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卵巣腫瘍茎捻転(ovarian torsion)

■疫学
  • 婦人科救急疾患の約3%。
  • 生殖可能な若年女性に多く見られる(20代>30代>40代)。閉経後や小児(支持組織が柔軟なため)でも起こる(17%)。
  • 通常は一側性に起こる。
  • 右:左=2:1。左側に少ない理由は、S状結腸が靭帯の癒着を防いでいるとされる。
  • 組織型としては、成熟嚢胞性奇形腫(最多)や機能性嚢胞、嚢胞性卵巣腫瘍に生じやすく、悪性腫瘍は稀。
  • 5-10cmのものの捻転の頻度が高い。(小さくても大きすぎてもねじれにくい。)
■症状 急性腹症(激烈な腹痛)捻転が徐々に起こり、軽度の下腹部痛が寛解と増悪を繰り返して慢性に経過する例もあり。
■検査 CA125やCA19-9など腫瘍マーカーが上昇することがある。
■診断 エコー、CT、MRI
■治療 外科的治療

軸捻転による血行動態

初期には卵巣間膜捻転により、静脈がうっ滞するが早期には動脈血は保たれる。子宮の患側偏位や、拡張した血管構造が患側に認められる。

・その後、腫瘤は静脈うっ滞と動脈からの血流流入によってうっ血状態となり、壁は偏心性もしくは全周性に浮腫性肥厚を呈する。静脈閉塞により出血性梗塞をきたす。

・さらに浮腫、うっ血が進行すると動脈からの血流も遮断され造影/増強効果の欠如を認める。

※腫瘤は出血性梗塞を生じ、腫瘤の辺縁や内部に出血を反映した、CTでの高吸収域やMRIのT1強調像で高信号域が認められることがある。

卵巣腫瘍捻転の画像所見

腫瘤から子宮に向かう突出(protrusion)やその近傍の拡張した血管。

・支持組織の短縮による子宮の病側への偏位

造影効果の欠如。充実性腫瘍の場合にはわかりやすいが、嚢胞性腫瘍の場合には造影効果の有無は壁や隔壁のみでしか判断できないため、丁寧に読影する。

・腫瘍内や嚢胞内への出血。

T1WIでhigh intensity rim(出血性梗塞を示唆)。

・正常卵巣実質の浮腫性変化:massive ovarian edema→静脈性のうっ滞。

正常卵巣の茎捻転

・基礎疾患のない正常の卵巣も茎捻転をきたしうる。

・正常卵巣が可逆的に不全捻転を繰り返すと腫大する。これをmassive ovarian edemaといい、腫大した卵巣は水分の増加を反映してT2強調像で高信号となる

症例 30歳代女性  

massiveovarianedema1massiveovarianedema2

[colored_bg color=”light‐blue” corner=”sq”]右卵巣は腫大し、T2WIにて淡い高信号を呈している。辺縁部には拡張した既存の卵胞の配列あり。T1WIではやや高信号、造影にて造影効果あり。[/colored_bg]

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