2013年放射線科専門医問題&解答解説【診断61-65】
問題はこちらから参照して下さい。
61. 左精巣癌 pT1 の経過観察 CT で,最も注意して観察すべきリンパ節が含まれる断面はどのレベルか。 1 つ選べ。 a 鎖骨上窩 b 肺門部 c 腎門部 d 骨盤入口部 e 鼠径部
62. 肝限局性結節性過形成の画像所見として正しいのはどれか。2 つ選べ。 a 被膜を認めることが多い。 b ダイナミック CT の動脈相で強く濃染する。 c 腫瘤内に脂肪成分を認めることが多い。 d 中心瘢痕は MRI の T2 強調像で低信号を示す。 e 車輻状血管像(spoke-wheel appearance)が特徴的である。
FNHの画像所見
・画像上境界明瞭な腫瘤、通常被膜を持たない
・単純CT:低~等吸収
・MRI:T1、T2強調像ともに均一で肝と同程度の信号強度
・CT 、 MRI ともに早期相より均一な強い造影効果
・腫瘤内にクッパー細胞が存在(15.4%で減少or欠損)
T2WI with superpara magnetic iron oxide(SPIO)造影で低信号
Gd-EOB-DTPA 造影で取り込まれ高信号となることが多い
99mTc コロイドシンチグラフィにて集積あり(約60%)
・中心性瘢痕:CTで<3cmの35%、>3cmの65%、MRIで78%にみられる
遅延相にて造影効果(+)、MRI T2WIで高信号
・血管造影:栄養動脈が中心瘢痕から入り、分岐しながら放射状に末梢に分布(spoke-like appearance)、その後肝静脈へ還流
参考記事)FNHの画像診断
63. MRI の経口造影剤として使用されるのはどれか。2 つ選べ。 a ガドテリドール b フェルカルボトラン c 塩化マンガン四水和物 d ガドキセト酸ナトリウム e クエン酸鉄アンモニウム
・フェルカルボトランはSPIOの一般名。
・ガドキセト酸ナトリウムはEOBの一般名。
・塩化マンガン四水和物(ボースデル®):MRI用経口消化管造影剤→MRCPで用いられる。T1WI、T2WIのコントラストが増強される。
・クエン酸鉄アンモニウム(フェリセルツ®):消化管(胃、十二指腸、空腸)造影 ・胆道膵管撮影時の消化管陰性造影に用いられる。MRCPで用いられる。T1WI、T2WIのコントラストが増強される。
64. MRI において脂肪抑制法として用いられるのはどれか。2 つ選べ。 a EPI 法 b GRE 法 c STIR 法 d FLAIR 法 e CHESS 法
・EPI法はDWI。
・脂肪抑制は、STIR、CHESS法。
・GRE法はGradient echo法。
65. 右大腿動脈からのイントロデューサ挿入を試みるとき,傷つける可能性が低いのはどれか。1 つ選べ。 a 腰動脈 b 浅腹壁動脈 c 正中仙骨動脈 d 右深大腿動脈 e 右内腸骨動脈
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