2015年放射線科専門医試験解答+解説
【更新情報】
2019年7月25日 11修正
基礎
1,
放射性核種の崩壊の状況を表した図表を崩壊図と呼ぶ。β -崩壊は右下方への斜線で示 し,γ 崩壊は垂直下方への線で示す。α 崩壊,β +崩壊及び軌道電子捕獲は左斜線で示す。これは,原子番号の大小を,直線座標での右左に対応させるためである。崩壊図を 示す。誤っているのはどれか。1 つ選べ。
a β 崩壊の後,原子量が 1 増える。
b カリウム 40 の半減期は 1.28×109 年である。
c 軌道電子捕獲でカリウムがアルゴンになる。
d 放出されるガンマ線のエネルギーは 1.46 MeV である。
e カリウム 40 100 Bq では,毎秒 89 個のベータ線が放出される。
・原子量とは陽子数と中性子数の和と覚えておけばよい。
・β崩壊では中性子が陽子・電子・反ニュートリノ転換し、電子と反ニュートリノは原子核外に放出される現象。
・要するに中性子数と陽子数の和である原子量は変わらない。
2,
高エネルギー放射線 4.2 Gy を水 500 g に照射した際の温度上昇は何度か。1 つ選べ。 ただし,吸収線量の単位は Gy=J/kg,1 cal=4.2 J なので,4.2 Gy=4.2 J/kg=1.0 cal/ kg とする。1 cal は水 1 cm3 の温度を 1℃上昇させる熱量である。
a 2℃
b 1℃
c 0.5℃
d 1/1000℃
e 0.5/1000℃
・問題文に書いてあるようにGy=J/kg、つまり単位質量あたりに与えるエネルギーであり、水の質量は関係ない。簡略化するために水1kgと考えてもよい。
・4.2Gyで水1kgに4.2Jつまり、1calの熱量が与えられる。1kgは1000gなので1gあたりは1/1000cal。つまり答えは1/1000℃。
・それだけ少ないエネルギーで効率よくDNAを破壊できる、ということを言いたいのだろうか。
3,
Bragg ピークを有する放射線はどれか。1 つ選べ。
a 陽子線
b ベータ線
c アルファ線
d 高エネルギー X 線
e 高エネルギー電子線
・ブラッグピークは陽子を含む荷電粒子、つまり陽子線、α線、そのほか重粒子線など。
・問題文は1つ選べになっているが出題ミス??
4,
MRIの脂肪抑制法は水と脂肪の物質特性の違いを利用している。物質特性として一般的 なのはどれか。2 つ選べ。
a 拡散係数
b 縦緩和時間
c 横緩和時間
d 共鳴周波数
e プロトン密度
・MRIの脂肪抑制法のうち、CHESS法は共鳴周波数差、STIR法は縦緩和時間差、opposed-phase,in-phaseは位相(phase)差を利用しています。
5,
全身照射後に無治療の場合,30 日以内に約 50%が死亡する線量はどれか。1 つ選べ。 a 1 Gy
b 4 Gy
c 12 Gy
d 24 Gy
e 40 Gy
・正確な数値を覚えていなくとも選択肢的にこれだろうと思われる。
6,
治療に使われている放射線で生物学的効果比(RBE)が最も大きいのはどれか。1 つ選 べ。
a 炭素線
b 電子線
c 陽子線
d ガンマ線
e エックス線
・ある程度までは高LET線ほどRBEは高い。ただしLETが高くなりすぎるとRBEは低下してくる現象(overkill)があることは覚えておく。
7,
LQ モデルにおける α/β 比が小さいとされている腫瘍はどれか。1 つ選べ。
a 乳癌(腺癌)
b 前立腺癌(腺癌)
c 肺癌(扁平上皮癌)
d 頭頸部癌(扁平上皮癌)
e 子宮頸癌(扁平上皮癌)
・前立腺癌のα/βは1~3Gy。
・乳癌は4Gy程度。
・c,d,eは横並びで10Gy程度。
8,
通常分割照射で臓器全体(両側性の場合は両方)が照射された場合,重篤な晩発障害を 基準にすると耐容線量が最も低いのはどれか。1 つ選べ。
a 脳
b 心
c 肝
d 腎
e 膀胱
・過去問通り。主要臓器の耐容線量は覚えておこう。
9,
IVR を受ける患者の皮膚障害について正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 年齢に依存する。
b 自然治癒はない。
c 手技中から発生する。
d 皮膚生検は行わない。
e 照射野と離れた部位にも発症する。
・放射線による皮膚障害に対し生検を行うと潰瘍を作ってしまうことがある。
10,
高線量の被ばくは胎児の精神発達遅滞の危険性を高める。曝露時の妊娠月数として,こ の恐れが最も高いのはどれか。1 つ選べ。
a 1 か月
b 3 か月
c 5 か月
d 8 か月
e 10 か月
・9日~8週 器官形成期。この時期に高線量被曝すると奇形の可能性あり。
・8週~25週 胎児期。この時期に高線量被曝すると精神発達遅滞の可能性あり。特に8週~15週でリスクが高い。
・8周~40週 胎児期。高線量被曝により発育遅延の可能性あり。
11,
非イオン性ヨード造影剤を静注した場合の副作用の症状として,最も高頻度にみられる のはどれか。1 つ選べ。
a 熱感
b 発疹
c 嘔吐
d めまい
e 血圧低下
・これを副作用といっていいのかわからないが・・・
レジデントセミナーの講義資料で、熱感は生理的反応と書かれています。
熱感は副作用ではないと思われ、正解はc.嘔吐ではないかと思います。
いまいちな問題な気もしますが・・・
らっちょ先生ありがとうございます!!!
12,
妊婦が放射線検査を受けた場合,胎児被ばく線量が最も高いのはどれか。1 つ選べ。
a 注腸造影
b 頭部単純 CT
c 骨盤単純 CT
d 胸部 X 線撮影
e 腰椎単純 X 線撮影(正,側 2 方向)
・患者の被曝量としては注腸のほうが大きいのですが、胎児の被曝量となると骨盤部CTのほうが大きくなるようです。
13,
放射線と遮蔽体との組み合わせとして,適切でないのはどれか。1 つ選べ。
放射線——–遮蔽体
a アルファ線—紙
b ベータ線—アルミ板
c ガンマ線—鉛
d エックス線—水
e 中性子線—パラフィン
・これはわかると思います。
・ちなみに中性子は荷電していないので原子核に直接衝突させることで運動エネルギーを奪う。その際相手が大きすぎるとただ跳ね返るだけなので、質量が同程度の水素原子が多い物質ほど中性子線のエネルギーを奪える。そのため安価でかつ水素原子を多く含む水やパラフィンが使用される。
(Wikiではピンポン玉とビリヤード玉でたとえてあり、わかりやすかった。)
14,
電子カルテにおける電子保存について正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 電子保存の五原則を遵守する必要がある。
b 電子カルテの保管期限は 20 年と定められている。
c 電子化医用画像の保管期限は 10 年と定められている。
d システム更新で旧来の記録が利用不能になっても保存性は確保できる。
e 権限保有者からの要求に基づき肉眼で見読可能な状態にできることを見読性という。
b,c× 電子カルテの保管期限は5年。医用画像は完結の日から3年。
dはよくわからないが、以下よりeを回答としてよいと考える。
電子保存の三原則
以下厚労省の「診療録等の電子媒体による保存について」より抜粋。
(1) 保存義務のある情報の真正性が確保されていること。
- 故意または過失による虚偽入力、書換え、消去及び混同を防止すること。
- 作成の責任の所在を明確にすること。
(2) 保存義務のある情報の見読性が確保されていること。
- 情報の内容を必要に応じて肉眼で見読可能な状態に容易にできること。
- 情報の内容を必要に応じて直ちに書面に表示できること。
(3) 保存義務のある情報の保存性が確保されていること。
- 法令に定める保存期間内、復元可能な状態で保存すること。
15,
個人情報保護について誤っているのはどれか。1 つ選べ。
a 偽りその他不正の手段による個人情報の取得は禁止である。
b 本人の同意を得ない個人データの第三者提供は原則禁止である。
c 個人情報の取り扱い時は利用目的をできる限り特定すべきである。
d 本人から直接個人情報を取得する場合の利用目的は明示する必要がある。
e 同意取得後であれば特定された目的以外の利用でも本人の同意は不要である。
診断
16,
脳梗塞について正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 超急性期脳梗塞では ADC は低下しない。
b CT 早期虚血サインは小脳に見られることが多い。
c 分水嶺梗塞の原因はアテローム血栓性が多い。
d ラクナ梗塞の原因はほとんど心原性塞栓である。
e 頭蓋内出血の有無にかかわらず rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法を行う。
b×テント下はテント上と比較するとCTでは評価しにくい。
e×頭蓋内出血はt-PA禁忌。その他CTで広範な早期虚血性変化や正中偏位など、多数の禁忌項目がある。
17,
頭部外傷について誤っているのはどれか。1 つ選べ。
a 急性硬膜外血腫ではしばしば近傍に骨折を伴う。
b 軸索損傷の診断には MRI の T2*強調像が有効である。
c 静脈洞損傷による硬膜外血腫は縫合を越えて広がる。
d 典型的な脳挫傷の CT では高吸収と低吸収が混在する。
e 少量の急性硬膜下血腫の CT では狭いウインドウ幅が有効である。
a,b○
c○ 通常の硬膜外血腫は縫合線を越えないが、静脈洞損傷だと越える。
d○ salt & pepper sign
e× 皮質骨と区別をつけるため少しウインドウ幅を広げるとよい。
18,
頭部外傷に伴う急性硬膜外血腫の責任血管として考えにくいのはどれか。1 つ選べ。
a 皮質動脈
b 板間静脈
c 中硬膜静脈
d 中硬膜動脈
e 硬膜静脈洞
・皮質動脈はくも膜下腔を走っている。
19,
脳腫瘍と好発部位との組み合わせとして正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 胚細胞腫—脈絡叢
b 血管芽腫—小脳半球
c 乏突起膠腫—頭頂葉
d 頭蓋咽頭腫—斜台
e 中枢性神経細胞腫(central neurocytoma)—側脳室下角
a× 松果体部50% 神経下垂体部30%
b○
c× 前頭葉
d× 鞍上部
e× モンロー孔近傍
20,
小児の脊髄内腫瘍として最も多いのはどれか。1 つ選べ。
a 上衣腫
b 血管芽腫
c 星細胞腫
d 神経節膠腫
e 悪性リンパ腫
・成人は上衣腫。
21,
神経線維腫症 2 型について正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 髄膜腫の頻度が高い。
b 脊髄空洞症を合併する。
c 蝶形骨の形成異常を伴う。
d 皮膚神経線維腫を生じる。
e 常染色体劣性遺伝である。
22,
急性 CO 中毒症において障害されやすい部位はどれか。1 つ選べ。
a 被殻
b 視床
c 淡蒼球
d 尾状核
e 大脳皮質
23,
頭蓋底の正常解剖に関する組み合わせとして誤っているのはどれか。1 つ選べ。
a 正円孔—上顎神経
b 卵円孔—下顎神経
c 翼突管—舌咽神経
d 前庭水管—内リンパ管
e 棘孔—中硬膜動脈
a○ b○ e○
c× 翼突管は、大及び深錐体神経が合した翼突管神経及び翼突管動脈が通る。
d○
参考記事)中頭蓋底を中心として認められる孔(正円孔、卵円孔、棘孔、頸動脈管)
24,
頭頸部癌の TNM 分類において、病理組織型が病期分類に影響する部位はどれか。1 つ 選べ。
a 口腔
b 咽頭
c 喉頭
d 鼻腔
e 甲状腺
・甲状腺未分化癌はすべてT4
・甲状腺内に限局すればT4a、甲状腺の被膜を越え進展すればT4b
25,
乳児の骨折において虐待を強く疑うのはどれか。2 つ選べ。
a 骨盤骨折
b 肋骨骨折
c 顔面骨骨折
d 骨幹端骨折
e 骨幹部骨折
・肋骨や顔面骨は簡単に折れそうだが、骨盤骨は大きな外力がなければ折れないのでは?とおもってaを選んだが、はたして。
この問題ですが、自然外力と違って虐待・人為的な外力による骨折に特異度が高い骨折としていくつか知られているようで、
正解は肋骨と骨幹端のb,dでよいのではないでしょうか。TDjr.先生
TDjr.先生ありがとうございます。
26,
腸脛靭帯症候群(iliotibial band friction syndrome)について正しいのはどれか。2 つ 選べ。
a 陸上短距離選手に多い。
b 矢状断像で所見がとらえやすい。
c overuse syndrome のひとつである。
d 膝内側の痛みを訴えることが多い。
e 脂肪抑制 T2 強調画像が診断に有用である。
a× 長距離選手に多い
b× 矢状断だとみにくく、冠状断で見やすい
c○
d× 外側
e○
27,
関節疾患について正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 関節リウマチでは骨増殖を伴う。
b 変形性関節症では骨粗鬆症をきたす。
c 透析性脊椎関節症では脊椎強直をきたす。
d 強直性脊椎炎では脊椎に靭帯骨棘を形成する。
e 慢性結節性痛風では関節に紡錘状腫脹を認める。
a× むしろ骨破壊
b× 関係ない
c× 椎間板変性や椎体・椎管関節の進行性破壊。また脊柱管内の靭帯や椎間板にアミロイド沈着や増殖性変化をきたし、脊柱管狭窄。
d○
e× 関節の腫脹より、関節周囲の軟部組織内結節が特徴的
28,
関節軟骨の石灰化をきたす疾患はどれか。2 つ選べ。
a 偽痛風
b 関節リウマチ
c アミロイド関節症
d 滑膜性骨軟骨腫症
e 副甲状腺機能亢進症
・偽痛風は軟骨石灰化症に症状をきたしたもの。
・軟骨に石灰化をきたす原因の一つとして副甲状腺機能亢進症がある。
29,
骨幹に好発するのはどれか。1 つ選べ。
a 骨肉腫
b 巨細胞腫
c Ewing 肉腫
d 軟骨芽細胞腫
e 骨内ガングリオン
a× 骨幹端
b× 骨端
c○ 骨幹
d× 骨端
e× ガングリオンだから関節周囲
30,
軟骨無形成症として正しいのはどれか。1 つ選べ。
a ベル型胸郭
b 膜様頭蓋骨
c 出生時多発骨折
d 近位長管骨短縮
e 肋骨リボン様変形
軟骨無形成症(日本小児内分泌学会作成の軟骨無形成症診断基準より抜粋)
【症状】
- 近位肢節により強い四肢短縮型の著しい低身長
- 特徴的な顔貌(頭蓋が相対的に大きい、前額部の突出、鼻根部の陥凹、顔面正中部の低形成、下顎が相対的に突出)
- 三尖手(手指を広げた時に中指と環指の間が広がる指)
【検査所見】
- 四肢:管状骨は太く短い、長管骨の骨幹端は幅が広く不整で盃状変形(カッピング)、大腿骨頸部の短縮、大腿骨近位部の帯状透亮像、大腿骨遠位骨端は特徴的な逆V 字型、腓骨が脛骨より長い。
- 脊椎:腰椎椎弓根間距離の狭小化、腰椎椎体後方の陥凹。
- 骨盤:坐骨切痕の狭小化、腸骨翼は低形成で方形あるいは円形、臼蓋は水平、小骨盤腔はシャンパングラス様。
- 頭部:頭蓋底の短縮、顔面骨低形成。
- 手:三尖手、管状骨は太く短い。
31,
肺の薄層 CT にてランダム分布を示す粒状結節が認められた。考えられる疾患はどれ か。1 つ選べ。
a 珪肺症
b 粟粒結核
c 過敏性肺炎
d びまん性汎細気管支炎
e Langerhans 細胞組織球症
過去問にも同様の問題あり。
32,
病変が上肺に多い疾患はどれか。2 つ選べ。
a 肺結核症
b 誤嚥性肺炎
c 肺血栓塞栓症
d 特発性間質性肺炎
e Langerhans 細胞組織球症
a○ 上
b× 下
c× どちらかというと下
d× 下
e○ 上
33,
病変分布が肺野末梢優位な疾患はどれか。2 つ選べ。
a 珪肺
b 過敏性肺炎
c 肺胞性肺水腫
d 特発性肺線維症
e 慢性好酸球性肺炎
a×
b× びまん性
c× 中枢優位なことが多い
d○ 末梢優位
e○ 末梢優位
34,
肺癌病期分類について正しいのはどれか。1 つ選べ。
a T1a は腫瘍最大径 1 cm 以下
b T2 は腫瘍最大径 5 cm 以下
c 同一肺葉内転移は T3
d 対側肺転移は T4
e 悪性心囊水は M1b
a× T1aは2cm以下
b× T2は7cm以下
c○
d× 対側肺転移はM1a
e× 悪性心嚢水はM1a(M1bは遠隔転移)
2018/02/14追記
日本肺癌学会編「臨床・病理 肺癌取扱い規約 2017年1月(第8版)」(金原出版)によると、
T1a:充実成分の大きさが1cm以下で、TisやT1miには相当しない→aは正解ということになる。
T2:充実成分の大きさが3cmを超え5cm以下 または、充実成分の大きさが3cm以下でも以下のいずれかであるもの
・臓側胸膜に浸潤がある
・肺門まで連続する部分的または片側全体の無気肺か閉塞性肺炎がある
または、充実成分の大きさが5cm以下でも以下のいずれかであるもの
・同一の肺葉内で離れたところに腫瘍がある
35,
肺結核と比較して,非結核性抗酸菌症で高頻度に病変が認められる区域はどれか。1 つ 選べ。
a 右 S1
b 右 S2
c 右 S6
d 左 S1+2
e 左 S5
NTM好発部位は右肺中葉、左肺舌区
S1,2,6は結核の好発部位
36,
びまん性肺胞出血をきたす疾患はどれか。1 つ選べ。
a サルコイドーシス
b 慢性過敏性肺炎
c 急性好酸球性肺炎
d Langerhans 細胞組織球症
e 全身性エリテマトーデス(SLE)
過去問通り
37,
未治療の AIDS 患者に合併したニューモシスティス肺炎において特徴的な CT 所見はど
れか。2 つ選べ。
a びまん性スリガラス影
b 多発性の空洞性病変
c 多発性の angiogram sign
d びまん性の tree in bud appearance
e 肺門側優位の気管支血管束の肥厚
AIDS患者のPCPに特徴的な所見として、すりガラス影に加え上葉優位の多発空洞影を呈することがある。気胸の原因ともなりうる。治療により空洞は改善することが多い。
38,
特発性器質化肺炎に特徴的な画像所見はどれか。2 つ選べ。
a 蜂窩肺
b 遊走性
c halo sign
d 中枢性分布
e 非区域性分布
a× 蜂窩肺を呈さないのが特徴
b○ 陰影が改善したり別の部位で増悪したり、あたかも遊走しているかのような所見。移動性陰影(遊走肺炎:wandering pneumonia)。
c× reversed halo signが特徴的だが頻度としては20%。また他の疾患でもreversed haloは呈しうる。
d× 気管支血管束沿いもしくは胸膜下優位
e○
39,
胸部外傷の画像所見として正しいのはどれか。2 つ選べ。
a 横隔膜損傷は左側に多い。
b 大動脈損傷は遠位下行大動脈に多い。
c 外傷性肺囊胞は 1~2 週で消退する。
d 気道損傷は気管分岐部の近傍に多い。
e 肺挫傷は受傷の数時間後に生じることが多い。
a○ 左が9割(右は肝臓に守られている)
b× 左鎖骨下動脈分岐部直下の下行大動脈
c× 長期間残存することも
d○
e× 受傷直後~数時間以内に生じる
40,
正常人において胸骨背面に最も近接するのはどれか。1 つ選べ。
a 上大静脈
b 右心房
c 右心室
d 左心房
e 左心室
胸骨に最も近接しているのは右心室ですね。
画像は、胸部縦隔条件画像診断ツールより。
なか先生御指摘ありがとうございました。
41,
心筋脂肪変性をきたしやすい疾患はどれか。1 つ選べ。
a 心筋炎
b 収縮性心膜炎
c 陳旧性心筋梗塞
d 心アミロイドーシス
e 心サルコイドーシス
胸部単純CTでもしばしば心筋の脂肪変性は確認できる。
陳旧性心筋梗塞のほか不整脈源性右室心筋症でも心筋脂肪変性を認めることがある。
42,
心疾患について正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 粘液腫は無茎性が多い。
b 血栓は左心耳に好発する。
c 心室瘤の好発部位は右心室前壁である。
d 収縮性心膜炎の石灰化は心尖部で厚い。
e 川崎病の冠動脈瘤は遠位部に好発する。
a× 有茎性が多い
b○
c× 心尖部
d×
e× 冠動脈起始部および左主冠動脈分岐部
43,
左右上肢に血圧差が見られる頻度が最も高い疾患はどれか。1 つ選べ。
a 川崎病
b 高安動脈炎
c 動脈管開存症
d Leriche 症候群
e Stanford B 型大動脈解離
Leriche症候群は腎動脈分岐部より遠位の腹部大動脈から総腸骨動脈分岐部周辺までに限局した慢性的な大動脈閉塞症。
44,
動脈疾患と特徴的所見との組み合わせとして正しいのはどれか。2 つ選べ。
a 高安動脈炎—冠動脈病変
b 炎症性大動脈瘤—大動脈壁菲薄化
c Marfan 症候群—大動脈弁輪拡張
d 感染性大動脈瘤—紡錘状拡張
e 線維筋性異型成—腎動脈起始部
a○
b× 肥厚
c○
d× 嚢状が9割以上
e× 腎動脈中央部~遠位
45,
乳房の超音波検査について正しいのはどれか。2 つ選べ。
a プローブは皮膚に垂直にあてるように心がける。
b プローブは約 5 MHz の周波数のものを使用する。
c 患者によってフォーカスを変更する必要はない。
d 見逃しやすい部位は乳房辺縁部と乳頭直下である。
e 乳腺量が少ないほうが腫瘤の検出は容易である。
a○ 腹部超音波では様々な角度でプローブを充てるが、乳房超音波では皮膚に垂直に当てるようにする。
b× 7.5~10MHz
c×
d○
e×
46,
乳房の MRI について正しいのはどれか。2 つ選べ。
a 通常は仰臥位で撮像する。
b 磁場強度は 1.5 T(テスラ)以上が望ましい。
c 実施に最適な時期は生理周期開始後 5~12 日とされている。
d 造影ダイナミック撮像は患側乳房のみの撮像が一般的である。
e 造影ダイナミック撮像の 1 回撮像時間は約 3 分が推奨されている。
a× 腹臥位
b○
c○
d× 両側乳房
e×
47,
マンモグラムのカテゴリー分類が 5 である所見はどれか。1 つ選べ。
a 構築の乱れ
b 境界明瞭な腫瘤
c 淡く不明瞭な石灰化の集簇
d 微小円形石灰化の線状分布
e 微細線状石灰化の区域性分布
a× 術後等でありそれで説明可:2、 構築の乱れ疑い:3、 明らかな構築の乱れ:4
b× 濃度や内部性状にもよるが4以下。
c× 淡く不明瞭な石灰化の集簇は3。淡く不明瞭な石灰化が区域性に分布していれば4。
d× 3もしくは4
e○ 微細線状・分枝状は5。
48,
Chiari II 奇形に通常伴わないのはどれか。1 つ選べ。
a 滑脳症
b 延髄圧迫
c 二分脊椎
d 脊髄髄膜瘤
e 脳梁形成異常
49,
新生児・乳児の単純 X 線写真における所見として異常なのはどれか。1 つ選べ。
a 胸腺陰影
b 小泉門開大
c 大腿骨頭骨端核
d 前頭洞含気不良
e 生後 2 日で直腸ガスが同定不可
・生後の時間経過とガス像の関係。
→1時間で小腸、3時間で盲腸、11時間でS状結腸。
・小児では後腹膜腔の脂肪が少なく、腸腰筋影は必ずしも認められるわけではない。
・上顎洞は 7 歳頃より発達する。なので両側上顎洞は含気不良となる。
・大泉門閉鎖には生後 1 年半ないし 2 年かかる。
※小泉門は2−3ヶ月。
50,
先天性横隔膜ヘルニアについて正しいのはどれか。2 つ選べ。
a 右側に多い。
b 縦隔は患側に偏位する。
c 肺成熟度は MRI で評価できる。
d Bochdalek ヘルニアが最も多い。
e 胸腔内への肝臓の脱出は予後因子ではない。
先天性横隔膜ヘルニア
a:患側は左側例が約90%を占め、右側例は10%程度である。
b:健側に偏位する
c:○
d:○
e:×肝脱出例は重症例が多い
51,
肺腫瘍に対する VATS マーカー留置の合併症として頻度が高いのはどれか。2 つ選べ。 a 喀血
b 気胸
c 血胸
d 空気塞栓
e 腫瘍播種
VATSマーカー留置の合併症
CTガイド下にて施行する。
a:○
b:○
c:肋間動脈や内胸動脈の損傷の回避は可能と考えられる。
d:起こりうるが頻度が高いとは言えない
e: 起こりうるが頻度が高いとは言えない。
52,
原発性アルドステロン症における副腎静脈サンプリング法について正しいのはどれか。 2 つ選べ。
a 手術を希望しない症例にも行う。
b 腺腫と過形成の鑑別が可能である。
c アルドステロン分泌部位を知ることが主目的である。
d 副腎動脈に造影剤を注入して副腎を刺激した直後に行う。
e 採取された血液のアルドステロンとコルチゾールの濃度を測定する。
原発性アルドステロン症における副腎静脈サンプリング
a:原発性アルドステロン症の確定診断後の治療方針
ガイドラインを参照すると手術を検討した後に副腎静脈採血となっている。手術を希望しない場合は薬物療法を行う。
b:×
c: 【副腎静脈採血の目的】原発性アルドステロン症症例でのアルドステロン過剰分泌部位が両側副腎か片側副腎か、そして片側である場合右副腎か左副腎かを決定し、手術治療の適応を決定する。であるから○
d:×ACTHを静注後一定時間後に両側副腎静脈からの採血を行う
e:○アルドステロン/コルチゾル(A/C)左右比を主体にアルドステロンの絶対値も考慮に入れて診断する。
53,
肝門部の解剖について正しいのはどれか。2 つ選べ。
a 総胆管は門脈の背側を走行する。
b 総肝動脈は胆管の外側を走行する。
c 肝十二指腸間膜の背側に網囊孔がある。
d 胆囊動脈は Calot の三角を走行することが多い。
e 右肝動脈は総肝管の背側を走行することが多い。
a:×総胆管は門脈の右腹側を走行する
b:×総肝動脈は胆管の内側を走行する
c:○肝十二指腸靭帯(間膜)の背側に網嚢の入り口である網嚢孔が位置する。
d:○Calot三角は肝臓下面、総肝管、胆嚢管からなり、この中を胆嚢動脈が通っている。
e:○
54,
造影剤についての記述で正しいのはどれか。1 つ選べ。
a ガストログラフィン® は腎不全時には使用できない。
b ガドリニウム系造影剤は透析患者にも使用できる。
c Gd-EOB-DTPA 造影剤は大部分が腎臓から排泄される。
d ヨード系造影剤はヨードの原子番号が高いため増強効果を呈する。
e MRI 用経口造影剤(塩化マンガン四水和物)は大部分が胆汁中へ排泄される。
a:経口、注腸で血流に入らず腎不全時でも使用可能と考えられる。ガストログラフィンの添付文書を参照しても腎不全に関して記述なし。
b:禁忌
c: ガドキセト酸ナトリウム60%は腎臓に排泄されるが、40%は各種トランスポーターにより肝細胞に取り込まれ、胆汁として(胆道系に)排泄される。60%を大部分とすると正解である。
d:I 原子番号53 原子番号が高いとは必ずしもいえない。
2018/03/04更新
cの大部分という表現は、ニュアンスの問題になりますが、ほとんどが腎より排泄されるということのように思います。
またヨードの原子番号が高くないとのことですが、これは不正確です。体に存在する原子の原子番号(C,O,N,H,Caはいずれも20以下)と比較しては高く、X線透過性は密度と原子番号に比例します。甲状腺が高吸収に映るのもそれが理由です。
私はdが正解ではないかと思います。
ksk先生ありがとうございます!
e:ボースデル 消化管陰性造影剤 胆汁中には排泄されない
55,
腹部画像検査と造影剤との組み合わせを示す。陰性造影剤はどれか。2 つ選べ。
a MRCP—MRI用経口造影剤
b 肝 MRI —-網内系造影剤
c 消化管造影 —バリウム
d 肝造影超音波検査 —マイクロバブル造影剤
e 肝ダイナミック造影 —CT ヨード系造影剤
a:○RCP-MRI用経口造影剤 ボースデル® 消化管陰性造影剤
b:○MRI-網内系造影剤 superparamagnetic iron oxide (SPIO) SPIO粒子は血中のopsoninと結合して、投与量の約80%が肝網内系Kupffer
細胞に貪食される。Kupffer細胞内ではSPIOはlysosome顆粒に集積してclusterを形成し、大きいclusterは局所磁場を擾乱してT2*を短縮し、肝の信号強度を低下させる。また小さいclusterは水分子のmagnetic centerへの接近を容易とし、T1およびT2を短縮する。陰性造影剤。
c:×消化管造影-バリウム 陽性造影剤。
d:×イクロバブル造影剤:Levovist®とSonazoid®:音波造影剤の微小気泡は超音波が照射されると共振・崩壊など変化し、そのことで造効果が生じる。陽性造影剤。
e:×肝ダイナミック造影CT-ヨード造影剤 陽性造影剤。
56,
肝限局性結節性過形成の特徴はどれか。2 つ選べ。
a 肝硬変を背景に発生する。
b T2 強調像で被膜が確認できる。
c 肝コロイドシンチグラフィで集積を認める。
d ダイナミック造影 CT 動脈優位相で増強効果を示す。
e Gd-EOB-DTPA 造影 MRI の肝細胞相で低信号を呈する。
肝限局性結節性過形成
a:×定義上、非肝硬変に発生するとされる。
b:×通常被膜は持たない。
c:○
d:○
e:×Gd-EOB-DTPA造影MRI肝細胞造影相では中心瘢痕を除いて取り込みを認める。
57,
膵漿液性囊胞腫瘍について正しいのはどれか。2 つ選べ。
a 主膵管と交通しない。
b 卵巣様間質を有する。
c 卵殻状石灰化を生じる。
d 境界悪性である頻度が高い。
e 中心部に星芒状瘢痕を形成する。
漿液性嚢胞腫瘍
a:○通常主膵管と交通しない。
b:×卵巣様間質をもつのはMCNである。
c:×中心部に石灰化がある。卵殻ではない。MCNでは被膜に石灰化がある。
d:×良性病変である。
e:○中心部に石灰化、星芒状瘢痕を認める。
58,
ブチルスコポラミン(ブスコパン® )が投与禁忌でないのはどれか。1 つ選べ。
a 喘 息
b 緑内障
c 心筋梗塞
d 前立腺肥大症
e 麻痺性イレウス
ブスコパン(抗コリン薬)の禁忌
a:○気管支喘息に対して抗コリン薬は治療薬ですらある。禁忌ではない。
bからeはすべて禁忌
59,
ガストログラフィン® による造影検査を行ってはならないのはどれか。1 つ選べ。
a 胃 癌
b 直腸膣瘻
c 食道気管瘻
d 小腸悪性リンパ腫
e 十二指腸潰瘍穿孔
答えc:肺水腫を来す可能性があり、食道気管瘻症例に対しガストログラフィン®による造影検査を行うべきでない。
60,
単純 CT で検出しにくい消化管異物はどれか。1 つ選べ。
a 義歯
b ヘアピン
c 10 円硬貨
d 梅干しの種
e PTP(Press through package)シート
単純CTで検出しにくい消化管異物
d:画像診断では29例中28例にCT が施行され, そのうち22例(78.5%)で種子は高吸収の異物像としてとらえられている。(柿の種子による腸閉塞の1例)
e:ptpシートは素材によってはほとんどうつらないものもある。
61,
高血圧をきたす副腎疾患について正しいのはどれか。2 つ選べ。
a 腺腫は髄質由来である。
b 皮質過形成は片側性である。
c 単純 CT で腫瘤が低吸収のときは腺腫を疑う。
d 腺腫はダイナミック造影 CT で増強効果の遷延を示す。
e 原発性アルドステロン症では,腺腫のサイズは 2 cm 以下のことが多い。
高血圧を来す副腎疾患
a:×腺腫は皮質由来である。
b:×両側性である。
c:○
d:×腺腫はダイナミックCTでの良好なwashoutを認める。一方で癌は腺腫と比べてwashoutが弱い。
e:○原発性アルドステロン症の原因疾患で最も多いのはアルドステロン産生腺腫であり、同疾患の75%を占める。アルドステロン産生腺腫の半数近くが数㎜のマイクロアデノーマであるとされる。
62,
腎盂尿管移行部狭窄を疑う症例で腹部 CT を撮像した。所見として重要性が低いのはど れか。1 つ選べ。
a 尿管壁の厚さ
b 腎実質の厚さ
c 腎杯の拡張程度
d 腎動脈の分岐・走行
e 腎静脈の分岐・走行
わかりません 検討します。
なか先生より
62なんですが、aが解答かと思いました。
腎盂尿管移行部狭窄は結合組織の異常など、様々な原因で起こりえますが、特に異常血管により狭窄を生じる事が有るので、deは重要と考えられます。
また、狭窄が有れば必然的に水腎症が生じるのでその評価が必要です。水腎症のグレードは腎盂拡張の程度(従って腎杯拡張の程度)と腎実質の厚さで決まるのでこの二つを見る必要が出てきます。
つまり原因を調べるためにde、重症度を調べる為にbcを見るという事です。
あと、どんな検査手法を使っても非常に薄い尿管壁の厚さを調べるのは容易ではない様に思います。尿管径なら測定出来ますが。
2018/07/03追記
ラミア先生より
62ですが、eが正解ではないかと思います。
a:尿管壁は炎症、腫瘍で間違いなく関係があり、dはFraley syndromeを意識してかと思います。eの静脈は他と比較して重要度は低く、dの動脈に関連して出題したのではないかと推察します。
a,尿管壁は炎症、腫瘍で間違いなく関係があり→確かにそうですね。
Fraley syndrome
- 腎洞内で分枝している動脈によって上腎杯茎部が異常に圧迫され、疼痛が出現するもの。
- とくに立位で、症状は強くなり水腎症となる。上腎杯峡部閉塞と同義。
- 頻度はまれ。
参考文献)
必修 小児の画像診断 P173
臨床腎臓核医学 P131
ということで、答えはeが最有力です。
63,
囊胞性腎腫瘤の CT 所見として悪性を最も疑わせるのはどれか。1 つ選べ。
a 壁の石灰化
b 高吸収の内容液
c 密に存在する隔壁
d 囊胞壁の不整な肥厚
e 周囲組織内へ広がる充実性成分
嚢胞性腎腫瘤
Bosniak分類
[ カテゴリー 1]単純性腎嚢胞。→ふつう、特に問題ない。
[ カテゴリー 2 ]薄い隔壁、壁の石灰化、内部 high density などの所見がある嚢胞。
→わずかに非定型的だが、良性の嚢胞で、経過観察で良い。
[ カテゴリー 3 ]厚く不整な隔壁、粗大な石灰化などの所見がある嚢胞。多房性腎嚢胞、出血性嚢胞など。
→悪性を否定できず、禁忌が無ければ外科的なアプローチが必要。
[ カテゴリー 4 ]嚢胞成分を有する充実性腫瘍で、嚢胞部分の辺縁は不整で厚く、充実部分が造影される。
→明かな悪性所見。
答えe:bosniak分類のカテゴリー4に相当すると考えられる。
64,
前立腺癌精囊浸潤を疑わせる MRI 所見はどれか。2 つ選べ。
a T1 強調像:精囊内腔の高信号化
b T2 強調像:精囊内腔の高信号が不明瞭化
c ADC マップ:精囊全体の ADC 値が膀胱内の尿と同程度
d 造影 T1 強調像:壁・隔壁から精囊内腔に突出する局所的な増強
e ダイナミック造影像:肥厚を伴わない精囊壁・隔壁に漸増性の増強
前立腺癌精嚢浸潤
a:×
b
c:×腫瘍細胞が密な状態で水分子のブラウン運動が近いとは考えにくい。
d:○
e:×異常なしと考えられる。
65,
精巣セミノーマの特徴はどれか。1 つ選べ。
a 50 歳以降に多い。
b hCG が著明高値となる。
c 内部に出血・壊死を伴いやすい。
d 停留精巣における発生率が高い。
e 非セミノーマよりも転移を生じやすい。
精巣セミノーマ
a:×好発年齢は 20~50歳台
b:×hCGは産生されるものの、著明高値ではない。胎児性癌や絨毛上皮腫にて上昇しやすい。
c:×
d:○精上皮腫の約30%に停留睾丸と関連を有しているとされる
e:×非精上皮腫性胚細胞腫は精上皮腫と比べて転移の頻度が高く予後が悪い。
66,
前立腺の T2 強調横断像を別に示す。中心域(central zone)はどれか。1 つ選べ。
a ①
b ②
c ③
d ④
e ⑤
a:①deferent ducts精管→CZ中心域
b:②anteriorfibromusclarstroma前線維筋間質
c:③TZ移行域
d:④PZ辺縁域
e:⑤CZ中心域→辺縁域に発生している前立腺癌。
2017年5月15日追加イラスト
krr先生ありがとうございました。
67,
分泌期の子宮構造のうち,T2 強調像で高信号を呈するのはどれか。2 つ選べ。
a 頸管上皮
b 頸部間質
c 子宮内膜
d 体部筋層
e Junctional zone
分泌期の子宮構造のうちT2強調像で高信号を呈するのは
a:○頸管上皮
b:×頸部間質
c:○子宮内膜
d:×体部筋層
e:×Junctional zone
68,
疾患と疾患を示唆する MR 所見との組み合わせで正しいのはどれか。2 つ選べ。
a 子宮腺筋症 T2 強調像で子宮筋層内に境界明瞭な低信号域
b 子宮筋腫赤色変性 T2 強調像で子宮筋層内にリング状低信号を伴う腫瘤
c 絨毛癌 ダイナミック造影像(動脈優位相)で子宮内腔から筋層内に強い増強効果を呈する腫瘤
d 卵巣線維腫 T1 強調像で附属器に flow void を有する腫瘤
e 卵巣成熟囊胞性奇形腫 T1 強調像で附属器に低信号腫瘤
a:×子宮腺筋症は境界不明瞭
b:○子宮筋腫赤色変性-子宮筋層内にリング状低信号を伴う腫瘤
c:○絨毛癌-ダイナミック造影像(動脈優位相)で子宮内腔から筋層に強い造影効果を呈する腫瘤
d:×卵巣線維腫は線維成分に富む腫瘍でdynamic contrast studyではdelayed phaseで淡い増強効果を示す。
e:×卵巣成熟嚢胞性奇形腫-脂肪を含み、T1WIでは高信号を呈する。
69,
成熟期女性のダグラス窩に囊胞性腫瘤が存在する時,内膜症性囊胞を積極的に考える画 像所見はどれか。2 つ選べ。
a 単純 CT で囊胞内は筋肉に近い濃度を呈する。
b T2 強調像で多房性囊胞性腫瘤の形態を呈する。
c T1 強調像で直腸前壁との間に索状のひきつれを伴う。
d T2 強調像で囊胞壁の厚さは卵胞の壁と同程度である。
e T1 強調像で囊胞内は皮下脂肪よりやや低い程度の高信号を呈する。
成熟期女性のダグラス窩に嚢胞性腫瘤が存在する時、内膜症性嚢胞を積極的に考える画像所見
a:×出血するが、新鮮出血でなく高吸収値は呈さない。むしろHDAは卵巣出血を疑う。
b:×多房性嚢胞性腫瘤の形態を呈することがダグラス窩内膜症性嚢胞を積極的に疑う根拠にはならない。
c:○T1強調像で直腸前壁との間に索状のひきつれを伴う。線維性瘢痕
d: よくわかりません。
e:○T1強調像で嚢胞ないは皮下脂肪よりやや低い程度の高信号を呈する。
70,
腹部腫瘍として石灰化を伴う可能性が低いのはどれか。1 つ選べ。
a 子宮筋腫
b 大腸癌肝転移
c 副腎神経芽腫
d 腎血管筋脂肪腫
e 卵巣漿液性囊胞腺癌
答えd:腎血管筋脂肪腫の石灰化はまれ。
核医学
71,
ジェネレータで生成される放射性同位元素はどれか。1 つ選べ。
a 67Ga
b 81mKr
c 111In
d 123I
e 201Tl
・81mKrや99mTcといった半減期の短い核種は病院におかれているジェネレーターで生成される。ちなみに他の選択肢のものはすべてサイクロトロン。
・半減期半日~数日のものはサイクロトロン。一週間弱かそれ以上のものは原子炉。となんとなく覚えておけばよいのでは。
72,
放射性医薬品に関する組み合わせとして誤っているのはどれか。1 つ選べ。
a 99mTc-MAA 肺血流
b 99mTc-MAG3 腎血漿流量
c 99mTc-phytate 肝受容体
d 123I-MIBG 心臓交感神経
e 201TlCl 心筋血流
・フチン酸シンチは肝コロイドシンチ
73,
放射性医薬品と成人における投与量との組み合わせとして適切でないのはどれか。1 つ 選べ。
a 18F-FDG—185 MBq
b 99mTc-DMSA —185 MBq
c 99mTc-HMDP —740 MBq
d 123I-IMP —185 MBq
e 131I-アドステロール —185 MBq
・e× 18.5 MBq
・131Iは核分裂生成物のうち放射能汚染の原因となる主要三核種のひとつ。
・131Iはβ崩壊し準安定状態のキセノンになり、直ちにγ崩壊し安定状態のキセノンになる。
・β崩壊なので本来なら治療目的で使用されるが、この第二段階目の崩壊で生じるγ線をとらえることで、画像化も可能(体内で発生しているβ線は体外からは検出できない)。ただし診断用として使用する場合は少量のみの使用とする。
・なお、治療用として使用する場合は数百MBq~数GBqの投与となり、eの選択肢の値がかなり高いとわかる。
・おそらくこの問題はそれぞれの投与量・数値を覚えておけよという問題ではく、上記のような131Iの特徴を覚えておいてほしいという問題ではないかと思われる。
74,
健常人で有効半減期が最も短い放射性医薬品はどれか。1 つ選べ。
a 99mTc-MAA
b99mTc-MDP
c99mTc-PMT
d99mTc-MAG3
e99mTc-DTPA-HSA
99mTcの物理的半減期は6.015時間で、結合している分子などに影響されない。つまり生物学的半減期が短いものを選べということ。
正確な数値を覚える必要はないと思われる。MAG3は腎動態シンチであり、速やかに尿中に排泄される。生物学的半減期は数十分。
75,
ドーパミントランスポーターの SPECT 製剤はどれか。1 つ選べ。
a 99mTc-ECD
b 99mTc-HMPAO
c 123I-IMP
d 123I-ioflupane
e 123I-iomazenil
頻出問題。
a,b,c 脳血流
e 中枢性ベンゾジアゼピン受容体(BZR)に高い親和性で結合する。てんかん焦点診断。
76,
肺換気・血流シンチグラフィに関して正しいのはどれか。2 つ選べ。
a 換気・血流ミスマッチは肺塞栓症に特異的である。
b 大動脈炎症候群では高率に血流異常がみられる。
c 慢性閉塞性肺疾患では換気・血流ともに低下する。
d 81mKr による換気シンチグラフィでブラは欠損とならない。
e 99mTc-MAA による血流シンチグラフィは肺内シャントでは禁忌である。
a× 特異的では無い。
b○ 大動脈炎症候群では通常、換気・血流ミスマッチを示す。
c○
d× ?
e× 禁忌ではない
77,
SPECT/PET の心筋製剤に関する組み合わせとして正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 13N-ammonia —心筋血流
b 15O-water —心筋酸素代謝
c 18F-FDG —心筋脂肪酸代謝
d 99mTc-PYP —心筋血流
e 99mTc-sestamibi —心筋アミノ酸代謝
a○
b× 心筋血流
c× 糖代謝
d× 急性心筋梗塞における梗塞部位の描出
e× MIBIのこと。心筋血流。
78,
心疾患として123I-BMIPP 心筋 SPECT が評価に有用なのはどれか。2 つ選べ。
a 虚血性心筋症
b 拡張型心筋症
c 透析心筋障害
d 心アミロイドーシス
e 心サルコイドーシス
a○ 中でも冠攣縮性狭心症の診断に有効(class Ⅰ、エビデンスレベルB)。
b× 肥大型心筋症では、高率に脂肪酸代謝異常をきたす(参考:わかりやすい核医学P78)。
c○ BMIPPによる透析心の心筋虚血評価(class Ⅱb、エビデンスレベルC)
d× PYPが有用
e× FDG-PET、ガリウムシンチが有用。
- 123I-BMIPPは心筋脂肪酸代謝シンチ。
- DCM(拡張型心筋症)とICM(虚血性心筋症)の鑑別の際、、Tl / BMIPP 2核種同時心筋シンチグラフィを施行すると、ICMでは一般にBMIPPで局所集積低下を認め、Tlとミスマッチを認めることが多いが、DCMではミスマッチは少ない。
参考:
http://www.nmp.co.jp/member/kakuigaku/inspect/04_1.html (123I-BMIPPについて)
http://www.nmp.co.jp/member/heartpm/decision/myocardial_infarction.html (この問題の選択肢を含む複数の心筋疾患の具体的な症例・検査について掲載されている)(外部サイト:日本メジフィジックス)
2017/7/7 修正。NERU先生ありがとうございます。
79,
骨シンチグラムの画像に影響するのはどれか。1 つ選べ。
a 腎不全
b 心不全
c 造影 MRI
d 食事摂取
e 検査前日の運動
a 腎不全
腎不全の場合、患者の被曝量が増加する。参考)クリアボーン®注・キットFAQ
シンチグラムの質には肥満や老年、腎機能障害が影響する可能性があるので注意を要する。
血液透析患者では大関節周囲の骨や頭蓋骨・肋軟骨等の集積増加を示す事がある。(99mTc-MDPの添付文書)
b 骨シンチは障害された心筋やアミロイドーシス、石灰化などにも集積すると報告あり。参考)クリアボーン®注・キットFAQ
c 造影MRI
MRI造影剤による影響を受けるか否かについて一定の見解は得られておりません。参考)クリアボーン®注・キットFAQ とある。
しかし、わかりやすい核医学P132には、検査直前には、骨への集積が不良となる
- MRI造影剤(Gd-DTPA)
- ビスホスフォネート注射剤
投与は避ける。と記載あり。
さらに、第11回核医学専門医試験37の解答からも、造影MRIを選ばせようとしている可能性あり。
2017/7/7 追記。NERU先生ありがとうございます。
80,
サルコイドーシスで認められる67Ga シンチグラムのサインはどれか。2 つ選べ。
a stripe sign
b panda sign
c lambda sign
d lollipop sign
e Westermark sign
検索するとpandaな画像が出てくる。
a,肺血流シンチで肺梗塞を否定する所見。
81,
異所性胃粘膜シンチグラフィで用いる放射性医薬品はどれか。1 つ選べ。
a 99mTc-DMSA
b99mTc-DTPA
c99mTc-HMDP
d99mTc-HSAD
e99mTc-pertechnetate
99mTc-pertechnetate (過テクネチウム酸酸)= 99mTc O4‐。
脳・甲状腺・唾液腺・異所性胃粘膜(メッケルシンチ)に集積する。
82,
センチネルリンパ節シンチグラフィに用いられる放射性医薬品はどれか。2 つ選べ。
a 18F-FDG
b 99mTc-MAA
c 99mTc-phytate
d 99mTc-スズコロイド
e 201TlCl
こちらも頻出問題。
83,
FDG-PET 検査について誤っているのはどれか。1 つ選べ。
a 扁桃と喉頭には生理的集積が多い。
b 高血糖患者では癌の集積が高くなる。
c 検査前に絶食と排尿,安静が必要である。
d SUV 値の高いものは悪性の可能性が高い。
e 高分化型肝細胞癌では高集積を示さない症例が多い。
高血糖時は腫瘍への集積が低下する。
84,
放射性同位元素として内用療法に用いるのはどれか。1 つ選べ。
a 81mKr
b 90Y
c 99mTc
d 123I
e 201Tl
これに加え、131I。89Srいずれもβ崩壊。頻出問題。
131Iの半減期は8.04日、90Yの半減期は64.1時間
85,
甲状腺癌の外来131I アブレーションについて正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 肺転移のある症例が適応になる。
b 骨転移のある症例が適応になる。
c 甲状腺術前に行うのが効果的である。
d 前処置に rhTSH を用いることができる。
e 1,850 MBq を投与することができる。
・c: × 甲状腺術後に行う。
85 甲状腺癌の外来131I アブレーションについて~
この問題についてですが、「外来アブレーション」とあるので
①遠隔転移のない、②甲状腺全摘術後の残存甲状腺組織破壊を目的としたRI治療になります。
したがって、正解はdだと思いますがいかがでしょうか。各選択肢の内容については以下のようになると思います。
a 上記のため適応外(遠隔転移は大量治療の適応)
b 上記のため適応外(遠隔転移は大量治療の適応)
c 全摘術(最低でも準全摘)後が対象となる
d 正解。甲状腺ホルモン薬の休薬が不要となるため低下状態に陥る危険性がありません
e 外来では1110MBq(30mCi)までの投与が認められていますnori先生ありがとうございます。
参考記事)甲状腺癌、甲状腺機能亢進症に対する131I(ヨード)内用療法の適応、効果判定、副作用は?
治療
86,
理学所見でも決定しうるのはどれか。1 つ選べ。
a 臨床標的体積(CTV)
b 内的標的体積(ITV)
c 計画標的体積(PTV)
d 肉眼的腫瘍体積(GTV)
e 計画的リスク臓器体積(PRV)
大雑把にGTV=目で見える腫瘍、CTV=微小浸潤も含めた標的、ITV=呼吸などの体内移動マージン(IM)を考慮した標的、PTV=誤差に対するマージン(SM)を考慮した標的、PRV=放射線を当てたくない正常臓器(リスク臓器)に対してIMやSMなどのマージンを付けたもの。
この中ではd.のGTVが正解です。例えば皮膚癌などに対する電子線治療の場合などは視診で決めることもできます。
87,
放射線治療における並列臓器はどれか。2 つ選べ。
a 気 管
b 肺
c 肝 臓
d 直 腸
e 脊 髄
直列臓器はその一部が不可逆的に障害されることで臓器としての機能を失うもの。並列臓器はその一部が不可逆的に障害されても他の部分が代償することができるもの。その臓器の一部を切り取っても大丈夫かどうか考えてみるとイメージしやすいかもしれません。直列臓器の例として脊髄、消化管、気管など。並列臓器の例としては肺、肝臓、腎臓など。
88,
放射線感受性が高いのはどれか。2 つ選べ。
a 膠芽腫
b 胚細胞腫
c 神経芽腫
d 平滑筋肉腫
e 聴神経鞘腫
89,
根治的放射線治療において,疾患と機能温存が可能な臓器との組み合わせとして誤って いるのはどれか。1 つ選べ。
a T3N1 上咽頭癌 —唾液腺
b T3N0 下咽頭癌 —喉頭
c T4aN0 上顎洞癌 —眼球
d T1b2N0 子宮頸癌 —卵巣
e T4N1 肛門癌 —肛門
頭頸部は強度変調放射線治療(IMRT)が特に威力を発揮する部位の1つです。当てたいところに高線量を投与し、当てたくないところの線量は抑えることができます。
a:⚪︎ IMRTなら唾液腺の線量を抑えることができます。
b:⚪︎ 喉頭機能温存が可能です。
c:⚪︎ 浸潤の程度や方向にもよりますが、特にIMRTを使うことで眼球、視神経などの線量を抑えることができます。
d:× 子宮頸癌の放射線治療は卵巣を含む骨盤領域に体外照射で50 Gy程度を投与するため、卵巣機能の廃絶は避け得ません。卵巣吊り上げ手術を先行するなど、全く不可能ではありませんが一般的には他の手術のときについでに吊り上げるという感じなので、根治的放射線治療が選択されるような状況には当てはまらないでしょう。
e:⚪︎ 肛門温存が可能です。
90,
脳転移の治療として誤っているのはどれか。1 つ選べ。
a 癌性髄膜炎に全脳照射を行う。
b 4.5 cm の孤発性腫瘍に開頭腫瘍摘出術を行う。
c 全脳照射の照射範囲には眼球後半部を含める。
d 全脳照射の線量分割に 30 Gy/10 回/2 週を用いる。
e 腫瘍数 3 個で最大径 2 cm の各病変に定位手術的照射を行う。
a:⚪︎ 全脳照射の適応です。
b:⚪︎ 3〜4 cmを超えると定位放射線治療よりも手術が選択されるようです。
c:× 悪性リンパ腫でない限り、全脳照射に眼球後半部を含める必要はありません。
d:⚪ ︎全脳照射でよく選択される線量分割の1つです。
e:⚪︎ 3 cm以下、3個までがよい適応です。
91,
脳原発悪性リンパ腫の放射線治療として最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
a 放射線単独治療
b ABVD 後の放射線治療
c 腫瘍摘出後の放射線治療
d メトトレキサート後の放射線治療
e R-CHOP による化学放射線同時併用療法
メトトレキセートの後に放射線治療ということで同時併用でないことに注意しましょう。
92,
鼻腔 NK/T 細胞リンパ腫の放射線治療として最も有効なのはどれか。1 つ選べ。
a 放射線単独治療
b CHOP 後の放射線治療
c DeVIC 後の放射線治療
d R-CHOP 後の放射線治療
e DeVIC と放射線治療の同時併用
鼻腔NK/T細胞リンパ腫は東アジアの悪性リンパ腫の3〜10%を占めている一方で欧米では稀な腫瘍です。DeVIC(デキサメタゾン、エトポシド、イホスファミド、カルボプラチン)と放射線の同時併用で治療します。
93,
化学放射線療法の適応でないのはどれか。1 つ選べ。
a 上咽頭癌 T2N1M0
b 上顎洞癌 T4aN0M0
c 下咽頭癌 T1N1M0
d 喉頭癌 T3N0M0
e 甲状腺癌 T3N1M0
a:⚪︎ II期以降はシスプラチンを同時併用します。
b:⚪︎ シスプラチンや5−FU。超選択的動注療法では顎動脈からの高用量シスプラチン投与が多いです。
c:⚪︎ III期以降ではシスプラチンを同時併用します。
d:⚪︎ III期以降ではシスプラチンを同時併用します。
e:× 化学放射線療法は行われません。なかなか効果のある抗癌剤がないのが現状のようです。
94,
中咽頭癌 T2N2bM0 の化学放射線療法の晩期有害事象として最も頻度が高いのはどれ か。1 つ選べ。
a 粘膜潰瘍
b 皮膚潰瘍
c 顎骨壊死
d 軟骨壊死
e 唾液腺障害
a〜dが最頻だと非常に困りますね。
95,
肺癌放射線治療の線量分割として正しいのはどれか。2 つ選べ。
a 小細胞癌予防的全脳照射 25 Gy/10 回/2 週
b 小細胞癌脳転移全脳照射 45 Gy/15 回/3 週
c III 期非小細胞癌根治照射 50.4 Gy/28 回/5.5 週
d 限局型小細胞癌根治照射 60 Gy/40 回/4 週(1 日 2 回)
e I 期非小細胞癌定位放射線照射 48 Gy/4 回/1 週
a:⚪︎ 標準的な線量分割の1つです。
b:× 脳転移に対する全脳照射では30 Gy/10回などです。
c:× 肺癌に対してはGTV周辺には60 Gyほど投与しないと腫瘍を制御できません。50 Gyは予防照射領域への線量です。ちなみにこの線量分割は子宮頸癌に対する体外照射の線量分割です。
d:× 加速過分割であれば45 Gy/30回/3週です。総線量60 Gyは通常分割(1日1回2 Gy)の場合です。
e:⚪︎ 標準的な線量分割の1つです。
96,
切除不能 III 期非小細胞肺癌に対する同時化学放射線療法の一般的な 5 年生存率はどれ か。1 つ選べ。
a 10%以下
b 15~25%
c 30~40%
d 45~55%
e 60%以上
97,
右乳癌乳房切除術後,浸潤性乳管癌 腫瘍径 3 cm,腋窩リンパ節転移 4 個陽性であっ た。術後照射範囲として正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 右胸壁
b 右腋窩リンパ節領域
c 右胸壁,右鎖骨上リンパ節領域
d 右鎖骨上リンパ節領域,右内胸リンパ節領域
e 右胸壁,右鎖骨上リンパ節領域,右内胸リンパ節領域
乳房温存療法における放射線治療の照射範囲は全乳房(片側のですよ)がまずは基本です。そして腋窩リンパ節転移が4個以上あった場合に同側鎖骨上窩リンパ節領域を加えるのがバリエーションです。
98,
食道癌について正しいのはどれか。2 つ選べ。
a 頭頸部癌との重複が多い。
b 好発部位は胸部下部食道である。
c 本邦では腺癌が 60% 以上を占める。
d 主気管支浸潤は左主気管支に多い。
e リンパ節転移の頻度は深達度粘膜固有層で 10~15%である。
a:⚪ 頭頸部癌との重複が多いです。︎
b:× 好発部位は胸部中部食道(約50%)、次が胸部下部食道です。
c:× 日本では90%以上が扁平上皮癌です。欧米では腺癌が50%以上。
d:⚪︎ 食道は左主気管支の後方を通っているので、当然ですね。
e:× 壁進達度が粘膜固有層までであればリンパ節転移の可能性は5%以下です。
99,
局所進行食道癌の化学放射線療法として推奨されるのはどれか。1 つ選べ。
a 照射休止期間の設定
b 腔内照射での追加照射
c 分子標的薬の同時併用
d 治療期間中のステント留置
e 処方線量 50~60 Gy/25~33 回/5~6.5 週
a:× 放射線治療中の休止期間は治療効果を悪くするため極力避けます。
b:× 放射線単独の場合では腔内照射の併用はT1-2 症例の比較的早期の食道癌に有効とのわが国のランダム化比較試験がありますが、化学放射線療法に腔内照射の追加を推奨する根拠はありません。子宮頸癌の場合は腔内照射の追加が推奨されます。
c:× シスプラチンと5−FUの同時併用が標準治療です。
d:× 放射線治療中に線量分布に影響するものを照射範囲内に留置(あるいは逆に除去)することは基本的に望ましくありません。また、放射線治療と食道ステントの併用による重篤な副作用の報告もあり、慎重に検討する必要があります。
e:⚪︎ 標準的な総線量は欧米では50.4 Gy、日本では60 Gy程度となっています。
100,
除菌治療無効の I 期胃原発 MALT リンパ腫に対する放射線単独治療の 5 年生存率とし て適切なのはどれか。1 つ選べ。
a 30%
b 45%
c 60%
d 75%
e 90%
除菌治療無効、あるいはピロリ菌陰性の胃MALTリンパ腫に対しては放射線治療が選択されます。30 Gy/20回(つまり1回1.5 Gy)程度で胃と胃周囲リンパ節に照射します。5年全生存率は報告によってばらつきがあり、早期症例で75〜95 %ほどです。問題はI期とあるので、どちらかというとeになるのでしょうか。
101,
前立腺癌に対する根治的放射線治療として適応でないのはどれか。1 つ選べ。
a 192Ir 組織内照射
b 3 次元原体照射
c 定位手術的照射
d 125I 永久挿入療法
e 強度変調放射線治療
定位手術的照射(SRS)は定位放射線治療のうち、1回照射で行うもので脳の良性・悪性腫瘍や脳動静脈奇形、三叉神経痛が主な適応です。
102,
子宮頸癌の放射線治療成績に最も影響しないのはどれか。1 つ選べ。
a 組織型
b 腫瘍径
c 体部内膜浸潤
d 骨盤リンパ節転移
e 血中ヘモグロビン値
a:⚪︎ 扁平上皮癌に比べ腺癌の治療成績は劣ります。
b:⚪︎ 最大径が4~5 cmを超えるものは治療成績が悪化します。
c:× 影響するというエビデンスはありません。
d:⚪︎ 骨盤リンパ節転移を有する症例で治療成績が悪化します。
e:⚪︎ ヘモグロビン(Hb)低下例では治療成績が悪化します(報告によって治療前Hbであったり、治療前は有意ではなくて治療期間中Hbが有意となっていたりと差はあります)。ただし、輸血の意義は明らかではありません。
103,
骨転移の放射線治療として誤っているのはどれか。1 つ選べ。
a 有痛性骨転移では鎮痛剤を併用する。
b 30 Gy/10 回/2 週は標準的な線量分割法の 1 つである。
c 上部頸椎転移では前後対向 2 門照射が標準的である。
d 脊髄圧迫症状がある場合には緊急照射の適応である。
e 長管骨の切迫骨折では予防的固定術後の照射を検討する。
a:⚪︎ 照射による鎮痛効果は治療開始後2週間頃から出始めること、また疼痛の完全消失に至らないことも50%程度あるので鎮痛剤の併用が必要です。効果を見ながら適宜減量していきます。
b:⚪︎
c:× 基本的に脊椎転移に対しては後方1門か前後対向2門で照射しますが、上位頚椎の場合は口腔粘膜炎を避けるため、左右対向2門照射が選択されます。
d:⚪︎
e:⚪︎
104,
小児がんの根治的放射線治療として正しいのはどれか。2 つ選べ。
a 10 年間無病生存で経過観察を終了する。
b 集学的治療の一環として放射線治療を行う。
c 陽子線治療を用いると二次発がんのリスクは高くなる。
d 白血球 1000 未満に減少した場合は放射線治療を休止する。
e 脊椎の一部が照射される場合はその椎体全体を照射野に含める。
a:×︎ 二次癌のリスクは低いながらも一生涯に渡るため、モニタリングも一生涯継続することが推奨されます。
b:⚪
c:× 陽子線は線量集中性が良い=余計なところに余分な線量を投与せずに済むため、二次癌のリスクはX線より下げられます。
d:×︎ 小児癌に当たっては根治のために徹底的に集学治療を行うようです。白血球数500 /ul前後、あるいは未満の患児もザラな上、自家造血幹細胞移植を予め準備しておいて超大量化学療法や放射線治療に臨むこともあるそうです。
e:⚪︎ 小児の脊椎椎体の一部だけを照射すると照射部位だけが成長障害を起こし、側弯などの歪な成長に至ってしまいます。よって止むを得ず脊椎に照射する場合は全体を照射することで均一に成長するようにします。
105,
放射線脊髄症について正しいのはどれか。1 つ選べ。
a 照射後 3 か月以内に発症することが多い。
b 脊髄線量 60 Gy 未満での発症はまれである。
c 照射される脊髄の長さは発症率に影響する。
d 照射期間中に休止期間が入ると発症率は低下する。
e 総線量が同じであれば発症率は分割回数に影響されない。
a:×︎ 放射線脊髄症は1〜4年の潜伏期の後に出現します。逆に1、2ヶ月と早期に出る脊髄(頸髄、胸髄)の有害事象はLhermitte徴候(頸を前屈させると生じる背部から下肢にかけて電撃痛)です。
b:× 脊髄の耐容線量は50 Gy前後でしたね。
c:⚪︎ 脊髄のTD5/5(5年間で5%に副作用を起こす線量)は照射された脊髄の長さが5 cmまでなら50〜55 Gy、10 cmまでなら50 Gy、20 cmなら47 Gyとされています。逆に言うと同じ線量でも照射された長さによって副作用の発症率が変わるということですね。
d:△? 数ヶ月〜数年の期間をおいての再照射の場合は耐容線量が50 Gy以上になるという動物実験結果や、それを裏付けるような臨床の報告もあるようですが、本問の「休止期間」というのがどの程度を想定しているのかが微妙なところです。今回はcが正しいので、こちらは誤りと判断すべきなのでしょうか。
e:×︎ 脊髄のα/β比は2〜3 Gyと比較的低く、線量分割効果を受けます。つまり、総線量が同じなら1回線量を減らして分割回数を増やしたほうが有害事象の発症率は低くなるということです。
25 乳児の骨折において虐待を強く疑うのはどれか。2 つ選べ。
この問題ですが、自然外力と違って虐待・人為的な外力による骨折に特異度が高い骨折としていくつか知られているようで、
正解は肋骨と骨幹端のb,dでよいのではないでしょうか。
TDjr.先生
修正しました。ありがとうございます。
いつもこのサイトで勉強させていただいております。
ポイントが絞られたまとめやツールなど、本当にありがとうございます。
85 甲状腺癌の外来131I アブレーションについて~
この問題についてですが、「外来アブレーション」とあるので
①遠隔転移のない、②甲状腺全摘術後の残存甲状腺組織破壊を目的としたRI治療になります。
したがって、正解はdだと思いますがいかがでしょうか。
各選択肢の内容については以下のようになると思います。
a 上記のため適応外(遠隔転移は大量治療の適応)
b 上記のため適応外(遠隔転移は大量治療の適応)
c 全摘術(最低でも準全摘)後が対象となる
d 正解。甲状腺ホルモン薬の休薬が不要となるため低下状態に陥る危険性がありません
e 外来では1110MBq(30mCi)までの投与が認められています
nori先生
ご指摘ありがとうございます。
転移のある場合は、大量治療の適応となるんですね。
修正します。
その他きになることなどございましたら、またご指摘いただけると幸いです。
いつも勉強させていただいています。
質問ですが53cはなぜ間違っているのでしょうか?
自分の調べた範囲では十二指腸間膜と十二指腸靭帯は同様なものかと思われました。
しかしながら、記載されている通りdeも正解と思われ、正解が三つになってしまっているような気もします。
教えていただければありがたいです。
なか先生
おっしゃるように53はcも正解ですね。ですので正解が3つになりますね・・・・。ご指摘いただきありがとうございます。
いつも勉強させていただいています。
質問なのですが、40の正解はc右心室ではないでしょうか。
胸骨「柄」という様にレベルの指定が有れば答えが変わるのかもしれませんが、胸骨全体を見た時、最も近接しているのは右心室の様に思われます。
なか先生
おっしゃる通りですね。
修正しておきます。
ありがとうございます。
いつもお世話になっております。
62なんですが、aが解答かと思いました。
腎盂尿管移行部狭窄は結合組織の異常など、様々な原因で起こりえますが、特に異常血管により狭窄を生じる事が有るので、deは重要と考えられます。
また、狭窄が有れば必然的に水腎症が生じるのでその評価が必要です。水腎症のグレードは腎盂拡張の程度(従って腎杯拡張の程度)と腎実質の厚さで決まるのでこの二つを見る必要が出てきます。
つまり原因を調べるためにde、重症度を調べる為にbcを見るという事です。
あと、どんな検査手法を使っても非常に薄い尿管壁の厚さを調べるのは容易ではない様に思います。尿管径なら測定出来ますが。
確証はないのですが、ご検討頂ければ幸いです。
なか先生
度々ご指摘誠にありがとうございます。検討しますと記載して、まったく検討しておりませんでした。
また腎盂尿管移行部は生理的狭窄部位としか認識しておりませんでした。今年の解答作りも手伝ってくださると確信しております(笑)。
連続投稿してしまい恐縮です。
50は考察は合っていると思われますが、解答がcdでなくeとなっており、誤りと思われます。
なか先生
いえいえ、ありがたいです。
ご指摘の通り、修正しました。
またおかしなところがあれば教えていただけると幸いです。
66ですが、e⑤ではなくa①が正解だと思います。eは前立腺尖部寄りのスライスで中心域はこのレベルにはなく、辺縁域の癌を指しているものと思われます。
一方aは底部のスライスであり中心域があるのはこのレベルです。中心域のT2WIでの低信号を癌と間違えないように、という親心もある問題なのかな、と思いました。
krr先生
おっしゃる通りです。
修正します。
またおかしなところございましたら教えてください。
2015年78問ですが
a 虚血性心筋症
b 拡張型心筋症
ではなく、
a 虚血性心筋症
c 透析心筋障害
ではないでしょうか。
透析心筋障害ではカルニチン欠乏による脂肪酸代謝異常を反映すると2016年のレジデントセミナーの講義にありました。
NERU先生
コメントありがとうございます。
78はおっしゃるように、a,cのようです。
79ですが、造影MRIの影響を受けると書籍にも記載があり、微妙です。
ただおっしゃるように、腎不全も影響しそうですね。
ご教授いただきありがとうございました。造影MRIも影響あるのですね。勉強になります。ありがとうございました。
2015年79問は
b 心不全
ではなく
a 腎不全
ではないでしょうか。
99mTc-MDPの添付文書に、
シンチグラムの質には肥満や老年、腎機能障害が影響する可能性があるので注意を要する。
血液透析患者では大関節周囲の骨や頭蓋骨・肋軟骨等の集積増加を示す事がある。
とあります。
腎機能低下では腎の描出がされなかったり、腎性骨異栄養症による病変への集積があると思います。
また、2016年のレジデントセミナーでは心機能にも関係するが頻度的には腎機能低下のほうが多いとの講義がありました。
コメント: 2011年放射線科専門医試験の(56)ですが、急性膵炎について誤ってるのはどれか。の問で、
bは単純CTが間違いで、Cは「CT所見のみ」で、が間違いなので答えはbとcになると思いますがいかがでしょうか?
ですので、こちらの解答もbとcになっているようです。
他年度の質問を連続してしまい、恐縮です。
2011年放射線科専門医試験の(57)の選択肢e「最大径20mm以上で外科切除の適応となる」ですが、訂正後の解答は10mm以上の主膵管拡張が手術適応となる、でよろしいでしょうか?
腹部のCT第3版246Pより
分枝型IPMNの問題ですので、主膵管の拡張ではなく、嚢胞の最大径のことを言っているのだと思います。
2015年の1次試験(放射線専門医試験)の質問です。
(34)ですが、2017年以降では『T1aは充実成分径≦1㎝』となっているので、選択肢aは腫瘍最大径=充実成分径とした場合、答えになるのではないでしょうか?
T2は『充実成分径>3㎝かつ≦5㎝』と2017年以降は改訂されたので『b T2は腫瘍最大径5㎝以下』も答えになるのではないでしょうか?
選択肢Cの『同一肺葉内転移』は『T3の同一肺葉内の不連続な副腫瘍結節』と同じ意味でしょうか?
追加 2015年−(34)は答えはa、b、cの3つでしょうか?
eは微妙ですが、a,b,cは正しいで良いと思います。
追記しました。
過去の肺癌の病期分類は全部正解が変わりそうですね。
いつもありがたく本サイトを使わせていただいています。
2015年の1次試験(放射線専門医試験)の問題54ですが、答えはcではなくdではないでしょうか。
cの大部分という表現は、ニュアンスの問題になりますが、ほとんどが腎より排泄されるということのように思います。
またヨードの原子番号が高くないとのことですが、これは不正確です。体に存在する原子の原子番号(C,O,N,H,Caはいずれも20以下)と比較しては高く、X線透過性は密度と原子番号に比例します。甲状腺が高吸収に映るのもそれが理由です。
私はdが正解ではないかと思います。
ksk先生
コメントいただきありがとうございます。
返信遅くなり申し訳ありません。
おっしゃるように大部分が60%というのは違和感があり、またdが正しいですね。
ありがとうございます。
2015年の(64)ですが、
a これは前立腺がんが、T1で高信号を示さないから答えでない。
b 前立腺がんはT2では低信号のため、前立腺がんが浸潤した精嚢は信号低下を認めるので「精嚢の高信号が不明瞭化」は正解になる。
c 前立腺がんはADC値低下するので、精嚢全体のADC値は低下して膀胱内の尿よりも低信号になりゆえに不正解
d 造影T1において、精嚢内腔に突出する局所的な増強は前立腺がんが造影早期に濃染するために見られるので正解である
e ダイナミック造影にて「漸増性の増強」が「前立腺がんの造影後期相にてwashout」と矛盾するので不正解
と考えましたのでbdが答えになる、という考えでよろしいでしょうか?
>a これは前立腺がんが、T1で高信号を示さないから答えでない。
出血や蛋白濃度の高い液貯留の可能性があり、高信号だから癌の浸潤とは言えない。
>b 前立腺がんはT2では低信号のため、前立腺がんが浸潤した精嚢は信号低下を認めるので「精嚢の高信号が不明瞭化」は正解になる。
萎縮などにより不明瞭化することもあると考えられ、正直これも微妙だと思いますが、消去法的にこれが残るという感じでしょうか。
>c 前立腺がんはADC値低下するので、精嚢全体のADC値は低下して膀胱内の尿よりも低信号になりゆえに不正解
精嚢全体というか浸潤した部位のADC値は低下すると思われます。
>d 造影T1において、精嚢内腔に突出する局所的な増強は前立腺がんが造影早期に濃染するために見られるので正解である
早期濃染するとは限らないですが、精囊内腔に突出する局所的な増強は正解かと思います。
>e ダイナミック造影にて「漸増性の増強」が「前立腺がんの造影後期相にてwashout」と矛盾するので不正解
ではなくて、精嚢の肥厚を伴わない精囊壁・隔壁の漸増性の増強は正常で見られる所見です。
管理人様いつも解答ありがとうございます。
2015年の(25)ですが、レジデントセミナー2017の「小児 診断」の6ページ目の「虐待による骨の外傷」に多発肋骨骨折、骨幹端骨折、骨幹部骨幹と記載があるので(25)の答えはbdeではないでしょうか?
ラム先生
虐待による骨の外傷→骨幹部骨幹が起こることがであっても、骨幹部骨幹から虐待を強く疑うということにはならないのではないでしょうか?
2015年(16)ですが、CT早期虚血サインの好発部位て存在するのでしょうか?頭部画像診断の勘ドコロ見ても、記載がなかったのですが。
ラム様
early CT signのことだと思われるので、レンズ核と島皮質が好発(?)部位ではないでしょうか。
ですのでbは誤りです。
(79)ですが、レジデントセミナー2017秋の講義「核医学:腫瘍/骨・骨髄、炎症」の53ページ目スライド「骨シンチグラフィ」と題するプリントに、腎機能、他剤投与などが集積に関係、頻度的には腎機能低下の方が圧倒的に多い、と記載がありました。
なので、(79)は骨シンチグラムの画像に影響するのは選択肢aの腎不全ではないでしょうか?
頻度が多いのはどれか?ならばそれで良いと思いますが・・・。
微妙な問題ですね。
62ですが、eが正解ではないかと思います。
a:尿管壁は炎症、腫瘍で間違いなく関係があり、dはFraley syndromeを意識してかと思います。eの静脈は他と比較して重要度は低く、dの動脈に関連して出題したのではないかと推察します。
ラミア先生
ご指摘ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。
Fraley syndrome勉強になりました。
2015年(52)ですが、腹部のCT第3版422ページに『AVSでは片側の副腎静脈がアルドステロン高値であればアルドステロン産生副腎線種、両側の副腎静脈がアルドステロン高値であれば副腎皮質過形成と診断される』とあるので、選択肢bも答えになりそうですがいかがでしょうか?
続き
2015年(52)ですが、腹部のCTには副腎静脈サンプリング記載の422ページにアルドステロン分泌部位について特に記載がありません。なので(52)はbeが答えと思いますがいかがでしょうか?
2015年放射線専門医試験(11)についてです。
レジデントセミナーの講義資料で、熱感は生理的反応と書かれています。
熱感は副作用ではないと思われ、正解はc.嘔吐ではないかと思います。
いまいちな問題な気もしますが・・・
コメントありがとうございます。
改めて見てみると、確かに熱感は副作用ではないですね。
ありがとうございます。
管理人様、お疲れ様です。
どこかでヨード造影剤の副作用は嘔気・嘔吐が一番多いと聞いた記憶があったので特に考えずにcが答えかと思いましたが、「嘔吐」と限定されると微妙かもしれません。あまりnの多くない日本語文献では嘔気>発疹>嘔吐となっていました(もちろん根拠とするほどのものではないです)。bが答えの可能性もあるかもしれませんが、わかりませんでした。
せっかく修正して頂いたのに申し訳ございません。
ありがとうございます。
>日本語文献では嘔気>発疹>嘔吐となっていました
確かに日常臨床でも嘔吐が最も多く、その次呼ばれるのは、発疹か嘔吐かと言われると微妙ですね。
発疹に対して点滴したり、内服薬を出すケースの方が嘔吐よりも多いかも知れませんね。