目次
放射線科専門医過去問頻出問題 治療【膵癌】
腫瘍 | 照射線量 | 治療法 |
早期膵癌 | 手術→化学療法が標準。 | |
切除不能局所進行膵癌 | 50Gy | 同時化学放射線療法が標準治療。エネルギーは10MV以上をガツン!化学療法では5-FUを使用。 |
20Gy:切除例30Gy:非切除例 | 術中照射を行なうことがある。これは上の外照射と併用する。単独はダメ。用いるのは電子線。1回大量線量照射。 | |
腹膜播種、転移もあるが、心窩部痛がモルヒネでコントロール不可な進行膵癌(ただし全身状態は良好) | 放射線治療の適応あり。放射線治療単独でも疼痛緩和効果あるから。 |
早期膵癌
・手術→化学療法が標準。
切除不能局所進行膵癌 2011
・同時化学放射線療法が推奨される。
※5FU併用CRTが局所進行膵癌の標準治療。★
・同時化学放射線療法では,50 Gyの外部照射が必要である。
・エネルギーは10MV以上(6MV以上)。
・術中照射をすることがある。これは外部照射と併用する。単独はダメ。
※術中照射では、切除例は20−25Gy、非切除例では25−30Gyを照射する。用いるのは外部照射のような高エネルギーのX線ではなく、電子線(10-20MeV)を1回のみ照射する(術中なのでそりゃ1回。)。
・リスク臓器は消化管、肝臓、腎臓、脊髄。消化管潰瘍、血管狭窄、膵膿瘍などを起こすことがある。
・術中照射によるCTでの腫瘍縮小効果判定は1ヶ月後に行なう。
※腫瘍縮小効果は治療後すぐには出ず、2週間〜1ヶ月かかるから。
・ゲムシタビン(ジェムザール)併用放射線治療では,腸管障害に注意する必要がある。
※切除不能な局所進行膵癌の標準治療は、上のように化学放射線療法である。しかし、最近は、これらの病変に対してまずジェムザール単剤を効果がある限り繰り返して、少しでも増大傾向にあればRTを加えるようになっている。
※一般的な副作用としては、骨髄抑制と吐き気・嘔吐、口内炎などの消化器症状が多いとされています。そのほか、発疹などの過敏症、頻脈、発熱、頭痛、めまい、脱毛などが起こることもある。
腹膜播種+肝転移の切除不能膵癌。全身状態はよく、心窩部痛がモルヒネでコントロール不可症例
・疼痛緩和目的のRTの適応がある。
・放射線単独治療でも,疼痛緩和効果はあるから。
※心窩部の原因は腫瘍が腹腔神経叢に浸潤したため。
ご案内
腹部画像診断を学べる無料コンテンツ
4日に1日朝6時に症例が配信され、画像を実際にスクロールして読影していただく講座です。現状無料公開しています。3000名以上の医師、医学生、放射線技師、看護師などが参加中。画像診断LINE公式アカウント
画像診断cafeのLINE公式アカウントで新しい企画やモニター募集などの告知を行っています。 登録していただくと特典として、脳の血管支配域のミニ講座の無料でご参加いただけます。
関連記事はこちら
