2012年放射線科専門医過去問診断56−60
問題はこちらから参照して下さい。
a 石灰化は悪性化の指標である。× 指標とはならないが、悪性を疑う所見ではある。
b multilocular cystic nephroma は女児に好発する。× 男児と女性。好発年齢は4歳以下または30歳以上という二峰性の分布を示す。発生頻度は4歳以下では約2倍男児に多く(CPDNが多い), 30歳以上では約8倍女‘性に多い(CNが多い)。 4~30歳に発生するものは約5%である。
c 遺伝性の多発囊胞腎には腎癌が合併しやすい。× 後天性ほど高くない。
d 囊胞性腎癌は通常型腎癌よりも予後不良である。 × 嚢胞性腎癌の細胞の組織学的悪性度 はgrade 1とされ,予後は良好である。
e CT で高吸収を示す径 3 cm 以上の囊胞は経過観察とすべきである。○ Bosniak分類のカテゴリーⅡF(フォロー)は3つ以上の薄い隔壁、最小限の造影効果、3cm以上の高吸収嚢胞。
a 浸潤性発育が多い。× 偽被膜を有する
b 乏血性のものは5%以下である。×もっとある。
c 遠隔転移の臓器は肺が最も多い。○
d MRIで脂質を認めるのは5%以下である。× 脂質を含む通常型が70%なので、MRでわかるものは少なくとも5%どころではない。
e 質的診断が困難な径2cm以下の腫瘤は,腎細胞癌として手術すべきである。×
a 腺腫の CT 値は 20 H.U. 以上である。× 副腎腺腫の1つであり、脂肪を含有するため単純CTでCT値は10HU以下である
b 高血圧症の原因の 10% 以上を占める。○ これまで0.1〜1%とされてきたが、最近は5%-10%を占めるとの報告もある。他の選択肢の関係でこれが○か。
c 多発性内分泌腫瘍(MEN)と関連が深い。×
d わが国では副腎過形成が原因として最も多い。× 片側性の腺腫が多い(74%)。特発性が20%
e 診断には副腎静脈血サンプリングが有用である。○
※急性胆嚢炎の超音波所見
①胆嚢腫大,
②壁肥厚,
③内腔のfine echo(細かいエコ ー)が基本的な所見である。
a 胆囊癌の合併 ×〜△?
b 胆囊周囲腹水 ×
c 肝門部リンパ節腫大 ×
d 胆囊壁周囲脂肪増生 ○
e Rokitansky-Aschoff 洞拡張 ○
胆のう腺筋腫
胆のう腺筋腫では、CTでは
- 数珠状の壁肥厚
- 病変部の漿膜下脂肪増殖
- 内腔および壁内結石
が特徴的。(腹部CT診断120ステップP134)
ラム先生ありがとうございました!
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2012年の放射線専門医試験の59番についてです。
nが少なくて申し訳ないのですが、古い文献上では胆嚢腫大の頻度がやや多そうです。
https://doi.org/10.3919/ringe1963.49.37
急性胆嚢炎の超音波検査の所見の頻度について記載してありよりnが多い文献はあるのでしょうか。もし分かる方いたらご教授下さい。
コメントありがとうございます。
確かに微妙に胆嚢腫大が多いですね(^_^;)
個人的にはどっちも正解でいいと思いますが・・・。