基礎(1-5)

1,
MRI に関連した記述で正しいのはどれか。2 つ選べ。
a  地磁気はおおよそ 0.5 mT である。
b  ケミカルシフトアーチファクトは高磁場ほど小さくなる。
c  クエンチの際は大至急,患者を検査室外へ誘導する。
d  第二次水準管理操作モードでは重大なリスクの可能性はない。
e  MRI 装置の立ち入り制限区域での漏洩磁場は 0.5 mT 以内とされている。

解答:c,e

  • a:地磁気は約46,000nT=46μT=0.046mT。
  • b:ケミカルシフトアーチファクトは磁場が大きいほど大きい。
  • e:立ち入り制限区域=漏洩磁場は 0.5 mT 以内。

漏洩磁場強度が0.5mTを超えないような立ち入り制限区域をMR装置周辺に設定し、警告を表示する。(日本医学放射線学会「放射線診療事故防止のための指針Ver.4」より引用)

chemical shift artifactが強くなる条件
  • 静磁場強度が大きい
  • ピクセル当たりのバンド幅が狭い。
  • ピクセルが大きい。
クエンチ
  • 液体ヘリウムが温まると気化(蒸発)が起こる。これをクエンチという。
  • 強制排気が作動する安全装置が作動し、部屋の外に排出される。
  • ただし、この強制排気システムに故障が起こると、酸欠状態になるため、なるべく早く換気をして、患者を検査室外へ誘導する。
第二次水準管理操作モード

一つ又は複数の出力が患者に重大なリスク(危険)を与える可能性のある値に達し,明確な倫理的承認を必要とするMR 装置の操作モード。http://www.baic.jp/reference/pdf/s1_overview.pdfより引用。

 

2.

2,
エックス線グリッドについて誤っているのはどれか。1つ選べ。
a  集束グリッドには焦点距離がある。
b  平行グリッドの吸収箔は互いに平行である。
c  グリッドは散乱線を減少させるために使用する。
d  グリッド箔の高さと間隔の比をグリッド比と呼ぶ。
e  グリッドを使うと患者の被ばく線量を低減できる。

解答:e

  • e:グリッドを使うと被ばく量は増える。被ばく低減のためにグリッドをはずすことあり。

 

3,
超音波診断装置について誤っているのはどれか。1つ選べ。
a  超音波は圧電素子により生成される。
b  距離分解能は波長が短いと向上する。
c  振動数が大きいと到達距離が短くなる。
d  ドップラー効果で反射波の音速が変化する。
e  反射波は圧電素子により電気信号に変換される。

解答:d

  • a:超音波は圧電素子(PZT:チタン酸ジルコン鉛など)に電圧をかけることにより発生する。
  • b:距離分解能は、超音波ビームの進行方向に沿って前後に存在する2点を識別する能力。周波数が高いほど良くなる。一方、方位分解能は超音波ビームの進行方向に垂直に並んだ2点を識別する能力で、超音波のビームパターンに関連する。
  • c:振動数が大きいと到達距離が短くなる。
  • d:音速は温度によるので一定。

 

4,
放射線診断部門の電子化システムの構築で優先順位が最も高いのはどれか。 1つ選べ。
a  医療費収入の増加
b  他院からまたは他院あての画像の連携
c  改姓,身元不明患者等における患者情報の整合性
d  ターンアラウンドタイム等の業務指標の容易な集計
e  電子カルテ三原則(原本性,見読性,保存性)の確保

解答:e

 

5,
医療でのネットワーク安全について誤っているのはどれか。1つ選べ。
a  物理的な安全策を加える価値は低い。
b  職員のネットワーク安全教育が必要である。
c  ネットワーク情報交換の安全対策を外部に業務委託できる。
d  外部とのネットワーク情報交換を監視し,不正なアクセス等を制御する。
e  技術進歩と不正行為の現状をふまえ,安全対策改善の余地を検討する。

解答:a

 

整形(6-11)

6,
80 歳代の男性。交通事故にて救急搬送された。神経症状は特にない。来院時の頸部単純 X 線写真と単純 CT を示す。
考えられるのはどれか。1つ選べ。
a  Chance 骨折
b  Hangman 骨折
c  Jefferson 骨折
d  Teardrop 骨折
e  Clay shoveler 骨折

解答:b

Hangman 骨折
  • C2の両側の上下関節突起間部の骨折。
  • 頚椎の過度の進展と牽引によっておこる不安定で重篤な骨折。
  • 神経症状をきたすことはない。
  • 重症度により3つのタイプに分類される。
Chance骨折
  • 胸腰椎に強い前屈が加わった結果起こる椎体と神経弓の水平骨折。
  • シートベルトを腰だけに巻いた状態で衝突した場合に起こりやすい。
Jefferson 骨折
  • 第1頚椎の垂直方向の圧迫による前弓と後弓の粉砕型の骨折。
  • 骨折自体は安定しており、環椎横靭帯の損傷がなければ神経症状を呈することはない。
  • X線では、開口位像で、環椎側塊部が外側に変位し、軸椎側塊部の上で張り出して見える。
  • 側面像では、環椎歯突起間距離が広がっていることあり、これが7mm以上の場合、不安定と診断する。
Teardrop 骨折
  • 頚部の過伸展もしくは過屈曲による骨折。
  • 過伸展の場合は、第2頚椎前下縁の前縦靭帯の付着部での裂離骨折が生じる。
  • 過屈曲は、第5頚椎で生じやすく脱臼骨折を伴うため、神経学的に重篤になることが多い。
  • 神経孔や椎骨動脈孔に骨折が及んでいるかの評価にはCTによる評価が重要。
Clay shoveler 骨折 (粘土シャベル骨折)
  • C6,7,Th1のいずれかの棘突起の剥離骨折。
  • 急激に屈曲すると僧帽筋や菱形筋にストレスが加わり、その結果上棘靭帯に力が伝わって棘突起が骨折する。
  • 安定骨折の一つ。
頸椎損傷の安定、不安定の関係

【安定】

  • 前方亜脱臼
  • 一側性関節突起脱臼
  • 単純楔状骨折
  • 破裂骨折
  • C1後弓骨折
  • clay-shoveler骨折

【不安定】

  • 両側性関節突起脱臼
  • teardrop骨折
  • hangman骨折
  • Jefferson骨折

 

7,
14 歳の女子。左手首の疼痛を主訴に来院した。転倒後から手関節痛と腫脹がある。 左手の単純 X 線写真を示す。
損傷の分類として考えられるのはどれか。1つ選べ。
a  Salter-Harris 分類 1 型
b  Salter-Harris 分類 2 型
c  Salter-Harris 分類 3 型
d  Salter-Harris 分類 4 型
e  Salter-Harris 分類 5 型

解答:b

  • Ⅱ型は骨幹端に及ぶ骨端軟骨の骨折。
Salter-Harris 分類
  • 小児期での成長板(骨端線)の損傷の分類に用いる。
  • 治療方針や予後推定に重要とされる。
  • 骨折線が骨端線を介してどの方向に及ぶかで分類する。
  • Ⅱ型が最多。数字が大きくなるにつれ予後不良となる。
  • 単純X線による評価であるが、MRIを追加すると、潜在骨折が見つかることあり。

 

8,
10 歳代の男子。腰痛を主訴に来院した。骨条件の腰椎単純 CT(横断像と再構成矢状 断像)を示す。
考えられるのはどれか。1つ選べ。
a  類骨骨腫
b  Brodie 膿瘍
c  腰椎分離症
d  外傷性骨折
e  椎間関節変性

解答:c

参考)脊椎分離症/辷り症の画像診断

 

9,
50 歳代の男性。右手関節痛を主訴に来院した。1年前から出現し,最近になり増強して きている。テニス愛好家である。MRIのT1 強調像と STIR 像を示す。
正しいのはどれか。2つ選べ。
a  舟状骨に異常を認める。
b  末期に関節強直をきたす。
c  初期には骨髄浮腫様の信号異常を呈する。
d  尺骨過長(ulna plus variant)症例に好発する。
e  この病期では単純 X 線写真で所見を指摘できる。

解答:b,c?→c,e

senmonni8

  • T1WIでは月状骨に低信号あり。→キーンベック病?だとしたらSTIRで高信号になっててほしい。
  • STIRでは有頭骨を中心に、有鉤骨にも一部高信号ありか。
  • a:舟状骨は画像には写っていない。
  • d:尺骨過長(ulna plus variant)症例に好発するのはTFCC損傷。TFCC損傷は見られない。

問題9はキーンベック病のステージIII期ではないでしょうか。ステージIIIであれば月状骨のSTIRで信号が低下するようです(上肢の画像診断 p214)。III期ではX線で月状骨圧潰が確認できるので、従ってこの問題の解答はc、eではないでしょうか。

NERU先生ありがとうございます!!!

有鉤骨鉤骨折
  • テニスやゴルフ、バドミントンのグリップなどが小指球部に衝突することにより生じる骨折。ラケットを振り損ねたときなどに起こる。
  • 単純X線での診断は困難なことが多く見逃されやすい骨折の一つ。
  • MRIでの報告は少ない。CTの再構成は骨折線を明瞭に描出でき有用。

参考)

 

10,
10 歳前半の男子。左上腕部の疼痛を主訴に来院した。左上腕部の単純 X 線写真と単純 CT(骨条件)とを示す。 考えられるのはどれか。1つ選べ。
a  骨軟骨腫
b  軟骨肉腫
c  骨化性筋炎
d  傍骨性骨肉腫
e  骨膜性骨肉腫

解答:e?→c

正解はcの骨化性筋炎だと思いますがいかがでしょうか。Helmsの骨関節画像診断入門によると骨化性筋炎と悪性腫瘍のどちらも骨膜反応は認められるとされ、また骨膜性骨肉腫はspicula様の骨膜反応を認め傍骨性骨肉腫と異なり軟部腫瘤内に粗大な石灰化を有することはない、と記載があります。また本症例では石灰化が腫瘤辺縁に認められており、骨化性筋炎に特徴的だと思います。

レントゲン:左上腕骨に接して、化した腫瘤が認められる。上腕骨に沿った骨膜反応が認められる。
CT:上腕骨と連続して、縁主体の骨硬化像を伴った病変が認めらる。

→骨化性筋炎を疑う所見。

  • d:傍骨性骨肉腫は辺縁よりも中心部で石灰化が強い。好発年齢は20-30歳代と、通常型よりやや高い。
  • e:骨膜性骨肉腫ではspicula様の骨膜反応が見られる。

osk先生ありがとうございます!

 

11,
10 歳前半の男子。右膝痛を主訴に来院した。右膝関節の単純 CT(再構成冠状断像)と MRI(脂肪抑制 T2 強調冠状断像)とを示す。
考えられるのはどれか。1つ選べ。
a  内軟骨腫
b  軟骨芽細胞腫
c  離断性骨軟骨炎
d  Langerhans 組織球症
e  若年性特発性関節炎

解答:b

  • 骨端部に骨硬化縁を有する骨融解病変あり。周囲は脂肪抑制T2WIにて異常な高信号あり。

参考)軟骨芽細胞腫のMRI画像診断

 

頭頸部(12-21)

12,
70 歳代の女性。頭蓋内病変スクリーニングのため,頭部 MRI が施行された。T2 強調像, T1 強調像,造影 T1 強調像および T2強調像を示す。
可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
a  脳膿瘍
b  橋出血
c  転移性脳腫瘍
d  橋のラクナ梗塞
e  毛細血管拡張症

解答:e

  • 橋の中央に造影される部位あり。T2*WIにて信号低下軽度あり。
毛細血管拡張症capillary telangiectasia
  • に最も多く発生し、テント上・脊髄にも見られる。
  • MRIではT2*強調像で低信号を呈することが診断に有用とされている。

参考)海綿状血管奇形(海綿状血管腫)のCT,MRI画像診断

 

13,
30 歳代の女性。難聴を主訴に来院した。左側頭骨の高分解能 CT(横断像と冠状断像)を 示す。
考えられるのはどれか。1つ選べ。
a  耳硬化症
b  中耳奇形
c  慢性中耳炎
d  骨化性迷路炎
e  真珠腫性中耳炎

解答:a

  • 蝸牛周囲に透亮像を認める。窓型の耳硬化症を疑う所見。

参考)耳硬化症の画像診断

 

14,
50 歳代の男性。進行性の両下肢のしびれ,脱力を主訴に来院した。MRI の T2 強調矢状 断像を示す。
検査法として次に行うべきなのはどれか。1つ選べ。
a  単純 CT
b  血管造影
c  脊髄生検
d  FDG-PET
e  ミエログラフィ

解答:b

  • 胸髄に広範な異常高信号域あり。脊髄の前後にはドット状の血管を疑う所見が散見されており、脊髄硬膜動静脈瘻を疑う所見。
脊髄疾患(T2WIで高信号)の鑑別
  • 腫瘍
  • 脊髄空洞症
  • 圧迫性病変による脊髄症
  • 炎症・脱髄・代謝性疾患
  • 脊髄梗塞
  • spinal AVFなどの血管障害

参考)

 

15,
70 歳代の女性。左側脱力と顔面麻痺を主訴に来院した。MRI の T1 強調像と T2 強調像 とを示す。
可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
a  脳出血
b  脳膿瘍
c  神経膠腫
d  悪性リンパ腫
e  転移性脳腫瘍

解答:b

  • 右前頭葉に腫瘤性病変あり。壁はT1WIで高信号、T2WIで低信号を呈する。周囲に著明な浮腫性変化あり。典型的な脳膿瘍。

※T2WIで低信号は脳膿瘍に特徴であり、Mφの産生するフリーラジカルによる。

参考)脳膿瘍の画像診断

 

16,
50歳代の女性。頭痛を主訴に来院した。精査の目的で撮像した MRIのT1強調横断像を 示す。
異常所見の成因として考えられるのはどれか。1つ選べ。
a  肺癌
b  肝硬変
c  もやもや病
d  多発性硬化症
e  浸透圧性脳症

解答:b

  • 両側淡蒼球にT1WIにて高信号あり。

参考)淡蒼球を中心とした基底核にT1強調像で高信号を呈する鑑別疾患

 

17,
70歳代の男性。頭頂部付近の頭部 MRIのFLAIR 像を示す。
中心前回はどれか。1つ選べ。
a  1
b  2
c  3
d  4
e  5

解答:c

参考)中心溝の同定方法

 

18,
30歳代の女性。SLEで経過観察中に意識レベルが低下し緊急搬送された。四肢の固縮、 眼球運動障害、視野障害および視力障害を伴う。頭部MRIのFLAIR像を示す。
考えられるのはどれか。1つ選べ。
a  MELAS
b  転移性脳腫瘍
c  静脈洞血栓症
d  進行性多巣性白質脳症
e  posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)

解答:e(d?)

  • 両側後頭葉および小脳半球にFLAIRで異常高信号あり。異常高信号はU-fiberにも及んでいる。

参考)

 

19,
70歳代の女性。認知症で受診し精査となった。MRI の T1 強調像を示す。
可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
a  Alzheimer 病
b  多発脳梗塞
c  Parkinson 病
d  進行性核上性麻痺
e  特発性正常圧水頭症

解答:e

  • 前頭葉および側頭葉の著明な萎縮の割に、高位円蓋部は脳溝は非常にtight。いわゆるDESHの所見。

参考)正常圧水頭症の画像診断

 

20,
満期産出生、生後3か月の女児。検診で発達の遅れを指摘され精査となった。頭部 MRIのT1 強調像を示す。
髄鞘化しているのはどれか。2つ選べ。
a  視放線
b  脳梁膝部
c  内包前脚
d  内包後脚
e  前頭葉白質

解答:a,d

髄鞘化の年齢と部位の関係
  • 生後3ヶ月までに髄鞘化:小脳白質、内包後脚、側脳室周囲、中心溝周囲白質。
  • 生後6ヶ月までに髄鞘化:視放線、脳梁膨大部。

※脳MRIの正常解剖は、脳MRI正常解剖ツールを使ってください。

参考)髄鞘化のMRI画像診断と年齢(myelination、発達、遅延)

 

21,
50歳代の男性。高血圧性脳出血にて入院加療中である。 経過観察中の頭部MRI(T1 強調像とT2強調像)を示す。
正しいのはどれか。2つ選べ。
a  血腫内に溶血が生じている。
b  二週間以上経過した出血である。
c  マクロファージによる貪食作用が現れている。
d  ヘモグロビンの鉄成分は主として細胞内に存在する。
e  ヘモグロビンの代謝産物の主体はメトヘモグロビンである。

解答:d,e

  • 左の後頭葉〜頭頂葉に皮質下出血あり。T1WIにて高信号、T2WIにて内部低信号、周囲淡い高信号を認めている。
  • T2WIで低信号はデオキシヘモグロビンを示唆するが、T1WIで高信号はメトヘモグロビンを示唆。なので、デオキシヘモグロビン→メトヘモグロビンへと移行している3-7日前後か。メトヘモグロビンは細胞内にある時期。
  • a:× 溶血はまだ生じていない。溶血は7日〜。
  • b、c:3-7日前後。マクロファージによる貪食は慢性期。
  • e:消去法でこれを残すしかない。細胞内メトヘモグロビン>デオキシヘモグロビンと判断する。

参考)脳出血(血腫)のMRI経時的変化の画像診断

 

胸部(22-31)

22,
20歳代の女性。健診の胸部 X 線撮影で異常を指摘され来院した。胸部X線写真の正面 像と左側面像を示す。
可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
a  胸腺腫
b  胸腺囊胞
c  成熟奇形腫
d  悪性リンパ腫
e  Castleman 病

解答:c

  • 前縦隔腫瘍。石灰化あり。成熟奇形腫。

 

23,
肺原発扁平上皮癌のCT画像として考えにくいのはどれか。1つ選べ。
a
b
c
d
e

解答:a

  • 他は扁平上皮癌でありそう。

参考)肺扁平上皮癌の画像診断

 

24,
80歳代の男性。健診の胸部 X 線撮影で異常を指摘され来院した。精査を目的に施行された胸部CT(縦隔条件の横断像と肺野条件の矢状断像)を示す。
考えやすいのはどれか。1つ選べ。
a  肺癌
b  結核腫
c  円形無気肺
d  孤立性線維腫
e  炎症性偽腫瘍

解答:c

参考)円形無気肺の画像診断

 

25,40 歳代の女性。検診の胸部 CT で縦隔に異常を指摘され来院した。胸部単純CTと胸部MRIのT1 強調像(位相コントラスト画像)とを示す。
考えられるのはどれか。1つ選べ。
a  胸腺癌
b  胸腺囊胞
c  胸腺過形成
d  悪性リンパ腫
e  悪性胚細胞腫瘍

解答:c

  • 前縦隔にin-oppossed phaseにて信号低下する腫瘤あり。
胸腺過形成
  • chemical shift MRIを用いた場合、10歳を越える頃より脂肪含有を示す信号強度の低下が見られる。(まだらな脂肪織を含む点が成人の胸腺の特徴。過形成も同様)
  • 逆に信号低下が見られない場合、胸腺腫や悪性リンパ腫などの腫瘍性病変を疑う。

参考)胸腺過形成の分類とMRI、CT画像診断

 

26,
60 歳代の女性。1か月前の7月下旬から,乾性咳嗽、発熱および呼吸困難を認めるよう になり来院した。精査を目的に施行した肺の高分解能 CT を示す。
考えられるのはどれか。1つ選べ。
a  粟粒結核
b  過敏性肺炎
c  サルコイドーシス
d  特発性間質性肺炎
e  びまん性汎細気管支炎

解答:b

  • 小葉中心性の淡い結節影が両側びまん性にあり。aやeの可能性もゼロではないが、分布は小葉中心性であり、またエピソード(7月、1ヶ月前から)からも過敏性肺臓炎が最も疑わしい。

参考)過敏性肺臓炎の画像診断

 

27,
90歳代の男性。重症の肺炎にて加療中、敗血症となった。抗菌薬投与にて回復しつつ あったが、呼吸困難感が突然出現し、PaO2 も低下した。胸部ポータブル写真を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a  肺出血
b  感染性肺塞栓
c  心原性肺水腫
d  慢性好酸球性肺炎
e  急性呼吸促迫症候群

解答:e?

参考)急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の画像診断

 

28,
10歳代後半の女子。学校健診の胸部 X 線撮影にて異常陰影を指摘され来院した。 症状は特にない。肺野条件の胸部単純 CT(横断像、冠状断像)を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a  肺水腫
b  肺胞蛋白症
c  過敏性肺炎
d  非特異性間質性肺炎
e  ニューモシスチス肺炎

解答:b

参考)crazy-paving pattern/appearanceとは?

 

29,
70歳代の男性。胸部異常陰影を指摘された。特に症状はない。胸部 X 線写真と胸部 CT (肺野条件)とを示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a  肺結核
b  じん肺
c  血行性肺転移
d  癌性リンパ管症
e  サルコイドーシス

解答:b

  • 両側上肺野優位に境界明瞭な多発結節あり。

参考)珪肺(silicosis)の画像診断

 

30,
10 歳代後半の女性。2日前から発熱と咳嗽が出現し来院した。20日前から喫煙を開始 している。胸部 X 線写真と胸部 CT(肺野条件)を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a  過敏性肺炎
b  非心原性肺水腫
c  サルコイドーシス
d  特発性器質化肺炎
e  急性好酸球性肺炎

解答:e

  • 急性好酸球性肺炎はほとんどの症例で2週間以内に喫煙を開始した既往あり。
AEPの画像所見
  • CEPと異なりランダムに分布。肺の内層優位に分布する。
  • びまん性すりガラス影広義間質肥厚(小葉間隔壁の肥厚。気管支血管束の肥厚)が特徴。これに加え、結節影や小粒状影を伴うことが多い。

参考)急性好酸球性肺炎の画像診断

 

31,
80歳代の男性。右胸痛を主訴に来院した。30歳代に肺結核の治療が行われている。 胸部造影 CT を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a  肺癌
b  肺膿瘍
c  陳旧性血腫
d  胸膜中皮腫
e  悪性リンパ腫

解答:e

  • 右胸膜の厚い石灰化あり。それに連続して、胸壁および胸腔内〜肺実質にかけて軽度造影効果を有する腫瘤影あり。結核性膿胸に合併した悪性リンパ腫を疑う所見。

参考)膿胸関連悪性リンパ腫の画像診断

 

心血管(32-37)

32,
50歳代の男性。交通外傷で救急搬送された。胸部単純 CT(縦隔および肺野条件)を示す。
本症例において、造影 CT を追加することにより診断されると予想される病態はどれ か。1つ選べ。
a  胸椎損傷
b  食道穿孔
c  気管損傷
d  大動脈損傷
e  肺動脈損傷

解答:d?

  • 肋骨骨折、気胸あり。左上葉にはconsolidationの広がりあり。縦隔血腫あり?

参考)胸部大動脈損傷の画像診断

 

33,
20歳代の女性。胸痛を主訴に来院した。SpO2=85% と低下している。精査を目的に 施行した胸部造影 CT を示す。
所見として認められるのはどれか。2つ選べ。
a  心房中隔欠損
b  右室壁の肥厚
c  右心耳内の血栓
d  Valsalva 洞の拡張
e  部分肺静脈還流異常

解答:a,e

senmoni21

  • 左房と右房の連続あり。→心房中隔欠損。
  • 上大静脈へ流入する血管あり。おそらく肺静脈。→部分肺静脈還流異常。
  • 部分肺静脈還流異常の20-25%に心房中隔欠損の合併あり。

 

34,
40 歳代の男性。持続性心室性頻脈の精査のため入院となった。約10年前の検診で心電 図異常を指摘されている。心臓 CT を示す。
可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
a  拡張型心筋症
b  肥大型心筋症
c  拘束型心筋症
d  心筋緻密化障害
e  不整脈源性心筋症

解答:e

  • 右室の拡大あり。また壁の菲薄化あり。右室壁内に低吸収のモロモロあり→右室壁内脂肪沈着。
不整脈源性右室心筋症
  • 右室の心筋が脂肪あるいは線維組織に進行性に置き換わっていく原因不明の心筋症。
  • 右室原発のVfにより、動悸やめまい、失神で発症。突然死の原因となる。
  • 発生頻度は5000人に1人。
  • 男女比は3:1。
  • 画像所見は、右室の拡張・菲薄化、右室心筋内の脂肪組織、右室自由壁のscalloping

参考)この画像を見たらほぼ決まり P88-89

 

35,
70 歳代の男性。心不全症状を主訴に来院した。精査のため施行した心臓CTを示す。
考えられるのはどれか。2つ選べ。
a  心筋炎
b  心室瘤
c  心筋梗塞
d  拡張型心筋症
e  心サルコイドーシス

解答:b,c?

 

36,
60 歳代の男性。狭心症の精査を目的に来院した。冠動脈CTの水平断像とMIP像を示す。
考えられるのはどれか。1つ選べ。
a  単冠動脈
b  冠動脈瘻
c  心筋ブリッジ
d  Valsalva 洞動脈瘤
e  左冠動脈起始部閉塞

解答:b

冠動脈瘻
  • 比較的稀な血管奇形。先天性心疾患の0.5%以下。
  • 右冠動脈(60%)から心腔内や肺動脈などの異常な部位に直接開口する。
  • 連続性に心雑音が聴取されることあり。
  • 成人期になり、異常血管が拡張し、左-右シャント量が増加すると、心不全症状や心筋虚血症状を呈するが、多くは無症状。
  • シャント量が多かったり、心筋虚血症状が強いものは治療対象。
  • 治療は瘻孔閉鎖術、コイル塞栓術。

 

37,
30歳代の女性。胸部造影CTの早期相と後期相を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a  高安動脈炎
b  大動脈解離
c  感染性大動脈瘤
d  炎症性大動脈瘤
e  閉塞性動脈硬化症

解答:a

  • 上行大動脈および腕頭動脈、左鎖骨下動脈、総頸動脈に内膜肥厚あり。造影後期相にてdouble ring signあり。高安動脈炎を疑う所見。

参考)高安動脈炎の画像診断

 

乳腺(38-40)

38,
50歳代の女性。右乳房にしこりを自覚して来院した。右マンモグラム2方向と拡大 スポット写真(MLO)を示す。
カテゴリーとして適切なのはどれか。1つ選べ。
a  カテゴリー 1
b  カテゴリー 2
c  カテゴリー 3
d  カテゴリー 4
e  カテゴリー 5

解答:d

  • 濃度が高いのでカテゴリー3以上。
  • 腫瘤は円形〜類円形で、辺縁は一部不整だが、spicula(カテゴリー5)とまではいかない。

マンモグラフィーで腫瘤があったとき、

  • 境界明瞭平滑→内部に粗大石灰化を有する、明らかに脂肪を含む→カテゴリー2
  • 境界明瞭平滑→上記でない場合→カテゴリー3。ただし、乳腺実質の少ない乳房において高濃度の場合はカテゴリー4。
  • 微細分葉状、境界不明瞭カテゴリー4。ただし形状や濃度、背景乳腺などにおうじて、カテゴリー3や5になることもある。
  • スピキュラを伴うカテゴリー5。スピキュラが明瞭でない場合、中心濃度が低い、小さい場合はカテゴリー4。

 

39,
60歳代の女性。左乳頭近傍に腫瘤を自覚して来院した。乳腺超音波写真を示す。
可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
a  乳管腺腫
b  囊胞内癌
c  充実腺管癌
d  扁平上皮癌
e  囊胞内乳頭腫

解答:b→e

嚢胞内乳癌
  • 嚢胞内に乳頭状に増殖する。
  • 組織型は非浸潤性と浸潤性があり前者の方が多い。
  • 嚢胞内の液体成分が血性の場合、ニボー像を呈する。ニボー像を呈する場合は癌の可能性が高い。

2019年7月19日追記

39ですが、嚢胞内乳頭腫ではないでしょうか。液面形成は悪性病変で頻度が高いですが、乳頭腫でも認められるため、嚢胞の境界が明瞭であることや、内部の結節の急峻な立ち上がりから、嚢胞内乳頭腫>嚢胞内癌ではと考えます。臨床画像 2018-09 p6を参考にしました。

嚢胞内腫瘍1)
  • 嚢胞内腫瘍の形態を呈するものの多くは、乳管内乳頭腫や非浸潤性乳管癌。わずかな浸潤があれば微小浸潤癌に分類される。
  • 充実部分の壁からの立ち上がりが急峻なものは良性、平坦やなだらかなものは悪性の可能性が高い。
  • 液状部分に出血や液面形成を伴う場合があり、悪性でその頻度はより高い傾向にある。

1)臨床画像 Vol.34 No9 2018 P5

NERU先生ありがとうございます!

 

40,
80歳代の女性。右乳房のしこりを主訴に来院した。乳腺超音波写真と乳腺 MRI(T2 強調像とダイナミックスタディ)を示す。
可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
a  囊胞
b  粘液癌
c  線維腺腫
d  充実腺管癌
e  浸潤性小葉癌

解答:b

  • 右乳腺内に境界明瞭圧排性に増殖する腫瘤あり。T2WIにて著明な高信号を呈し、ダイナミックにて緩徐に造影されている。
  • エコーでは、境界明瞭、楕円形の形状を呈し、辺縁は平滑。内部は中心部は底エコーで、辺縁は概ね均一。後方エコーの増強を認めている。
  • いずれも粘液癌を示唆する所見。

参考)粘液癌の画像診断

 

小児(41-43)

41,
2歳の男児。数日前からの咳嗽と喘鳴とを主訴に受診した。来院時の胸部 X 線写真を示す。
考えられるのはどれか。1つ選べ。
a  胸水が貯留している。
b  右肺の虚脱を認める。
c  縦隔陰影は左側へ偏位している。
d  側面像の撮影が診断に有用である。
e  吸気および呼気撮影が診断に有用である。

解答:e,b

  • 右の肺野の全体的な透過性低下あり。異物誤嚥か。2歳の子供にeが可能かどうかは別にしてeか。

参考)気管支異物とは?症状、原因、レントゲン画像(異物誤飲)まとめ

 

42,
生後第 2週の男児。嘔吐を主訴に受診した。吐物は胆汁性であることから、腹部超音波 検査が施行された。上腹部カラードプラ写真(横断像)を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a  腸重積
b  胃軸捻転
c  十二指腸閉鎖
d  肥厚性幽門狭窄症
e  腸回転異常症および中腸軸捻転

解答:e

参考)中腸回転異常の画像診断

 

43,
新生児。胎児超音波検査にて脳室拡大を指摘されていた。生後1日に施行された頭部単純CTを示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a  脳室内出血
b  結節性硬化症
c  Dandy-Walker 奇形
d  Sturge-Weber 症候群
e  先天性サイトメガロウイルス感染症

解答:e

  • 両側側脳室の著明な拡張および脳室周囲に石灰化あり。
  • 先天性サイトメガロウイルス感染症:脳室周囲石灰化が特徴的。参考)トキソプラズマ症では実質内に石灰化ができる。
  • Dandy-Walker 奇形(症候群):第4脳室の嚢胞と小脳虫部の低形成からなる。水頭症を合併することがある。

 

腹部(44-64)

44,
80歳代の女性。2日前から腹痛があり、嘔吐が出現し始めたため来院した。胃癌の手術歴がある。腹部単純 CT を示す。処置・対応として適切なのはどれか。1つ選べ。
a  造影 CT にて腫瘤性病変や血管性病変を検索する。
b  イレウス管を留置し,24 時間後に CT で再検する。
c  イレウス管造影にて閉塞部位を検索する。
d  緊急血管造影を考慮する。
e  緊急外科手術を考慮する。

解答:e

  • 左の閉鎖孔に腸管あり。閉鎖孔ヘルニアの所見。緊急手術が必要。

参考)閉鎖孔ヘルニアの画像診断

 

45,
50歳代の男性。潰瘍性大腸炎の経過観察中に肝胆膵領域の MRI が施行された。MRCP を示す。
この病態に合併する頻度が高いのはどれか。1つ選べ。
a  膵炎
b  脂肪肝
c  胆囊結石
d  胆管細胞癌
e  原発性肝細胞癌

解答:d

  • MRCPにて胆管の多発狭窄(数珠状)、限局性拡張あり。潰瘍性大腸炎もあり原発性硬化性胆管炎(PSC)を疑う。PSCに合併しやすいので、胆管癌、PBCに合併しやすいのがHCC。

参考)原発性硬化性胆管炎(PSC)

 

46,
50歳代の女性。不正性器出血を主訴に来院した。乳癌術後で、抗エストロゲン薬を10年間内服中である。CA 19-9:48 Uml CA 125,CEA:正常。骨盤部 MRI と FDG-PET CT を示す。
可能性が高いのはどれか。2つ選べ。
a  子宮肉腫
b  変性筋腫
c  子宮体癌
d  内膜ポリープ
e  囊胞性

解答:c,d?

  • 子宮内腔に多房性の嚢胞性病変あり。一部T1WIで高信号域あり。同部位はDWIで高信号、ADCの信号低下軽度あり、FDG-PETではややずれているようにも見えるが集積あり?
  • 腫瘍マーカーのCA19-9 48U/ml(正常37以下)とやや増大あり。
  • 以上から内膜ポリープはありそう。あとは、子宮体癌か?

 

47,
80歳代の女性。貧血のスクリーニングのため腹部超音波検査が施行された。右側腹部横 走査による B モード像とカラードプラ像とを示す。
可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
a  腸重積
b  異所性腎
c  大腸憩室炎
d  上行結腸癌
e  潰瘍性大腸炎

解答:d?a?

  • 右腎の腹側にもう一つ腎があるよう。後方エコーの減弱あり。pseudokidney sign(低エコーの全周性壁飛行と内部高エコー)。消化管悪性腫瘍や腸重積で見られる。
  • 消化管悪性腫瘍にしてはドップラーが目立つ、腸重積か?

 

48,
70歳代の男性。スクリーニングの腹部超音波検査で腎に異常を指摘され精査となった。 発熱や腹痛は認めない。腹部造影 CT を示す。
考えられるのはどれか。2つ選べ。
a  腎梗塞
b  腎盂腎炎
c  転移性腎癌
d  悪性リンパ腫
e  IgG4 関連腎病変

解答:d,e

  • 1枚目:両側腎にまだらな造影不良域あり。
  • 2枚目:腹部大動脈周囲に造影不良な軟部陰影あり。後腹膜線線維症を疑う所見。
  • 発熱や腹痛がないことからa,bは否定的。IgG4関連腎病変に加えて、あとは悪性リンパ腫か。

 

49,
40 歳代の女性。上腹部痛を主訴に来院した。肝機能障害を認める。ダイナミック CT の動脈相(A,B)と門脈相(C,D)とを示す。
可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
a  うっ血肝
b  急性肝炎
c  急性胆管炎
d  Budd-Chiari 症候群
e  Fitz-Hugh-Curtis 症候群

解答:b

  • 動脈相にて肝にまだらなびまん性の造影効果あり。
早期相での肝実質のモヤモヤな染まり
  • 動脈血流が増加した状態。
  • ①炎症→肝炎、胆管炎
  • ②血行動態の異常→門脈血流低下(門脈圧亢進、門脈閉塞)

主にこの3病態を考える。

参考)急性肝炎、劇症肝炎の画像診断

 

50,
60歳代の男性。数日前から自覚した左腹部痛が本日になり増悪するとともに、下血も出 現したため来院した。造影 CT(横断像と冠状断像)を示す。
最も考えやすいのはどれか。1つ選べ。
a  悪性リンパ腫
b  虚血性大腸炎
c  偽膜性大腸炎
d  潰瘍性大腸炎
e  IV 型進行大腸癌

解答:b

  • 下行結腸に広範な粘膜下相の肥厚あり。臨床症状からも虚血性腸炎を疑う所見。

参考)左側結腸の腸炎の鑑別診断、画像診断(虚血性腸炎、偽膜性腸炎など)

 

51,
60歳代の女性。健診の超音波検査で腹部腫瘤を指摘され精査となった。症状はない。 ダイナミック MRI(造影前,動脈優位相および平衡相)とMRCPとを示す。
考えられるのはどれか。1つ選べ。
a  膵粘液癌
b  リンパ上皮囊胞
c  漿液性囊胞腫瘍
d  神経内分泌腫瘍
e  膵腺扁平上皮癌

解答:c

  • 膵頭部に緩徐に造影される腫瘤あり。MRCPにて高信号を呈しており、「染まる水」であるSCNの特徴。

参考)漿液性嚢胞腫瘍(SCN)の画像診断

 

52,
40歳代の女性。骨盤部 T2 強調横断像を示す。
徴候として本例で伴なっているのはどれか。1つ選べ。
a  高血圧
b  膀胱脱
c  膀胱内出血
d  骨盤内鬱血
e  反復性尿路感染

解答:e

  • 恥骨背側に嚢胞性病変あり。尿道憩室を疑う所見。

参考)尿道憩室の画像診断

 

53,
60歳代の男性。虚血性心筋症による心不全および不整脈の治療中である。血清肝酵素値 の上昇を認めたため精査となった。貧血は認めない。このときの腹部単純 CT を示す。
薬剤性肝障害が考えられたため、投与中の薬剤が中止された。中止後3か月の腹部単純CTも示す。
初回CTにおける異常所見の原因として考えられるのはどれか。1つ選べ。
a  金
b  鉄
c  亜鉛
d  ヨウ素
e  カルシウム

解答:d

  • 肝にびまん性高吸収あり。心不全および不整脈治療中とのことで、アミオダロン肝を疑う所見。

参考)

 

54,
30歳代の男性。検診の胸部 X 線撮影で異常を指摘され、精査を目的に来院した。腹部単 純 CT の横断像(3 スライス)を示す。
可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
a  肝硬変
b  異所性脾臓
c  奇静脈連結
d  悪性リンパ腫
e  下大静脈走行異常

解答:c

  • 肝部の下大静脈を認めず。

参考)下大静脈奇静脈連結の画像診断

 

55,
50歳代の女性。検診の腹部超音波検査で膵頭部に腫瘤を指摘され,精査を目的に来院 した。腹部ダイナミック CT(造影早期相)を示す。
疾患として可能性が低いのはどれか。1つ選べ。
a  SCN(serous cystic neoplasm)
b  AVM(arteriovenous malformation)
c  SPN(solid pseudopapillary neoplasm)
d  PNET(pancreatic neuroendocrine tumor)
e  metastasis from RCC(renal cell carcinoma)

解答:c

  • 膵頭部に多血性腫瘤あり。
  • SCNは「染まる水」なので染まってよい。
  • AVMも造影される。
  • PNETは多血性膵腫瘍の代表。
  • 転移であっても、元の腫瘍が多血性であるRCCも多血性となる。

 

56,
40歳代の男性。腹痛と嘔吐を主訴に来院し、緊急精査となった。腹部造影 CT(動脈優 位相)を示す。
原因として考えられないのはどれか。1つ選べ。
a  小腸癌
b  腸管脂肪腫
c  大腸ポリープ
d  悪性リンパ腫
e  Peutz-Jeghers 症候群

解答:c

  • 小腸重積になっている。a,b,dはいずれもその原因になると考えられる。
  • Peutz-Jeghers症候群も小腸に多発ポリープを生じ、重積の原因となる。

参考)Peutz-Jeghers症候群の症状、合併症、治療

 

57,
60 歳代の女性。腹部超音波検査およびCTで右腎の異常を指摘され,精査を目的に入院 した。右腎動脈造影像を示す。
徴候として起こりにくいのはどれか。1つ選べ。
a  血尿
b  発熱
c  側腹部痛
d  外頸静脈怒張
e  労作時呼吸困難

解答:d→b

  • 腎動脈造影にて拡張した血管から下大静脈の描出あり。腎動静脈奇形を疑う。

放射線科医先生から

renal AVFの合併症としてhigh-output heart failureが知られています。jugular vein distensionも起こります。この症例では「発熱」が関係が薄いのではないでしょうか。参考文献”High-output heart failure secondary to arteriovenous fistula”Hemodial Int. 2011 Jan;15(1):104-7. doi: 10.1111/j.1542-4758.2010.00518.x. Epub 2011 Jan 12.

ありがとうございました。

参考)腎動静脈奇形・瘻の画像診断、症状、分類、治療

 

58,
30歳代の男性。下血を主訴に来院し精査となった。腹部 CT を示す。
考えられるのはどれか。1つ選べ。
a  結節性硬化症
b  神経線維腫症 1 型
c  von Hippel-Lindau 病
d  Peutz-Jeghers 症候群
e  Cronkhite-Canada 症候群

解答:b?

  • 皮下に結節あり。腹腔内(小腸内か)に造影される結節ありか。

参考)神経線維腫症Ⅰ型(NF1)の症状、合併症、頻度

 

59,
50歳代の女性。高血圧の精査を目的に入院した。2本の右腎動脈造影を示す。
同様の異常所見が見られやすいのはどれか。2つ選べ。
a  頸動脈
b  椎骨動脈
c  冠動脈
d  肝動脈
e  脾動脈

解答:a,b

  • 腎動脈の近位には狭窄がないが、遠位側には数珠状の狭窄あり。線維筋異形成(FMD:fibromuscular dysplasia)を疑う所見。
  • FMDの腎動脈以外の好発部位は。頸動脈、椎骨動脈らしい。

参考)腎血管性高血圧の原因と狭窄部位、線維筋性異形成

 

60,
CT ガイド下肺生検を示す。
施行手技による合併症として頻度が高いのはどれか。2つ選べ。
a  気胸
b  血胸
c  空気塞栓
d  腫瘍播種
e  肺胞内出血

解答:a,e

  • CT下ガイド下肺生検の頻度が高い合併症は肺胞内出血と気胸。
  • 他のものもありうるが頻度は低い。合併症は、気胸、血痰、出血、播種、空気塞栓による脳梗塞・心筋梗塞。

参考)2014年放射線科専門医問題&解答解説【診断61-65】の64

 

61,
40歳代の男性。検診の腹部超音波検査で肝内病変を指摘され,精査を目的に来院した。 腹部単純 CT を示す。
考えられる疾患について誤っているのはどれか。1つ選べ。
a  常染色体劣性遺伝である。
b  囊胞構造内に門脈索が認められる。
c  超音波ドプラ法が診断に有用である。
d  肝内胆管と非交通性の囊胞を形成する。
e  肝内胆管癌の発生頻度が通常より高い。

解答:d

  • 肝に嚢胞性病変あり。肝内胆管も拡張あり。冠状断像では、嚢胞の中に索状の構造あり。これが門脈索か。また腎嚢胞あり。ただし、常染色体優性遺伝性嚢胞腎にしては腎腫大を認めていない。Caloli病と思われる。

参考)Caroli病の画像診断

 

62,
30歳代の男性。下血を主訴に来院し精査となった。大腸内視鏡検査で100個を超える 多発ポリープを認めた。腹部ダイナミック CT を示す。
腸管外病変として考えられるのはどれか。1つ選べ。
a  神経鞘腫
b  デスモイド
c  悪性リンパ腫
d  孤発性線維性腫瘍
e  悪性線維性組織球腫

解答:b

  • 大腸内視鏡で100個を超える多発ポリープ→家族性大腸腺腫症。
  • 家族性大腸腺腫症の合併症は、大腸癌、胃や十二指腸の腺腫、顎骨腫、網膜色素斑、デスモイド、甲状腺癌、子宮癌など。

参考)家族性大腸腺腫症、家族性腺腫性ポリポーシスの疫学、症状、合併症、画像診断

 

63,
60歳代の女性。上腹部痛を主訴に来院し精査となった。超音波検査で膵内に多発結節 を認めた。単純 MRI の拡散強調像と脂肪抑制 T1 強調像,並びに脂肪抑制併用下造影 MRI の動脈優位相と平衡相を示す。
考えられる疾患について正しいのはどれか。1つ選べ。
a  MUC 1 陽性である。
b  卵巣様間質を認める。
c  腺房細胞由来である。
d  花筵状線維化が特徴である。
e  好酸球の著明な浸潤が見られる。

解答:d

  • 膵内にエコーで多発結節。
  • MRIでは、膵尾部にDWIにて高信号を示し、ダイナミックにて緩徐に造影される腫瘤あり。多発とあるが、尾部くらいしかはっきりしない?頭部にもある?腫瘤形成性膵炎?MCNにしては染まっている。
  • MUC1陽性:IPMN
  • 卵巣様間質:MCN
  • 腺房細胞由来:腺房細胞癌くらい?
  • 花筵状線維化:IgG4関連、自己免疫性膵炎
  • 好酸球の著明な浸潤:IgG4関連、自己免疫性膵炎

 

64,
20歳代の男性。食欲不振を主訴に来院し精査となった。超音波検査にて肝脾に異常を 指摘された。腹部ダイナミック CT と胸部単純 CT を示す。
考えられるのはどれか。2つ選べ。
a  結核
b  悪性リンパ腫
c  伝染性単核球症
d  サルコイドーシス
e  急性骨髄性白血病

解答:a,d?

  • エコーにて肝臓および脾臓に異常を指摘された。
  • 肝S7/6辺縁に緩徐に染まる腫瘤あり。脾臓に多数緩徐に染まる結節あり。肺野には小葉中心性の粒状影。気管支血管束の肥厚もありか。

参考)肺サルコイドーシスのCT画像診断

 

核医学(65-80)

65,
60歳代の男性。記銘力低下と見当識障害とを主訴に来院した。長谷川式簡易知能評価 スケールでは8点である。123I-IMP を用いた脳血流 SPECT を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a  脳腫瘍
b  正常圧水頭症
c  前頭側頭型認知症
d  Lewy 小体型認知症
e  Alzheimer 型認知症

解答:e

  • 後部帯状回〜楔前部、側頭頭頂部、前頭葉に血流低下あり。
  • DLBにしては後頭葉の血流低下なし。

参考)アルツハイマー病のSPECT画像診断

 

66,
50歳代の女性。パーキンソン病の診断で加療中である。患者の脳 SPECT(A)と,同一放 射性医薬品による正常例の SPECT(B)を示す。
放射性医薬品として用いられたのはどれか。1つ選べ。
a  99mTc-ECD
b  99mTc-HMPAO
c  123I-IMP
d  123I-ioflupane
e  123I-iomazenil

解答:d

  • ドパミントランスポーターシンチグラフィ。123I-ioflupane。ダットスキャン®。これによりDLBの診断能が上がっただけでなく、PDか否かの鑑別にも有用となった。

参考)

 

67,
80歳代の女性。進行性の認知機能障害や転倒などを主訴に来院し精査となった。 123I-MIBG シンチグラムを示す(Early HM:1.62,Delay HM:1.14)。
可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
a  正常圧水頭症
b  前頭側頭型認知症
c  Lewy 小体型認知症
d  Alzheimer 型認知症
e  脳血管性パーキンソニズム

解答:c

  • H/M比の低下が認められる。
H/M比の低下を認める疾患
  • 糖尿病
  • 心不全
  • 虚血性心疾患
  • 不整脈疾患
  • びまん性レビー小体病(パーキンソン病、レビー小体型認知症)、
  • 家族性アミロイドーシス、
  • MSA

参考)123I-MIBG心筋シンチの画像診断

問題原本はこちら(日本医学放射線学会)を参照ください。

 

68,
60歳代の男性。2か月前から,出勤時に駅の階段を上ると前胸部から咽頭にかけての 絞灼感を自覚するようになり来院した。精査を目的に施行された201Tl 負荷心筋 SPECT を示す。
所見として正しいのはどれか。1つ選べ。
a  心筋虚血なし
b  左前下行枝領域の梗塞+虚血
c  右冠動脈領域の虚血
d  右冠動脈領域の梗塞+虚血
e  左前下行枝および右冠動脈領域の梗塞

解答:b?

Myocardial scintigraphy

  • 短軸像。中隔から前壁、一部下壁にも異常低下あり。中隔および前壁の一部で再分布がある。梗塞+虚血の混在のパターンか。LAD領域がメイン。
負荷-安静検査の心筋SPECTパターン

負荷で集積低下の後、安静にて、

①改善=完全再分布=「誘発虚血
②一部改善=不完全再分布=「梗塞と虚血の混在」
③不変=固定制欠損=「梗塞」
④さらに低下=逆再分布=「再灌流後、正常と異常の心筋の混在」

69,
20歳代の女性。前頸部に腫瘤を自覚し来院した。甲状腺超音波検査で左葉の大半を占め る腫瘤が指摘された。Free T3 と Free T4 が高値を示している。99mTcO4 - を用いた甲状腺 シンチグラムを示す。
可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
a  Plummer 病
b  悪性リンパ腫
c  甲状腺髄様癌
d  甲状腺分化癌
e  甲状腺未分化癌

解答:a

  • 甲状腺機能亢進症があり、99mTcO4にて甲状腺右葉に著明な集積亢進あり。Plummer病を疑う所見。

 

70,
20歳代の女性。睡眠時無呼吸症候群の精査を目的に来院した。頸部単純CTを示す。
放射性医薬品として診断に有用なのはどれか。2つ選べ。
a  99mTcO4 
b  99mTc-MIBI
c  123I-NaI
d  123I-MIBG
e  201TlCl

解答:a,c

  • 頸部単純CTにて正中に高吸収域あり。また本来甲状腺のある部位に甲状腺を認めず、異所性甲状腺の疑い。甲状腺を描出するには、99mTcO4123I-NaI。

 

71,
30歳代の男性。最近,呼吸苦を自覚するようになり精査となった。統合失調症にて抗精 神病薬を服用中である。肺血流 SPECTCT(横断像と冠状断像)を示す。
可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
a  COPD
b  肺線維症
c  薬剤性肺障害
d  肺血栓塞栓症
e  多発肺動静瘻

解答:d

  • 両側末梢優位に血流欠損あり。

参考)抗精神病薬と静脈血栓症のリスク:nested case-control study

 

72,
50歳代の男性。階段を上るときに息切れするようになり来院した。半年前に脳梗塞の 既往がある。精査を目的に施行した99mTc-MAA 肺血流シンチグラムを示す。
考えられるのはどれか。1つ選べ。
a  心房細動
b  肺動静脈瘻
c  肺血栓塞栓症
d  原発性肺高血圧症
e  甲状腺機能亢進症

解答:b

  • 両側肺に著明な集積あり。両側腎にも集積あり。あとは脾、脳にも軽度の集積あり。
  • 肺血流シンチグラフィの全身像での腎臓、脳、脾臓の描出は、右一左シャントの存在を示唆する。 特に腎、脾>肝が特徴。
右-左シャント
  • 先天性心疾患(ファロー四徴、総肺静脈灌流異常、三尖弁閉鎖、大動脈弓離断、左心低形成症候群、完全大血管転位、純型肺動脈閉鎖、Ebstein奇形、両大血管右室起始、単心室、左右シャントのEisenmenger化(心房中隔欠損、心室中隔欠損、心内膜 床欠損、動脈管開存など)など)
  • 肺動静脈瘻
  • 肺動静脈奇形
  • 肝硬変に伴う肝肺症候群など。

参考)2012年放射線科診断専門医試験問題&解答解説【66-70】の68

 

73,
8歳の女児。尿路感染症の既往がある。腎静態シンチグラムの後面像を示す。
可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
a  腎瘢痕
b  海綿腎
c  水腎症
d  慢性腎炎
e  尿細管壊死

解答:a

  • 左腎下極に集積不良域あり。腎瘢痕が疑われる。

参考)腎静態シンチグラフィの画像診断

 

74,
60歳代の女性。健診の胸部 X 線撮影にて異常を指摘され、精査を目的に来院した。 骨シンチグラムの前面像を示す。
可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
a  乾癬性関節症
b  転移性骨腫瘍
c  胸肋鎖骨肥厚症
d  肥大性骨関節症
e  変形性骨関節症

解答:d

  • 胸部X線陰影で異常を指摘された→肺癌を示唆。
  • 骨皮質への線状、対称性の集積亢進所見を認め、Linear cortical sign、Pericortical signと呼ばれる。この所見は肥大性骨関節症のほか、GSH産生肺癌でも見られる。
  • 肥大性骨関節症は肺癌患者に多い。

参考)肥大性骨関節症の症状、骨シンチ画像診断

 

75,
60歳代の男性。前立腺がんにて精査となり、骨転移の評価を目的に骨シンチグラフィが 施行された。骨シンチグラム全身前面像と SPECT 冠状断像を示す。
可能性が高いのはどれか。2つ選べ。
a  心筋炎
b  心筋腫瘍
c  うっ血性心不全
d  心室性期外収縮
e  心アミロイドーシス

解答:a,e

  • 骨シンチで心臓に集積あり。本来心臓には集積されない。
  • 心筋炎、心アミロイドーシス、急性期心筋梗塞、石灰化などを示唆する。

 

76,
50歳代の男性。がん検診の FDG-PETCT で、高集積部(→)を認めた。 考えられるのはどれか。1つ選べ。
a  褐色脂肪
b  悪性黒色腫
c  悪性リンパ腫
d  神経線維腫症
e  サルコイドーシス
senmoni2014-76

解答:a

  • 両側肩に集積あり。
褐色脂肪への集積
  • 褐色脂肪細胞の生理的集積:寒冷、やせ型、女性、若年者鎖骨上窩、傍椎体、心臓周囲、横隔膜周囲、後腹膜などにも見られる。寒冷刺激により反応し熱生産を行なう結果、FDGが集積するとされる。

※褐色脂肪細胞に集積を認めたことを確認してから体を温めても遅延像で消えるわけではない。従って、褐色脂肪細胞の刺激中枢である首や肩、掌に寒冷刺激を与えないようにすることが重要。つまり、冬期には該当する女性患者に、十分な保温をし、来院するよう指導が必要。

 

77,
70歳代の女性。腹痛を主訴に来院し精査となった。腹部造影 CT(横断像)と FDG-PET (全身像)を示す。 可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
a  大腸癌
b  大腸炎
c  腸重積症
d  大腸憩室炎
e  急性虫垂炎senmoni2014-77

解答:a

  • 上行結腸に異常集積あり。集積は局所的で、CTでも全周性の壁肥厚あり。腸炎を疑うような長さは認めておらず、CTで憩室炎も認めない。素直に大腸癌。

 

78,
40歳代の女性(月経中)。直腸癌の術後に行われた FDG-PETCT 融合画像を示す。 画像の解釈として適切なのはどれか。2つ選べ。
a  骨転移が疑われる。
b  子宮体癌が疑われる。
c  リンパ節転移が疑われる。
d  直腸癌の局所再発が疑われる。
e  子宮内膜に生理的集積を認める。

解答:c,e

  • 左の閉鎖リンパ節に集積あり。
  • また仙骨前の子宮にも集積あり。双角子宮と思われる。子宮内膜への生理的な集積と思われる。

 

79,
60歳代の女性。S 状結腸癌術後の経過観察の腹部 CT にて後腹膜腫瘤が指摘され、精査 を目的に核医学検査が施行された。シンチグラムを示す。 放射性医薬品として使用したのはどれか。1つ選べ。
a  18F-FDG
b  67Ga-citrate
c  99mTc-sestamibi
d  123I-MIBG
e  131I-adosterolsenmoni2014-79

解答:b→d

  • 99mTc-sestamibi →MIBIシンチのこと。心筋血流シンチのほか、副甲状腺シンチとして用いられる。細胞内の集積はミトコンドリアの量と細胞膜の電位差に依存するとされている。

2017年5月20日追記

  • 123I-MIBGシンチグラフィの生理的集積:唾液腺、鼻腔、甲状腺、肝臓、心臓、膀胱。
  • 67Ga-citrateシンチグラフィの生理的集積:鼻腔、涙腺、唾液腺、肝臓、肝臓、腸管、骨髄、精巣、乳腺。肺門部に対称性の集積が認められることもある。

今回は、後腹膜腫瘤の他、唾液腺、肝臓、膀胱に集積を認めているので123I-MIBGシンチグラフィで後腹膜腫瘤は褐色細胞腫か。

ふらふら帝国先生ありがとうございました!

 

80,
50歳代の女性。乳癌術前のセンチネルリンパ節シンチグラム(SPECTCT)を示す。 正しいのはどれか。2つ選べ。
a  使用放射性医薬品は18F-FDG である。
b  右腋窩にリンパ節転移が疑われる。
c  右腋窩部の hot spot はセンチネルリンパ節である。
d  ○印部は腫瘍への強集積である。
e  本シンチグラムより腋窩リンパ節廓清が必要である。

senmoni2014-80

解答:c,d→c,e→cのみ?

  • 右腋窩に集積あり。センチネルリンパ節と考えられ、リンパ節郭清が必要。
  • ○印部は注射部位と考えられる。

dorogamekun先生ありがとうございました!

eですが、このシンチグラムでは集積した部位がセンチネルリンパ節と分かるだけであって、このリンパ節を生検して転移があった時にはじめて腋窩リンパ節郭清が必要になる、と言えるのではないでしょうか?

→おっしゃる通りだと思います。doroganikun先生ありがとうございました。

ということで、答えはcのみということになるかとも思われます。

センチネルリンパ節シンチ
  • 癌の原発巣からリンパ流を直接受けるリンパ節をガンマプローブで検出する手法である。転移かどうかは診断できない。あくまで直接リンパ流を受けるリンパ節がわかるだけ。そこを生検してはじめて転移か否かわかる。
  • センチネルリンパ節とは癌の原発巣からのリンパ流を直接うけるリンパ節。複数個あることもあり、癌の原発巣に最も近いリンパ節とは限らない。

・粒子の大きい放射性医薬品の方がリンパ節に停滞しやすい。○
※大きい方が停滞しやすいが、痛いらしい。
※スズコロイドとフチン酸があるがスズコロイドの方が大きい。

  • 2個以上検出された場合には腫瘍に近い方をセンチネルリンパ節とは定義しない。
    ※近いかどうかは関係ない。癌細胞から直接リンパ流を受けるリンパ節のこと。
  • 乳癌と悪性黒色腫に保険適応あり。

参考)2012年放射線科診断専門医試験問題&解答解説【76-80】