2010年放射線科専門医試験問題&解答解説【66-70】診断
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66,
内・外鼡径ヘルニアの鑑別に重要な血管はどれか。1 つ選べ。 a 閉鎖動脈 b 外腸骨動脈 c 下腹壁動脈 d 内陰部動脈 e 浅腸骨回旋動脈
66, c
67,
女性付属器疾患について正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 卵巣茎捻転では子宮が健側に偏位することが多い。 b 卵巣腫瘍に比べて内膜症性囊胞の捻転の頻度は低い。 c 卵管妊娠において卵管壁に造影効果を見ることはまれである。 d 黄体囊胞の破裂は性交の刺激が誘引となって生じることが多い。 e 子宮外妊娠における急性期血腫は T2 強調画像で高信号に描出される。
67, b,d
・a: 患側に偏位する。
・b: 内膜症性嚢胞は癒着が強いので捻転しにくい。
・e: 急性期の血腫は、T2WIで低信号(ネズミ色) 。
68,
腹膜偽粘液腫の原発巣として頻度が高いのはどれか。1 つ選べ。 a 胃 b 結腸 c 虫垂 d 子宮 e 卵巣
68, c
腹膜偽粘液腫
・以前は卵巣粘液性嚢胞腺癌あるいは境界悪性腫瘍の破裂と考えられていた。しかし、現在は虫垂が原発で卵巣腫瘍は虫垂からの転移と考えられている。
69,
前立腺癌の MRI について正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 一般に拡散係数が上昇する。 b T2 強調像で一般に高信号を示す。 c 移行帯に発生する病変は検出しやすい。 d 精囊浸潤の評価には造影が有用である。 e 前立腺生検直後は腫瘍の局在診断が困難である。
69, d,e
・みかけの拡散係数である ADC 値は低下。
・生検直後は出血が混在して評価困難。できるだけ生検前にMRを撮影する。
70,
疾患と好発する病変との組み合わせで正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 神経線維腫症 I 型 ――悪性末梢神経腫瘍 b 結節性硬化症 ――腎細胞癌 c von Hippel-Lindau病 ――血管筋脂肪腫 d Osler-Weber-Rendu病 ――肺動静脈瘻 e Sturge-Weber 病 ――肝血管腫
70, a,d
・結節性硬化症は、腎血管筋脂肪腫(AML)。
・von Hippel Lindau病は、腎細胞癌。
悪性末梢神経鞘腫瘍(Malignant peripheral nerve sheath tumor)
・約半数はNF1から発生する。
・直径5cm以上で周辺組織への浸潤を認める。
・出血や壊死、石灰化を伴う事が多い。
・血行性転移はあるが、リンパ節転移はまれ。
・放射線治療後に発生しうる。
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