塞—–異物(モチ等)
e 小腸閉塞—–胆石陥頓

 

正解 d

  • 小腸閉塞があり、閉塞部に高濃度構造を認める。問題文からも餅による小腸イレウスを考える。

関連:【保存版】イレウスのCT画像診断の徹底まとめ!

51,上腸間膜動脈造影像を示す。画像について述べた文のうち,誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a 末梢の血流は保たれている。
b 右結腸動脈が正常に描出されている。
c 上腸間膜動脈中枢側の内腔は不整である。
d 中結腸動脈が発達して側副路となっている。
e 上腸間膜動脈から最初に分岐しているのは背側膵動脈である。

正解 不明(e? b? a?)

SMA解離を疑う症例。解答作成にあたり、かなり議論された症例。いろんなアンギオの先生にも聞いて貰いましたが、不明です。

血管の解剖は以下の通りだと思われますが、違う!というご意見ありましたらよろしくお願いします。

  • a 末梢の血管に不整は目立たないが、血流が保たれているか(viabilityがあるか)はこの1枚だけでの評価は不十分と言う意見から、正常に描出されていそう。保たれているといえば保たれている。明らかな間違いとはいえない。という意見まで。○〜△
  • b 右結腸動脈自体は不整はないが、主に中結腸動脈からの造影となっている可能性が高く、側副路を介しての描出が「正常」と言えるかは不明。一応根元から見えているが正常というと微妙か? ○〜△
  • c SMAの内腔は右結腸動脈分岐部あたりで不整。中枢側がどこまでかの定義は不明だが、合ってはいそう。どこまでを中枢側とするのか微妙だがこれは合ってそう。 ○
  • d 中結腸動脈は発達しており、側副路となっていることが疑われる。○
  • e 背側膵動脈(SMAから頭側に向かってT字型の形の血管)はSMAの第1枝であることが比較的多いが、1タイミングの正面像1枚だけでは本当に最初から分岐しているかの評価は不能。根元の方で上から出ている様子だが最初に分岐しているかどうかはこの絵で分かるはずがない。「動画を見せろ!!!」○〜△

 

腎泌尿器・婦人科

52,70歳代の女性。腎臓のMRI を示す。 この病態の原因として,関連性が最も低いのはどれか。1 つ選べ。

a 不適合輸血
b 鎌状赤血球症
c 発作性夜間ヘモグロビン尿症
d 弁膜症に対する金属弁置換術後
e 急性心筋梗塞に対する冠動脈カテーテル治療後

正解 e

  • 腎皮質がT2*WIで低信号化しており、血管内溶血を疑う。起こさないのはe

関連:2010年放射線科診断専門医試験解答解説【51-55】54

53,40歳代の女性。脳性麻痺でほぼ寝たきりの状態。尿路感染,発熱にて造影CTが施行された。可能性が最も高い疾患はどれか。1 つ選べ。

a 腎結核
b 腎乳頭壊死
c 尿路上皮癌
d 腎盂扁平上皮癌
e 黄色肉芽腫性腎盂腎炎

正解 e

  • 右腎盂に粗大な石灰化があり、さんご状結石を疑う。右腎は腫大し、周囲の脂肪織混濁がある。さんご状結石は黄色肉芽腫性腎盂腎炎のリスク。

関連:サンゴ状結石とは?CT画像診断のポイントは?

54,3歳女児。生下時より腎の異常を指摘されている。この疾患について誤りはどれか。1 つ選べ。

a 常染色体優性である。
b 自然退縮傾向がある。
c 患側腎はほぼ無機能である。
d まずは保存的に経過観察される。
e 健側にも膀胱尿管逆流を合併しやすい。

正解 a

  • 多嚢胞性異形成腎(MCDK)。特発性。自然退縮退縮傾向があるため、対側腎尿路奇形がなければ経過観察される。膀胱尿管逆流症の合併が多く、対側の健腎に尿路感染を繰り返すことがある。

関連:多嚢胞性異形成腎(MCDK)の画像診断

55,20歳代の男性。発熱がある。血管造影の所見として正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 血管炎が疑われる。
b 腎盂腎炎が疑われる。
c 腎梗塞が認められる。
d 多発感染性動脈瘤が疑われる。
e cirsoid type の腎 AVM が認められる。

正解 a d or c?

  • 腎末梢動脈に多発動脈瘤あり。血管炎(結節性多発動脈炎)を疑う。染まりに若干のむらがあり腎梗塞もありそうだが、早いタイミングの造影像なので正確な評価は困難では? 鑑別に多発感染性動脈瘤も挙げられる??

関連:結節性多発動脈炎(PAN)とは?画像診断のポイントは?

56,30歳代の女性。ある疾患で加療中である。胸痛を訴え来院。胸部 ・ 腹部造影 CT を示す。この疾患で他に異常の見られやすい臓器はどれか。2つ選べ。

a 小 脳
b 肝
c 膵
d 骨
e 骨格筋

正解 b d

  • 肺はLAM(+気胸)・MMPH、腹部は腎のAMLの破裂による出血か。結節性硬化症を疑う。肝の過誤腫や骨の硬化性結節などが、選択肢内では合併しやすいか

関連:遺伝性(成人家族性)腎腫瘍とは?Von Hippel-Lindau病、Birt-Hogg-Dube症候群、結節性硬化症

57,70歳代の男性。陰茎癌のMRI像を示す。尿閉のため膀胱瘻が造設されている。 認められない所見はどれか。1 つ選べ。

a 恥骨浸潤
b 尿道浸潤
c 尿道海綿体浸潤
d 陰茎海綿体浸潤
e 陰茎上皮下結合織浸潤

正解 a

  • 骨皮質は保たれているように見えます。

58,50歳代の女性。子宮頸癌のステージングのためMRIを施行。骨盤部MRI T2強調矢状断像と横断像を示す。描出されていない病態はどれか。1 つ選べ。

a 前膣壁浸潤
b 左尿管浸潤
c 子宮体部筋層浸潤
d 子宮頸部間質浸潤
e 左子宮傍組織浸潤

正解 b

  • 左尿管はそもそも描出されていないため、正解はbか
  • 横断像で全周性に輪郭が保たれておらず、左優位に毛羽立ちがある→傍組織浸潤(ⅡB)疑い。

59,40歳代の女性。不正性器出血のためMRIを撮影中である。T2強調像(横断,矢状断, 冠状断)を示す。この後,ダイナミック造影を追加したい。評価しやすい画像を得るために適切な,撮像方向と位相方向の組み合わせはどれか。1 つ選べ。ただし,撮像時間や空間分解能はいずれも同じと仮定する。

a 体軸矢状断—–上下
b 子宮体部短軸—–上下
c 子宮体部短軸—–左右
d 子宮頸部短軸—–上下
e 子宮頸部短軸—–左右

正解 c

  • 3つの画像の出し方を考えると、体部病変を示していると思われます。 であれば体部短軸を撮影すると考えられます。 腹壁のmotion artifactを軽減するため、位相エンコード方向は左右に設定します。

関連:改訂版 超実践マニュアル MRI 骨盤 、MRI 検査上級者への道

60,10歳代の女性。3月くらい前から腹部膨満,最近腹痛あり。近医を受診し,紹介されて来院。MRI T2 強調像と造影T1強調像の矢状断を示す。可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。

a 奇形腫
b 顆粒膜細胞腫
c 卵巣甲状腺腫
d 未分化胚細胞腫
e 硬化性間質性腫瘍

正解 d

骨盤内にT2強調像で筋肉よりもやや高信号〜高信号の混在する多結節性の充実性腫瘤あり。内部にはflow voidを疑う低信号域やT2WIでやや低信号な隔壁構造あり。造影で隔壁の染まりあり、未分化胚細胞腫を疑う所見です。

関連:未分化胚細胞腫の画像診断(dysgerminoma)

IVR

61,70 歳代の男性。喀血に対してあるIVR手技が施行された。図に示す。この手技について正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 肺癌患者には禁忌である。
b 術後の喀血の再発は極めて稀である。
c 術前の造影CTの撮影は手技に有用である。
d 重篤な合併症として脊髄梗塞が挙げられる。
e 塞栓物質として金属コイルが用いられることが多い。

正解 c d

BAEの像。

  • a 肺癌患者にむしろよくやる
  • b 再発は比較的経験され、最終的には肺動脈から詰めたりもしうる
  • c 気管支動脈の分岐部・走行の確認や他の血管の関与を見るために術前の造影CTは必須
  • d Adamkiewicz動脈への塞栓物質の逆流による脊髄梗塞は重大な合併症となる
  • e 金属コイルでは近位塞栓となり不十分なため、ゼラチンスポンジや球状塞栓物質、場合によってはNBCAでの塞栓が行われる

62,70 歳代の男性。腹部大動脈瘤に対してステントグラフト内挿術を施行。1 年後のCTで腹部大動脈瘤の増大が認められ,血管造影を行った。考えられるエンドリークのタイプはどれか。1 つ選べ。

a Type Ⅰ
b Type Ⅱ
c Type Ⅲ
d Type Ⅳ
e Type Ⅴ

正解 b

  • 腰動脈と関連するType Ⅱエンドリークあり。
  • TypeⅡエンドリークはステントグラフトのattachment siteとのコミュニケーションを持たない分枝からのリークと定義され、腰動脈、下腸間膜動脈がその原因となる。

 

63,中心静脈ポート留置後に撮影された胸部単純写真を示す。他部位からの留置と比較して,同部位からの留置のメリットとして正しいのはどれか。 1 つ選べ。

a 合併症として気胸が少ない。
b 血栓症をきたしても症状が出にくい。
c カテーテルによる静脈炎がおこる可能性が低い。
d ピンチオフによるカテーテル断裂が起こりにくい。
e IVR の経験が少ない術者でも比較的留置しやすい。

正解 c?

左鎖骨下静脈経由で左前胸部に留置されたCVポートについての一般的な知識を問う問題。他部位がどこを想定しているかわからず、解答しにくい

  • a 気胸は起きやすい
  • b 鎖骨下静脈が血栓でつまり、同側の上肢浮腫が起きることは経験される。出にくいかといわれると微妙
  • c 上腕・前腕留置ポートに比べると間違いなく出にくいが、内頚静脈経由と比べると微妙
  • d 鎖骨の下をくぐるレベルでのピンチオフ(カテーテルの閉鎖や損傷を起こすこと)はむしろ起きやすい
  • e 鎖骨下動脈穿刺や気胸のリスクがあり、初学者には難しいルート。しかし、慣れると10-15分程度でほぼ合併症なく留置でき、禁忌も少ないため、熟練者には比較的好まれる

64,40歳代の女性。検診で腎に異常を指摘されCTを撮影した後,精査目的で行われた血管造影を示す。正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 手術が第一選択である。
b 早期静脈還流が見られる。
c 症状の一つに膀胱タンポナーデがある。
d 全周に石灰化があれば経過観察可能である。
e 長径2cm以上で破裂のリスクが高いとされる。

正解 b c(d e?)

これも皆さんアンギオを得意とする上級医の先生にも聞いて貰いましたが、いろいろ意見が分かれた問題です。

要するに腎動脈瘤と腎動静脈瘻を鑑別する問題です。

①腎動脈瘤ではないかという意見

  • おそらく腎動脈瘤。1相目より2相目で大きくなっており、形からもAVFを考えたいところだが、AVFであれば腎実質よりも先に静脈が描出されるはずであり、この症例は早期静脈灌流が見られない。選択肢を見ても腎動脈瘤と言いたいのでは?とのこと。ただ、専門医試験に出すレベルじゃないし、不適切問題になると思うが、とのことです。
  • a 動脈瘤でもAVFでも手術は第一選択じゃない。
  • b この症例では早期静脈還流が見られない。
  • c 膀胱タンポナーデは術後の仮性瘤や外傷で起こすから、AVFでもありうるとは思うが、動脈瘤ではあまり聞かない。
  • d 全周性に石灰化があれば経過観察可能。動脈瘤なら◯。
  • e 2cm以上で破裂のリスク。動脈瘤なら◯。AVFの場合はわからない・

②腎動静脈瘻ではないかという意見

  • アンギオの先生2人に聞いてみたところ結構意見が分かれました(特に早期静脈還流のところで)が、最終的にはAVFで、bcだろうということになりました。 決め手は、早期相で異常な血管の中に濃度差があり、その後の相でも遅れて異常血管が描出されることです。動脈瘤ならもう少し均一に染まるのでは、ということでした。屈曲蛇行したnidusだからこそこの様に見えます。
  • a ×→まずTAEを考慮
  • b ○→腎動脈が見えているうちに腎静脈が見えすぎ。(ただし、動脈相で最初から見えてないから早期静脈還流ではないのでは、という意見も当初ありました。しかしその他の所見と合わせて考えるとやはり早期静脈還流ありの所見だろうということになりました)
  • c ○→AVFは肉眼的血尿を起こしうる
  • d ×→腎動脈瘤ならそうだが、AVFでは関係ない
  • e ×→これも腎動脈瘤の選択肢

65,70歳代の男性。右側の片麻痺,失語で発症した。発症後5日目に施行された脳血流SPECTの横断像を示す。誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a 左視床に血流低下が見られる。
b 左側頭葉の高集積から脳炎を疑う。
c 中大脳動脈領域に梗塞が存在する。
d 前大脳動脈領域の血流は保たれている。
e 右小脳の血流低下は remote effect による。

正解 b

左MCA領域に血流低下あり。右側の麻痺あり、同部の脳梗塞を疑う所見です。右小脳半球の血流低下は、remote effect によるものと考えられます。

関連:脳血流SPECTにおける遠隔効果(remote effect,diaschisis)とは?

核医学

66,70歳代の男性。認知障害あり。99mTc-ECD 脳血流 SPECT および123I-MIBG シンチグラム 後期像を示す。最も可能性の高い疾患はどれか。1 つ選べ。

a うつ病
b 正常圧水頭症
c 脳血管性認知症
d Lewy 小体型認知症
e Alzheimer 型認知症

正解 e

  • 脳血流SPECTで後方優位の血流低下があり、この点からd,eが疑われ、MIBGシンチでは心の集積は保たれている。AD疑い。

関連:アルツハイマー病における脳血流シンチグラフィの画像診断は?

67,60 歳代の女性。認知症精査のため123I-ioflupane SPECT を施行した。バックグラウンドカウントで正規化された123I-ioflupane SPECT を示す。考えられるのはどれか。2 つ選べ。

a 正常圧水頭症
b Alzheimer 型認知症
c Lewy 小体型認知症
d 進行性核上性麻痺
e 前頭側頭型認知症

正解 c d

頻出問題。両側の線条体の集積低下があり、選択肢ではcかd。

関連:ドパミントランスポーターシンチ(ダットスキャン®)とは?画像診断は?

68,80 歳代の男性。3 ヶ月前から労作時胸痛を自覚するようになった。症状が継続するた め,99mTc-tetrofosmin を用いてアデノシン負荷心筋シンチグラフィを行った。SPECT お よび解析結果を示す。責任冠動脈はどれか。1 つ選べ。

a 対角枝
b 左回旋枝
c 右冠動脈
d 左前下行枝
e 左冠動脈主幹部

正解 d

  • 前壁〜心尖部の集積低下あり。LADが責任血管。

関連:心筋シンチグラフィの読影の仕方(支配血管と部位の関係)

69,50歳代の女性。胸痛精査のため安静時201TlCl 心筋シンチグラフィと123I-BMIPP 心筋シンチグラフィを施行した。冠動脈造影では有意狭窄を認めなかった。両者の対応する SPECT およびブルズアイ表示を並べて提示する。正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 前側壁肥厚がある。
b 肥大型心筋症が疑われる。
c 冠攣縮性狭心症が疑われる。
d 血流-代謝ミスマッチがある。
e 2核種同時にデータ収集できない。

正解 c d

  • c〇冠攣縮性狭心症では繰り返すspasmによる虚血がある場合、脂肪酸代謝障害を生じる。その場合、BMIPP-SPECTで重度の虚血域では集積低下がみられる。
  • d〇血流ー脂肪酸代謝ミスマッチがみられる。
  • e×BMIPPは2核種同時収集できるのが利点。

70,70歳代の女性。頸部腫瘤を主訴に来院した。腫瘍シンチグラムを示す。可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。

a Basedow 病
b Plummer 病
c 悪性リンパ腫
d 異所性甲状腺
e 分化型甲状腺癌

正解 c

  • 67Gaシンチと思われる。集積を認めるのは悪性リンパ腫。

関連:ガリウムシンチグラフィとは?画像診断のポイントは?

71,40歳代の女性。精査のため18F-FDG-PET/CT を施行した。腹部単純CTと腹部PET/CT融合像を示す。所見で正しいのはどれか。1 つ選べ。

a 大網集積
b 脾集積増加
c 膵集積増加
d 肝集積低下
e 左腎腫瘍集積

正解 c

  • 膵は全体的に腫大しており、18F-FDGの集積増加を認めている。自己免疫膵炎などを疑う所見
  • 肝臓は生理的に集積する。尿路にも集積する。
  • 大網への集積は認めていない。

関連:PET検査の生理的集積

72,60歳代の男性。肝腫瘍精査のため18F-FDG-PET/CT を施行した。腹部単純CTとFDGPETを示す。考えられるのはどれか。2 つ選べ。

a 肝囊胞
b 肝細胞癌
c 肝血管腫
d 胆管細胞癌
e 大腸癌肝転移

正解 b c

  • 肝右葉に淡いLDAあり。FDGの集積の程度は周囲肝実質と同程度くらいか。高分化型肝癌や肝血管腫が疑われる。
  • 分化型肝癌、一部の腎癌では、グルコース-6-ホスファターゼ(G6Pase)という脱リン酸化酵素を持っているため、集積されない。

▶核医学を専門とする上司のコメント

正常肝と同程度の集積を呈するものはどれ?という事かと。aは無集積、dとeは多くが高集積。よってb(分化度の高いHCC)とcの血管腫でいいのではないでしょうか。

関連記事:PET検査の基礎知識と原理(SUV、腫瘍、血糖値)

73,8歳の男児。全身のリンパ節腫脹で来院。精査のため18F-FDG-PETを施行した。MIP像を示す。正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 肝脾腫
b 腎腫大
c 胸腺集積
d 正常な骨髄集積
e 骨盤内腫瘤への集積

正解 a c

  • 肝臓および脾臓の腫大、集積あり。
  • 胸腺への集積を認めている。
  • 腎臓や尿路への集積ははっきりせず、骨髄の異常集積を認めています。
  • 骨盤内腫瘤は認めません。骨盤内正中の高度集積は膀胱。

74,70歳代の男性。前立腺癌治療中に精査のため骨シンチグラフィを施行した。骨シンチグラム前面像を示す。所見の解釈で最も適当なのはどれか。1 つ選べ。

a 異常なし
b 多関節炎
c 多発骨転移
d 化学療法後の変化
e 副甲状腺機能亢進症

正解 c

  • 一見普通だが腎臓の集積がなく、super bone scanの状態。副甲状腺機能亢進も鑑別になるが、既往からはまずは前立腺癌多発骨転移を疑う

関連:骨シンチグラフィの画像診断は?骨転移は?

75,70歳代の男性。腰痛精査のため骨シンチグラフィを施行した。骨シンチグラム前面像および後面像を示す。正しいのはどれか。2つ選べ。

a 骨盤転移
b 多発骨転移
c 多発肋骨骨折
d 大腿骨頭壊死
e 仙骨脆弱性骨折

正解 c e

  • 仙骨にHondaサインがあり、脆弱性骨折。肋骨主体に多発集積を認め、長い形状からは多発骨転移を疑う

▶核医学を専門とする上司のコメント

肋骨集積の中に外傷による数珠状集積だけでなく、肋骨長軸に沿った集積もあり、臨床的には骨転移も疑うやろね。仙骨に確かにhonda signがあり、eも迷うけどね。70代男性、、、。う~ん、骨粗鬆症バリバリの高齢女性、放射線治療後の女性とかが典型的やしなぁ。ただ、aがなぁ。転移を選ぶと選択がおかしくなるね。もうひとつの可能性として、骨髄腫baseの病的多発骨折所見としてcとe。こっちのが選択二個としてはスッキリかな。そんな感じやね。

関連:ストレス骨折(stress fracture)とは?疲労骨折、脆弱骨折(不全骨折)

76,70歳代の男性。数か月前から出現した浮腫や労作時息切れが進行し,精査のため紹介された。明らかな冠動脈異常所見はない。精査のため骨シンチグラフィを施行した。最も考えられるのはどれか。1 つ選べ。

a 急性心筋梗塞
b 肥大型心筋症
c 心アミロイドーシス
d 心サルコイドーシス
e 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症

正解 c

  • 骨シンチで心臓に集積があり、アミロイドーシスを疑う。
  • 骨シンチで心臓に集積がある場合→心筋梗塞、不安定狭心症、心サルコイドーシス、cardioversion、心筋挫傷、心室瘤、心筋炎、心膜炎、腫瘍、悪性心嚢水などの可能性がある(核医学画像診断ハンドブックP27)

77,10歳の女児。腎シンチグラムを示す。 正しいのはどれか。1 つ選べ。

a 腎梗塞が最も疑われる。
b 99mTc-DTPA を使用した。
c 投与量を 740 MBq とした。
d 高度の尿路通過障害がある。
e 投与後 1 時間以上経ってから撮像を開始した。

正解 e

腎静態シンチ 

  • a  左腎上極は尿路感染後の瘢痕を疑う
  • b Tc-DMSA 
  • c 37~185MBq
  • e 投与後2-4時間 

関連:腎静態シンチグラフィの画像診断

78,40歳代の男性。高血圧の精査のため副腎皮質シンチグラフィを施行した。プラナー後面像を示す。正しいのはどれか。1 つ選べ。

a 両側褐色細胞腫が疑われる。
b 左副腎腺腫による Cushing 症候群が疑われる。
c 右副腎腺腫による Cushing 症候群が疑われる。
d 放射性医薬品の投与量は通常 740 MBq 程度である。
e 放射性医薬品の投与後 4 日以上たってから撮像された。

正解 e

副腎皮質シンチ 131I-アドステロール

  • ステロイドホルモンの合成素材として皮質に取り込まれる。
  • 肝臓の集積が目立たない。正常では肝臓の集積の方が副腎より強く描出される。
  • 背面からの撮影で左の方が強く、両側の副腎が描出されている
  • 18.5MBqを30秒以上かけてゆっくり静注。
  • エタノールが含まれるのでアルコール過敏症は注意。
  • 遊離131Iが甲状腺に集積するのを防止するためヨウ素製剤(ルゴール液など)で甲状腺ブロックを行う。検査3日前から検査終了まで。
  • 原発性アルドステロン症の鑑別にはデキサメタゾン抑制副腎皮質シンチグラフィを行う。デキサメタゾンを投与することでACTH分泌が抑制され、健側の集積が低下し、左右差が明瞭化。

関連:第13回核医学専門医試験【解答】60番

79,70歳代の男性。濾胞性リンパ腫の核医学治療前に111In-イブリツモマブ チウキセタンによるシンチグラフィを施行した。投与 2日後のシンチグラム全身像を示す。正しいのはどれか。1 つ選べ。

a 治療適格である。
b 肝病変が描出されている。
c 腎集積が異常に低下している。
d 病変集積がないので治療しない。
e 骨髄集積から治療不適格と判定される。

正解 e

  • ゼヴァリン投与前の評価シンチ。111In-イブリツモマブ チウキセタン 骨髄への集積が認められ、投与不適切な分布と判断される。

関連:90YによるCD20陽性悪性リンパ腫の治療とは?

80,223Ra による RI 内用療法について正しいのはどれか。1 つ選べ。

a 単回投与でよい。
b 全生存期間を延長しない。
c 乳癌骨転移に適応である。
d 外来患者には投与できない。
e 223Ra がハイドロキシアパタイト複合体を形成する。

正解 e

  • 223Ra 商品名 ゾーフィゴ。ハイドロキシアパタイト複合体を形成。
  • カルシウム類似体として骨代謝の亢進した骨転 移部位に取り込まれるのでハイドロキシアパタイト複合体を形成。
  • 高エネルギーのアルファ線により腫瘍細 胞のDNA二重鎖を切断。Srはベータ線。Raの方が効果が出る範囲が小さいので、骨髄抑制はRaの方が少ない。
  • (アルファ線の組織内飛程 は100μm(およそ細胞10個分)未満)
  • 投与法:ゾーフィゴ55kBq/kgを4週毎に6回静脈内投与+標準的治療
  • 生命予後を改善する。Srはしない。

 

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