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2009年放射線科専門医試験問題&解答解説【46-50】診断
問題原本はこちらからご覧ください。
46,
HRCT でランダム分布を呈するのはどれか。2 つ選べ。 a 粟粒結核 b 過敏性肺臓炎 c 経気道性転移 d 血行性肺転移 e びまん性汎細気管支炎
参考)びまん性粒状影を来す疾患
47,
続発性間質性肺炎の原因とならないのはどれか。1 つ選べ。 a 膠原病 b 抗癌剤投与 c 放射線治療 d アスベスト曝露 e 非結核性抗酸菌症
・b:Bleomycin、Cyclophosphamide, Methotrexate etcによる間質性肺炎が知られている。
・c:放射線肺臓炎から肺線維症に進行するのが一般的。
・d:細気管支周囲の線維化から始まり、進行例では UIP と類似した像を呈しうる。
参考)
・石綿肺(asbestosis)の画像診断
48,
胸部 X 線写真正面像で,肺門側優位のコンソリデーションを呈しにくいのはどれか。1 つ選べ。 a 尿毒症肺 b 肺胞蛋白症 c 心原性肺水腫 d 特発性肺高血圧症 e ニューモシスチス肺炎
・b:○ 肺胞蛋白症では、胸部レントゲンでは、肺水腫と同様に肺門側優位の浸潤影を呈する。ただし、末梢優位のこともある。頻度しては肺門>末梢のことが多い。CTでは、ほぼ均一なすりガラス影内に小葉間隔壁肥厚や、crazing -paving patternを呈する。
・d:× 肺動脈の中枢側での拡張と末梢にかけての先細りが特徴的所見とされる。
・e:○ consolidation, 網状影がびまん性に肺門や下肺野に優位にみられる。
レントゲンによる陰影の分布
肺門側優位
・肺胞性肺水腫
・肺出血
・PCP
・肺胞蛋白症
胸壁側優位
・慢性好酸級性肺炎
・特発性器質化肺炎
胸膜に接する陰影
・肺梗塞(肺血栓塞栓症、真菌症)
下肺野優位
・誤嚥性肺炎
移動性
・慢性好酸球性肺炎
・特発性器質化肺炎
・肺吸虫症
49,
結核症の所見でないのはどれか。1 つ選べ。 a 空洞 b 胸水 c 小葉中心性粒状陰影 d Hampton hump e Tree-in-bud appearance
・d:肺梗塞に特徴的所見。
50,
HRCT ですりガラス陰影を呈しやすいのはどれか。2 つ選べ。 a 小細胞癌 b 扁平上皮癌 c 転移性肺腫瘍 d 異型腺腫様過形成 e 粘液非産生性肺胞上皮癌
参考)すりガラス結節を見たときのCT所見の記載の仕方、新しい肺腺癌の分類の要点、BACとは言わない
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2009年48は答えbと考えていますが自信がありません。dの特発性肺高血圧症の胸部X線は、両側の肺門部に拡張した肺動脈がみられます。これをコンソリデーションといってよいのならdは〇と思うのですが、いかがでしょうか?
m様
コメントありがとうございます。コンソリデーションをきたしにくいものを選ぶのでdでよいと思います。他は、肺門優位にコンソリデーションがくるようです。レントゲンによる陰影の分布を追記したので参考にしてください。また気になる所あればコメントください。