2015年放射線科診断専門医試験解答+解説

1,頭部単純 CT で後頭蓋窩の一部に低吸収域が見られた(図,矢印)。
このアーチファクトはどれか。1 つ選べ。

a  メタルアーチファクト
b  リング状アーチファクト
c  シャワー状アーチファクト
d  モーションアーチファクト
e  ビームハードニングアーチファクト

正解 e

・脳幹部およびその腹側に骨のアーチファクトが見られ、低吸収になっている。

ビームハードニングアーチファクト

ビームハードニング(線質硬化)は連続X線が物質を通過した際、X線の実効エネルギーが高い側へシフトする現象を指す。脳のCTでは厚い骨の内側などでCT 値が変化する。

2,MRI 撮像法について誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a  T2*強調像は gradient echo 法を用いる。
b  Fast SE 法は複数の 180 度パルスを用いる。
c  SE 法は 90 度パルスと 180 度パルスを用いる。
d  STIR 法と FLAIR 法との TI(反転時間)は STIR 法がより長い。
e  SE 法では T2 強調像は T1 強調像より長い TE(エコー時間)を用いる。

正解 d

1.5T 3T
STIR 170msec 230msec
FLAIR 1000msec 2700msec

と装置などにもよるが、STIRよりもFLAIR像にてTI(反転時間)は長い。

3,超音波診断(装置)について誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a  粗密波を用いる。
b  距離分解能は周波数に依存する。
c  M モードではプローブを移動させる。
d  ハーモニックイメージでは高周波成分の画像化を行う。
e  ドプラ法では流れとビームとの角度が大きいほど流速の誤差は大きくなる。

正解 c

・Mモードはプローブを固定させたまま観察する。

4,画像表示装置について正しいのはどれか。2 つ選べ。

a  モニタ診断に用いる装置は定期的な輝度チェックが必要である。
b  データ量を 1/5 に圧縮した非可逆圧縮画像を読影に使用してはいけない。
c  周囲明度が高すぎると,高輝度部分よりも低輝度部分のコントラストが低下する。
d  マンモグラムの読影には,500 万画素(2,048×2,560)以上の装置を使用しなければ ならない。
e  コンピュータ支援診断で原画像に重ねて表示する病変候補マークは,淡い色である べきである。

正解 a d

・マンモグラムの読影には5M=500万画素以上のモニターを用いなければならない。高輝度シャーカステン必要。5M以上のモニタで読影。専門医の過去問でも何度か出題されている内容。

5,臨床研究における介入に該当するのはどれか。2 つ選べ。

a  研究目的の食事指導
b  研究目的の画像診断
c  観察研究中の通常の画像診断
d  観察研究中の通常の放射線治療
e  観察研究中の緊急的な画像診断

正解 ?

・・・。

6,70 歳代の男性。突然の左半身の感覚障害を主訴に来院した。運動麻痺は軽度である。 発症当日の拡散強調像を示す。
梗塞巣の原因血管はどの動脈から分岐するか。1 つ選べ。

a  内頸動脈
b  脳底動脈
c  前大脳動脈
d  中大脳動脈
e  後大脳動脈

正解 e

・DWIにて両側視床〜島に高信号あり。特に右で目立つ。

・PCAのP1の枝である傍正中視床動脈(paramedian thalamic artery(thalamoperforating artery:TPA(TP)))=Percheron動脈は視床穿通動脈に相当し、両側視床(片側のこともあり)、中脳を栄養する。傍正中視床動脈は約50%の症例で一側の脳底交通動脈から出て左右に分かれて両側の視床、視床下域を灌流するため、しばしば一側の閉塞で両側性の視床梗塞を起こす。

参考記事)両側視床傍正中部梗塞症候群

7,40 歳代の女性。頭痛を主訴に来院した。頭部 MRI で異常を指摘され,精査のため血管 造影が行われた。MRI の FLAIR 像と DSA 静脈相(側面像)を示す。
可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。

a  もやもや病
b  星細胞腫瘍
c  急性期脳梗塞
d  脳動静脈奇形
e  脳静脈洞血栓症

正解 e

・両側視床にFLAIR像にて異常高信号あり。DSA静脈像において、下矢状静脈洞、大大脳静脈、直静脈洞にかけての描出が見られない。脳静脈洞血栓症を疑う所見。

両側視床に対称的な病変を認める疾患の鑑別
  • Wernicke脳症
  • 両側傍正中視床梗塞
  • 深部静脈血栓症
  • Variant CJD

参考記事)脳静脈洞血栓症の画像診断

8,50 歳代の女性。肺癌のステージング目的の頭部 MRI の造影 T1 強調像を示す。
考えられる診断はどれか。1 つ選べ。

a  神経膠芽腫
b  静脈性奇形
c  硬膜動静脈瘻
d  脳動静脈奇形
e  転移性脳腫瘍

正解 b

・左後頭葉に造影効果を有する放射状の構造あり。髄質静脈であり、静脈奇形を疑う所見。

参考記事)静脈奇形の画像診断

9,3 歳の女児。尖足の精査で来院した。MRI の T2 強調像を示す。
考えられる診断はどれか。1 つ選べ。

a  水頭症
b  上衣下出血
c  TORCH 症候群
d  Zellweger 症候群
e  脳室周囲白質軟化症

正解 e

・側脳室の拡大と脳室壁の不整像を認める。脳室周囲白質軟化症を疑う所見。

10,6 歳の女児。強直性痙攣を主訴に来院した。頭部 MRI を示す。
考えられる診断はどれか。1 つ選べ。

a  過誤腫
b  胚細胞腫
c  下垂体腺腫
d  頭蓋咽頭腫
e  Langerhans 細胞組織球症

正解 a

・下垂体茎のやや頭側、灰白隆起由来と思われる腫瘤あり。視床下部過誤腫を疑う所見。

視床下部過誤腫は思春期早発症や、けいれん発作、笑い発作で発症する。

参考記事)視床下部過誤腫のMRI画像診断

11,20 歳代の男性。統合失調症で加療中である。 1 日で数リットルの水を飲んだ後に意識障害をきたし,緊急搬送された。MRI の FLAIR 像を示す。
考えられる診断はどれか。1 つ選べ。

a  橋梗塞
b  胚細胞腫
c  深部静脈血栓症
d  浸透圧性髄鞘崩壊症
e  posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)

正解 d

・脳幹部にFLAIRで不均一な高信号あり。エピソードからも浸透圧性髄鞘崩壊症を疑う所見。

参考記事)浸透圧性脱髄症候群のMRI画像診断

12,60 歳代の男性。左中小脳脚から歯状核にかけて発生した B 細胞性リンパ腫に対して化 学放射線療法を施行した。半年後の頭部 MRI の T2 強調像を示す。
考えられる診断はどれか。1 つ選べ。

a  延髄梗塞
b  放射線壊死
c  リンパ腫再発
d  びまん性星細胞腫
e  下オリーブ核仮性肥大

正解 e

・左中小脳脚から歯状核にかけてのリンパ腫に対して、 T2WIで延髄右側の腹側に高信号あり。下オリーブ核仮性肥大を疑う所見。

参考記事)下オリーブ核仮性肥大の画像診断

13,60 歳代の女性。両側感音性難聴を主訴に来院した。MRI の T2 強調像と造影 T1 強調像 とを示す。
考えられる診断はどれか。1 つ選べ。

a  外リンパ瘻
b  聴神経腫瘍
c  骨化性迷路炎
d  陳旧性小脳出血
e  脳表ヘモジデリン沈着症

正解 e

・T2WIにて脳幹部および小脳半球の脳溝に沿って低信号が目立つ。脳表ヘモジデリン沈着症を疑う所見。

・脳表ヘモジデリン沈着症は進行性運動失調・難聴・錐体路障害を主訴とする。

14,60 歳代の男性。頸部腫瘤を主訴に来院した。頸部造影 CT の横断像と再構成矢状断像 とを示す。
考えられる診断はどれか。1 つ選べ。

a  血管腫
b  神経鞘腫
c  多形腺腫
d  腺様囊胞癌
e  傍神経節腫

正解 e

・頸動脈分岐部に著明な造影効果を有する腫瘤あり。部位および造影効果から傍神経節腫を疑う所見。

参考記事)傍神経節腫の画像診断

15,30 歳代の男性。頭蓋内病変スクリーニングのため,頭部 MRI が施行された。T2 強調 像を示す。
MRI 所見と最も関係の深いのはどれか。1 つ選べ。

a  Verga
b  Rathke
c  Zenker
d  Rosenmuller
e  Thornwaldt(Tornwaldt/Thornwald)

正解 e

・上咽頭の粘膜の正中部に境界明瞭な嚢胞性病変あり。Tornwaldt嚢腫を疑う所見。

参考記事)Tornwaldt嚢腫の画像診断

 

・膝関節点状石灰化を認めている。症状とも合わせると、調べた限りでは、Zellweger症候群のよう。

16,新生児。筋緊張低下と耳介低位,内眼角贅皮,小顎を認める。 血液検査で肝酵素上昇ならびに脳波で発作波を認める。骨盤部と膝の単純 X 線写真を 示す。
考えられる診断はどれか。1 つ選べ。

a  くる病
b  Caffey 病
c  Zellweger 症候群
d  低アルカリフォスファターゼ血症
e  Trevor 病(dysplasia epiphysealis hemimelica)

正解 c

・Caffey病:幼児骨皮質過形成症の別名。圧痛のある軟部組織腫脹、過敏反応、発熱。X線の特徴は著明な皮質の肥厚。

・Zellweger症候群:ペルオキシソームの異常で、神経遊走異常、髄鞘化不全を生じる。脳肝腎症候群とも呼ばれる。

・低アルカリフォスファターゼ血症:骨X線像では、くる病類似の所見。

・Trevor病:骨端部に骨軟骨性の過成長をきたす疾患。病理学的には骨軟骨腫と同じ。多くは片側性。

17,骨折の 5 症例の単純 X 線写真を示す。 正しいのはどれか。2 つ選べ。

a  ①は病的骨折である。
b  ②は閉鎖骨折である。
c  ③は関節内骨折がある。
d  ④は部分関節内骨折である。
e  ⑤は変形治癒をきたしている。

正解  c,e?→a,c

・病的骨折とは悪性腫瘍が背景にあり、日常的な負荷や軽度の外力で起こる骨折のこと。

17はaとcが正解では?
大腿骨小転子は病的剥離骨折が起こります(臨床画像によく似た画像があったような…)。
若年者のアスリートで無い限り、単純写真で腫瘍が見えなくても病的骨折を疑う必要があります。
cはFBI sign(+)。

調べてみました。

大腿骨小転子の裂離骨折は若年者ではスポーツ外傷で起りうるが、成人では転移性骨腫傷による病的骨折を疑う。(画像診断 Vol.21 No.3 2001 P252)

関節脂肪血腫:骨折が関節面に達すると出血と骨髄脂肪が関節内に入り、lipohemarthrosisの状態となる.脂肪成分による液面形成をfat-blood interfaceと呼ぶ (FBI sign)。(Emergency Radiology 救急の画像診断とIVR P240)

通りすがりの先生ありがとうございます。

18,50 歳代の男性。右膝関節痛を主訴に来院した。膝の単純 X 線写真側面像と MRI の脂肪 抑制 T2 強調矢状断像とを示す。
考えられる診断はどれか。1 つ選べ。

a  偽痛風
b  滑膜肉腫
c  骨化性筋炎
d  傍骨性骨肉腫
e  滑膜性骨軟骨腫症

正解 e

・単純レントゲンで関節、腱鞘、滑液包内に無数の小石灰化結節あり。T2WIで著明な高信号の分葉状を呈し、石灰化・骨化領域はT1WIおよびT2WIで低~無信号を示している。滑膜性骨軟骨腫症を疑う所見。

参考記事)滑膜性骨軟骨腫症の画像診断

19,60 歳代の女性。乳癌の転移をスクリーニングするために施行した67Ga シンチグラフィ で,下腿に複数の異常集積を認めた。精査を目的に施行した造影 MRI(脂肪抑制 T1 強 調像)を示す。
考えられる診断はどれか。1 つ選べ。

a  筋挫傷
b  多発筋炎
c  転移性腫瘍
d  横紋筋融解症
e  筋サルコイドーシス

正解 e

・両下腿に造影効果を有するストライプ状の異常信号(高信号)あり、中心に星芒状の瘢痕(dark star)を低信号として認める。筋サルコイドーシスを疑う所見。

参考記事)ガリウムシンチの画像診断

20,6 歳の男児。交通事故で救急搬送された。腰椎単純 CT(矢状断再構成画像)を示す。
病変の発生機序として考えられるのはどれか。2 つ選べ。

a  圧迫
b  伸延
c  捻転
d  屈曲
e  剪断

正解  b,d

・腰椎に椎体後面に達する水平の骨折線あり。後部脊柱(posterior column)と前部せk中(anterior column)を横切る骨折であり、chance骨折を疑う所見。chance骨折はシートベルト損傷とも呼ばれる強い過屈曲により生じる。L1に多い。

・棘上・棘間靭帯に伸延力が作用し、棘突起と椎弓、椎弓根〜椎体にかけ水平方向に骨折が起こる。

参考記事)圧迫骨折と破裂骨折の違いは?

21,8 歳の女児。腫脹を伴う右肩痛を主訴に来院した。右肩単純 CT(骨条件)と造影 CT とを示す。
考えられる診断はどれか。1 つ選べ。

a  骨肉腫
b  Ewing 肉腫
c  骨芽細胞腫
d  線維性骨異形成
e  Langerhans 細胞組織球症

正解 b

・右肩甲骨周囲に巨大な腫瘤影あり。腫瘤には不均一な造影効果あり。年齢からもEwing肉腫を疑う所見。

22,70 歳代の男性。咳嗽と息切れを主訴に来院した。胸部 X 線写真(正面像,側面像)を 示す。
可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。

a  縦隔腫瘍
b  左上葉肺炎
c  左下葉肺炎
d  左上葉無気肺
e  左下葉無気肺

正解 d?

23,70 歳代の女性。不明熱を主訴に来院した。肺高分解能 CT を示す。
可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。

a  肺転移
b  粟粒結核
c  ウイルス性肺炎
d  サルコイドーシス
e  びまん性汎細気管支炎

正解 b

・肺野にrandom patternに分布する微細粒状影あり。選択肢の中では粟粒結核を疑う所見。

参考記事)二次小葉と小葉から見た所見の分布

24,50 歳代の男性。喀血を主訴に来院した。結核の既往がある。胸部 X 線写真と胸部 CT (肺野条件)とを示す。
考えられるのはどれか。1 つ選べ。

a  肺 癌
b  肺結核再発
c  非結核性抗酸菌症
d  肺クリプトコッカス症
e  肺アスペルギルス症

正解 e

・左上葉に空洞性病変あり、気腫の進行あり。空洞性病変の中にはfungus ballを疑う所見あり。アスペルギルス症の疑い。

参考記事)肺アスペルギルス症のCT画像診断

25,50 歳代の男性。無症状。職場健診の胸部 X 線撮影にて異常を指摘され,精査を目的に 来院した。胸部 X 線写真(正面像,側面像)を示す。
疾患として考えにくいのはどれか。1 つ選べ。

a  胸腺腫
b  悪性リンパ腫
c  上行大動脈瘤
d  神経原性腫瘍
e  縦隔内甲状腺腫

正解 d

・側面レントゲンで、後縦隔には異常な陰影を認めておらず、後縦隔に発生しやすい神経原性腫瘍が考えにくい。

参考記事)縦隔神経原性腫瘍の画像診断

26,60 歳代の女性。咳嗽を主訴に来院した。慢性関節リウマチにて生物学的製剤を投与中 である。胸部 X 線撮影にて異常が指摘され,胸部 CT にて精査となった。肺高分解能 CT を示す。
考えられる疾患はどれか。1 つ選べ。

a  肺結核
b  肺炎球菌肺炎
c  クリプトコッカス感染症
d  ニューモシスティス肺炎
e  サイトメガロウイルス感染症

正解 c

・右下葉にコンソリデーションおよび周囲に結節影、すりガラス影あり。中葉にもすりガラス影あり。同一肺葉内であり、結節影が目立つ点からクリプトコッカス感染症が疑われる。

参考記事)肺クリプトコッカスの画像診断

27,50 歳代の男性。発熱と呼吸困難,咳嗽を主訴に来院した。胸部 CT(肺野条件)を示 す。
考えられる疾患の確定に有用なのはどれか。2 つ選べ。

a  HIV 抗体検査
b  CT ガイド下肺生検
c  肺血流シンチグラフィ
d  β-D グルカン測定
e  可溶性インターロイキン 2 受容体(sIL-2R)測定

正解 a,d

・baseに気腫性変化あり。両側肺野に広範なすりガラス影あり。カリニ肺炎やウイルス肺炎などを疑う所見。HIV抗体検査、β-Dグルカン測定はしておきたい。

参考記事)ニューモシスチス肺炎(カリニ肺炎)の画像診断

28,20 歳代の男性。呼吸苦を主訴に夜間救急外来を受診した。生来健康である。受診直後 の胸部 CT(肺野条件)を示す。
本例の診断に最も有用な問診項目はどれか。1 つ選べ。

a  現病歴
b  家族歴
c  喫煙歴
d  飲酒歴
e  海外渡航歴

正解 c,a?

・両側内層優位に広範なすりガラス影の出現あり。若年男性で生来健康であり、喫煙による急性好酸球性肺炎を疑う所見。

参考記事)急性好酸球性肺炎の画像診断

 

好酸球性肺炎も鑑別にはあがりますが、bronchovascular bundleの肥厚が典型例よりも乏しいと思います。
まれですが、防水スプレーによる肺病変は鑑別にいかがでしょうか?そうすると「a現病歴」が正解となります。
とはいっても画像できめきれないので、この問題はよい問題ではないと思います。

 

問題28なのですが、急性好酸球性肺炎ではなく、ポリマーヒューム熱ではないでしょうか。ですので解答は防水スプレーの使用がないかなどを確認する「a.現病歴」かと思いました。

確かに、気管支血管束の肥厚や小葉間隔壁の肥厚が目立たず、静水圧性肺水腫に類似した画像所見を示す急性好酸球性肺炎としては非典型的。そうするとみなさんがおっしゃるようにaでしょうか。

関連)非心原性肺水腫を呈したポリマーヒューム熱の1例

29,50 歳代の男性。呼吸苦を主訴に来院した。肺高分解能 CT を示す。
所見として正しいのはどれか。1 つ選べ。

a  両側胸水
b  小葉中心性粒状影
c  牽引性気管支拡張症
d  “tree-in-bud”appearance
e  結節状気管支周囲間質肥厚

正解 e

・両側肺野に広範な小葉間隔壁の肥厚、気管支血管束の肥厚、葉間隔壁の肥厚あり。気管支周囲には小葉中心性の結節影あり。癌性リンパ管症など広義リンパ路病変を疑う所見。

参考記事)広義リンパ路病変の鑑別診断

30,20 歳代の女性。健診の胸部 X 線撮影で異常を指摘され,精査を目的に来院した。胸部 CT(肺野条件,縦隔条件)を示す。
確定診断に有用な追加検査はどれか。1 つ選べ。

a  PET/CT
b  気管支鏡
c  CT angiography
d  CT ガイド下肺生検
e  肺血流シンチグラフィ

正解 b

・左下葉に石灰化を一部有する索状構造あり。周囲には透過性亢進あり。気管支閉鎖症を疑う所見。確定診断はやはり気管支鏡か。

参考記事)気管支閉鎖症の画像診断

31,5 歳の男児。発熱と咳嗽を主訴に来院した。胸部 X 線写真と胸部 CT(肺野条件)を示 す。
今後の画像検査として適切なのはどれか。1 つ選べ。

a  MRI
b  造影 CT
c  FDG-PET
d  胸部単純 CT による経過観察
e  胸部 X 線撮影による経過観察

正解 e

・5歳男児で発熱、咳嗽あり。左下葉に円形の腫瘤影あり。円形肺炎の疑い。X-pで辺縁が明瞭な円形の腫瘤状陰影を呈する小児に特有の肺炎があり、形から円形肺炎(round pneumonia)もしくは球形肺炎(spherical pneumonia)と呼ばれている。したがって、X線による経過観察でよい。

参考記事)小児に特徴的な肺炎のレントゲン像

32,2 歳の男児。呼吸困難を主訴に受診した。胸部 X 線写真と胸部 CT(肺野条件横断像, 肺野条件再構成冠状断像)を示す。
考えられる疾患はどれか。1 つ選べ。

a  右肺炎
b  右肺出血
c  左気管支異物
d  肺動脈高血圧症
e  先天性肺葉性肺気腫

正解 c

・左肺の過膨張あり。CTで左気管支に異物があるのが見える。

参考記事)気管支異物の症状、原因、レントゲン画像診断

33,10 歳代の男子。学校健診の胸部 X 線撮影で異常陰影を指摘され,精査を目的に来院し た。胸部造影 CT(再構成冠状断像)を示す。
診断はどれか。2 つ選べ。

a  上行大動脈瘤
b  右側大動脈弓
c  左上大静脈遺残
d  部分肺静脈還流異常
e  左鎖骨下動脈起始異常

正解 b,e

・左鎖骨下動脈の起始異常を伴う右側大動脈弓の疑い。

参考記事)右側大動脈弓の画像診断

34,10 歳代の男子。高校入学時の健診で心電図異常を指摘され,精査を目的に来院した。 心エコー図でも異常を認めたため,MRI が施行された。心臓のシネ MRI 拡張末期(水 平長軸像,左室短軸像)を示す。
可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。

a  Ebstein 奇形
b  肥大型心筋症
c  修正大血管転位
d  不整脈源性右室心筋症
e  孤立性左室緻密化障害

正解 e

・左心室に網目状の肉柱と肉柱間の深い間隙が認められる。左室心筋緻密化障害を疑う所見。2015年7月の月刊画像診断P924と全く同じ症例。

35,70 歳代の男性。健診の心電図にて異常を指摘され,精査を目的に来院した。心臓シネ MRI と遅延造影 MRI とを示す。
考えられる疾患はどれか。1 つ選べ。

a  心筋炎
b  心室瘤
c  血管肉腫
d  心アミロイドーシス
e  心尖部肥大型心筋症

正解 e

・心臓MRにて心尖部を中心に著明な心筋肥大あり。遅延造影MRIで内層〜中層の一部で遅延造影あり。心筋虚血合併の疑い。

参考記事)心臓MRIの遅延造影とは?

36,70 歳代の女性。突然出現した背部痛を主訴に来院した。胸部単純 CT と造影 CT 早期 相とを示す。
所見として正しいのはどれか。2 つ選べ。

a  Stanford A 型に分類される。
b  偽腔内血流が認められる。
c  内膜の石灰化が認められる。
d  上行大動脈拡大が認められる。
e  単純 CT で高吸収域が偽腔である。

正解 c,e

・胸部下行大動脈に単純CTで三日月状の高吸収域あり、偽腔閉鎖型の大動脈解離を疑う所見。造影にて造影を認めず。StanfordB型。

参考記事)偽腔閉鎖型大動脈解離の画像診断

37,30 歳代の女性。胸痛を主訴に来院した。高血圧の既往はない。胸部造影 CT と腰椎造 影 CT(再構成矢状断像)を示す。
可能性が高い疾患はどれか。1 つ選べ。

a  高安動脈炎
b  神経線維腫症
c  結節性硬化症
d  軟骨無形成症
e  Marfan 症候群

正解 e

・下行大動脈に解離あるも、高血圧の既往なし。腰椎造影CTにて、腰仙部の硬膜拡張を認めており、Marfan症候群を疑う所見。

38,50 歳代の女性。乳がん検診で異常を指摘され来院した。マンモグラム(右 MLO 拡大 像)を示す。
正しいのはどれか。2 つ選べ。

a  粗大石灰化を認める。
b  棍棒状石灰化を認める。
c  微細分枝状石灰化を認める。
d  石灰化はたんぱく性の分泌液が濃縮したものである。
e  石灰化は乳管内癌の中心部が壊死に陥ったものである。

正解 c,e

・分枝状の石灰化を認めており、コメド型のDCISが疑われる。中心部が壊死するのが特徴。

参考記事)非浸潤性乳管癌の画像診断

39,50 歳代の女性。乳がん検診で右乳房に異常を指摘され来院した。右マンモグラム 2 方 向(MLO 像,CC 像)を示す。
この画像の判定につき正しいのはどれか。1 つ選べ。

a  カテゴリー 1
b  カテゴリー 2
c  カテゴリー 3
d  カテゴリー 4
e  カテゴリー 5

正解 e?

 

40,40 歳代の女性。乳がん検診で異常を指摘され来院した。精査を目的に乳房 MRI が施行 された。造影 MRI(脂肪抑制 T1 強調横断像と矢状断像)を示す。
可能性が高い疾患はどれか。1 つ選べ。

a  硬 癌
b  乳腺症
c  浸潤性乳管癌
d  浸潤性小葉癌
e  非浸潤性乳管癌

正解 e

・区域性に広がり、横断像にてリング状に造影効果を認めている。いわゆるClustered ring enhancementであり、DCISを疑う所見。

参考記事)非浸潤性乳管癌の画像診断

41,30 歳代の妊娠女性。健診の超音波検査にて胎児の胸腔内に囊胞性病変を指摘された。 精査を目的に施行した MRI(T1 強調冠状断像,T2 強調冠状断像)を示す。
可能性が高い疾患はどれか。1 つ選べ。

a  気管支閉鎖症
b  肺葉外肺分画症
c  先天性肺葉性肺気腫
d  先天性横隔膜ヘルニア
e  先天性肺気道奇形(CPAM/CCAM)

正解 d

・MRIにて左肺に横隔膜から逸脱する構造あり。先天性横隔膜ヘルニアを疑う所見。

参考記事)先天性横隔膜ヘルニアの画像診断

42,7 か月の女児。活気不良と四肢無動を主訴に両親に伴われ来院した。両側前腕および下 腿の単純 X 線写真を示す。
この疾患で通常みられる骨病変はどれか。1 つ選べ。

a  短骨骨折
b  骨頭壊死
c  右側優位の肋骨骨折
d  骨幹端バケツ柄骨折
e  時相の一致した多発骨折

正解 d

・両側脛骨遠位骨幹に骨折線あり。左側は特に比較的新しい骨折。両側橈尺骨にも多発性の陳旧性の若木骨折を認める。被虐待児症候群を疑う所見。時相の異なる多発骨折がポイント。

・虐待で多いのは骨幹端バケツ柄骨折。

参考記事)小児虐待による外傷の特徴と診断

43,5 歳の女児。症候性てんかんの精査を目的に受診した。頭部 MRI(T1 強調像,T2 強調 像)を示す。
考えられる疾患はどれか。1 つ選べ。

a  滑脳症
b  多小脳回
c  全前脳胞症
d  脳梁形成異常
e  帯状異所性灰白質

正解 e

・滑脳症の最軽症型で、左右対称性に皮質下に帯状に異所性灰白質を認める。表面の皮質と帯状灰白質との間に薄い白質層が存在し二重皮質double cortexと呼ばれる。帯状異所性灰白質を疑う所見

44,下大静脈フィルターについて正しいのはどれか。1 つ選べ。

a  急性期における肺動脈塞栓症の予防効果はない。
b  回収可能型フィルターは合併症を防ぐため必ず回収する。
c  原則として腎静脈流入部より頭側の下大静脈に留置する。
d  静脈血栓塞栓症患者で抗凝固療法禁忌の場合も使用できる。
e  抜去したフィルターに存在する血栓は,フィルター部分で新しく形成されたもので ある。

正解 d

・静脈血栓塞栓症患者で、抗凝固療法禁忌の場合も下大静脈フィルターは使用できる。

45,10 歳代の男子。左頸部を箸で刺され救急搬送された。左鎖骨下動脈造影写真を示す。
治療方針として最も適切なのはどれか。1 つ選べ。

a  近位血管塞栓術
b  NBCA による瘤塞栓術
c  コイルによる瘤パッキング
d  動脈結紮術とバイパス術
e  バルーンカテーテルによる血管壁圧着

正解 e

・左鎖骨下動脈に分葉状の嚢状動脈瘤あり。動脈瘤頸部(neck)は動脈瘤の最大横径(dome)の1/2以上ある。一般にコイルによるパッキングは頸部が1/2以下と狭い場合。←これは真性動脈瘤の場合。

 

放射線科医先生より

この症例でコイルによるパッキングが適切でないのは、形状よりも、仮性動脈瘤だからです。おそらく「eバルーンカテーテルによる血管壁圧着」を選ばせたいのでしょうが、すぐ遠位に左椎骨動脈が出ており、対側椎骨がhypoplasticな場合があるので、バルーン拡張に耐えられるかどうか、閉塞試験をする必要があります。その上で対側椎骨からの血流が十分ならバルーン圧着を試みることになると思います。それでだめなら、covered stentの適応を考慮すべきで、外科と相談して最善の手を選ぶ必要があります。

 

ありがとうございました。

 

46,70 歳代の女性。腹部超音波検査で肝門部門脈周囲に異常を指摘され,精査となった。 アルコール性肝疾患の既往がある。上腹部造影 CT と MRI の T2 強調像とを示す。
肝門部門脈周囲の病変(矢印)について,考えられるのはどれか。1 つ選べ。

a  胆管過誤腫
b  胆管周囲囊胞
c  肝内胆管拡張
d  細胆管細胞癌
e  cavernous transformation

正解 b

・肝門部中心に門脈周囲に低吸収域あり。T2WIでは高信号を示している。胆管周囲嚢胞を疑う所見。

参考記事)胆管周囲嚢胞の画像診断

47,60 歳代の男性。検診の超音波検査で肝腫瘤を指摘され,精査となった。MRI の T1 強 調像および Gd-EOB-DTPA 造影 MRI(EOB-MRI)の動脈優位相と肝細胞相を示す。
考えられる疾患はどれか。1 つ選べ。

a  肝細胞癌
b  胆管細胞癌
c  転移性肝癌
d  海綿状血管腫
e  肝限局性結節性過形成

正解 e

・肝右葉下縁S5に腫瘤あり、T1WIで淡い低信号、ダイナミックにて早期濃染され、肝細胞相においても高信号を示している。FNHを疑う所見。

参考記事)限局性結節性過形成(FNH)の画像診断

48,60 歳代の男性。発熱と右季肋部痛を主訴に来院した。胃癌に対し胃亜全摘の既往があ る。上腹部単純 CT を示す。
考えられる疾患について正しいのはどれか。1 つ選べ。

a  結石を伴いやすい。
b  糖尿病患者に生じやすい。
c  胆囊癌合併のリスクがある。
d  静脈鬱血が原因の 1 つである。
e  保存的治療が選択されることが多い。

正解 b

・気腫性胆嚢炎あり。糖尿病患者に生じやすいことが知られている。

49,50 歳代の男性。全身倦怠感を主訴に来院した。血液検査で肝機能障害を認める。上腹 部 CT ならびに MRI で膵頭部に腫瘤を指摘された。胆管ステント留置後の造影 CT と MRCP を示す。
考えられるのはどれか。1 つ選べ。

a  総胆管癌
b  膵頭部癌
c  groove 膵炎
d  悪性リンパ腫
e  IgG4 関連膵炎

正解 b

・50歳代男性。肝機能障害。膵頭部に腫瘤があるということ。胆管ステント留置あり。造影CTにて主膵管の蛇行した拡張所見あり。膵頭部周囲に脂肪織濃度がやや上昇あり?遅延相では、肝内胆管の造影効果あり。胆管炎の疑い。MRCPでは、膵頭部の主膵管が途絶しており、総胆管の下部も細く見える。普通に考えれば、膵頭部癌が総胆管に浸潤して、胆管炎および閉塞性膵炎を生じている。そんな問題出すだろうかとは思いながら・・・。

50,10 歳代の女子。腹痛と嘔吐が出現し摂食困難となったため受診した。12 歳頃から時々 腹痛を認めている。腹部造影 CT を示す。
本疾患に伴う皮膚所見はどれか。1 つ選べ。

a  下腿前面の皮下出血斑
b  前胸部の vascular spider
c  頬部の滲出性痂皮化病変
d  腰背部のびらん面を有する紅斑
e  口唇・口腔粘膜の褐色~黒色の色素斑

正解 e

・小腸に重積あり、胃内にポリープ散見される。Peutz-Jeghers症候群を疑う所見。

参考記事)Peutz-Jeghers症候群の画像診断

51,40 歳代の女性。腹痛を主訴に来院した。造影 CT(横断像と再構成冠状断像)を示す。
考えられるのはどれか。1 つ選べ。

a  神経鞘腫
b  卵管卵巣膿瘍
c  坐骨孔ヘルニア
d  骨盤子宮内膜症
e  骨盤鬱血症候群

正解 c

・右の坐骨孔から低吸収の腸管?の逸脱あり。見たことないけど、坐骨孔ヘルニアを疑う所見。逸脱した腸管は壊死に陥っているか!?

52,80 歳代の男性。腹痛を自覚し徐々に増悪するため受診した。腹部単純 X 線写真を示す。
考えられるのはどれか。1 つ選べ。

a  大腸重積
b  下行結腸癌
c  S 状結腸軸捻転
d  中毒性巨大結腸症
e  傍十二指腸ヘルニア

正解 c

・いわゆるcoffee bean signを呈している。S状結腸軸捻転を疑う所見。

参考記事)S状結腸捻転症の画像診断

53,60 歳代の女性。慢性腹痛を主訴に来院した。腹部単純 CT(再構成冠状断像)を示す。
考えられる疾患について誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a  小腸病変の合併が多い。
b  CT では早期から検出しやすい。
c  内視鏡所見は虚血性腸炎と類似している。
d  急性腹症のため,手術適応となることがある。
e  大腸壁内~腸間膜静脈に石灰化が認められる。

正解 a

・上行結腸周囲の血管に石灰化あり。静脈硬化性腸炎を疑う所見。小腸病変の合併が多いという報告は見られない。

参考記事)静脈硬化性腸炎の症状、好発部位、画像診断

54,50 歳代の男性。検診の腹部超音波検査で両腎に異常を指摘され,精査を目的に受診し た。腹部ダイナミック造影 CT(動脈優位相)を示す。
本疾患に合併しやすい脳腫瘍はどれか。1 つ選べ。

a  髄膜腫
b  髄芽腫
c  膠芽腫
d  血管芽腫
e  脈絡叢乳頭腫

正解 d

・両側腎に多発腫瘤あり。腎癌を疑う。また膵にも嚢胞性病変ありか。これらから、von-Hippel Lindau症候群を疑う。合併しやすいのは、血管芽腫。

参考記事)遺伝性(成人家族性)腎腫瘍とは?Von Hippel-Lindau病、Birt-Hogg-Dube症候群、結節性硬化症

55,70 歳代の男性。胸部 X 線撮影にて胸部に加え腹部にも異常を指摘された。胸部 X 線写 真を示す。
診断に必要な検査項目はどれか。1 つ選べ。

a  血中 ACE
b  血中 PTH
c  血中 sIL-2
d  胸水ヒアルロン酸
e  尿の抗酸菌培養検査

正解 c?

・右肺外病変あり。石灰化を有する。それにレントゲン上、接する腫瘤影あり。こちらも胸膜病変?右胸水あり。ボタローリンパ節など縦隔リンパ節石灰化あり。腹部では、肝の尾側に粗大な石灰化あり。腹部にも異常ありというのはこの石灰化?これは腎?漆喰腎?Tbとすると縦隔リンパ節の石灰化も説明可能。とすると、胸膜外に発生した悪性リンパ腫?とすると、IL-2を測定か。

56,40 歳代の女性。検診の腹部超音波検査で右腎に腫瘤を指摘され,精査を目的に受診し た。腹部 CT(単純 CT および造影 30 秒後と 100 秒後)を示す。
誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a  偽被膜を認める。
b  本例の予後は良好と予測される。
c  リンパ脈管筋腫症を合併しやすい。
d  T2*強調像で低信号を呈する成分を含む。
e  100 秒後の像は腎実質相に相当する。

正解 c?

・右腎より突出する内部均一な腫瘤あり。単純CTで等吸収〜やや低吸収で、造影で緩徐に造影効果を認めている。脂肪の少ないAMLや乳頭状のRCCなどが鑑別に挙がる。ただし、CTでは高吸収ではない点は気になるが・・・。

・脂肪の少ないAML→偽被膜は認めない。T2✳︎WIで低信号にならない。a,dの2つ誤りが出てくる。

・乳頭状RCC→LAMを合併しやすくない。cが誤り。

この2つをどうやってこの画像から鑑別するのかは謎。どちらかだとすれば、1つ選べなので、乳頭状RCCということになり、cが誤りということになる。そもそもこの2つ以外の疾患の可能性もあり。

参考記事)
乳頭状腎細胞癌のMRI画像診断
腎血管筋脂肪腫(AML)の画像診断

57,30 歳代の男性。検診の腹部超音波検査で後腹膜腫瘤を指摘された。腹部単純および造 影 CT を示す。
考えられるのはどれか。1 つ選べ。

a  副腎腺腫
b  褐色細胞腫
c  骨髄脂肪腫
d  悪性リンパ腫
e  神経節細胞腫

正解 e

・下大静脈の背側、腹部大動脈の右側に一部石灰化を有する楕円形の低吸収腫瘤あり。造影効果はほぼなし。神経節細胞腫を疑う所見。

参考記事)神経節細胞腫の画像診断

58,60 歳代の男性。ある治療の既往がある。骨盤部造影 CT を示す。
行われた治療はどれか。1 つ選べ。

a  経尿道的前立腺切除術
b  経尿道的膀胱腫瘍切除術
c  前立腺全摘除術
d  尿道摘除術
e  放射線治療後

正解 c

・膀胱の尾側に見られるはずの前立腺がまったく見えない。前立腺全摘除後。

59,30 歳代の女性。急激な腹痛を主訴に来院した。矢状断方向の T2 強調像,T1 強調像お よび造影 T1 強調像を示す。
発症との関連が疑われるのはどれか。2 つ選べ。

a  妊 娠
b  骨盤腹膜炎
c  卵巣奇形腫
d  子宮内膜症
e  経口避妊薬の服用

正解 a,e

・子宮前壁にT1WIにて高信号、T2WIで低信号の縁取りを有する腫瘤あり。造影効果は全体で欠如している。筋腫の赤色変性を疑う所見。

参考記事)子宮筋腫赤色変性の画像診断

60,40 歳代の女性。不正性器出血を主訴に来院した。既往に乳癌の手術歴があり,ホルモ ン療法(タモキシフェン)を継続中である。MRI の T2 強調像と造影 T1 強調像(脂肪 抑制)とを示す。
考えられる疾患はどれか。1 つ選べ。

a  子宮体癌
b  粘膜下子宮筋腫
c  子宮内膜ポリープ
d  子宮平滑筋肉腫
e  子宮悪性リンパ腫

正解 c

・子宮内膜の肥厚あり。内部にはT2WIにて低信号を呈する索状構造あり。造影にて内膜は著明な造影効果あり。内膜ポリープを疑う。

参考記事)子宮内膜ポリープ/子宮内膜増殖症(過形成)のMRI画像診断

61,50 歳代の女性。不正性器出血を主訴に来院した。T2 強調矢状断像と拡散強調像とを示す。
考えられる疾患はどれか。1 つ選べ。

a  子宮体癌
b  子宮転移
c  子宮癌肉腫
d  子宮内膜増殖症
e  有茎性子宮筋腫

正解 a

・子宮内膜にT2WIにて筋肉よりもやや高信号の分葉状の腫瘤あり。DWIにて著明な高信号を示す。子宮体癌を疑う所見。

参考記事)子宮体癌のMRI画像診断、疫学、分類、治療

62,40 歳代の女性。腹部膨満感を主訴に来院した。T2 強調像,T1 強調像および脂肪抑制 T1 強調像ならびに造影後脂肪抑制 T1 強調矢状断像を示す。
考えられる疾患はどれか。1 つ選べ。

a  皮様囊腫
b  転移性腫瘍
c  明細胞腺癌
d  未熟奇形腫
e  粘液性囊胞腺癌

正解 c

・子宮右側に内膜症性嚢胞あり。壁在結節を多数認め、T2WIでのshadingも消失している。壁在結節には造影効果あり。内膜症性嚢胞の悪性転化の疑い。

参考記事)内膜症性嚢胞で壁在結節をみたときの鑑別診断

63,20 歳代の女性。腹部膨満感を主訴に来院した。T2 強調矢状断像,T2 強調横断像およ び造影 T1 強調横断像を示す。
考えられる疾患はどれか。1 つ選べ。

a  線維腫
b  莢膜細胞腫
c  顆粒膜細胞腫
d  未分化胚細胞腫
e  粘液性囊胞腺腫

正解 d

・20歳代女性。子宮の腹側にT2WIにて分葉状の筋肉よりも高信号の腫瘤あり。内部には血管を疑う低信号あり。造影にて不均一に造影効果あり。未分化胚細胞腫を疑う所見。

64,80 歳代の男性。腹部膨満感を主訴に来院した。単純および造影 CT を示す。
考えられる疾患はどれか。1 つ選べ。

a  重複囊胞
b  リンパ管腫
c  結核性腹膜炎
d  腹膜偽粘液腫
e  囊胞性腹膜中皮腫

正解 d

・腹腔内に分葉状の低吸収域が後半に見られ、肝は圧排陥没を認め、いわゆるscallopingの所見。腹膜偽粘液腫によく見られる所見。

参考記事)腹膜偽粘液腫の画像診断

65,60 歳代の女性。最近,息子と夫を間違えるなどの症状があり,家族に伴われて受診し た。頭部 MRI と脳血流 SPECT とを示す。
可能性が高い疾患はどれか。1 つ選べ。

a  脳腫瘍
b  正常圧水頭症
c  前頭側頭型認知症
d  Lewy 小体型認知症
e  Alzheimer 型認知症

正解 c→e

両側の頭頂葉・右前頭葉の血流低下あり。海馬の萎縮はなし。若年性AD疑い。

dorogamekun先生ありがとうございました。

66,50 歳代の女性。振戦を主訴に来院した。精査を目的に施行した123I-ioflupane 脳 SPECT を示す。
なお,頭部 MRI では異常信号を認めなかった。 可能性が高い疾患はどれか。2 つ選べ。

a  ジストニア
b  本態性振戦
c  Parkinson 病
d  Huntington 舞踏病
e  進行性核上性麻痺

正解 c,e→c,d

・ダットスキャンにて、両側線状体はドット状の形態の集積を認めており、特に左側で集積低下あり。PD症候群やDLBを疑う所見。

 

eのPSPでは、線条体のうち、尾状核頭の集積低下が典型的ですが、この症例では比較的保たれています。
dのHuntington舞踏病では被殻と比べると尾状核頭が比較的保たれる場合が多いようです。

http://www.nmp.co.jp/member/datscan/inpre/page03.html
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20724066

ふらふら帝国先生ありがとうございました。

 

参考記事)ドパミントランスポーターシンチの画像診断

67,70 歳代の女性。労作時の胸部圧迫感を主訴に来院した。高血圧,糖尿病,高脂血症の 既往がある。アデノシン負荷心筋 SPECT と Gated SPECT とを示す。
可能性が高い疾患はどれか。1 つ選べ。

a  虚血なし
b  前壁心筋梗塞
c  労作性狭心症(右冠動脈病変)
d  労作性狭心症(重篤な多枝病変)
e  肥大型心筋症

正解 a?→d

68ですが、負荷時に、TID+、EF低下してるので、多枝病変ではないでしょうか?

  • 負荷時の一過性虚血性内腔拡大(TID)は広範囲の内膜下虚血に起因すると考えられ、重症虚血を示唆すると考えられている。
  • 安静時EF 67% 負荷時52%。負荷時の5%以上の低下はpost-ischemic stunningと呼ばれ重症心筋虚血を示唆する指標とされる。(臨床画像 vol.31,No.4増刊号,2015)

けんけん先生ありがとうございました。

関連問題)第12回核医学専門医試験【解答】52

68,60 歳代の男性。4 年前から労作時息切れを自覚したが,医療機関を受診しなかった。 下痢で近医を受診した際に,低酸素血症,血小板減少および高度肝機能障害を認めたた め入院となった。精査を目的に施行した99mTc-MAA シンチグラムを示す。
可能性が高い疾患はどれか。1 つ選べ。

a  肺高血圧症
b  肝肺症候群
c  卵円孔開存
d  肺動脈塞栓症
e  心房中隔欠損

正解 b

・99mTc-MAAシンチにて、両側腎および脳の描出あり。左右シャントを示唆する所見。選択肢の中では肝肺症候群を疑う所見。過去問でも頻出の問題。

69,50 歳代の女性。検診にて前頸部に腫瘤を指摘され,精査を目的に来院した。 99mTc-pertechnetate 甲状腺シンチグラムと201Tl 甲状腺腫瘍シンチグラム(early, delayed)とを示す。
可能性が高い疾患はどれか。1 つ選べ。

a  甲状腺髄様癌
b  腺腫様甲状腺腫
c  甲状腺濾胞腺癌
d  甲状腺未分化癌
e  甲状腺悪性リンパ腫

正解 b

 

70,70 歳代の男性。動悸,暑がり,体重減少を主訴に来院した。TSH の低下,遊離 T3 と 遊離 T4 の異常高値を認める。頸部単純 CT と甲状腺シンチグラムとを示す。
可能性が高い疾患はどれか。1 つ選べ。

a  Basedow 病
b  異所性甲状腺
c  無痛性甲状腺炎
d  機能性甲状腺結節
e  甲状腺ホルモン合成障害

正解 c

・甲状腺中毒症あり、甲状腺シンチにて甲状腺部に集積は認めない。CTでは甲状腺に異常所見なし。無痛性甲状腺炎を疑う所見。これも過去問で頻出。

参考記事)甲状腺中毒症の鑑別と画像診断

71,5 歳の女児。顔や手足のむくみを主訴に,母親に伴われ来院した。精査を目的に 99mTc-pertechnetate を用いたシンチグラフィが施行された。前面像と SPECT の体軸断 像とを示す。
考えられる疾患はどれか。1 つ選べ。

a  がま腫
b  プランマー病
c  細網芽細胞腫
d  異所性甲状腺
e  甲状舌管囊胞

正解 d

・顎下腺レベルの正中に99mTc-パーテクネイトで異常集積あり。甲状腺への集積葉認めず、異所性甲状腺を疑う所見。異所性甲状腺の場合、甲状腺機能低下となることが多く、エピソードにも合致。これも過去問で頻出。

参考記事)甲状腺先天性疾患の画像診断

72,就学前の女児。腹部腫瘤に対する診断・加療目的で紹介受診した。精査を目的に施行し た造影 CT とシンチグラム全身プラナー像とを示す。
シンチグラフィで用いられた放射性医薬品はどれか。1 つ選べ。

a  11C-メチオニン
b  18F-FDG
c  99mTc-sestamibi
d  123I-MIBG
e  131I-アドステロール

正解 d

・就学前の女児。左副腎の位置に巨大な腫瘤性病変あり。MIBGシンチで集積あり。神経芽細胞腫を疑う所見。

参考記事)神経芽腫の症状、画像診断

73,10 歳代の女子。軟式テニスの練習後に下肢痛を認め来院した。精査を目的に施行した 骨シンチグラムを示す。
可能性が高い疾患はどれか。1 つ選べ。

a  骨軟化症
b  非骨化性線維腫
c  線維性骨異形成
d  肥厚性骨関節症
e  脛骨過労性骨膜炎

正解 e

・10歳代の女子のテニスの練習後に下肢痛。骨シンチにて両側の脛骨の表面に異常集積あり。脛骨過労性骨膜炎を疑う所見。場所も合致。過去には、肥厚性骨関節症がよく出題されており、こちらも皮質に優位な集積を認めるが、肺癌患者に見られる事が多い。

参考記事)肥大性骨関節症の症状、骨シンチ画像診断

74,20 歳代の男性。下血を主訴に来院した。精査目的に99mTc-pertechnetate を用いたシン チグラフィが施行された。シンチグラムを示す。
可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。

a  胃 癌
b  直腸癌
c  Meckel 憩室
d  腸間膜動脈瘤
e  蛋白漏出性胃腸症

正解 c

99mTc-パーテクネイトにて右下腹部に集積あり。胃への集積は生理的。異所性胃粘膜を疑う所見であり、Meckel憩室が疑われる。

参考記事)メッケル憩室の画像診断

75,生後 14 日の新生児。便が灰白色なことに母親が気づいて来院した。精査を目的に施行 された99mTc-PMT による肝胆道シンチグラムを示す。
考えられる疾患はどれか。1 つ選べ。

a  新生児肝炎
b  先天性胆道閉鎖症
c  膵管胆管合流異常
d  先天性総胆管拡張症
e  先天性十二指腸閉鎖

正解 b

・生後14日の新生児。99mTc-PMTによる胆道シンチで、2時間後消化管や総胆管の描出なし。先天性胆道閉鎖症を疑う所見。

参考記事)99mTc-PMT 胆道シンチグラムの画像診断

76,50 歳代の女性。心不全症状を主訴に緊急入院した。精査を目的に施行されたガリウム シンチグラム全身像を示す。
追加撮像として適切なのはどれか。1 つ選べ。

a  胸部スポット撮像を行う。
b  腹部スポット撮像を行う。
c  胸部 SPECT/CT を行う。
d  腹部 SPECT/CT を行う。
e  下剤を投与して翌日に腹部スポット撮像を行う。

正解 e→c

・ガリウムシンチにて消化管への集積あり。生理的であるが、ここに腫瘍が混在していないかを除外するには、下剤を投与して翌日腹部のスポット撮影をすればよい。

2016/8/2追記

と思いましたが、心臓に集積を認めており、心不全というエピソードからも心サルコイドーシスが疑わしく、胸部 SPECT/CT を行うのが正解ぽいです。M先生ありがとうございました。

参考記事)ガリウムシンチグラフィの画像診断

77,60 歳代の男性。半年ほど前から自覚した右顎下部の腫瘤の増大を主訴に来院した。精 査を目的に唾液腺シンチグラフィが施行された。シンチグラムを示す。
なお検査開始 50 分後に酸負荷を行っている。 可能性が高い疾患はどれか。1 つ選べ。

a  多形腺腫
b  類表皮癌
c  腺房細胞腫
d  Warthin 腫瘍
e  悪性リンパ腫

正解 d

・唾液腺シンチにて、右耳下腺に二箇所異常集積あり。ワルチン腫瘍が疑われる。酸負荷にてこの腫瘤は反応していない。唾液分泌障害が疑われる。

参考記事)ワルチン腫瘍の画像診断

78,30 歳代の女性。高血圧を主訴に来院し,精査の結果,腹部腫瘤が指摘された。腹部 CT (単純・造影)と131I-アドステロールシンチグラム背面像とを示す。
可能性が高い疾患はどれか。1 つ選べ。

a  副腎癌
b  副腎腺腫
c  神経芽腫
d  褐色細胞腫
e  傍神経節腫

正解 b

・30歳代女性。高血圧あり。右副腎原発と思われる巨大腫瘤あり。腫瘤は内部不均一で、造影効果あり。131Iアドステロールシンチにて集積あり。副腎皮質癌では機能が低下しているので集積は見られない。

79,70 歳代の男性。下血を主訴に来院し,精査にて直腸癌と診断された。術前検査として 腹部造影 CT と FDG-PET とを施行した。
可能性が高い疾患はどれか。1 つ選べ。

a  肝膿瘍
b  肝血管腫
c  転移性肝癌
d  原発性肝細胞癌
e  肝間葉性過誤腫

正解 d

・肝S6/7に多血性の腫瘤複数あり、後期相にてwashoutあり。FDG-PETにて腫瘍部に一致してわずかに集積あり。腫瘍のサイズの割に集積は目立たず。HCCが疑われる。HCCやRCCの一部は脱リン酸化酵素を持っており、FDGの集積が低下することあり。

参考記事)PET検査の原理とメリット・デメリット

80,40 歳代の女性。甲状腺乳頭癌にて甲状腺全摘術後にアブレーションを施行し,全身シ ンチグラフィを施行した。シンチグラムを示す。
正しいのはどれか。2 つ選べ。

a  核種は123I である。
b  肺転移が疑われる。
c  膀胱転移が疑われる。
d  胃内にトレーサーが残留している。
e  甲状腺床の集積は癌の遺残を示す。

正解 b,d

・甲状腺乳頭癌に対して甲状腺全摘術後。アブレーション治療後の全身シンチにて甲状腺にstar signあり。

参考記事)
131Iによる星型アーチファクト(star sign)(甲状腺癌)の画像診断
甲状腺癌、甲状腺機能亢進症に対する131I(ヨード)内用療法の適応、効果判定、副作用は?

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