2009年放射線科専門医試験問題&解答解説【26-30】治療
問題原本はこちらからご覧ください。
26.
肺癌の中で標準治療として予防的全脳照射が推奨されるのはどれか。1 つ選べ。 a 腺癌 b 扁平上皮癌 c 大細胞癌 d 小細胞癌 e 腺様のう胞癌
26, d
・初期治療によって CRあるいはgood PRとなった限局型小細胞肺癌症例にはPCIの実施が推奨されている。25Gy/10分割など。
27,
T1N0M0 肺末梢型非小細胞肺がんの適切な治療法はどれか。2 つ選べ。 a 体幹部定位照射 b 化学療法単独 c 気管支鏡的腫瘤摘出術 d 化学放射線療法 e 手術療法
27, a,e
体幹部定位照射の適応
・腫瘍最大径が 5cm 以内。
・リンパ節転移・遠隔転移のない T1N0M0 および T2N0M0 原発性肺癌。
・手術不能ないし手術拒否症例
・常時酸素を必要としない。
・活動性の間質性肺炎がない。
・非小細胞肺癌において、臨床病期Ⅰ、Ⅱ期には外科治療を行うよう強く勧められるⅠA期(T1N0M0)では手術により60〜75%の5年生存率が期待。
28,
食道癌の放射線治療について,正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 6 MV 以上の X 線が推奨される。 b 完全切除例に対して予防的に術後照射を行う。 c 化学放射線療法で使用される薬剤は 5FU+シスプラチンが標準である。 d 化学放射線療法では,50 Gyから 60 Gyに線量を増加することで生存率の改善が得られる。 e 高齢者および全身状態が不良な症例でもリンパ節領域に対して予防照射を行うのが標準である。
28, a,c
29,
子宮頚癌に対する化学放射線療法について誤っているのはどれか。1 つ選べ。 a Ib2期は化学放射線療法の適応である。 b 化学放射線療法の薬剤としてはシスプラチンが最も用いられる。 c 化学療法は原則的に放射線治療と同時に行う。 d 化学放射線療法においては腔内照射を加える意義は少ない。 e 化学療法の併用は放射線治療単独に比べ急性期の有害事象は増加する。
29, d
30,
前立腺癌に対する放射線治療で正しいのはどれか。1 つ選べ。 a 放射線治療前の Gleason score は高いほど予後良好である。 b 放射線治療後に PSA 値が再上昇したら再発と診断される。 c 低リスク症例は125I を用いた組織内照射治療の適応となる。 d 外部照射とホルモン治療を同時に併用することは禁忌である。 e 放射線治療終了後に発症する主な晩期有害事象は腸閉塞である。
30, c
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(27)ですが、放射線治療計画ガイドライン2016の147Pに「手術不能で根治的胸部放射線治療が可能な局所進行非小細胞癌患者にはシスプラチンを含む化学放射線療法を行うことが推奨される」とあるので、
選択肢dも答えと思われますがいかがでしょうか?
T1N0M0 肺末梢型非小細胞肺がんは「手術不能」ではないのではないでしょうか。
(30)
放射線治療計画ガイドライン2016の226ページに「術後のPSAが>0.2ng/mlに上昇した場合にPSA再発と定義されることが多く」と記載あります。すると選択肢bの「放射線治療後にPSA再上昇してら再発と診断する」は正解ではないでしょうか?
放射線治療計画ガイドライン2016の226ページを見てみました。
ここでは、前立腺全摘除術後の放射線治療で、あくまで術後のPSA上昇ではないでしょうか。