基礎(1-15)

1.
放射線作用の発現過程のうち、2番目に起こるのはどれか。1つ選べ。
a 化学的過程
b 物理的過程
c 臨床的過程
d 生化学的過程
e 生物学的過程

解答:a

  • 物理b→化学a→生化学d→生物e→臨床c

 

2.
全身被曝において,最も少ない線量でヒトの死をもたらす原因となる臓器・組織はどれか。1つ選べ。
a 肝
b 脳
c 骨髄
d 心臓
e 消化管

解答:c

  • 骨髄死 (2-10 Gy)、腸死 (10-100 Gy)、中枢神経死(100Gy以上)に分類される。
  • 心臓、肝臓は骨髄死を起こす線量よりも多くの線量が必要。

参考1)放射線被ばく→DNA切断→幹細胞死滅→臓器萎縮、正常な機能保てない→感染症、出血、下痢、脱水、意識障害→死に至る。死因となる臓器は線量が高くなるにつれて「造血系(骨髄)→消化管→脳・神経系」と移っていき、生存期間も短くなる。

参考2)放射線の作用を受けやすい臓器=細胞分裂が盛んな臓器=造血細胞、生殖腺、皮膚、腸上皮、水晶体

 

3.
エックス線感受性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
a リンパ球
b 神経細胞
c 心筋細胞
d 小腸上皮細胞
e 胃粘膜上皮細胞

解答:a

  • リンパ球 > 小腸上皮細胞 > 胃粘膜上皮細胞 > 心筋細胞、神経細胞の順。
  • リンパ組織、腸上皮、卵巣、精巣、造血組織で放射性感受性が非常に高いことは覚えておく。

※リンパ組織は増殖活性は低いが、放射線感受性は最も高い。例外として覚えておく。

 

4.
誤っているのはどれか。1つ選べ。
a LET の増加に伴って RBE も上昇するとは限らない。
b 放射線による発がんでは,白血病の潜伏期が最も長い。
c 同線量のエックス線の 1 回照射では,線量率が低下すると細胞生存率も低下する。
d 低酸素状態でエックス線照射された細胞は,大気中で照射した場合より生存率は高い。
e エックス線照射後の細胞を低酸素状態にすると,通常の状態より細胞生存率が上昇する。

解答:b,c(誤りが2つあり。)

  • a: LETが大ならばRBEも大。しかし、100keV/μm以上で低下。なぜ低下するかというと、「オーバーキル」が関係していると言われている。オーバーキルとは細胞を死滅させるに必要な吸収線量以上の線量を与えている=ロスをしているoverkill

※RBE=relative biological effectiveness(生物学的効果比)ある生物効果を引き起こすのに必要な基準放射線の吸収線量(定数)/ 問題としている放射線で同じ効果を引き起こすのに必要な吸収線量つまり分子は定数で、分母は強い放射線(LET)だと小さいため、結果、RBEは大きくなる。

  • b:白血病が他の癌と比較して潜伏期間が短い。
  • c:まず線量率とは単位時間あたりの線量のこと。低 LET 放射線では、線量率が小さくなり照射時間が長くなると線量が同じでも生物効果は小さくなる(細胞生存率が上昇する)。線量率が低下すると長い照射期間中に亜致死障害が修復されるため。

問4のeについて質問です。酸素効果は照射中の効果だと思うのですが、そうなるとeもバツになると思ってしまいました。照射後の低酸素でも酸素効果があらわれるのでしょうか?→おっしゃる通りです。修正しました。

  • e:照射中に低酸素にすると細胞生存率が上昇する。照射後にしても意味がない。

その後、エイ様から。
放射線照射後の環境条件により細胞生存率の上昇する現象を潜在的致死障害からの回復と言って、本来なら死に至る障害に対して修復する時間を与えるころによって細胞が死を免れる現象をいうそうです。よって照射後に低栄養、低PH、低酸素にすると潜在的致死障害からの回復がおこって生存率は上昇します。ので○だと思います。(金原出版、放射線生物学を参考にしています)

ありがとうございます。治療の先生にも確認したのですが、やはりエイ様のおっしゃることが正しそうです。照射中でも照射後でも、生存率は上昇するんですね。

※ちなみに、知っておきたい放射線治療学 基礎と臨床 新興医学出版社ではP10で、eは×になっており、解説はありません。

 

5.
細胞周期において,エックス線抵抗性を示すのはどれか。1つ選べ。
a M期
b G1 期
c G2 期
d S 期前半
e S 期後半

解答:e

cell

 

6.
次の放射性同位元素のうち,半減期が4番目に長いのはどれか。1つ選べ。
a 3 H
b 131I
c 137Cs
d 192Ir
e 226Ra

解答:d

  • 放射線を放出して他の元素に壊変する原子を放射性同位元素という。
  • RIは壊変(α線、β線)して放射線を放出して安定な核になる。RI検査ではβ壊変する元素が用いられる。β-壊変により多くの原子核で励起状態となるため、エネルギーをγ線として放出して安定状態になる。

a. H-3 三重水素: 12年 3番目に長い
b. I-131 ヨウ素: 8日 5番目に長い
c. Cs-137 セシウム: 30年 2番目に長い
d. Ir-192 イリジウム: 73日 4番目に長い ○
e. Ra-226 ラジウム: 1602年 1番長い

 

7.
ブラッグピークを有するのはどれか。2つ選べ。
a 炭素線
b 陽子線
c 速中性子線
d 超高圧エックス線
e 高エネルギー電子線

解答:a,b

  • ブラッグピークを形成するのは陽子が含まれる原子核の場合。なので電子は×。α線、陽子線、重イオン線など。

 

8.
電子なだれを利用する放射線測定器はどれか。1つ選べ。
a GM 計数管
b 化学線量計
c Ge(Li)検出器
d NaI(Tl)検出器
e 熱ルミネッセンス線量計

解答:a

電子なだれとは強い電場の中で自由電子が気体分子と衝突すると新たな電子が叩き出され、これが電場で加速されてさらに別の分子と衝突して加速度的に電子数が増える現象のこと。

 

9.
吸収線量の単位はどれか。2つ選べ。
a R
b Gy
c Sv
d rem
e Jkg

解答:b,e

a :R は照射線量。
b :Gyは吸収線量。雨に濡れた量。
c :Svは線量当量。濡れた影響。
d :rem は線量当量。濡れた影響。
e :J/kg は吸収線量を mks単位系で表示したもの。雨に濡れた量。

Gy:吸収線量
Sv:等価線量、実効線量

 

10.
小児の腹部 CT における被曝低減策として誤っているのはどれか。1つ選べ。
a 管電流を下げる。
b 管電圧を下げる。
c スキャン範囲を限定する。
d ピッチファクターを小さくする。
e Automatic Exposure Control(AEC)のプロトコルを調整する。

解答:d

  • ヘリカルピッチ=ピッチファクタとは、寝台の移動速度(1回転の寝台移動距離/ビーム幅)を表す指標。つまりこれを小さくすると、より長い時間被ばくすることになる。

 

11.
放射線耐容線量が2番目に少ない臓器はどれか。1つ選べ。
a 脳
b 肝臓
c 腎臓
d 脊髄
e 水晶体

解答:c

健常組織の耐用線量はおおよそ以下のとおり。感受性とは別物であることに注意。
a. 脳 50-70Gy 5番目に少ない。脳はもっとも耐用線量多いと覚える。
b. 肝臓 25-45Gy 3番目に少ない。 肝(かん=さん 30)
c. 腎臓 20-25Gy 2番目に少ない。○。 腎(じん=2)
d. 脊髄 45-55Gy 4番目に少ない。これは治療のところで出てくる。脊髄は50Gyくらいと覚える。
e. 水晶体 5-10Gy 1番少ない。 水晶体は10。

その他、2011年の問題で、覚えるべきは、心臓はしん=40Gyまで。

 

12.
局所的な放射線被曝線量が2番目に多いのはどれか。1つ選べ。
a 胃 X 線検査
b 胸部 CT
c 胸部 X 線撮影
d 乳房撮影
e 腹部血管造影

解答:a

  • 腹部アンギオ>胃透視>胸部CT(胸部レントゲンの100倍で20mGy)>乳房撮影>胸部レントゲン(0.2mGy)

 

13.
被曝に関して組織荷重係数が最も低いのはどれか。1つ選べ。
a 胃
b 肺
c 皮膚
d 甲状腺
e 生殖腺

解答: c

  • 実効線量(Sv)=Σ(組織荷重係数)×等価線量(Sv)

a. 胃 0.12
b. 肺 0.12
c. 皮膚 0.01 ○
d. 甲状腺 0.04
e. 生殖腺 0.08

※組織荷重係数は0.01が最小。皮膚のほか、脳、唾液腺、骨表面がある。

 

14.
被曝に関して放射線荷重係数が最も高いのはどれか。1つ選べ。
a 電子線
b 陽子線
c ガンマ線
d アルファ線
e 中性子線 20 MeV 超

解答:d

  • 浴びた放射線(吸収線量(Gy))から放射線の影響を受ける(等価線量(Sv))わけではない。浴びた放射線によってその度合いが異なる。それが放射線荷重係数。
  • つまり等価線量(Gy)=Σ(放射線荷重係数)×吸収線量(Sv)となる。それぞれの放射線荷重係数は
    a. 電子線 1
    b. 陽子線 2
    c. ガンマ線  1
    d. アルファ線  20 ○
    e. 中性子線 20MeV 超  6.8以下

※つまり、電子線や、ガンマ線ならば吸収線量=等価線量となる。

 

15.
胚と胎児に対する放射線被曝の確定的影響について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 10-days-rule が重要である。
b 50 mGy の被曝は妊娠中絶の理由となる。
c 胎児期の被曝では,発育遅延はみられない。
d 器官形成期の被曝では,先天性奇形が出現する。
e 着床前期の被曝では,流産あるいは異常なしとなる。

解答:d,e

  • b:100mGy以下の被ばくでは胎児の催奇形性や精神発達および小児がん発生リスク増加へ寄与しない。そのため、妊娠中絶の理由とはならない。

※胎児の形態異常が起こる閾線量が100mGyを選ばせる問題もあり、この数字は覚えておく。

 

診断(16-70)

16.
頸椎症について誤っているのはどれか。1つ選べ。
a 頸髄症により膀胱直腸障害をきたす。
b 頸髄症により手指の巧緻障害をきたす。
c 神経根症により痙性歩行障害をきたす。
d 神経根症により上肢片側性の疼痛をきたす。
e 後頭部痛などの非特異的局所症状の原因となる。

解答:c

  • 頸髄症では痙性歩行障害をきたす。

※痙性歩行障害:下肢に痙性がある際に、膝を伸展したままで床から足をあげずに、狭い歩幅で歩く状態、脊髄症痙性麻痺などでみられる。

※自分の意思とは関係なく、体が勝手に動いてしまう症状を痙性と言う。

 

17.
脊椎病変と画像所見との組み合わせで正しいのはどれか。1つ選べ。
a Hodgkin 病 ―――――――――polka dot sign
b Paget 病 ――――――――――椎弓根の消失
c 転移性脊椎腫瘍 ―――――――椎間腔狭小化
d Langerhans 細胞組織球症 ――扁平椎
e 動脈瘤様骨囊腫 ―――――――椎体全体の骨硬化

解答: d

  • a:他部位原発のHodgkinリンパ腫、非Hodgkinリンパ腫の骨病変はその20%程度にみられ、脊椎、骨盤、肋骨に好発し、多発性の虫喰い状の皮質の破壊を伴った骨溶骨性病変を呈することが多い。しかし、特にHodgkinリンパ腫ではときどき骨硬化像を呈する場合があり、脊椎においては、象牙椎(ivory vertebra)と呼ばれる。polka dot signは脊椎血管腫の所見。
象牙椎体(ivory vertebra)=椎体が陰影増強の鑑別
  • 炎症後の変化。
  • 変形性関節症
  • 外傷後
  • 腫瘍(転移、Hodgkinリンパ腫)
  • 肥満細胞症

 

  • b:paget病はPicture frame appearance 額縁様変化
  • d:ランゲルハンス細胞肉芽腫症の骨変化としては、頭蓋骨(地図状頭蓋)、下顎骨 (floamgteёth)とCalveの扁平椎が有名。参考画像)扁平椎のレントゲン画像(診断専門医2012年42番の画像)
  • e:動脈瘤様骨嚢腫は ballooning of the cortex 風船状拡張。膨張性の溶骨性変化で、硬化縁を伴わない。

 

18.
内側半月板について正しいのはどれか。1つ選べ。
a 後節を膝窩筋腱が通る。
b 円板状半月板の頻度が高い。
c 前節と後節が同じ大きさである。
d 外側半月板よりも前後径が長い。
e バケツ柄断裂で double PCL sign がみられる。

解答:d,e(2つある)

  • a-cは外側半月板のこと。
内側半月板(MM)と外側半月板(LM)
  • 内側半月板は半径は大きく開き気味で、後節は大きい。
  • 外側半月板は半径は小さく、より閉じたC字型に近い。

meniscus

 

19.
スポーツ外傷について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 坐骨結節の裂離骨折は大腿直筋付着部に生じる。
b Hill-Sachs 病変は肩甲骨関節窩の裂離骨折である。
c 投球肘における離断性骨軟骨炎は上腕骨滑車に好発する。
d ジャンパー膝(jumperʼs knee)ではしばしば膝蓋靱帯炎をきたす。
e 前十字靱帯断裂では大腿骨および脛骨外側顆の骨挫傷を伴う。

解答:d,e

a:坐骨結節の剥離骨折はハムストリング、下前腸骨棘の剥離骨折が大腿直筋。
参考画像)坐骨結節の裂離骨折のレントゲン(診断専門医2012年10番の画像)

裂離骨折の部位と付着する筋

fx

好発部位 付着する筋
坐骨結節 ハムストリング=後大腿筋群(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)
上前腸骨棘 縫工筋、大腿筋膜張筋
下前腸骨棘 大腿直筋
恥骨結合(and恥骨下枝) 内側大腿筋群(長・短内転筋、薄筋)
腸骨稜 腹筋群
小転子 腸腰筋
大転子 中・小臀筋、内閉鎖筋、双子筋、梨状筋
  • b:Bankart lesionのこと。Hill-Sachs lesion は上腕骨頭外側上方の陥没骨折。
  • c:投球肘における離断性骨軟骨炎は上腕骨頭に好発する。※離断性骨軟骨炎は人の病気。
ジャンパー膝(jumper’s knee)
  • 頻回にジャンプを行う競技者で見られる、膝蓋腱の慢性炎症性変化を指す。
  • MRIで膝蓋骨直下の膝蓋腱領域の高号化が特徴的である。
  • 40歳以下の男性で、両性であることが多い。
  • e:ACL断裂では大腿骨外側顆と脛骨高原の後外側が衝突し、骨挫傷をきたす(kissing contusionとよばれる)。

Kissing contusion

  • ACLは脛骨が前に出ないように保持している。
  • 脛骨が前に出るように強制される、または外旋されると、ACLは切れ、骨同士がぶつかる。
  • MRIではその動かぬ証拠が残っている。それがbone bruiseという形で見える。
  • 大腿骨の前方、脛骨の後方に認められる。T1WI低信号、T2WI高信号、数ヶ月持続する。
  • 骨髄浮腫や、小出血、海綿骨梁の微細骨折を反映。これをkissing contusionという。
  • ACL断裂の二次的所見であり、逆に、この所見があるときはACL断裂がないかをチェックする。
動画で理解するkissing contusion

 

20.
骨壊死について誤っているのはどれか。1つ選べ。
a 関節面に圧潰をきたす。
b 単純 X 線写真は早期診断に有用である。
c MRI T2 強調画像で double line sign を認める。
d Kienböck 病では月状骨の硬化性変化をきたす。
e 大腿骨内側顆の特発性骨壊死は内側半月板断裂を合併しやすい。

解答:b

  • b:早期診断には MRI が有用である。
  • c:double line signは大腿骨頭壊死症に特徴的な像。
  • d:Kienböck病では月状骨の硬化性変化をきたす。(つきーんべっく)
 大腿骨内顆特発性骨壊死
  • 好発部位は大腿骨内顆の過重面だが、大腿骨外顆、頸骨近位部に見られることもある。
  • 半月板断裂を合併することが多く、長期に経過したものでは変形性膝関節症を合併する。
  • MRIにおける信号強度のパターンは時期により異なるが、T1強調像で低信号、T2強調像で等~低信号を示すことが多い。

 

21.
肩腱板損傷において最も侵されやすいのはどれか。1つ選べ。
a 棘上筋腱
b 棘下筋腱
c 小円筋腱
d 肩甲下筋腱
e 上腕二頭筋腱

解答:a

 

22.
視神経の腫瘍として頻度が高いのはどれか。2つ選べ。
a 血管腫
b 髄膜腫
c 神経鞘腫
d 神経膠腫
e 神経線維腫

解答:b,d

  • 神経膠腫は視神経原発腫瘍のうち80%を占める。小児に多く、1/3 の症例が NF-1 との関連性あり。

眼窩腫瘍

筋円錐内
  • 視神経膠腫
  • 視神経鞘髄膜腫
筋円錐外
  • 類表皮嚢腫/皮様嚢腫
  • 涙腺→腺様嚢胞癌、多形腺腫、IgG4関連疾患
筋円錐内外両方
  • 海綿状血管腫
  • リンパ管腫
  • 神経鞘腫
  • 神経線維腫
  • 毛細血管種
  • 悪性リンパ腫

 

23.
von Hippel-Lindau 病と関連が深いのはどれか。2つ選べ。
a 髄膜腫
b 網膜血管腫
c 小脳血管芽腫
d 三叉神経血管腫
e 巨細胞星細胞腫

解答:b,c

a 髄膜腫:neurofibromatosis type2 (NF-2)に合併。
d 三(San)叉神経血管腫:Sturge-Weber 症候群に合併。
e 巨細胞星細胞腫:通常結節性硬化症に合併する。

 

24.
Chiari I 奇形で見られるのはどれか。2つ選べ。
a 髄膜瘤
b 脊髄空洞症
c 小脳低形成
d 小脳扁桃の下垂
e 小脳テントの上方偏位

解答:b,d

  • 髄膜瘤は ChiariⅡ奇形。
  • Dandy-Walker 奇形では小脳虫部の形成不全、小脳テントの上方偏位を認める。
Dandy-Walker奇形
  • 小脳虫部下部の欠損あるいは低形成。
  • 第4脳室の嚢胞状拡張。
  • 後頭蓋窩容積の増大。
  • しばしば水頭症、脳梁欠損あり。
  • 小脳虫部が低形成かつ上方に回転。
  • 小脳テントや静脈洞交会が高位。

 

25.
脳動脈瘤について正しいのはどれか。1つ選べ。
a 囊状動脈瘤は外膜を欠く。
b bleb(鶏冠)があると破裂しにくい。
c 紡錘状は囊状よりも破裂しやすい。
d 約 10% が椎骨脳底動脈域に発生する。
e 未破裂脳動脈瘤の年間破裂率は約 10% である。

解答:d

  • 嚢状動脈瘤は中膜を欠く。
  • Acom領域 30%、MCA 領域 30%、IC-PC 領域 30%、VA-BA領域が10%。
  • 未破裂脳動脈瘤の年間破裂率は年間 2%程度。

参考)脳動脈瘤破裂の危険因子(大きさ、部位、形状、Dome/Neck比など)

 

26.
頭部 CT の初期虚血変化(early CT sign)について正しいのはどれか。1つ選べ。
a 発症 24 時間以降に認める。
b 頭頂葉に見られることが多い。
c 拡散強調画像よりも客観性が高い。
d 皮質の吸収値はわずかに上昇する。
e 初期虚血変化部分の面積と予後に関連がある。

解答:e

  • a ×:脳梗塞の超急性期に認められる変化。
  • b ×:島部~基底核部にて最もよく観察される。
  • d ×皮質の吸収値はわずかに低下する。
  • e ○ このサインが広汎に認められると tPA静注療法の予後が悪く出血のリスクが増えるとされている。1/3ルール。
earlyCT signのチェックポイント

①皮質・白質の境界消失(皮髄境界消失) (loss of gray-white matter differentiation)

※島皮質はMCAが閉塞した場合、ACAとPCAからのcollateralから最も遠く、分水嶺となる。そのため、この部位の皮髄境界消失を特に、「loss of the insular ribbon」と呼ぶ。また、表示Window幅を十分狭くしないと皮髄境界は明瞭とならない。(80以下を推奨)

②Silvius裂の狭小化、脳溝の狭小化・消失(effacement of the cortical sulsi)

③レンズ核の不明瞭化(obscuration of the lentiform nucleus)

④hyperdenseMCAsign(MCAにひっかかった塞栓性血栓による所見)
1)どの血管と比較しても高濃度
2)石灰化ではない
※広義のearlyCTsignに入れるが、血栓溶解療法の決定に影響は与えない。

1/3MCArule
  • MCA領域の1/3を超えるようなearlyCTsign(+)のcaseでは出血のリスクが高いため血栓溶解療法の適応とならない。(1/3MCArule)

 

27.
頭部外傷について誤っているのはどれか。1つ選べ。
a 急性硬膜外血腫は骨折を伴うことが多い。
b 脳挫傷は CT で高吸収域と低吸収域が混在する。
c 脳幹の背側は軸索損傷の好発部位のひとつである。
d 脳ヘルニアに二次的に生じる脳幹の出血を Duret 出血と呼ぶ。
e 急性硬膜下血腫の CT 診断では狭いウインドウ幅が有効である。

解答:e

  • e:急性硬膜下血腫は WWを多少広く(200 前後)することで観察しやすくなる。
びまん性軸索損傷の好発部位
  • 高頻度:脳梁(特に体部と膨大部)、大脳皮質下、中脳背外側部
  • 時々:海馬、脳弓、基底核、視床
デュレー出血(Duret hemorrhage)
  • テント切痕ヘルニアにおいて脳幹部に発生する二次性出血。
  • 中脳、脳底部血管の屈曲、牽引により出血を来しやすい。

 

28.
頸部囊胞性疾患と発生部位との組み合わせで誤っているのはどれか。1つ選べ。
a がま腫 ―――――――――――――舌下腺
b 側頸囊胞 ――――――――――――第 2 鰓裂
c Zenker 憩室 ――――――――――中咽頭
d Tornwaldt 囊胞 ―――――――――上咽頭
e 囊胞性リンパ管腫(hygroma) ――後頸三角

解答:c

  •  bは頚部食道(咽頭食道移行部)に発生する仮性憩室。
ガマ腫
  • 唾液の流出障害によって生じる粘液貯留嚢胞。
  • 口腔底の舌下腺管や小唾液腺管の閉塞が原因となる。
第2鰓裂嚢胞=側頸嚢胞
  • 扁桃から舌骨レベル、側頚部上方に多い。
  • Baileyの分類 Ⅰ型:胸鎖乳突筋前縁、Ⅱ型(最多):胸鎖乳突筋前縁で頸動脈鞘側方で顎下線後方、Ⅲ型:内外頸動脈の間から内側に進展、Ⅳ型:咽頭粘膜間隙内。
Tornwaldt嚢胞
  • 上咽頭正中。成人の3%。無症状。
リンパ管腫lymphangioma
  • 胎生期の未熟リンパ組織が中枢のリンパ管に接合できず、分画されて嚢腫状に発育したと考えられる血管奇形である。
  • 70~80%のリンパ管腫は頸部、特に後頸三角部に発生する 。

 

29.
頭頸部癌の TNM 分類において T3 に該当するのはどれか。1つ選べ。
a 甲状腺癌で喉頭浸潤
b 上顎癌で前頭洞浸潤
c 上咽頭癌で頭蓋骨浸潤
d 中咽頭癌で下顎骨浸潤
e 下咽頭癌で甲状軟骨浸潤

解答:c

  • 甲状腺癌、中咽頭癌、下咽頭癌のT3 は、最大径が4cmをこえる腫瘍。
  • 上顎癌のT3は、上顎洞後壁の骨、皮下組織、眼窩底または眼窩内側壁、翼突窩、篩骨洞のいずれかに浸潤する腫瘍。
症例 50歳代男性 左上顎癌。扁平上皮癌 T3N0M0stageⅢ(眼窩底への進展あり)

sq

上咽頭癌の病期分類

上咽頭癌T分類(UICC 2009)

T1 上咽頭に限局 or 中咽頭 and/or 鼻腔進展
T2 傍咽頭間隙に進展*
T3 頭蓋底骨組織 and/or 副鼻腔に進展
T4 頭蓋内進展 and/or 脳神経・下咽頭・眼窩 or 側頭下窩・咀嚼間隙に進展

*傍咽頭間隙への進展=後外側への進展

  • T2aであった中咽頭・鼻腔進展がT1へ区分
  • T2は傍咽頭間隙進展で統一された。
  • 上咽頭癌の骨浸潤は、主に2つ。頭蓋底への直接浸潤、後方へ進展して、頸椎に進展するパターン。

※特にT2が大事
※Rosenmüller 窩への進展は傍咽頭間隙にも到達していないので、T1。

 

30.
副鼻腔真菌症について正しいのはどれか。1つ選べ。
a 前頭洞に好発する。
b 骨変化を伴うことは稀である。
c air-fluid level を呈することが多い。
d 起因菌はクリプトコッカス菌が多い。
e T2 強調像で著明な低信号を認める。

解答:e

  • 上顎洞、篩骨洞に多く発生する。
  • air-fluid level は細菌性の副鼻腔炎を示唆する所見である。
  • 起因菌はアスペルギルスが多い
副鼻腔真菌症のMRI所見
  • T2 強調像では著明な低信号を呈することが多い。その理由としては、ムチンの中に含まれる濃縮された蛋白成分とマンガンや鉄などの金属の存在が挙げられる。

 

31.
早期の血管侵襲性肺アスペルギルス症の CT 所見として正しいのはどれか。2つ選べ。
a CT halo sign
b air-crescent sign
c 気管支壁肥厚
d 小葉中心性粒状陰影
e 肺野末梢の辺縁不明瞭な結節

解答:a,e?

血管侵襲型アスペルギルス症(angio-invasive aspergillosis)

▶CT所見:

  • 単発性または多発性結節、浸潤影、胸膜面を底辺とする楔状影
  • CT halo sign : 結節周囲のすりガラス影。haloは出血を反映。早期
  • Air crescent sign : 白血球の回復により壊死組織の吸収・排出が進行し、三日月状の空洞病変が認められる。感染からの回復を示唆する所見。後期。陽性だと予後がよいとの報告あり。

 

32.
気管の原発性悪性腫瘍として頻度が高いのはどれか。2つ選べ。
a 悪性リンパ腫
b 扁平上皮癌
c 腺様囊胞癌
d 軟骨肉腫
e 平滑筋肉腫

解答:b,c

気管腫瘍
  • 悪性では扁平上皮癌(SCC)>>腺様嚢胞癌(ACC)で8割占める。

 

33.
原発性肺癌について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 長径 4 cm の原発腫瘍は T1 である。
b 対側縦隔リンパ節転移は N2 である。
c 充実性で球状のものは悪性度が低い。
d すりガラス状陰影部分が多いほど悪性度は低い。
e 転移があってもリンパ節腫大がないのは腺癌に多い。

解答:d,e

a 長径 4 cm の原発腫瘍は T2 である。
b 対側縦隔リンパ節転移は N3である。
c 充実性で球状のものは悪性度が低い。× 関係ない。

lk

N-所属リンパ節
  • NX 所属リンパ節評価不能
  • N0  所属リンパ節転移なし
  • N1  同側の気管支周囲かつ/または同側肺門,肺内リンパ節への転移で原発腫瘍の直接浸潤を含める。
  • N2  同側縦隔かつ/または気管分岐部リンパ節への転移
  • N3  対側縦隔,対側肺門,同側あるいは対側の前斜角筋,鎖骨上窩リンパ節への転移

 

34.
気胸を合併しやすいのはどれか。2つ選べ。
a 肺胞蛋白症
b 宮崎肺吸虫症
c 過敏性肺臓炎
d 肺リンパ脈管筋腫症
e アレルギー性肉芽腫性血管炎

解答:b,d

 

35.
病変が下肺に多いのはどれか。2つ選べ。
a 珪肺
b 石綿肺
c サルコイドーシス
d 非特異性間質性肺炎
e 肺 Langerhans 組織球症

解答:b,d

下肺野優位 下肺に優位なもの
  • 間質性肺炎
  • 石綿肺(アスベストーシス)
  • 肺転移

塵肺

  • 石は重い。→下肺
  • 珪肺は軽肺→上肺

 

36.
胸部外傷について正しい組み合わせはどれか。2つ選べ。
a 肺裂傷 ――――――――外傷性気瘤
b 横隔膜破裂 ――――――右側に好発
c 緊張性気胸 ――――――患側横隔膜挙上
d 上位 3 肋骨骨折 ――――動揺胸郭
e 気管気管支断裂 ――――fallen lung sign

解答:a,e

  • b.横隔膜破裂 :左側に多い。
  • c.緊張性気胸 :胸腔圧が陽圧となり、患側横隔膜の下方偏位、縦隔の対側偏位。
  • d.上位 3 肋骨骨折 :動揺胸郭は、下位 3 肋骨の同一肋骨に 2 カ所以上の骨折時に見られる。
  • e. fallen lung signは気管気管支断裂で起こる。画像はこちら

 

37.
悪性でも見られる肺結節の石灰化はどれか。2つ選べ。
a 点状
b 層状
c 偏心性
d 中心性
e ポップコーン様

解答:a,c

石灰化のパターンからの良悪性
  • 良性:中心性、層状、びまん性、ポップコーン状
  • 悪性:点状散在性、偏心性

 

38.
肺葉内肺分画症について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 男性に多い。
b 通常成人で発見される。
c 独自の胸膜を持たない。
d 還流静脈は大循環である。
e 90% 以上が右側にみられる。

解答:b,c

  • a 男性=女性
  • b ○ 半数は成人で発見される。肺葉外肺分画症は新生児発見が多い。
  • c  ○ 肺葉外肺分画症は独自の胸膜で包まれる。
  • d × 還流静脈は肺静脈である。
  • e × 約 60%は左下葉の後方に見られ、約 40%が右側の同部位に生じる。
肺葉内分画症 肺葉外分画症
内:外の頻度 3 1
左右差
最も多いのはどこか。 左S10
栄養動脈 大動脈あるいはその分枝 大動脈あるいはその分枝
還流静脈 肺静脈 奇静脈
独自の胸膜を持つ? ×
合併感染 ×
合併奇形 ×
いつ発見される? 半数は大人。 新生児発見が多い。

 

39.
胸部 X 線写真上,気管支周囲の肥厚像(peribronchial cuffing)を呈するのはどれか。2つ選べ。
a 肺水腫
b 肺出血
c 肺胞蛋白症
d 大葉性肺炎
e 癌性リンパ管症

解答:a,e

  • 広義リンパ路病変を選べと言う問題。
二次小葉のシェーマ
  • 黄色いところはすべてリンパ路あり。ここに病変が起こると広義リンパ路病変。

lympho0

広義リンパ路病変

lympho1

  • リンパ増殖性疾患(MALT lymphoma、多中心性Castleman diasease(LIPと画像は同じ)、LIPなど)
  • 癌性リンパ管症
  • 珪肺
  • サルコイドーシス
  • アミロイドーシス
  • ウイルス、カポジ
  • COP(BVBに沿った分布より)
  • RA,Sjogrenに伴う膠原病肺
  • IgG4関連肺疾患

 

40.
リンパ管周囲分布(perilymphatic distribution)を呈するのはどれか。1つ選べ。
a 肺結核
b 血行性肺転移
c 転移性石灰化
d サルコイドーシス
e アレルギー性気管支肺アスペルギルス症

解答:d

  • 結核、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症は経気道性。
  • 血行性肺転移・転移性石灰化や粟粒結核は血行性でランダム分布。
サルコイドーシスのCT所見

sarcoidosislympho

 

41.
被虐待児症候群(battered child syndrome)の画像所見として頻度が低いのはどれか。1つ選べ。
a 硬膜下血腫
b 消化管穿孔
c 頭蓋骨骨折
d 眼窩吹き抜け骨折
e 時相の異なる全身の多発骨折

解答:d

  • b:腹部では小腸の損傷が最多。

参考)放射線科専門医頻出問題 診断【小児科】

 

42.
Wilms 腫瘍が合併する頻度が高いのはどれか。2つ選べ。
a 第 4,5 中手骨短縮
b 無虹彩症
c 片側肥大症
d 皮膚の café-au-lait spots
e 脳の血管芽細胞腫

解答:b,c

  • a 第 4,5 中手骨短縮は偽性副甲状腺機能亢進症に見られる。
  • d 皮膚の café-au-laitspotsは神経線維腫症1型(NF-1)に見られる。
  • e 脳の血管芽細胞腫はVon-Hippel-Lindau病に見られる。

 

43.
年齢と X 線写真の所見との組み合わせで病的なのはどれか。1つ選べ。
a 生後 3 時間 ―――直腸内ガスの欠如
b 生後 12 時間 ――胃小腸内ガス
c 乳 児 ―――――腸腰筋陰影同定不良
d 乳 児 ―――――両側上顎洞含気不良
e 2 歳児 ―――――大泉門開存

解答:e

  • 大泉門は生後 1 年半〜 2 年かかる。小泉門は3ヶ月。
消化管のガス
  • 生後 1 時間→小腸
  • 3~4 時間→盲腸
  • 11 時間→S 状結腸
  • 上顎洞は7歳頃より発達する。

 

44.
小児の原発性心臓腫瘍の中で頻度が高いのはどれか。1つ選べ。
a 線維腫
b 奇形腫
c 粘液腫
d 血管腫
e 横紋筋腫

解答: e

心臓腫瘍
  • 小児では9割が横紋筋腫(うち5割は結節性硬化症に合併)。>>奇形腫、線維腫、血管腫
  • 成人では5割が粘液腫。心房中隔から発生し、茎を有する。

 

45.
陳旧性心筋梗塞患者における心筋バイアビリティ評価に有用な検査はどれか。2つ選べ。
a 冠動脈 CTA
b 造影 MRI 遅延相
c 心筋 FDG-PET
d X 線冠動脈造影
e ピロリン酸心筋シンチグラフィ

解答:b,c

  • a,cは冠動脈の評価に有用。
  • eは急性期心筋梗塞の診断に有用。

 

46.
急性大動脈解離の CT 診断として誤っているのはどれか。1つ選べ。
a 90% 以上で動脈瘤が見られる。
b 剥離内膜の同定は診断上特異性が高い。
c 真腔の狭小化は,拡大した偽腔の圧排による。
d 大動脈基部の評価には,心電図同期 CT が有用である。
e 血栓閉塞型大動脈解離の単純 CT で,血栓化偽腔は高吸収域を示す。

解答:a

参考)偽腔閉鎖型大動脈解離の画像診断

 

47.
マンモグラムで spiculation を呈すのはどれか。2つ選べ。
a 硬癌
b 過誤腫
c 線維腺腫
d 放射状瘢痕
e 乳管内乳頭腫

解答:a,d

b,c,eはいずれも境界明瞭。

spiculationを呈する腫瘤

悪性
  • 硬癌
  • 浸潤性小葉癌
良性病変
  • 放射状瘢痕
  • 硬化性腺症
  • 術後scar
  • 脂肪壊死

 

48.
マンモグラフィ診断の基本的事項として誤っているのはどれか。1つ選べ。
a シャーカステンは通常より暗いものを使用する。
b 中心透亮性石灰化は良性である。
c 乳頭が側面を向いているのが良い。
d 乳腺組織は妊娠期から授乳期に最多となる。
e 一方向のみの撮影では MLO(medio lateral oblique)view にする。

解答:a

マンモグラフィー
  • 管電圧:20-30kVp(胸部X線より低圧撮影)
  • 自動露出制御(AEC)の機能あり。
  • 散乱線除去(被ばく低減)のためにグリッドを使用。
  • 高輝度シャーカステン必要。5M以上のモニタで読影。
  • 基本撮影方向:

①MLO(mediolateral oblique:内外斜位方向):斜めから撮影。1枚で最も広く描出できる。
他、ML(mediolateral:側方方向)、CC(craniocaudal:頭尾方向)の撮影あり。

②主訴が片側でも両側撮影する。
③検診では、40代はMLO,CCの2方向。50歳以上はMLOの1方向。
④診療では、MLO,CCの2方向→拡大スポット像などを撮影する。

症例 59 歳の女性。マンモグラフィにて異常を指摘された。

mammo2006年放射線科診断専門医試験問題40番より引用。

右の乳房にMLOにて中部〜上部(AC領域いずれか)の深部、CC像にて内側(AB領域いずれか)に微細な石灰化を認める。→これから石灰化の位置はA領域とわかる。石灰化は、乳房深部から乳頭方向へ向かう分布で区域性を示している。多形性・区域性の石灰化でカテゴリー5と考えられる。

石灰化の良悪性

明らかな良性石灰化
  • 皮膚、血管、線維腺腫、乳管拡張症、円形、中心透亮性、石灰乳、縫合部、異栄養性→これらは、カテゴリー1もしくは2に相当。
良悪性の鑑別を有する石灰化
  • 形状と分布により判定。これらを組み合わせる。
  • 形状:微小円形<淡く不明瞭<多形性<微細線状 とより悪性。
  • 分布:びまん性<集簇性<区域性 とより悪性。

 

49.
Seldinger 法による鼠径部動脈穿刺について正しいのはどれか。1つ選べ。
a 穿刺部位は,大腿骨頚部レベルとする。
b 動脈前後壁を貫通する穿刺は禁忌である。
c 大腿動脈の左右両側を指で固定しての穿刺は禁忌である。
d 大腿骨頭レベルでは静脈の外側を動脈が走行する。
e ガイドワイヤー挿入がスムーズであれば,透視での確認は不要である。

解答:d

  • 大腿動脈の内側を静脈は走行する。
  • 穿刺部位は鼠径靭帯の数センチcm尾側であり、大腿骨頭中央レベルで行う。

 

50.
IVR の X 線透視システムでの被検者および術者の被曝を低減するための方法として誤っているのは どれか。1つ選べ。
a 透視時間を短縮する。
b X 線管焦点と被検者間の距離を離す。
c 蛍光増倍管と被検者間の距離を離す。
d 管球前面に付加フィルターを装着する。
e パルス透視機能のパルスレートを減らす。

解答:c

  • 蛍光増倍管と被検者の距離を離すと、被検者および術者の被ばく量は増加する。

 

51.
造影剤によるアナフィラキシーショックに対し,最初に行うべき処置はどれか。1つ選べ。
a ステロイド静注
b アトロピン筋注
c アドレナリン筋注
d 心電図モニターの準備
e パルスオキシメーターの装着

解答:c

参考)アナフィラキシーへの初期対応

 

52.
バリウムによる胃 X 線検査の合併症として頻度が低いのはどれか。1つ選べ。
a 便秘
b 胃穿孔
c 蕁麻疹
d イレウス
e 誤嚥性肺炎

解答:b→c

2018/03/04追記

答えはbの胃穿孔になってますが、レジデントセミナー2017の「消化管・腹壁・腹膜」では「消化管X線造影剤」と題するスライドに「硫酸バリウムの合併症に消化管穿孔」と記載があり「蕁麻疹の生じる頻度は極めて低い」とあります。

レジデントセミナーの講義に則ると(52)はcのような気がしますがいかがでしょうか?

ラム先生ありがとうございます!!

 

53.
Barrett 食道について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 食道腺癌のリスクが高い。
b 中部食道に見られやすい。
c 食道二重造影では診断できない。
d 慢性逆流性食道炎が原因である。
e 食道裂孔ヘルニアとの関連は乏しい。

解答:a,d

Barrett食道
  • 本来食道は扁平上皮に覆われているが、慢性的な逆流性食道炎があると、食道粘膜が円柱上皮に置き換わり、これをBarrett食道という。
  • 10%に腺癌を生じるといわれるため、十分な経過観察が必要。

 

54.
大腸疾患と X 線造影像との組み合わせで正しいのはどれか。2つ選べ。
a 大腸結核 ―――――――中毒性巨大結腸
b 偽膜性腸炎 ――――――炎症性ポリープ
c 虚血性大腸炎 ―――――拇指圧痕像
d 潰瘍性大腸炎 ―――――敷石状粘膜
e 大腸 Crohn 病 ――――縦走潰瘍

解答:c,e

  • 中毒性巨大結腸は、潰瘍性大腸炎。
  • c 虚血性大腸炎―拇指圧痕像 ○
  • d 敷石状粘膜はCrohn病。
  • e 大腸 Crohn病は右側結腸に多く、病変は非連続性(skip lesion)、区域性で、敷石像や縦走潰瘍の他、腸管狭窄や瘻孔などが見られる。
特徴 潰瘍性大腸炎 Crohn病
病変分布 連続性 非連続性
左右差 対称性 非対称性
Fat halo sign 大腸 小腸
結腸病変の分布 左側から全体 右側から全体
直腸病変 あり ほぼなし
バウヒン弁 開存 狭窄
小腸病変 回腸遠位のみ 小腸のあらゆる部位
回腸末端病変 Backwash ileitis String sign
脂肪増生 直腸周囲 腸間膜
結腸周囲線状影 ほぼなし しばしばあり
リンパ節腫大 なし 常にあり
瘻孔 なし あり
狭窄 あり よりあり
膿瘍 あり よりあり
中毒性巨大結腸症 よりあり あり

 

55.
肝血管腫について誤っているのはどれか。1つ選べ。
a 脳血管腫と比べて出血は少ない。
b 超音波検査では高エコーを呈する。
c MRI の T2 強調像では著明な高信号を呈する。
d ダイナミック CT 遅延相では,正常肝より低吸収となる。
e 早期から全体が濃染するタイプは A-P shunt を伴うことが多い。

解答:d

b:超音波検査では高エコーを呈する。○

※体位変換や圧迫、呼吸止めなどによって、腫瘤内部のエコーレベルの変化を認めるときがあり、これはカメレオンサイン(chameleon sign)といい、肝血管腫特有の特徴である。

d:ダイナミック CT 遅延相で、正常肝と等~高吸収を呈する。早く抜けるものならば低吸収となることもあるが、一般的ではない。

 

56.
肝細胞癌のリスクファクターになりにくいのはどれか。1つ選べ。
a 糖原病
b 日本住血吸虫症
c Budd-Chiari 症候群
d 原発性ヘモクロマトーシス
e 非アルコール性脂肪性肝炎

解答:a

  • 糖原病は腺腫のリスクファクターらしい。ただし、肝細胞癌のリスクファクターにもなりうる。この中でなりにくいのを選ぶならこれ。
日本住血吸虫症
  • 中間宿主のミヤイリガイの撲滅により、日本では新規患者はいない。
  • セルカリアの虫卵が門脈枝を塞栓→門脈圧亢進→肝硬変→肝細胞癌

 

57.
MRI の T1 強調像で高信号を呈することが最も少ないのはどれか。1つ選べ。
a 肝細胞癌
b 胆管過誤腫
c 感染性肝囊胞
d 肝血管筋脂肪腫
e 悪性黒色腫肝転移

解答:b

  • 胆管過誤腫(hamartoma) はvon Meyenburg complexとも呼ばれ、胆管の拡張の集簇なので、T1WIでは低信号、T2WIでは高信号となるのが一般的。

※peribiliary cystは中枢側。hamartomaは末梢まで嚢胞状高信号あり。

  • 感染は蛋白濃度が上昇するから、肝血管筋脂肪腫は脂肪を含有するから、悪性黒色腫の転移はメラニンを有するからそれぞれ、T1WIで高信号となる。

 

58.
Gd-EOB-DTPA について誤っているのはどれか。1つ選べ。
a 肝細胞に取り込まれる。
b 大部分は胆汁中に排泄される。
c 肝腫瘍の血流評価が可能である。
d 肝腫瘤と偽病変との鑑別に有用である。
e 肝細胞相で高信号となる肝細胞癌は中分化であることが多い。

解答:b

  • 肝細胞相で高信号となる肝細胞癌は一般的には高分化肝癌が多い。2014/8/15 某大学病院O先生より指摘あり修正。
green hepatoma
  • 胆汁産生を認めるが、排泄が未熟な肝細胞癌。
  • なので肝細胞相でdefectされず、高信号になる。
  • 中分化肝細胞癌に多いとされる。9割。
EOB・プリモビスト
  • MRI用肝細胞特異性造影剤
  • マグネビスト(Gd-DTPA)にethoxybenzyl基が結合。
  • 一般名:ガドキセト酸ナトリウム

 

  • 60%は腎臓に排泄されるが、40%は各種トランスポーターにより肝細胞に取り込まれ、胆汁として(胆道系に)排泄される=肝細胞・胆道系特異性造影剤である。

→Gd-DTPAと同様にdynamicMRIができる(血管内から細胞外液腔に達する)だけでなく、(10~)20分後に肝細胞から胆管が選択的に造影される(肝細胞相hepatobiliaryphase:HBP)、つまり血流評価だけでなく、肝細胞機能の両者を併せて評価できる1粒で2度美味しい造影剤である。高分化肝癌早期肝癌に対する有用性が最も期待されている。

 

59.
胆囊動脈から栄養される頻度が最も高い肝区域はどれか。1つ選べ。
a S1
b S4
c S5
d S6
e S8

解答:b?→c

肝内亜区域末梢の稀な破格としては、S5を栄養する動脈枝の一部が胆嚢動脈から分岐するものが比較的高頻度 に観察され、肝動脈塞栓術などに際して重要である。画像診断とIVRのための腹部血管解剖

ちぇるしぃ先生ありがとうございます!

 

60.
肝腫瘍に対する持続動注用カテーテル留置術において血流改変の対象とならないのはどれか。1つ選べ。
a 胆囊動脈
b 右胃動脈
c 副左胃動脈
d 置換右肝動脈
e 胃十二指腸動脈

解答:a

  • 右胃動脈、副左胃動脈、胃十二指腸動脈は消化管へ抗癌剤を流さないため、血流改変を行うことあり。
  • 置換右肝動脈は肝への血流を一本化するため、血流改変を行うことあり。

 

61.
原発性硬化性胆管炎に合併しやすいのはどれか。2つ選べ。
a 胆管癌
b 胆囊結石
c 炎症性腸疾患
d 自己免疫性膵炎
e 膵胆管合流異常症

解答: a,c

PSC
  • 原因不明の胆管の慢性炎症性疾患で、胆嚢壁の線維性肥厚とそれに伴う胆管内腔の狭窄を来す疾患。
  • 10-15(6-30)%に胆管癌を合併するとされる。(PSCは胆管癌、PBCはHCCの発生母地)。
  • 54-100%に炎症性腸疾患を合併、特に潰瘍性大腸炎の合併(その90%)が多いとされるが、通常のUCとは違い右側結腸での症状が顕著となる。その10%にはCrohn病を合併するとされる。

 

62.
膵粘液性囊胞性腫瘍について正しいのはどれか。1つ選べ。
a 中年男性に好発する。
b 星芒状石灰化が見られる。
c 膵頭部に発生することが多い。
d 通常は主膵管との交通は認めない。
e 膵管がブドウの房のように拡張するのが特徴的である。

解答:d

  • 星芒状石灰化は漿液性嚢胞性腫瘍(SCN)で認めることがある所見。
  • 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)では膵管がブドウの房のように拡張するのが特徴的。

 

63.
膵腫瘍において悪性化の頻度が最も低いのはどれか。1つ選べ。
a Langerhans 氏島腫瘍
b 漿液性囊胞性腫瘍(SCN)
c 粘液性囊胞性腫瘍(MCN)
d solid pseudopapillary neoplasm(SPN)
e intraductal papillary mucinous neoplasm(IPMN)

解答:b

  • SPNは低悪性。

 

64.
自己免疫性膵炎について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 予後不良である。
b 膵炎症状に乏しい。
c 若年女性に好発する。
d 主膵管拡張像が見られる。
e ソーセージ様膵腫大を呈することが多い。

解答:b,e

自己免疫性膵炎
  • 50-60歳代の男性に多い。
  • 閉塞性黄疸(最多)、上腹部痛、背部痛、体重減少、糖尿病発症などの症状を呈し、膵癌の臨床像に類似する。膵炎の症状ではない。
  • 主膵管狭細像(1/3以上の範囲)を認める。
  • びまん性あるいは限局性膵腫大(膵表面の凹凸が消失し、sausage-like appearanceと呼ばれる)。

 

65.
分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍において悪性を疑う所見はどれか。2つ選べ。
a 主膵管拡張
b 粗大石灰化
c 膵尾部発生
d 壁在結節の存在
e 主膵管との連続性

解答:a,d

IPMNの悪性所見
  • 嚢胞が3cm以上
  • 主膵管拡張が5mm以上
  • 壁在結節

 

66.
内・外鼡径ヘルニアの鑑別に重要な血管はどれか。1つ選べ。
a 閉鎖動脈
b 外腸骨動脈
c 下腹壁動脈
d 内陰部動脈
e 浅腸骨回旋動脈

解答:c

hernia

 

67.
女性付属器疾患について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 卵巣茎捻転では子宮が健側に偏位することが多い。
b 卵巣腫瘍に比べて内膜症性囊胞の捻転の頻度は低い。
c 卵管妊娠において卵管壁に造影効果を見ることはまれである。
d 黄体囊胞の破裂は性交の刺激が誘引となって生じることが多い。
e 子宮外妊娠における急性期血腫は T2 強調画像で高信号に描出される。

解答:b,d

  • a: 患側に偏位する。
  • b: 内膜症性嚢胞は癒着が強いので捻転しにくい。
  • e: 急性期の血腫は、T2WIで低信号(ネズミ色) 。

 

68.
腹膜偽粘液腫の原発巣として頻度が高いのはどれか。1つ選べ。
a 胃
b 結腸
c 虫垂
d 子宮
e 卵巣

解答:c

腹膜偽粘液腫
  • 以前は卵巣粘液性嚢胞腺癌あるいは境界悪性腫瘍の破裂と考えられていた。しかし、現在は虫垂が原発で卵巣腫瘍は虫垂からの転移と考えられている。

 

69.
前立腺癌の MRI について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 一般に拡散係数が上昇する。
b T2 強調像で一般に高信号を示す。
c 移行帯に発生する病変は検出しやすい。
d 精囊浸潤の評価には造影が有用である。
e 前立腺生検直後は腫瘍の局在診断が困難である。

解答:d,e

  • みかけの拡散係数である ADC 値は低下。
  • 生検直後は出血が混在して評価困難。できるだけ生検前にMRを撮影する。

 

70.
疾患と好発する病変との組み合わせで正しいのはどれか。2つ選べ。
a 神経線維腫症 I 型 ――――――悪性末梢神経腫瘍
b 結節性硬化症 ――――――――腎細胞癌
c von Hippel-Lindau 病 ――――血管筋脂肪腫
d Osler-Weber-Rendu 病 ――――肺動静脈瘻
e Sturge-Weber 病 ――――――肝血管腫

解答:a,d

  • 結節性硬化症は、腎血管筋脂肪腫(AML)。
  • von Hippel Lindau病は、腎細胞癌。
悪性末梢神経鞘腫瘍(Malignant peripheral nerve sheath tumor)
  • 約半数はNF1から発生する。
  • 直径5cm以上で周辺組織への浸潤を認める。
  • 出血や壊死、石灰化を伴う事が多い。
  • 血行性転移はあるが、リンパ節転移はまれ。
  • 放射線治療後に発生しうる。

 

核医学(71-85)

71.
組み合わせとして誤っているのはどれか。1つ選べ。
a 99mTc-HMPAO ―――――――脳血液プールシンチグラフィ
b 99mTc-MAA ―――――――――肺血流シンチグラフィ
c 99mTc-MAG3―――――――――腎動態シンチグラフィ
d 99mTc-MIBI ―――――――――心筋血流シンチグラフィ
e 99mTc-PMT ―――――――――肝胆道シンチグラフィ

解答:a

  • 99mTc-HMPAOは脳血流プールシンチではなく、脳血流シンチ。
脳血流シンチは3種類
  • 123I-IMP
  • 99mTc-HMPAO
  • 99mTc-ECD

 

72.
次の核医学検査のうち注射から撮像開始までの時間が最も長いのはどれか。1つ選べ。
a 201Tl-Cl 腫瘍シンチグラフィ
b 99mTc-MDP 骨シンチグラフィ
c 67Ga-citrate 腫瘍シンチグラフィ
d 99mTc-ECD 脳血流シンチグラフィ
e 99mTc-tetrofosmin 心筋血流シンチグラフィ

解答:c

  • a 201Tl-Cl 腫瘍シンチグラフィ 15 分後と 3 時間後
  • b 99mTc-MDP 骨シンチグラフィ 2~3 時間後以降
  • c 67Ga-citrate 腫瘍シンチグラフィ ○ 48~72 時間後。ガリウムシンチは金曜日注射して月曜日撮影する!
  • d 99mTc-ECD 脳血流シンチグラフィ 5 分後以降
  • e 99mTc-tetrofosmin 心筋血流シンチグラフィ 15 分後以降

 

73.
陽電子放出核種でないのはどれか。1つ選べ。
a 11C
b 13N
c 15O
d 18F
e 99mTc

解答:e

陽電子(ポジトロン)放出核種=PET核種はどれかという問題。

  • 11C 半減期20分
  • 13N 半減期10分
  • 15O 半減期2分
  • 18F 半減期110分
  • 99mTc × ガンマ線放出核種

 

74.
18F-FDG PET 全身像において生理的集積と考えにくいのはどれか。1つ選べ。
a 褐色脂肪
b 副腎集積
c 尿管内集積
d 排卵期の子宮内膜
e 左右差の無い口腔内集積

解答:d

  • 月経期の子宮内膜ならば生理的集積。

 

75.
99mTcO4 -を用いたシンチグラフィが良い適応となるのはどれか。2つ選べ。
a Meckel 憩室
b Parkinson 病
c Sjögren 症候群
d Hodgkin リンパ腫
e Dubin-Johnson 症候群

解答:a,c

a Meckel憩室 ○ メッケル憩室部に集積する。
c Sjögren症候群 ○ 唾液腺シンチを行う。

99mTcO4-
  • 各種腺組織に集積する。
  • 甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、甲状腺腫瘍。
  • 唾液腺機能。
  • 異所性胃粘膜(Meckel憩室)
  • ただし、trappingされるだけで、ホルモンを作っているか(機能性)かはわからない。

 

76.
核医学検査の特徴として正しいのはどれか。2つ選べ。
a 時間分解能が高い。
b 副作用はきわめて少ない。
c 腫瘍の性状診断ができる。
d 小さい病変の検出ができる。
e 物理的半減期までに撮像する必要がある。

解答:b,c

  • 1/実効半減期=1/物理的半減期+1/生物的半減期….ただし実際、遅延像などでは、半減期を超えて撮像される。

 

77.
疾患と脳血流 SPECT 所見との組み合わせで誤っているのはどれか。1つ選べ。
a Pick 病―――――――――――前頭葉・側頭葉の血流低下
b 進行性核上性麻痺 ――――――側頭葉の血流低下
c びまん性 Lewy 小体病 ――――後頭葉の血流低下
d Alzheimer 病 ――――――――後部帯状回・楔前部の血流低下
e 大脳皮質基底核変性症 ――――非対称性の前頭葉・側頭葉の血流低下

解答:b

  • これは覚えるしかない。

 

78.
びまん性 Lewy 小体病と Alzheimer 病との鑑別に役立つシンチグラフィ製剤はどれか。1つ選べ。
a 201Tl-Cl
b 123I-MIBG
c 123I-BMIPP
d 99mTc-PYP
e 67Ga-citrate

解答:b

  • まず語句の整理。パーキンソン病(PD)、PDD、DLBはLewy小体病(Lewy body disease:LBD)として同じスペクトラムの疾患と考えられている。
  • そしてパーキンソン病や DLB では、MIBG の心筋集積が著明に低下し、AD との鑑別に有用である。

 

79.
負荷心筋 SPECT において虚血があると診断される所見はどれか。1つ選べ。
a 負荷時 ――集積低下,安静時――――集積低下
b 負荷時 ――正常,安静時――――――集積低下
c 負荷時 ――集積低下,安静時――――集積はさらに低下
d 負荷時 ――集積低下なし,安静時――集積低下なし
e 負荷時 ――集積低下,安静時――――集積改善

解答:e

e 負荷時 ―集積低下,安静時―集積改善は再分布(fill-in)を意味し、虚血を示す。

負荷-安静検査の心筋SPECTパターン
  • 負荷で集積低下の後、安静にて、

①改善=完全再分布=「誘発虚血
②一部改善=不完全再分布=「梗塞と虚血の混在」
③不変=固定制欠損=「梗塞」
④さらに低下=逆再分布=「再灌流後、正常と異常の心筋の混在」

を意味する。

 

80.
負荷心筋シンチグラフィにおいてアデノシンが使用禁忌となるのはどれか。1つ選べ。
a 糖尿病
b 脳梗塞
c 肝硬変
d 気管支喘息
e 慢性腎不全

解答:d

負荷の原理と方法

①運動負荷、ドブタミン負荷→HR、BP、心筋酸素消費量増加→心筋虚血
アデノシン、ジピリダモールによる薬剤負荷→冠血管拡張による血流増加→冠予備能

をチェックできる。

薬剤負荷の注意点
  • 負荷12時間前からカフェイン摂取はダメ。
  • 気管支喘息患者はダメ。

 

81.
18F-FDG PET において著明な集積亢進を示しやすいのはどれか。2つ選べ。
a 大腸癌
b 前立腺癌
c 肝細胞癌
d 悪性リンパ腫
e 細気管支肺胞上皮癌

解答:a,d

偽陰性になりやすい腫瘍
  • GGOを呈する肺腫瘍
  • 高分化型肝癌、腎癌(脱リン酸化酵素活性が上がっているから)
  • 前立腺癌
  • サイズの小さいもの

 

82.
肺シンチグラフィにおいて換気・血流ミスマッチ所見を示すのはどれか。2つ選べ。
a 気管支結石
b 気管支喘息
c 高安動脈炎
d 慢性気管支炎
e 急性肺血栓塞栓症

解答:c,e

  • 換気に比して血流が優位に低下している場合をミスマッチ所見といい,血管性病変の存在が示唆され、つまり、「血管性病変を選びなさい」という問題。

 

83.
骨シンチグラフィにおいて転移巣に異常高集積を示しにくい原発巣はどれか。1つ選べ。
a 腎癌
b 乳癌
c 肺癌
d 胃癌
e 前立腺癌

解答:a

  • 骨シンチが弱いのは骨融解性病変。骨硬化には強い。PETより強い。
溶骨性の骨転移

たじ(ま)ようこ こか(いん)
多腎  溶骨 甲肝

  • 多発性骨髄腫
  • 腎癌
  • 甲状腺癌
  • 肝癌

 

84.
腎皮質シンチグラフィが良い適応となるのはどれか。1つ選べ。
a 腎不全
b 多発性骨髄腫
c 多発性腎囊胞
d 膀胱尿管逆流症
e 急性進行性腎炎

解答:d

  • 上部尿路感染によって腎瘢痕をきたすことがある。腎瘢痕の検出は超音波よりも腎皮質シンチグラフィが優れている。腎静態シンチグラフィを用いる。
腎静態シンチ
  • 99mTc-DMSAを用いる。
  • 急性腎盂腎炎、腎瘢痕の検出に有用。
  • 近位尿細管アシドーシスの評価にも用いる。

 

85.
内照射療法に用いられる放射性同位元素はどれか。2つ選べ。
a 99mTc
b 131I
c 89Sr
d 123I
e 201Tl

解答:b,c

放射線内用療法=β線を出すもの。
  • 131I:バセドウ病、甲状腺分化癌
  • 89Sr(ストロンチウム):骨転移による骨痛除去
  • 90Y(イットリウム):CD20陽性悪性リンパ腫

 

治療(86-100)

86.
放射線治療計画における標的体積について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 照射毎の設定誤差は臨床標的体積(CTV)に含まれる。
b 腫瘍の体内での動きは内的標的体積(ITV)に含まれる。
c 術後再発予防照射では肉眼的腫瘍体積(GTV)を設定する。
d 画像で腫瘍が存在する範囲は臨床標的体積(CTV)である。
e 照射野は計画標的体積(PTV)にマージンをとって設定する。

解答:b

  • GTV<CTV<ITV(=CTV+IM)<PTV(=ITV+SM) <MLC

 

87.
総線量が同じ時,組織耐容線量を低下させる照射法はどれか。2つ選べ。
a 線量率を低くする。
b 1 回線量を多くする。
c 分割回数を多くする。
d 照射期間を長くする。
e 照射野を大きくする。

解答:b,e

 

88.
放射線の皮膚への影響として照射後最も早期に発生するのはどれか。1つ選べ。
a 潰瘍
b 紅斑
c 脱毛
d 角質化
e 色素沈着

解答:b

  • 紅斑は急性期合併症としては最も早期に出現する。

 

89.
早期癌に対する根治的治療として放射線治療が第一選択にならないのはどれか。1つ選べ。
a 肺癌
b 喉頭癌
c 食道癌
d 精上皮腫
e 下咽頭癌

解答:d

  • セミノーマは高位精巣摘除術後照射の適応。

スライド17

 

90.
脳腫瘍の放射線治療について正しいのはどれか。1つ選べ。
a 髄膜腫は術後照射の良い適応である。
b 髄芽腫では術後照射は生存率を向上させない。
c 胚腫では放射線治療単独で治癒は期待できない。
d 脳原発悪性リンパ腫では放射線単独治療の成績は良好である。
e 膠芽腫ではテモゾロマイド併用により放射線治療成績は向上する。

解答:e

  • 髄膜腫は全摘が基本で、放射線感受性は低い。

スライド03

 

91.
頭頸部癌について誤っているのはどれか。1つ選べ。
a 甲状腺癌は放射線感受性が低い。
b 耳下腺癌は放射線感受性が高い。
c 眼窩原発 MALT リンパ腫は放射線治療が第一選択となる。
d 頭頸部扁平上皮癌の放射線治療では治療期間は予後因子となる。
e 上咽頭癌に対する放射線治療は強度変調放射線治療の適応を考慮する。

解答: b

  • 耳下腺癌は手術が第 1 選択。
放射線感受性の高い腫瘍、低い腫瘍
  • 放射線感受性の高い腫瘍:横紋筋肉腫を除く小児悪性腫瘍、精上皮腫・未分化胚細胞腫、リンパ上皮腫、ホジキン病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など
  • 放射線感受性の低い腫瘍:奇形腫、神経膠腫、高分化腺癌、線維肉腫、骨肉腫、悪性黒色腫など

 

92.
食道癌の TNM 分類において T 因子を決めるのはどれか。1つ選べ。
a 腫瘍の長径
b 腫瘍の存在部位
c 腫瘍の浸潤程度
d 食道狭窄の程度
e 食道内 skip lesion の有無

解答:c

参考)がん情報サービス 食道がん

 

93.
食道癌に対する根治目的の化学放射線療法後の合併症として発生頻度が最も低いのはどれか。1つ選べ。
a 食道狭窄
b 胸水貯留
c 心囊水貯留
d 脊髄対麻痺
e 放射線肺臓炎

解答:d

  • 発生頻度高かったら困ります。

 

94.
肺癌の放射線治療計画として通常許容されないのはどれか。1つ選べ。
a 腰椎転移の局所照射: 30 Gy10 回
b 多発性脳転移の全脳照射: 30 Gy10 回
c 原発巣および同側縦隔照射: 60 Gy30 回
d 原発巣および両側肺門照射: 50 Gy25 回
e 肺野末梢早期肺癌の局所照射: 48 Gy4 回

解答:d

  • 根治的放射線治療では一般に対側肺門を CTV に含めない。また腫瘍制御に要する線量として肉眼的腫瘍部には 60Gy/30 回/6週以上の線量が必要。
  • つまり、50Gy/25回というのも両側肺門というのもおかしい。

 

95.
肺野末梢 I 期非小細胞肺癌に対する定位放射線治療について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 3 次元原体照射で施行する。
b IA 期と IB 期の局所制御率に差はない。
c 所属リンパ節への予防照射を行う必要がある。
d 放射線肺臓炎の程度は治療終了直後に最も強い。
e X 線のエネルギーとしては 4~6 MV の使用が推奨される。

解答:a,e

  • b:有意に IB 期の方に局所再発が多い(Radiotherapy and Oncology 94 (2010) 1–11)
  • d:照射終了後 2‐6 ヶ月に出現することが多い。
Radiation-induced pulmonary change:放射性肺臓炎、肺線維症
  • 発症時期により2大別される。

急性の放射性肺臓炎(acute radiation pneumonitis)

  • 照射終了後4-12週(6ヶ月以内)
  • 一過性

晩発性の放射性の肺線維症(late radiation fibrosis):

  • 照射終了後6-12ヶ月
  • しばしば進行

スライド07

 

96.
乳房温存療法の放射線治療について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 生存率の向上には寄与しない。
b 強皮症の患者には禁忌である。
c 妊娠 16 週以降であれば施行可能である。
d 接線照射の線源には 10 MV の X 線を使用する。
e 接線照射後にブースト照射を追加することが推奨される。

解答:b,e

  • ブースト=Boost=後押し照射。
  • 腫瘍床に対するブースト照射は乳房内再発を減少させるので有用である。(Grade B)
乳房温存療法の絶対的禁忌と相対的禁忌

絶対禁忌

  • 胸部に対する放射線治療の既往
  • 妊娠中
  • マンモグラフィで広範な微小石灰化
  • 腫瘍が大きすぎる場合、多発腫瘍
  • 切除断端が広く陽性

相対禁忌

  • 活動性の皮膚病変を有する膠原病(特に強皮症、SLE)
  • 腫瘍径が5cmを超える。
  • 部分的な断端陽性
  • 35歳以下あるいは閉経前でBRCA1/2の変異を有する。

 

97.
乳房温存術後の乳房照射において乳房内制御を不良にさせる上位因子はどれか。2つ選べ。
a 閉経前
b 35 歳以下
c Her2 強陽性
d 切除断端陽性
e ホルモン受容体陰性

解答:b,d

局所再発に関する病理組織学的因子
  • comedo型、
  • 高度核異型あるいは低分化型、
  • 切除断端陽性
患者側因子
  • 若年齢(35 歳未満)

 

98.
子宮頸癌について誤っているのはどれか。1つ選べ。
a 傍大動脈リンパ節転移は遠隔転移に分類される。
b 全骨盤照射と腔内照射の併用が根治的放射線治療である。
c 腔内照射における A 点は外子宮口を基準として算出する。
d FIGO III 期では,同時化学放射線療法が標準治療である。
e 腫瘍径の大きい FIGO I,II 期では,術前化学療法後の手術が標準治療である。

解答:e

  • 外子宮口を基準として,前額面上,子宮腔長軸に沿って上方 2cm の高さを通る垂線上で,側方に左右それぞれ 2cm の点とし,腔内照射の病巣線量の基準点に用いる。(外子宮口を基準としたA点を基準にする。)

スライド19

 

99.
前立腺癌(T3bN0M0,Gleason Score=3+5,初診時 PSA 20.2 ngdl)について正しいのはどれか。 2つ選べ。
a 内分泌療法は必要としない。
b 前立腺全摘出術の適応となる。
c 強度変調放射線治療の適応となる。
d I-125 永久挿入単独治療の適応となる。
e Ir-192 高線量率組織内照射の適応となる。

解答:c,e

※PSA の単位は通常 ng/ml。設問では 20.2ng/dl=0.202ng/ml となるので、不適当か。

  • 強度変調放射線治療 (IMRT)は限局性前立腺癌から局所進行前立腺癌まで適応となる。
  • 高線量率組織内照射の適応は局所限局性前立腺癌(T1c~T3bN0M0)で用いられる。

スライド15

 

100.
精上皮腫について正しいのはどれか。1つ選べ。
a AFP が増加する。
b 経陰囊的切除術を行う。
c 好発年齢は 10 歳代である。
d 術後照射の標的は対側精巣である。
e 術後照射の総線量は約 25 Gy である。

解答:e

  • まず高位精巣摘出術を行ない、術後に放射線照射あるいは化学療法を行なう。
  • 20~50 歳台に多く、10 歳以下はまれである。

スライド17