2013年放射線科専門医問題&解答解説【診断36-40】
問題はこちらから参照して下さい。
36. 肺結核の所見として,再感染よりも初感染で頻度が高いのどれか。1 つ選べ。 a 空洞 b 斑状影 c 結核腫 d リンパ節腫大 e tree in bud appearance
36 . d
・一次結核では、中下肺野に浸潤影が見られたり、リンパ節腫大、胸水を認める。肺病変もリンパ節腫大ともに右肺に多い。
参考記事)一次結核の画像診断
37. 特発性肺線維症の CT 所見として特徴的なのはどれか。2 つ選べ。 a 蜂巣肺 b 小葉中心性粒状影 c 牽引性気管支拡張 d 気管支血管周囲に優位な分布 e 下葉の広範なすりガラス状陰影
37. a,c
UIP pattern
- 胸膜直下・肺底部優位。
- 網状影。
- 蜂巣肺、時に牽引性気管支拡張像を伴う。
- Inconsistent with UIP patternに挙げられている所見がない。
38. マイコプラズマ肺炎の CT 所見として頻度が高いのはどれか。1 つ選べ。 a 空洞 b 小葉間隔壁の肥厚 c 小葉中心性粒状影 d 中葉,舌区優位の分布 e crazy-paving appearance
38. c
・小葉中心性結節影(しばしばtree-in-bud appearance)・(中枢まで目立つ)気管支肺動脈束の肥厚・(気管支肺炎様の)小葉大のすりガラス・均等影・浸潤影。
参考記事)マイコプラズマ肺炎の画像診断
39. 胸膜中皮腫について正しいのはどれか。1 つ選べ。 a 縦隔側胸膜の肥厚は認めない。 b 低濃度の石綿暴露では生じない。 c 肉腫型は上皮型より予後不良である。 d 石綿暴露から 10 年程度の発症が多い。 e 胸水のみが所見であることはまれである。
39 . c
・縦隔側の胸膜肥厚が特徴的。
・20〜40年の潜伏期を経て発症。
・低濃度曝露でも発症する。
・胸水の合併が9割と多い。
参考記事)胸膜中皮腫の画像診断
40. 肺腫瘤の CT 所見として正しいのはどれか。2 つ選べ。 a カルチノイドは空洞を生じることが多い。 b 粘液腺癌は気管支散布性転移を生じる。 c 造影効果の乏しい肺野結節は悪性の可能性が高い。 d 肺末梢型小細胞癌では血管収束像が見られることが多い。 e 高分化型肺腺癌は辺縁にすりガラス影を有することが多い。
40. b.e
・カルチノイドは石灰化はあるが空洞は多くはない。
・粘液腺癌は気管支散布性転移を生じて、肺炎様の画像所見を呈する。以前BACとも言われていた。
・末梢型の肺腺癌が血管収束像が見られることが多い。
・高分化肺腺癌は辺縁にスリガラス影を認めることが多く、そのためPETで偽陰性になりやすい。
ご案内
腹部画像診断を学べる無料コンテンツ
4日に1日朝6時に症例が配信され、画像を実際にスクロールして読影していただく講座です。現状無料公開しています。3000名以上の医師、医学生、放射線技師、看護師などが参加中。画像診断LINE公式アカウント
画像診断cafeのLINE公式アカウントで新しい企画やモニター募集などの告知を行っています。 登録していただくと特典として、脳の血管支配域のミニ講座の無料でご参加いただけます。
関連記事はこちら

2013年の(37)ですが、特発性肺線維症のCT所見ですが、レジデントセミナー2017の「診断:肺(びまん性)」の「特発性肺線維症(IPF/UIP)」において画像上の特徴にすりガラス影や両側肺下葉優位とあるので、(37)はeも答えになるのではないでしょうか?
下葉の「広範な」すりガラス状陰影は特徴的とは言えないと思います。
それ以前にa,cが特徴的です。