2010年放射線科専門医試験問題&解答解説【81-85】核医学
問題原本はこちらからご覧ください。
81,
18F-FDG PET において著明な集積亢進を示しやすいのはどれか。2 つ選べ。 a 大腸癌 b 前立腺癌 c 肝細胞癌 d 悪性リンパ腫 e 細気管支肺胞上皮癌
81, a,d
偽陰性になりやすい腫瘍
・GGOを呈する肺腫瘍
・高分化型肝癌、腎癌(脱リン酸化酵素活性が上がっているから)
・前立腺癌
・サイズの小さいもの
82,
肺シンチグラフィにおいて換気・血流ミスマッチ所見を示すのはどれか。2 つ選べ。 a 気管支結石 b 気管支喘息 c 高安動脈炎 d 慢性気管支炎 e 急性肺血栓塞栓症
82, c,e
・換気に比して血流が優位に低下している場合をミスマッチ所見といい,血管性病変の存在が示唆され、つまり、「血管性病変を選びなさい」という問題。
83,
骨シンチグラフィにおいて転移巣に異常高集積を示しにくい原発巣はどれか。1 つ選べ。 a 腎癌 b 乳癌 c 肺癌 d 胃癌 e 前立腺癌
83, a
・骨シンチが弱いのは骨融解性病変。骨硬化には強い。PETより強い。
溶骨性の骨転移
たじ(ま)ようこ こか(いん)
多腎 溶骨 甲肝
・多発性骨髄腫
・腎癌
・甲状腺癌
・肝癌
84,
腎皮質シンチグラフィが良い適応となるのはどれか。1 つ選べ。 a 腎不全 b 多発性骨髄腫 c 多発性腎囊胞 d 膀胱尿管逆流症 e 急性進行性腎炎
84, d
・上部尿路感染によって腎瘢痕をきたすことがある。腎瘢痕の検出は超音波よりも腎皮質シンチグラフィが優れている。腎静態シンチグラフィを用いる。
腎静態シンチ
・99mTc-DMSAを用いる。
・急性腎盂腎炎、腎瘢痕の検出に有用。
・近位尿細管アシドーシスの評価にも用いる。
85,
内照射療法に用いられる放射性同位元素はどれか。2 つ選べ。 a. 99mTc b. 131I c. 89Sr d. 123I e. 201Tl
85, b,c
放射線内用療法=β線を出すもの。
・131I:バセドウ病、甲状腺分化癌
・89Sr(ストロンチウム):骨転移による骨痛除去
・90Y(イットリウム):CD20陽性悪性リンパ腫
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2010年(84.)ですが、レジデントセミナーの資料に腎静態シンチグラフィの対象疾患は慢性腎炎〜腎不全の評価や腎形成異常、などがあると記載されてます。
なので答えはaとdではないでしょうか?