問題原本はこちら(日本医学放射線学会)を参照ください。
51,60 歳代の女性。健診の超音波検査で腹部腫瘤を指摘され精査となった。症状はない。 ダイナミック MRI(造影前,動脈優位相および平衡相)と MRCP とを示す。
考えられるのはどれか。1 つ選べ。a 膵粘液癌
b リンパ上皮囊胞
c 漿液性囊胞腫瘍
d 神経内分泌腫瘍
e 膵腺扁平上皮癌
51の解答:c
- 膵頭部に緩徐に造影される腫瘤あり。MRCPにて高信号を呈しており、「染まる水」であるSCNの特徴。
52,40 歳代の女性。骨盤部 T2 強調横断像を示す。
徴候として本例で伴なっているのはどれか。1 つ選べ。a 高血圧
b 膀胱脱
c 膀胱内出血
d 骨盤内鬱血
e 反復性尿路感染
52の解答:e
- 恥骨背側に嚢胞性病変あり。尿道憩室を疑う所見。
参考)尿道憩室の画像診断
53,60 歳代の男性。虚血性心筋症による心不全および不整脈の治療中である。血清肝酵素値 の上昇を認めたため精査となった。貧血は認めない。このときの腹部単純 CT を示す。
薬剤性肝障害が考えられたため,投与中の薬剤が中止された。中止後 3 か月の腹部単純 CT も示す。
初回 CT における異常所見の原因として考えられるのはどれか。1 つ選べ。a 金
b 鉄
c 亜鉛
d ヨウ素
e カルシウム
53の解答:d
- 肝にびまん性高吸収あり。心不全および不整脈治療中とのことで、アミオダロン肝を疑う所見。
参考)
・肝のびまん性高吸収の鑑別(肝がCTで白いとき)
・アミオダロン肝のCT画像診断
54,30 歳代の男性。検診の胸部 X 線撮影で異常を指摘され,精査を目的に来院した。腹部単 純 CT の横断像(3 スライス)を示す。
可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。a 肝硬変
b 異所性脾臓
c 奇静脈連結
d 悪性リンパ腫
e 下大静脈走行異常
54の解答:c
- 肝部の下大静脈を認めず。
55,50 歳代の女性。検診の腹部超音波検査で膵頭部に腫瘤を指摘され,精査を目的に来院 した。腹部ダイナミック CT(造影早期相)を示す。
疾患として可能性が低いのはどれか。1 つ選べ。a SCN(serous cystic neoplasm)
b AVM(arteriovenous malformation)
c SPN(solid pseudopapillary neoplasm)
d PNET(pancreatic neuroendocrine tumor)
e metastasis from RCC(renal cell carcinoma)
55の解答:c
- 膵頭部に多血性腫瘤あり。
- SCNは「染まる水」なので染まってよい。
- AVMも造影される。
- PNETは多血性膵腫瘍の代表。
- 転移であっても、元の腫瘍が多血性であるRCCも多血性となる。
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