2011年放射線科診断専門医試験問題&解答解説【1-5】
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1.
表面汚染と空間線量率の両方を測定できるのはどれか。1 つ選べ。 a He-3 比例計数管 b GM 管式サーベイメータ c 電離箱式サーベイメータ d NaI シンチレーション式サーベイメータ e ZnS シンチレーション式サーベイメータ
・β(γ)線を放出する放射性物質による体表面汚染の測定にはGM計数管式サーベイメータが最も広く使われている。
・α線を放出する放射性物質による体表面汚染の測定には、ZnS(Ag)シンチレーション式表面線検査用サーベイメータが使われている。
・空間線量率測定:γ線の測定にはNaI(Tl)シンチレーション式サーベイメータ、GM計数管式サーベイメータ、電離箱式サーベイメータがある。中性子線の測定いは、3He計数管やBF3計数管を用いた中性子線量測定用サーベイメータがある。
2,
LNT 仮説について正しいのはどれか。2 つ選べ。 a しきい値がある。 b 安全管理に用いやすい。 c ホルミシス効果を考慮している。 d 生体の防御機構を考慮していない。 e 低線量被ばくのリスクを正確に評価できる。
・LNT(Linear Non-Theshold 閾値なし直線)仮説とは放射線の被ばく線量と発ガンのリスクに線形の関係があり、低線量でのしきい値はないと仮定する仮説。
・放射線ホルミシス(Radiation hormesis)とは、大きな量(高線量)では有害な電離放射線が小さな量(低線量)では生物活性を刺激したり、あるいは以後の高線量照射に対しての抵抗性をもたらす適応応答を起こすこと。(wikipedia)
・ホルミシス理論では、少量で極大のプラス効果を持つ刺激が生じ、さらに用量を上げていくと、効果がないゼロ相当点(ZEP:zero equivalent point)に達し、これが“しきい値”とされ、その値を超える場合に有害なマイナス効果が増大する、とされる。(wikipedia)
3,
放射線診療従事者の内部被ばくの線量限度が,妊娠を申告後出産までの期間,実効線量で 1 mSv と規定されている根拠はどれか。1 つ選べ。 a 胎児の放射線感受性が高いため b 母性保護の考え方を採用するため c 胎児への放射線影響が不明なため d 母親の精神的な不安を防止するため e 胎児の被ばくを公衆被ばくとみなすため
・妊娠申告後出産までを通して、外部被曝が母体の腹部表面で2mSv、内部被曝1mSvと規定されている。
・これは、胎児を公衆とみなし、公衆の被曝線量限度1mSv/年を超えないように配慮した結果。1mSvを超えると胎児の異常が増加するわけではない。
4,
医療用画像の保存や通信に用いられる標準規格はどれか。1 つ選べ。 a HL7 b PACS c IHE-J d DICOM e SS-MIX
5,
厚生労働省通知に示されている「医療画像の電子保存の三原則」には「保存性」の他に何があるか。2 つ選べ。 a 機能性 b 見読性 c 互換性 d 真正性 e 多様性
参考)ドクターソフトと電子化カルテの3原則
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