2011年放射線科診断専門医試験問題&解答解説【36-40】
問題原本はこちらからご覧下さい。
36,
60 歳代の男性。突然に発症した胸背部痛を主訴に来院した。意識は清明。顔貌は苦悶様で冷汗を伴っている。血圧は右上腕で 170/92 mmHg,左上腕で 135/85 mmHg である。胸部の単純および造影 CTを示す。正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 保存的治療を行う。 b 血性心囊水が見られる。 c 偽腔内に血栓が見られる。 d Stanford B 型の解離である。 e 大動脈弁閉鎖不全を伴いやすい。
36, b,e
・胸部上行大動脈-下行大動脈に解離あり。Stanford type A。偽腔開存型。
・単純CTで高吸収の心嚢水あり。
参考)大動脈解離(Aortic Dissection(AoD))の画像診断
37,
40 歳代の男性。労作時胸部不快感を主訴に来院した。心臓 CT を示す。可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。 a 心筋梗塞 b 拡張型心筋症 c 不整脈原性心筋症 d 心アミロイドーシス e 心サルコイドーシス
37, a
・後壁が線状に薄くなっている。心筋梗塞後の疑い。
38,
60 歳代の女性。左乳房のしこりに気づき来院した。マンモグラムを示す。正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 硬癌を疑う。 b 娘結節がある。 c カテゴリー 4 である。 d リンパ節が見られる。 e 病変は C 領域に存在する。
38, a,d
・spiculaを有する腫瘤あり。カテゴリー5。
・CC(上下)で左なので、上が外側、下が内側。なので、腫瘤はA/Bにある。
・MLOで腋窩が見える。有意かどうかは置いておいてリンパ節は見える。
39,
70 歳代の女性。右乳頭近傍の腫瘤を自覚し来院し,精査となった。乳腺 MRI を示す。可能性が高いのはどれか。2 つ選べ。 a 硬癌 b 乳頭腫 c 粘液癌 d 充実腺管癌 e 非浸潤性乳管癌
39, b,c?
・T1WIおよびT2WIで高信号。
・サブトラで一部造影効果あり。cはまず疑われる。あとはb?
40,
30 歳代の女性。乳房腫瘤の疑いで来院した。マンモグラムを示す。考えられるのはどれか。2 つ選べ。 a 乳癌 b 多発囊胞 c 線維腺腫 d 脂肪壊死 e 豊胸術後変化
40, d,e
・両側微小な石灰化多数あるが、乳腺外。乳腺内に有意な石灰化なし。
・高吸収を呈する嚢胞はなし。低吸収の脂肪は見られる。
・ヒアルロン酸を乳腺にまぶして注入するとこのような画像になる。
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