2009年放射線科診断専門医試験解答解説【51-55】
問題原本はこちらからご覧ください。
51の解答:d
・膵尾部に卵状の石灰化を有する内部不均一な高吸収を呈する腫瘤あり。SPNを疑う所見。
参考)Solid-pseudopapillary neoplasm(SPN,SPT)の画像診断
52の解答:b
・膵体尾部に内部に血管の貫通像を有する腫瘤あり。主膵管は拡張や狭窄を認めず、上方に圧排されているが正常に描出されている。これらの特徴から悪性リンパ腫が疑われる。傍大動脈にも小リンパ節あり。
参考)膵悪性リンパ腫の画像診断
53の解答:a
・腎門部に類円形の腫瘤性病変あり、ドップラーエコーにて血流を認めている。腎動脈瘤を疑う所見。
腎動脈瘤
・腎動脈本幹、一次分枝に嚢状の動脈瘤が形成されることが多い。
・サイズが径>1cm、血栓性腎梗塞、腎血管性高血圧の合併などがあれば治療対象となる。
・治療はコイル塞栓術を行う。
54の解答:a
・右腎に脂肪成分を含む結節複数あり。腎AMLを疑う所見。AMLを合併するのは、結節性硬化症。
腫瘍組織 | 腫瘍症候群 | 責任遺伝子(染色体座) |
---|---|---|
淡明細胞癌 | Von Hippel-Lindau(VHL)病 | VHL(3p25) |
乳頭状腎癌type1 | 遺伝性乳頭状腎細胞癌 | c-MET(7q31) |
乳頭状腎癌type2 | 皮膚および子宮平滑筋腫を 伴う家族性腎癌 | fumarate hydratase(1q42-43) |
嫌色素性腎癌 オンコサイトーマ | Birt-Hogg-Dube(BHD)症候群 | FLCN(17p11.2) |
血管筋脂肪腫AML | 結節性硬化症 | TSC1(9q34),TSC2(16p13) |
腎芽腫 | WAGR症候群 | WT1(11p13) |
メモ:LAM/AML は結節性硬化症。
55の解答:b
・恥骨結合より尾側にニボーを有する液体貯留あり。膀胱としては、場所が尾側すぎる。Fournier壊疽を疑う所見。
参考)フルニエ壊疽の画像診断
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