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食道癌の画像診断

原発巣の評価

・多くは、CTにて、限局性もしくは全周性の壁肥厚所見として描出される。

・正常の食道壁の厚さは約3mmとされており、5mmを超えると異常と考えるのが一般的 。※ただし虚脱している場合は評価困難なことあり。

・通常の造影CTにおける食道癌の検出率は、おおむね80%とされる。

・T分類の正診率は50~80%。超音波内視鏡のように壁構造を識別できないため。

食道癌診断治療ガイドライン2012年4月版、金原出版、2012

T0   原発巣としての癌腫を認めない


T1a 癌腫が粘膜内にとどまる病変(M)

T1a-EP 癌腫が粘膜上皮内にとどまる病変(Tis)
T1a-LPM 癌腫が粘膜固有層にとどまる病変
T1a-MM 癌腫が粘膜筋板に達する病変


T1b 癌腫が粘膜下層にとどまる病変(SM)
SM1 粘膜下層を3等分し、上1/3にとどまる病変
SM2 粘膜下層を3等分し、中1/3にとどまる病変
SM3 粘膜下層を3等分し、下1/3にとどまる病変


T2   癌腫が固有筋層にとどまる病変(MP)
T3   癌腫が食道外膜に浸潤している病変(AD)
T4   癌腫が食道周囲臓器に浸潤している病変(AI)


N0 リンパ節転移を認めない
N1 第1群リンパ節のみに転移を認める
N2 第2群リンパ節まで転移を認める
N3 第3群リンパ節まで転移を認める
N4 第3群リンパ節より遠位のリンパ節(第4群)に転移を認める


M0 遠隔臓器転移を認めない。
M1 遠隔臓器転移を認める。

食道癌T診断に対応するCT所見

[deco_bg image=”paper1″ width=””]T0  食道壁に病変を指摘できない

T1  部分的な壁肥厚と全層性ではない明瞭な腫瘍濃染
あるいは
壁肥厚を伴わない明瞭な腫瘍濃染
あるいは
壁肥厚と5mm以下の明瞭な腫瘍濃染

T2  5~15mmの部分的な壁肥厚を伴う全層性の腫瘍濃染(外膜面は平滑)
あるいは
周囲脂肪層内への軽度の線状影(腫瘍の広がりの1/3以内の領域),狭窄はないか軽度
T3  網状や不整な外膜面を有する壁肥厚で、深さ10mmを超える腫瘍
あるいは
周囲脂肪層内の線状影や吸収値上昇(腫瘍の広がりの1/3を超える領域)
あるいは
中等度~高度狭窄と周囲脂肪層の不明瞭化

T4 明らかな近接臓器浸潤

これをCTで評価するのはかなり困難→現状はT1〜3の鑑別はCTでは困難。

[/deco_bg]

遠隔転移の評価

・なので、外科的根治術を施行可能なT3以下と適応外となるT4症例の鑑別が大事

・食道は漿膜を持たないため、隣接臓器である大動脈、気管、主気管支、心嚢、胸膜などに浸潤を来しやすい。

・中でも大動脈と気管は合併切除が極めて困難

・左心房・肺静脈は心拍動により境界が不明瞭となることあり。

・腫瘍と臓器の間の脂肪層が保たれていれば浸潤がないといえる。しかし、消失しているだけでは浸潤ありとは判定できない。

大動脈の浸潤の評価

腫瘍との接触角>90°→陽性(浸潤あり)
長軸方向に30mm以上にわたり連続する。
大動脈の変形を伴う。
食道、大動脈、椎骨の形成する脂肪三角の消失

症例 60歳代 男性

esophageal cancer

esophageal cancer

症例 80歳代男性
esophageal-cancer1 症例 70歳代男性

esophageal-cancer2 esophageal-cancer3

気管の浸潤の評価

・腫瘍による圧排変形が目立つ場合は浸潤を疑う。
・内腔面に凹凸不整を伴えば、より浸潤の可能性が高い.
・CTによる大動脈や気管一気管支への浸潤の正診率は50~97%と幅があるが、おおむね90%程度と考えられている。

リンパ節転移の評価

・食道癌は他の消化器癌と比較し、豊富なリンパ管の発達により、早期より転移を来すことが知られている。

・T2症例でも、すでに38~60%にリンパ節転移が認められる。

・このため、胸部上部食道癌においてもNo.1(右噴門), No.2(左噴門), No.7(左胃)などの腹部リンパ節まで、また胸部下部食道癌でもNo.101(頚部食道傍), No.102(深頚, No.104(鎖骨上)などの頚部リンパ節まで注意深く観察することが重要。

・転移リンパ節のうち約1/3である 37.2%が長径5mm未満であったと報告があり、正常サイズの転移リンパ節が多いことがCT診断を非常に困難にしている。

・実際, 10mm以上を基準とした過去の報告では、CT診断の敏感度は30~60%、特異度は60~80%であり、これは食道癌の病期診断における正診率低下の大きな要因となっている。

・造影CTにおけるリング状濃染や不均一な内部構造、動脈相における早期濃染などは転移リンパ節を示唆する所見とされている。たとえ、サイズが小さくともこれらの所見が見られた場合は、転移ありと判断することが重要といえる。

・頻度が高い臓器は肝,肺,骨。

・初診時の20~30%に遠隔転移が存在。

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