基礎(1-5)

1.
1 回に4~5 Svの全身被ばくでは出現しないのはどれか。1 つ選べ。
a 頭痛
b 発熱
c 嘔吐
d 下痢
e 意識障害

解答:e

  • 意識障害は6-8Gy。

 

2.
放射線発がんについて正しいのはどれか。2つ選べ。
a 胎児は成人よりリスクが低い。
b 白血病には年齢の影響がある。
c 固形癌では若年者で影響が大きい。
d 固形癌の潜伏期は20~50年である。
e 白血病の潜伏期のピークは約20年である。

解答:b,c

  • 白血病は放射線により若年者に発がんのリスクが高くなる。
  • 固形癌においても若年者に発がんリスクが高くなる。
  • 固形癌の潜伏期は10-20年、白血病の潜伏期のピークは6-7年。

 

3.
物理学的半減期が3番目に長いのはどれか。1つ選べ。
a 198Au
b 60Co
c 137Cs
d 125I
e 192Ir

解答:e

参考)半減期について

 

4.
放射線荷重係数(ICRP 2007 年勧告)について正しいのはどれか。1つ選べ。
a γ 線は X 線より大きい。
b α 線は陽子線と等しい。
c 線量率によって変化する。
d 電子線ではエネルギーに係らず一定の値である。
e 中性子線ではエネルギーが高くなるにつれて大きくなる。

解答:d

  • X線もγ線も1。
  • アルファ線は20、陽子線は2とα線が大きい。
  • 線量率によって変化しない。
  • 電子線の放射線荷重係数は常に1で一定の値である。
  • 中性子線はエネルギーが高くなり高くなるが、その後小さくなる。
放射線荷重係数

浴びた放射線(吸収線量(Gy))から放射線の影響を受ける(等価線量(Sv))わけではない。浴びた放射線の種類によってその度合いが異なる。それが放射線荷重係数。

つまり等価線量(Sv)=Σ(放射線荷重係数)×吸収線量(Gy)となる。

  • 電子線 1
  • 陽子線  2
  • ガンマ線  1
  • X線 1
  • アルファ線  20
  • 中性子線 20MeV 超  6.8以下

※つまり、電子線や、ガンマ線ならば吸収線量=等価線量となる。

参考)組織荷重係数、放射線荷重係数

 

5.
ペースメーカ挿入患者の放射線治療において正しいのはどれか。2つ選べ。
a 治療終了後には循環器科を受診する必要はない。
b 治療前にペースメーカの機能チェックをする必要がある。
c リニアックグラフィの撮像はペースメーカには影響しない。
d ペースメーカ本体が照射野内になければ誤作動することはない。
e ICD(埋め込み型徐細動器)は通常のペースメーカより影響を受けやすい。

解答:b,e

ペースメーカー挿入患者の放射線治療
  • 治療後にペースメーカーの機能をチェックするために、循環器内科を受診するべき。
  • ペースメーカーは照射野に入っていてもいなくても誤作動の原因となるリスクがある。
  • ICD(埋め込み型除細動器)は通常のペースメーカーより影響を受けやすい。

 

整形(6-11)

6.
82歳の男性。心臓カテーテル検査の数日後,穿刺部の痛みと腫脹があるため超音波検査を施行した。 右鼠経部の超音波写真を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 静脈瘤
b 動静脈瘻
c 皮下血腫
d 仮性動脈瘤
e 真性動脈瘤

解答:d

  • ドップラーエコーにて大腿動脈から連続する嚢状の構造あり。仮性動脈瘤が疑われる。

 

7.
15歳の男子。右肩痛が1カ月以上にわたって持続するため来院した。単純 X 線写真、CT、MRI を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 類骨骨腫
b Brodie 膿瘍
c 軟骨芽細胞腫
d 骨内ガングリオン
e Langerhans 組織球症

解答:c

  • 15歳の男子の上腕骨骨端に腫瘤あり。脂肪抑制T2WIにて周囲に炎症所見を伴う。部位からも所見からも、軟骨芽細胞腫を疑う所見。

参考)軟骨芽細胞腫の画像診断

 

8.
40歳代の女性。左眼球突出を訴えて来院した。頭部X線写真とCTを示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 骨肉腫
b Paget 病
c 軟骨肉腫
d 乳癌骨転移
e 線維性骨異形成

解答:e

  • 左前頭骨、側頭骨、蝶形骨、頬骨、右後頭骨に比較的均一なすりガラス影〜骨硬化あり。Fibrous dysplasiaを疑う所見。

参考)線維性骨異形成症の画像診断

 

9.
41歳の男性。手関節痛のために来院した。単純X線写真を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 痛風
b 内軟骨腫
c Kienböck 病
d 舟状骨骨折
e 関節リウマチ

解答:c

  • 月状骨の骨硬化と、尺骨が橈骨に比べて短い、negative ulnar variance あり。キーンベック病を疑う所見。

参考)キーンベック病の画像診断

 

10.
2歳の女児。右手遠位の変形、腫脹と軽度の運動時痛があるため来院した。単純X線写真とMRIを示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 類骨骨腫
b 内軟骨腫
c 骨軟骨腫
d 単純性骨囊腫
e 非骨化性線維腫

解答:c

  • 右手遠位(尺骨?)にT2WIにて高信号を呈する軟骨帽 を有する腫瘤あり。骨軟骨種を疑う所見。

参考)骨軟骨腫の年齢、症状、MRI画像診断

 

11.
53歳の女性。両手指の疼痛を訴えて来院した。左手の単純X線写真を示す。
可能性が高いのはどれか。2つ選べ。
a 関節リウマチ
b 乾癬性関節炎
c 全身性強皮症
d 変形性関節症
e 結晶沈着性関節症

解答:b,d

  • 2,3指のDIP,PIP関節、4指のPIP関節に関節裂隙の狭小化あり。骨硬化あり。
    ※指の関節は外から、DA PUMP(D,P,M)と覚える。
  • 今回はMP関節が保たれている。DIP、PIP関節を侵す疾患を鑑別にあげれば良い。
  • 関節リウマチ:MP、PIP関節の骨びらんが主体。
  • 乾癬性関節炎:DIP、PIP関節
  • 変形性関節症:DIP関節→Heberden結節という。
  • 関節リウマチは他、スワンネック変形、ボタン穴変形、尺側変形がある。
乾癬性関節炎(psoriatic arthritis)
  • 皮膚や爪に乾癬を伴い、末梢関節炎あるいは脊椎や仙腸関節などの体幹関節炎を伴う進行性慢性炎症性疾患。
  • 関節炎を伴う頻度は5%程度。RAと同様に四肢末梢に好発。
  • 皮膚病変が先行することが多い。
症例 46歳の女性。手指関節の疼痛と変形を主訴に来院。

RA2005年放射線科診断専門医試験問題19より引用。

両手の関節周囲の骨粗鬆症(osteoporosis)あり。PIP、MP関節主体に侵されるパターンは慢性関節リウマチが最も多い。第1指のIP関節の亜脱臼、左第5指、左第3指、右第5指の関節にも亜脱臼が見られる。

 

頭頸部(12-20)

12.
60歳の女性。脳ドックで異常を指摘され来院した。頭部単純CTと椎骨動脈造影写真を示す。
本例において合併し得る神経症状はどれか。1つ選べ。
a 動眼神経麻痺
b 滑車神経麻痺
c 三叉神経痛
d 外転神経麻痺
e 顔面神経麻痺

解答:a

  • 右上小脳動脈分岐部動脈瘤。動眼神経麻痺は、IC-PC動脈瘤や内頚動脈海綿静脈洞部の動脈瘤によるものが有名だが、近いのでこれか。

 

13.
20歳代の女性。妊娠悪阻,意識障害をきたし救急車で搬送された。緊急で施行された頭部MRIを示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a Leigh 脳症
b Wernicke 脳症
c 多発性硬化症
d 深部静脈梗塞
e 変異型 Creutzfeldt-Jacob 病

解答:b

  • 両側視床内側、乳頭体や、中脳被蓋にFLAIR像にて異常な高信号域あり。Wernicke脳症を疑う所見。

参考)Wernicke脳症の画像診断

 

14.
40歳代の女性。頭痛の増悪を主訴に来院した。1週間程前にも頭痛が出現したが自然軽快していた。 その後何回か頭痛があった。来院時の頭部CTを示す。
可能性が高いのはどれか。2つ選べ。
a 脳腫瘍
b 脳出血
c 水頭症
d 動静脈奇形
e 動脈瘤破裂

解答:c,e

  • 両側側頭室下角の拡大あり。水頭症を疑う所見。頭痛の増悪からはどこかにSAHがないかを探す。
  • 造影にて、は左内頸動脈傍前床突起部に動脈瘤あり。右MCAのM2分岐部にも動脈瘤か。SAHの疑い。

参考)クモ膜下出血(SAH)の画像診断④少量出血、時間経過、間接所見ゆえ非典型的所見を知る。

 

15.
29歳の男性。頭痛を主訴に来院した。頭部CTを示す。
可能性が高いのはどれか。2つ選べ。
a コロイド囊胞
b 脈絡叢乳頭腫
c 天幕上上衣腫
d 中枢性神経細胞腫
e 上衣下巨細胞性星細胞腫

解答:d,e

  • 側脳室正中部(Monro孔付近)に石灰化を有する腫瘤あり。
  • 上衣下巨細胞性星細胞腫:多くは結節性硬化症の症例に見られ、Monro孔付近に好発、増強効果を伴う。
  • コロイド嚢胞は第3脳室に生じる。今はMonro孔レベルであり、第3脳室はもう少し下のレベル。脳室と横断像の関係は、頭部MRI正常解剖ツールを参照。

参考)

 

16.
3歳の男児。10日ほど前に感冒様症状があった。今朝になり突然,歩行不能となったため来院した。 頭部MRIを示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 多発性硬化症
b ウイルス性脳炎
c 急性壊死性脳症
d 白質ジストロフィー
e 急性散在性脳脊髄炎

解答:e

  • 3歳男児。10日前に感冒あり。突然、歩行不能。両側基底核および後頭葉〜側頭葉深部白質にT2WIにて異常な高信号域あり。ADEMを疑う所見。
  • ヘルペスなどウイルス性の脳炎の場合、基底核は侵されない傾向にある。

参考)

 

17.
90歳の女性。突然の意識障害で救急搬送された。発症後1時間の頭部単純CTを示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 右小脳梗塞
b クモ膜下出血
c 脳底動脈塞栓症
d 右中大脳動脈塞栓症
e 右後大脳動脈塞栓症

解答:d

  • 突然の意識障害。右のMCAに高吸収域あり。hyperdense MCA signを疑う所見。急性期脳梗塞のCT所見であるearly CT signの一つ。

参考)early CT sign(早期虚血サイン)の画像診断(CTで脳梗塞の診断、ASPECTS)

 

18.
68歳の男性。頭痛を訴えて来院した。頭部造影CTを示す。
病変が波及していない部位はどれか。1つ選べ。
a 翼口蓋窩
b 傍咽頭腔
c 耳管隆起
d Morgani 洞
e 咽頭頭底筋膜

解答:a

  • 上咽頭癌の進展範囲の問題。
  • 翼口蓋窩:前方は下眼窩裂により眼窩に通じ、後方は正円孔(上顎神経が通る)で中頭蓋窩と、翼突管(翼突管神経が通る)で頭蓋外と、下方は大・小口蓋管により口腔、内側は蝶口蓋孔によって鼻腔と連絡する。今回腫瘍は及んでいない。上咽頭癌の進展経路として重要。

zugaitei2

  • 他の解剖はいずれも及んでいる。参考画像は以下。

epipharyngeal carcinoma2epipharyngeal carcinoma1

参考)上咽頭癌のMRI画像診断で重要な構造

 

19.
50歳代の男性。両側混合性難聴を訴えて来院した。側頭骨CTを示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 真珠腫
b 耳硬化症
c 鼓室硬化症
d 靭帯硬化症
e 骨化性迷路炎

解答:b

  • 蝸牛周囲に骨の脱灰を認めている。蝸牛型の耳硬化症の所見。
  • 鼓室硬化症は、耳小骨連鎖の周囲に線維組織・石灰化を来す文字通り鼓室の硬化する疾患。

参考)耳硬化症の画像診断

 

20.
18歳の男性。数年前から左鼻閉感と鼻出血を繰り返し認め,最近になって増悪したため来院した。 CTとMRIを示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a リンパ腫
b 上咽頭癌
c 神経鞘腫
d 炎症性ポリープ
e 若年性血管線維腫

解答:e

  • 鼻腔背側の著明な造影効果を有する腫瘤性病変。T2WIでは低信号域を認めており、flow voidを示唆。富細胞性の腫瘤であり、年齢も考慮すると若年性血管線維腫が疑われれる。

参考)若年性血管線維腫の画像診断、症状、治療

 

胸部(21-28)

21.
70歳代の男性。最近、呼吸器症状を自覚するようになったため来院した。50年前から建設業に従事して いる。胸部X線写真と CTを示す。
考えられる疾患について正しいのはどれか。1つ選べ。
a 葉間胸膜病変は少ない。
b 遠隔転移の頻度が高い。
c 心膜からも発生する。
d 石灰化した胸膜プラークから発生する。
e 予後は良好である。

解答:c

  • 胸部レントゲンにて左の胸膜の不整な肥厚あり。胸部CTでは、縦隔側優位に胸膜の不整な肥厚を認めており、悪性胸膜中皮腫を疑う所見。
  • 中皮腫は、心膜、腹膜、精巣鞘膜などに生じるが、胸膜が8割程度と最多。

参考)胸膜中皮腫の画像診断

 

22.
30歳代の男性。関節リウマチに対する治療開始前に胸部CTが施行された。
CT所見から考えられるのはどれか。1つ選べ。
a 蜂巣肺を認める。
b リウマチ結節を認める。
c 小葉中心性陰影を認める。
d 生物製剤投与は禁忌である。
e 薬剤性肺障害発症に留意する。

解答:e

  • 関節リウマチ患者において、両側下葉末梢優位に網状影あり。間質性肺炎あり。
  • 蜂巣肺は認めない。小葉中心性陰影は認めない。
  • 結核ではないので、治療の開始は禁忌ではない。
  • 当然薬剤性肺障害の発症に留意が必要。
RA患者に対し,MTXと生物製剤を使用する際胸部CTで注意を要する肺病変
  • 肺結核→MTXと生物製剤を使用は禁忌。
  • 慢性(線維化)間質性肺炎
  • COPDなどの慢性肺疾患
  • 非結核性抗酸菌症を否定できない陰影を認めた場合には、精査する。

 

23.
30歳代の男性。健診の胸部X線写真で異常陰影を指摘されて来院した。胸部X線写真を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 肺結核
b 肺動静脈瘻
c 気管支閉鎖症
d サルコイドーシス
e アレルギー性気管支肺アスペルギルス症

解答:c

  • 左中肺野に腫瘤状陰影あり。周囲に透過性亢進あり。気管支閉鎖症を疑う所見。

参考)気管支閉鎖症の画像診断

 

24.
60歳代の男性。軽度の呼吸困難を主訴に来院した。胸部X線写真を示す。
可能性が高いのはどれか。2つ選べ。
a 肺水腫
b 間質性肺炎
c 結節性硬化症
d 癌性リンパ管症
e 肺 Langerhans 組織球症

解答:a.d

  • 両側肺門部を中心にコンソリデーションあり。両側CP angleの鈍化あり。Kerley B lineあり。

参考)

 

25.
70歳代の男性。20数年前から胸部X線写真で異常所見を指摘されているが、著変を認めない。 胸部X線写真を示す。
正しいのはどれか。1つ選べ。
a 無気肺の合併が見られる。
b サルコイドーシスが疑われる。
c リンパ節の卵殻状石灰化を認める。
d 病変は下肺野優位に分布している。
e 左上肺野の腫瘤は肺癌が示唆される。

解答:c

  • 肺門部には著明な石灰化リンパ節あり。卵殻状の形態。左上葉には大陰影あり。珪肺を疑う所見。

参考)珪肺(silicosis)の画像診断

 

26.
40歳代の男性。咳嗽、微熱、喀血を主訴に来院した。副鼻腔炎の既往がある。胸部X線写真を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 肺結核
b 包虫症
c 多発性肺転移
d Wegener 肉芽腫症
e 肺動脈血栓塞栓症

解答:d

  • 副鼻腔炎の既往あり。両側肺野に腫瘤影、空洞あり。コンソリデーションあり。これらからWegener肉芽腫症を疑う所見。

参考)

 

27.
20歳代の男性。バイクでトラックと衝突し、救急搬送された。 ポータブル写真で右気胸が認められ、胸腟ドレナージが施行されたが改善が得られず,精査のため左側 臥位前後方向撮影(デクビタス撮影)が追加された。ポータブル写真と左デクビタス写真を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 心囊気腫
b 緊張性気胸
c 大動脈損傷
d 穿通性胸壁損傷
e 気管気管支断裂

解答:e

  • 右気胸に対してドレナージされているが、左デクビタス像にて著明な気胸が残存している。ということは、気管支が断裂(気管気管支断裂)しており、どんどん胸腔に逸脱していると考えられる。
致死的胸部外傷
  • 気管気管支断裂
  • 横隔膜ヘルニア
  • 食道断裂
  • 心挫傷
  • 肺挫傷
  • 大動脈断裂

 

28.
20歳代の女性。労作時の軽い呼吸困難を主訴に来院した。胸部X線写真を示す。
考えられるのはどれか。2 つ選べ。
a 右肺低形成
b 肺分画症
c 左緊張性気胸
d 異所性静脈環流
e Swyer-James 症候群

解答:a,d

  • 胸部正面像で、縦隔は右側へ偏位している.小さな右肺門は右上葉を還流する異常静脈と重なり、部分的に不鮮明となっている。scimitar症候群を伴う右肺低形成の症例。
scimitar症候群
  • 右肺から下大静脈への肺静脈環流異常
  • 右側の気管支異常
  • 右肺と右肺動脈の低形成

参考)Scimitar syndrome(シミター症候群)の画像診断

 

小児(29-32)

29.
10歳代の女児。突然出現した胸痛を主訴に来院した。胸部X線写真にて異常が認められたため,胸部CTが施行された。造影CT を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 縦隔血腫
b 胸腺脂肪腫
c 成熟型奇形腫
d 胸腺腫
e 悪性リンパ腫

解答:c

  • 脂肪成分を含有する前縦隔腫瘍であり、成熟型奇形腫を疑う所見。
  • 突然胸痛を認めており、胸腔内への穿破か。

参考)縦隔成熟嚢胞性奇形腫の画像診断

 

30.
2歳の男児。2日前から持続する咳嗽を主訴に来院した。胸部X線写真の吸気位と呼気位像を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 右気胸
b 右下葉気管支異物
c 左無気肺
d 左気管支ポリープ
e 肺気腫

解答:b

  • 呼気時に縦隔が左へ偏位しており、下肺野の透過性が上肺野より亢進している。右下葉気管支異物の疑い。

参考)気管支異物の症状、原因、画像診断

 

31.
生後1週の新生児。嘔吐と腹部膨隆を認める。腹部単純X線写真を示す。
考えられるのはどれか。1つ選べ。
a 気腹
b 腸捻転
c 門脈内ガス
d 腸管壁内ガス
e 閉塞性イレウス

解答:d

  • 腸管壁内ガスあり。壊死性腸炎を疑う所見。

参考)壊死性腸炎の症状、危険因子、画像診断

 

32.
生後8週の乳児。低酸素血症のため、胸部X線写真が撮られた。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 左肺炎
b 右無気肺
c 右肺低形成
d 緊張性気胸
e 横隔膜ヘルニア

解答:e

  • 左胸郭に腸管のガス像の入り込みあり。横隔膜ヘルニアを疑う所見。
新生児の胸部にガス透亮像を示すもの
  • 気胸
  • 気縦隔
  • 大葉性肺気腫
  • 横隔膜ヘルニア
  • 嚢胞状腺腫様奇形
  • 気管支閉鎖
  • 肺嚢胞
  • 肺偽嚢胞 など

参考)先天性横隔膜ヘルニアの症状、合併症、画像診断

 

心血管(33-35)

33.
80歳代の男性。突然の腹痛で救急搬送された。痛みは背部に放散していた。血圧低下も認められた。 腹部超音波検査に続いて、腹部造影CTが施行された。
この病態について正しいのはどれか。1つ選べ。
a 左側に多い。
b 腹腔内血腫が多い。
c 頻度は1割以下である。
d 瘤の大きさに依存しない。
e 瘤の増大速度に依存しない。

解答:c?

  • 突然の腹痛と血圧低下。腹部造影CTでは、腹部大動脈瘤あり。右の前腎傍腔および腎周囲腔に血腫あり、破裂の疑い。
  • 大きさに依存する。増大速度にも依存する。
  • 腹腔内血腫ではなくて、後腹膜血腫。
  • 破裂の頻度は径によるが、1割以下なのか?

参考)大動脈瘤破裂の頻度、画像診断

 

34.
70歳代の女性。不整脈を主訴に来院した。心臓MRI(遅延造影 MRI)を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 急性心筋梗塞
b 肥大型心筋症
c 心サルコイドーシス
d 心アミロイドーシス
e 不整脈源性右室心筋症

解答:c

  • MRI造影遅延相において、心基部中隔から後壁の中層から外膜側にかけて造影効果を認めている。サルコイドーシスを疑う所見。

参考)心サルコイドーシスのMRI画像診断

 

35.
60歳代前半の女性。心臓CTを示す。 可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a Valsalva 洞動脈瘤
b 大動脈弁疣贅
c 右房内腫瘍
d 冠動静脈瘻
e 右冠動脈瘤

解答:a

  • 右房内に突出する Valsalva 洞動脈瘤あり。

参考)Valsalva洞動脈瘤破裂の症状、原因、画像診断

 

乳腺(36-37)

36.
30歳代の女性。検診目的で施行されたマンモグラムを示す。
誤っているのはどれか。1つ選べ。
a 乳管拡張像が見られる。
b 高濃度乳腺である。
c 線維腺腫が疑われる。
d 大胸筋が描出されている。
e MLO 方向での撮影である。

解答:a

  • 線維腺腫を疑う粗大石灰化が認められる。
  • 乳管拡張を疑う所見はなし。

参考)線維腺腫の画像診断

 

37.
70歳代の女性。左乳房のしこりを自覚し来院した。マンモグラムと左乳腺超音波写真を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 粘液癌
b 浸潤性小葉癌
c 線維腺腫
d 囊胞内乳頭腫
e 乳腺症

解答:a

  • マンモグラムにて境界明瞭平滑な高濃度腫瘤。
  • 超音波写真は境界明瞭な充実性腫瘤で、内部エコーレベルは高く、後方エコーが増強している。粘液癌として特徴的な所見である。

参考)乳腺粘液癌の画像診断

 

透視(38-41)

38.
30歳代の男性。突然の右頸部腫張を主訴に来院した。CTとDSAを示す。
ただちに必要な治療はどれか。1つ選べ。
a 摘出術
b 放射線照射
c シスプラチン動注
d コイルによる動脈塞栓術
e オルダミンによる動脈塞栓術

解答:d

  • extravasationを疑う所見あり。コイルによる動脈塞栓術を行うと思われる。

 

39.
20歳代の女性。高血圧の精査のため来院した。右腎動脈造影写真を示す。
正しいのはどれか。1つ選べ。
a 病変は中膜が主である。
b 対側病変はまれである。
c 血尿合併の頻度が高い。
d PTA 後の再発頻度は高い。
e 外科的治療の適応である。

解答:a

  • 若年女性で、腎動脈造影にて、腎動脈遠位 2/3 に数珠状狭窄があり、線維筋性異形成(fibromuscular dysplasia: FMD)を疑う。
  • 中膜型が最多。両側性が多い。

参考)腎血管性高血圧の原因と狭窄部位、線維筋性異形成

 

40.
60歳代の男性。吐血を主訴に来院した。肝硬変で加療中である。腹部造影CTとIVR手技中の造影写真 を示す。
誤っているのはどれか。1つ選べ。
a 硬化剤を用いて治療する。
b 金属コイルを用いて側副路を塞栓する。
c 肝機能の改善が主な目的である。
d 左副腎静脈が手技の経路となる。
e 吐血の急性期処置としても有効である。

解答:c

  • 胃静脈瘤あり。BRTOを施行している。
  • 静脈瘤の治療が目的。
BRTO
  • Balloon-occluded Retrograde Transvenous Obliteration。バルーン閉塞下逆行性経静脈(門脈)塞栓術。
  • 門脈亢進症に対するIVRの一つで、食道、胃静脈瘤のうち、特に胃のfornixに存在する孤立性胃静脈瘤に対する治療法。
  • 合併症は、溶血性血尿と腎障害、肝障害、肺梗塞、食道静脈瘤の悪化。
  • 肺梗塞は、多量の硬化剤(5%EIO:オルダミン+イオパミロンの混合液)を大循環系に流入したり、術中のバルーン破裂などにより起こる可能性あり。

 

41.
40歳代の女性。40歳のときに大腸腺腫症と診断され,全結腸切除が施行されている。胃X線造影写真を示す。
胃病変について正しい組み合わせはどれか。1つ選べ。
a 体部―腺腫 幽門部―腺腫
b 体部―腺癌 幽門部―過形成
c 体部―過形成 幽門部―腺腫
d 体部―過形成 幽門部―過形成
e 体部―腺癌 幽門部―腺癌

解答:c

  • 胃体部には過形成ポリープが多数認められており、胃幽門部には、平滑で、平盤隆起性の腺腫性ポリープを疑う所見あり。
  • 過形成性ポリープ:凹凸、乳頭状
  • 腺腫性ポリープ:平滑、灰白色調、平盤隆起性

参考)家族性大腸腺腫症、家族性腺腫性ポリポーシスの疫学、症状、合併症、画像診断

 

腹部(42-52)

42.
70歳代の女性。腹痛と腹部膨満を主訴に来院した。2年前に上行結腸癌に対する右半結腸切除術の既往がある。腹部単純X線写真を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 正常範囲
b 便秘
c 麻痺性イレウス
d 機械的腸閉塞
e 腸管穿孔

解答:d

  • 腸管のガスが見られない。gasless abdomenの状態。
  • 麻痺性イレウスの場合、小腸に拡張や液面形成を認め、直腸や腸内にも糞便やガスが認められる。腸管全体の蠕動が低下した状態。

 

43.
50歳代の男性。誘因なく右側腹部痛を自覚したため来院した。腹部単純CTを示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 結腸癌
b 結腸結核
c 結腸血管腫
d 急性虫垂炎
e 結腸憩室炎

解答:e

  • 上行結腸周囲に脂肪織濃度上昇あり。憩室複数あり。憩室炎を疑う所見。

参考)結腸憩室炎の画像所見、症状、治療

 

44.
70歳代の女性。右下腹部痛を自覚するようになり来院した。腹部単純X線写真、CTを示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 感染性腸炎
b 急性虫垂炎
c 虚血性腸炎
d 大腸憩室炎
e 静脈硬化性大腸炎

解答:e

  • CT では壁内および周囲に線状の石灰化を複数認め、 静脈硬化性腸炎を疑う所見。

参考)静脈硬化性腸炎の症状、好発部位、画像診断

 

45.
40歳代の男性。健診の注腸X線検査で直腸に病変を指摘された。
考えられる疾患はどれか。1つ選べ。
a GIST
b カルチノイド
c 早期直腸癌
d リンパ増殖性病変
e mucosal prolapse syndrome

解答:b

  • 注腸透視で直腸壁に境界明瞭辺縁平滑な隆起性病変あり。内視鏡では中心に陥凹を認めている。エコーにおいて、粘膜下層までで筋層には至っていない。カルチノイドを疑う所見。

参考)直腸カルチノイドの主訴、画像診断

 

46.
60歳代の男性。B型肝硬変にて経過観察中に超音波検査で肝病変を指摘された。MRIと経動脈性門脈造 影下CT(CTAP)を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a Caroli 病
b 胆管過誤腫
c peliosis hepatis
d peribiliary cysts
e 類上皮性血管内皮腫

解答:a

  • 肝にT2WIにて高信号を呈する嚢胞性病変が散見され、造影にて内部に門脈枝に相当すると思われる点状の造影効果あり。Caroli病が疑われる。

参考)Caroli病の画像診断

 

47.
40歳代の男性。健診の超音波検査にて肝に高エコーの結節性病変を指摘された。MRIを示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 肝細胞癌
b 胆管過誤腫
c 海綿状血管腫
d 副腎遺残腫瘍
e 線毛性前腸性肝囊胞

解答:e

  • 肝S4辺縁にT1WIにて等信号、脂肪抑制T2WIにて高信号、ダイナミックにて造影効果は乏しい嚢胞性病変あり。場所と信号パターンから、前腸性嚢胞が疑われる。

参考)前腸性嚢胞の画像診断

 

48.
50歳代の女性。腹痛を認め来院した。糖尿病にて経過観察中である。CEA、CA 19-9 は正常であった。 CTとMRIを示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 胆囊癌
b 急性膵炎
c 胆囊腺筋腫症
d 急性胆囊炎
e 黄色肉芽腫性胆囊炎

解答:e

  • 肥厚した胆嚢壁内のCTでの低濃度結節(黄色肉芽腫あるいは被包化膿瘍を反映)の描出。(MRIではT2WIで高信号の結節。)黄色肉芽腫性胆嚢炎を疑う所見。

参考)黄色肉芽腫性胆嚢炎の画像診断

 

49.
50歳代の女性。腹痛を主訴に来院した。dynamic CT(A~C)と MRCP(D)を示す。
可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。
a 膵癌
b 膵 IPMN
c 膵仮性囊胞
d 膵内分泌腫瘍
e 膵漿液性囊胞腺腫

解答:a??

膵頭部に嚢胞性病変あり。ダイナミックにて隔壁の造影効果あり。MRCPにて嚢胞の描出あり。膵体尾部は萎縮し、主膵管の不整な拡張あり。閉塞性膵炎の疑い。膵癌か!?

 

50.
40歳代の女性。背部痛を主訴に来院した。外傷の既往はない。dynamic CTを示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a endocrine tumor
b serous cystadenoma
c acinar cell carcinoma
d mucinous cystadenoma
e solid pseudopapillary tumor

解答:e

  • 40歳代女性。背部痛。膵尾部に卵状の石灰化を有する内部不均一な高吸収を呈する腫瘤あり。SPNを疑う所見。

参考)Solid-pseudopapillary neoplasm(SPN,SPT)の画像診断、画像所見

 

51.
50歳代の女性。下腹部痛を主訴に来院した。精査のために施行されたCTで、膵に病変を指摘された。
確定診断に有用な検査はどれか。1つ選べ。
a ERCP
b 血管造影
c EOB 造影 MRI
d SPIO 造影 MRI
e 99mTc 肝脾スズコロイドシンチグラフィ

解答:d

  • 膵尾部に脾臓と同じ造影パターン、吸収値の変化をきたす腫瘤あり。膵内副脾を疑う所見。d,eにて診断可能だが、確定診断にはdが用いられる。

参考)膵類上皮嚢胞(epidermoid cyst)の画像診断(膵内副脾)

 

52.
40歳代の男性。健診の超音波検査で脾に異常を指摘された。MRIを示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 血管腫
b 過誤腫
c 転移性腫瘍
d 悪性リンパ腫
e 炎症性偽腫瘍

解答: b

  • 脾臓に T2 強調像で淡いな高信号、Gd 造影後は不均一な増強効果を示す境界不明瞭な腫瘤性病変あり。SPIO 造影後では、正常脾実質と同様、均一な低信号を呈している。

・SPIO造影後に周囲脾と同程度の低信号=脾と同じ成分。網内系細胞が存在する腫瘍であり、過誤腫ということになる。

参考)脾過誤腫の画像診断

 

泌尿器(53-56)

53.
40歳代の女性。腹痛と発熱のため来院した。腹部造影CTを示す。
考えられるのはどれか。1つ選べ。
a 腎盂癌
b 腎梗塞
c 腎結石
d 膿水腎症
e 気腫性腎盂腎炎

解答:e

  • 腎周囲腔にairあり。また右に比べて造影効果不良。気腫性腎盂腎炎を疑う所見。

参考)気腫性腎盂腎炎の画像診断

 

54.
40歳代の男性。血尿を主訴に来院した。CTにて右腎に軽度の萎縮が見られ、精査のためMRIが施行された。
考えられるのはどれか。2つ選べ。
a 糸球体腎炎
b 頻回の輸血
c 先天性溶血性貧血
d 心臓弁置換術の既往
e 発作性夜間血色素尿症

解答:d,e

  • T2WIにて腎皮質に著明な低信号あり。ヘモジデリン沈着を疑う。
  • PNHではMRIにて両側腎皮質がT1・T2強調像でびまん性の低信号化を来すことが知られている。血管内溶血により生じた遊離ヘモグロビンが腎糸球体より排池、近位尿細管にて再吸収されヘモジデリンとなり沈着するため。

d,eでは?
脾臓にヘモジデリン沈着が無いので血管内溶血を来す疾患を選ぶという流れかと思います。先天性溶血性貧血の一つであるG6PD欠損症は血管内溶血を来しますが、先天性溶血性貧血の約8割が球状赤血球症なので。

渡口先生ありがとうございました。

 

55.
40歳代の男性。背部痛と血尿を主訴に来院した。単純CTを示す。
原因疾患の主成分として考えにくいのはどれか。1つ選べ。
a 尿酸
b シスチン
c 燐酸カルシウム
d 蓚酸カルシウム
e 燐酸マグネシウムアンモニウム

解答:a

  • 尿管結石の中でレントゲンにうつるのは6割程度。尿酸結石、キサンチン結石、シスチン結石は写らないといわれる。CTならよほど小さいものでなければ、かつスライスの中にきちんと入っていればほぼ100%検出できる。
  • この尿酸結石、キサンチン結石、シスチン結石の中でもCT値がより小さいのはどれかというきつい問題。尿酸が500HU前後で最も低い。

参考)尿管結石の画像診断

 

56.
70歳代の男性。血尿を主訴に来院し、膀胱鏡にて腫瘍が発見された。CTとMRIを示す。
組織型として考えられるのはどれか。2つ選べ。
a 尿路上皮癌
b 扁平上皮癌
c 腺癌
d 小細胞癌
e 肉腫

解答:a,c

  • 膀胱頂部に造影効果を有する不整な壁肥厚あり。周囲への進展が疑われる。MRI T2WIの矢状断では尿膜管に沿った進展を示しており、膀胱癌もしくは尿膜管癌が疑われる。
  • 膀胱癌の9割は尿路上皮癌、一方尿膜管癌は腺癌が多い。

婦人科(57-60)

57.
50歳代の女性。不正性器出血のため来院した。骨盤部MRIを示す。
描出されている所見はどれか。1つ選べ。
a 仙骨転移
b 卵巣転移
c 腹腔内播種
d 体部筋層浸潤
e 頸部間質浸潤

解答:d

  • 子宮内腔は脂肪抑制T2WIにて淡い高信号を示す腫瘤で充満しており、体部後壁のjunctional zoneの断裂あり。体部筋層浸潤が疑われる所見。

 

58.
40歳代の女性。下腹部正中の引きつるような痛みを認め来院した。痛みは数年前から出現し、数日で自然と軽快する。MRIを示す。
正しいのはどれか。2つ選べ。
a 癌の全身検索が必要である。
b 帝王切開の既往が疑われる。
c 皮膚病変の検索が必要である。
d まず薬物療法が試みられる。
e 消化管のポリープの検索が必要である。

解答:b,d

  • 腹壁正中皮下に脂肪抑制T1WIにて高信号を呈する部位あり。出血が疑われ、数年前から痛みあり、数日で自然軽快するというエピソードから異所性子宮内膜症が疑われる。治療はまず薬物療法。
  • 脂肪抑制T1WIの矢状断にて子宮前壁に低信号の索状構造あり、帝王切開後が示唆される。

参考)異所性子宮内膜症の画像診断

 

59.
30歳代の女性,妊娠13週。妊婦検診の超音波検査にて、骨盤内囊胞性病変を指摘され紹介された。骨盤部MRIを示す。
正しいのはどれか。2つ選べ。
a 内膜症性囊胞が基礎にある。
b 明細胞癌の合併が疑われる。
c 妊娠に関係した変化が考えられる。
d 分娩を待たずに手術が必要である。
e 胎児水腫が生じやすい。

解答:a,c

  • 子宮背側にT1WIにて高信号を示し、壁在結節を疑う結節複数あり。内膜症性嚢胞の妊娠による脱落膜化が疑われる。

参考)内膜症性嚢胞で壁在結節をみたときの鑑別診断

 

60.
50歳代の女性。健診の超音波検査で骨盤内腫瘤を指摘された。MRIを示す。
考えられるのはどれか。1つ選べ。
a 腺筋症
b 卵巣線維腫
c 漿膜下筋腫
d 内膜症性囊胞
e 転移性卵巣腫瘍

解答:b

  • T1WIおよびT2WIにて低信号を示し、造影効果が弱い腫瘤。卵巣線維腫を疑う所見。

参考)T2WIで低信号を呈しうる卵巣腫瘍の鑑別診断

 

核医学(61-75)

61.
60歳代の男性。左上肢の脱力発作を主訴に来院した。発作は月に1回程度の頻度で数分間後には消失する。脳血流SPECT(アセトゾラミド負荷無し,有り)と脳血液プールSPECTを示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 脳出血
b 脳腫瘍
c てんかん
d もやもや病
e 内頸動脈高度狭窄

解答:e

脳血流シンチでは、安静時に右のACA-MCA領域を中心に血流低下あり。アセトゾラミド負荷により、ほぼ安静時と変わりなく、血流予備能の低下が疑われる。梗塞に至らない場合はプールシンチでは変化がないことが多い。内頚動脈の高度狭窄が疑われる。

 

62.
60歳代の男性。認知機能障害とふらつきを主訴に来院した。123I-MIBG シンチグラフィが施行された。 心縦隔比は投与15分(Early)が 1.43、3時間が 1.24(Delay)である。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 正常圧水頭症
b 多系統萎縮症
c 前頭側頭型認知症
d Alzheimer 型認知症
e びまん性 Lewy 小体病

解答:e

  • MIBG心筋シンチにおいて、H/M比が早期、後期ともに低下している。DLBやPDなどを疑う所見。

参考)123I-MIBG心筋シンチの画像診断

 

63.
50歳代の男性。ランニングにて前胸部不快感を自覚し来院した。運動負荷201Tl 心筋血流 SPECTを示す。
考えられるのはどれか。1つ選べ。
a 心不全
b 右室負荷
c 心筋瘢痕
d 冠動脈攣縮
e 運動誘発虚血

解答:e

  • Tl心筋血流シンチにて、負荷時に前壁の集積低下を認め、再静注時に回復を認めており、前壁の虚血が疑われる。ランニングにて前胸部不快感を自覚したというエピソードからも、運動誘発虚血が疑われる。

 

64.
20歳代の女性。検診の胸部X線写真にて腫瘤を指摘され,精査を目的に来院した。99mTc-MAA シンチグ ラムを示す。
正しいのはどれか。1つ選べ。
a 肺塞栓症が疑われる。
b 右→左シャントが存在する。
c 脳への集積は炎症性のものを考える。
d 腎臓への集積は腎機能亢進を示唆する。
e 甲状腺への集積は活動性の炎症による。

解答:b

  • 肺血流シンチグラフィにおいて、脳、腎への著明な集積あり。
  • 全身像での腎臓、脳、脾臓の描出は、右一左シャントの存在を示唆する。 特に腎、脾>肝が特徴。

参考)2012年放射線科診断専門医試験問題&解答解説【66-70】

 

65.
40歳代の女性。食後の左下顎部の腫脹を主訴に来院した。唾液腺シンチグラムを示す。
正しいのはどれか。2つ選べ。
a 耳下腺の集積に左右差がある。
b 甲状腺への集積が低下している。
c 口腔への唾液の排泄が低下している。
d 酸に対する左顎下腺の反応が不良である。
e グラフは甲状腺両葉の Time activity curve である。

解答:c,d

  • 耳下腺への集積はやや左右差あるが、有意とはいえない。
  • 15分くらいで酸を負荷して、右の顎下腺の集積は減っており、反応が良好なのに対して左の顎下腺は集積したままで、唾液の排泄が低下していると考えられる。
  • グラフは顎下腺のカーブ。
  • 甲状腺への集積は両葉ともに良好。

 

66.
30歳代の女性。甲状腺機能亢進症があり、US で甲状腺結節が指摘された。123I 甲状腺シンチグラムを示す。
誤っているのはどれか。1つ選べ。
a 検査には1週間以上のヨード制限食が必要である。
b 123I は経口投与される。
c 甲状腺が萎縮している。
d 右葉の結節が甲状腺癌である可能性は極めて低い。
e 本症例は TSH が低値と予想される。

解答:c

  • 甲状腺機能亢進症があり、123I甲状腺シンチにて甲状腺右葉に異常集積を有する腫瘤あり。Plummer病を疑う所見。
  • 123Iによる集積亢進で悪性は極めてまれ。
  • 甲状腺機能亢進により、TSHは低下すると考えられる。

参考)甲状腺中毒症の鑑別

 

67.
60歳代の男性。高血圧症の精査を目的に131I-MIBG シンチグラフィが施行された。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 副腎癌
b 褐色細胞腫
c Sipple 症候群
d Cushing 症候群
e 原発性アルドステロン症

解答:b

  • 123I-MIBGシンチにて、右の副腎と思われる部位に異常集積あり。褐色細胞腫を疑う所見である。

参考)褐色細胞腫の画像診断

 

68.
30歳代の男性。発熱と咳嗽を主訴に来院した。胸部単純X線写真で異常を指摘され、精査を目的 に67Ga シンチグラフィが施行された。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 肺癌
b 関節リウマチ
c 多発性骨髄腫
d サルコイドーシス
e 急性肺血栓塞栓症

解答:d

  • Gaシンチにて両側の肺および肺門にびまん性に集積亢進あり。また、右鎖骨窩、脾、唾液腺への集積が亢進あり。サルコイドーシスを疑う所見。

参考)ガリウムシンチグラフィの画像診断

 

69.
80 歳代の女性。1カ月程前から頸部の腫脹に気づき来院した。67Ga シンチグラムを示す。
可能性が低いのはどれか。1つ選べ。
a 膿瘍
b 濾胞癌
c 未分化癌
d 慢性甲状腺炎
e 悪性リンパ腫

解答:b

  • ガリウムシンチにて頸部に左右対称なハート形の著明な集積を認める。
  • ガリウムシンチは腫瘍では、悪性リンパ腫の他、甲状腺未分化癌、悪性黒色腫、肺癌、頭頸部癌で集積する。未分化ほど集積する。
  • 濾胞癌のような分化型の甲状腺癌には集積しない。

参考)ガリウムシンチグラフィの画像診断

 

70.
80歳代の女性。腫瘍スクリーニングを目的に施行された18F-FDG PET を示す。
生理的集積部位として考えにくいのはどれか。1 つ選べ。
a 脳
b 肝臓
c 腎臓
d 心臓
e 甲状腺

解答:e

  • FDG PETの常に集積するのは脳、肝臓、腎臓、膀胱。
  • 扁桃、唾液腺、声門、心筋、乳腺、消化管、精巣、子宮、卵巣、骨格筋への集積はばらつきがあり。
  • 甲状腺には生理的な集積を認めない。

参考)FDGの生理的集積と各種腫瘍への集積と注意点(各論)

 

71.
60歳代の男性。左耳下腺腫瘤の精査を目的に来院した。18F-FDG PET(頭頸部 MIP 像)と唾液腺シンチ グラム(左側面像)を示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 多形腺腫
b 粘表皮癌
c Warthin 腫瘍
d 腺様囊胞癌
e 扁平上皮癌

解答:c

  • 唾液腺にFDG PETおよび唾液腺シンチにて異常集積あり。ワルチン腫瘍を疑う所見。
  • FDG PETで唾液腺に異常集積:多形腺腫、ワルチン腫瘍、神経鞘腫、悪性腫瘍など
  • 唾液腺シンチで唾液腺に異常集積:ワルチン腫瘍、オンコサイトーマ

参考)ワルチン腫瘍の画像診断

 

72.
40歳代の女性。高カルシウム血症を認め、骨シンチグラフィが施行された。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 正常
b 骨軟化症
c 骨粗しょう症
d 多発性骨髄腫
e 副甲状腺機能亢進症

解答:e

  • 高カルシウム血症への骨シンチで、びまん性の骨への集積の亢進を認め、腎臓の描出を認めていない(absent kidney sign)。副甲状腺機能亢進症が疑われる。

参考)骨シンチグラフィによる骨転移の診断(Bone scan)

 

73.
40歳代の女性。腰痛を主訴に来院した。5年前に乳癌に対して乳房切除術の既往がある。骨シンチグラムを示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a 大理石病
b 悪性リンパ腫
c 転移性骨腫瘍
d 多発脊椎圧迫骨折
e 副甲状腺機能亢進症

解答:c

  • 骨シンチにて肋骨の長軸に沿った異常な集積が散見される。転移性骨腫瘍を疑う所見。

参考)骨シンチグラフィによる骨転移の診断(Bone scan)

 

74
80歳代の女性。10年前に乳癌に対して乳房切除術の既往がある。骨盤部X線単純写真と骨シンチグラ ムを示す。
可能性が高いのはどれか。1つ選べ。
a Paget 病
b 大理石病
c 転移性骨腫瘍
d 線維性骨異形成
e 副甲状腺機能亢進症

解答:a

  • レントゲンにて、骨盤右側に骨硬化像あり。骨シンチグラムでは骨盤右側に著明な集積亢進あり。Paget病を疑う所見。
  • 骨Paget病では病変部に強い集積増加を認める。CTやレントゲンでは、骨皮質の肥厚や変形を伴うのが特徴。放射線科診断専門医2013年13番の類題。

 

75.
60歳代の女性。濾胞性リンパ腫に羅患している。90Y-ibritumomab tiuxetan(ZevalinⓇ)治療の適応を決 定するため、111In-ibritumomab tiuxetan シンチグラフィが施行された。投与3時間後、24時間後、48 時間後のplanar像(全身像)を示す。
誤っているのはどれか。1つ選べ。
a 肝脾の集積は生理的集積である。
b 肋骨や長管骨が顕著に描出されている。
c 血液プールへの集積は経時的に漸減している。
d 両側鼠径部に病巣が描出され,経時的に漸増している。
e 90Y-ibritumomab tiuxetan(ZevalinⓇ)治療が適応となる生体内分布である。

解答:b

  • 肋骨や長管骨には著明な集積は認めない。
  • 90Y-ibritumomab tiuxetan の治療適応となる生体分布。