2012年放射線科専門医過去問診断61−65
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a 男性に多い。× 10-30歳の若い女性に多い。
b 中高年に多い。×
c 悪性の頻度が高い。× low malignancy。良性でもない。
d 石灰化を伴うことは少ない。× 34%に石灰化あり。
e 腫瘍内出血を伴うことが多い。○ 96%に出血あり。
Solid-pseudopapillary neoplasm(SPN)
・若年女性(10~30歳代)に好発。
・予後良好な分化方向不明な上皮性膵腫瘍。稀に悪性例。高齢者ほど悪性例が多い。再発例は5%で肝転移が多く、10年以上経過してからの再発の報告もある。low grade malignancyとの認識が必要。
・高頻度に腫瘍内壊死による嚢胞(出血)変性(96%)。
・嚢胞壁の石灰化(34%) central、Stippled(斑状)、Eggshellの3パターンあり(輪状・貝殻状・卵殻状)
・辺縁部の充実部は造影で漸増性に濃染。
・MRIは嚢胞内の新旧の出血の評価に有用。
◆T1WI high(出血を反映)~low
◆T2WI 不均一なhighが多い。が、多彩。
a 膵管内乳頭粘液性腫瘍では通常型膵癌の合併が多い。○
b 主膵管型膵管内乳頭粘液性腫瘍は手術適応である。○ malignant potential
c 粘液性囊胞腫瘍は膵管との交通はないことが多い。○
d 漿液性囊胞腫瘍は中心部に石灰化が見られる。○
e 粘液性囊胞腫瘍は膵頭部に好発する。×
IPMN 膵管内乳頭粘液性腫瘍 intraductal papillary mucinous neoplasm
・粘液産生性上皮の乳頭状増殖からなる膵管内腫瘍。
・高齢、男性に多い。
・過形成→腺腫→腺癌(adenoma-carcinoma sequence)
・粘液貯留→膵管拡張
・主膵管型、分枝型、混合型に分けられる。
・鑑別:MCT、貯留嚢胞
IPMN主膵管型
・57~92%に悪性→原則手術。
・びまん性あるいは限局性の主膵管拡張。
・程度の強い時は分枝膵管拡張や実質委縮あり。
MCTとIPMNの鑑別点
MCT | IPMN | |
性 | 女性 | 男性>女性 |
年齢 | 若年~中年 | 高齢 |
発生部位 | 膵体尾部 | 膵頭部(膵鉤部) |
嚢胞の形態 | 球形~楕円形(ミカン) | ぶどうの房状 |
共通の被膜 | あり | なし |
卵巣間質 | あり | なし |
膵管との交通 | 稀 | ほとんどあり |
a 常染色体優性多発性囊胞腎 ○
b Sturge-Weber 症候群 ×
c von Hippel-Lindau 病 ○ 毎年どんどん出題範囲が広くなっているのかこれ。
d Recklinghausen 病 ×
e 結節性硬化症 × 腎AMLなどが有名。
※先天性嚢胞には孤発性真性嚢胞やvonHippel-Lindau病,polycystic kidney disease, cysticfibrosisに合併する膵嚢胞がある。
a 子宮筋腫 × 低信号。
b 子宮頸部ナボット囊胞 ○ 嚢胞なので高信号。
c 卵巣線維腫 × 低信号が特徴。
d 卵巣甲状腺腫 × 低信号が特徴。
e 卵巣内膜症性囊胞 × shading=低信号が特徴。
T2WIで低信号を呈しうる卵巣腫瘍
・線維腫 Fibroma
・Fibrothecoma
・Brenner腫瘍(充実部優位、遅延性の淡い増強効果、ホルモン産生や石灰化を呈するものあり)
・腺線維腫/嚢胞腺線維腫 (adenofibroma/cystadenofibroma)
・Sclerosing stromal tumor (充実部は不均一、早期濃染)
・卵巣甲状腺腫(Struma ovarii)(CTで高吸収、ゲル状内容物には増強効果なし)
・転移性腫瘍 Krukenberg tumor(軽度低信号、充実部は不整、壊死を伴う)
・内膜症性嚢胞 (T1WI高信号、shading)
・境界悪性嚢胞性腫瘍/嚢胞腺癌(厚い隔壁、乳頭状結節、卵巣を超えて進展)
・悪性リンパ腫
a 卵巣成熟奇形腫 × 最多!
b 内膜症性囊胞 ○ 癒着強くて、捻転しにくい。
c 卵巣線維腫 × 線維腫などの充実性腫瘍は漿膜下筋腫の捻転との鑑別が問題となる。
d 正常卵巣 × 小児では付属器の固定が不十分で可動性に富むため正常卵巣も捻転する。
e 子宮筋腫 × 漿膜下子宮筋腫は捻転する。
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