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PRES(posterior reversible encephalopathy syndrome:可逆性後部白質脳症症候群)とは?

■疫学
  • 可逆性の脳症。
  • 急激な血圧上昇による血管透過性亢進や血管内皮細胞障害などによって、血管性浮腫→血管攣縮を生じるためとされている。
  • 血圧自己調節能の低い(VA-BA系はICA系より交感神経の分布が少ない)椎骨、脳底、後大脳動脈、穿通枝領域に病変を生じやすい。
  • 70-80%と高頻度に高血圧を伴う。
  • 非可逆性変化へ至ることも比較的見られる。
  • reversible posterior leukoencephalopathy syndrome(RPLS)とも呼ばれる。
■症状
  • 頭痛で発症し、数日の経過で意識状態の悪化、痙攣、視力障害、皮質盲、麻痺など。痙攣や昏睡に至ることもある。
  • 降圧などによって後遺症を残すことなく回復することが多い。
■原因 高血圧性脳症の他、前子癇/子癇、免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス)、腎血管性高血圧、尿毒症性脳症、HUS、TTP、インターフェロンアフラなどの薬剤、低Na血症など。

PRESの画像所見は?

 画像所見
MRI
  • 頭頂後頭葉の皮質・皮質下に好発する血管性浮腫を本態とする疾患。U-fiberが侵される。
  • 後頭葉以外に前頭・側頭葉、脳幹・小脳にも病変を認めたり、後頭蓋窩のみに病変が限局することもある。
  • 15-20%で脳実質内出血とくも膜下出血合併。脳実質内出血は小さな点状あるいは斑状の出血が多発することが多い。多くは大脳円蓋部に見られる。
  • 11-26%でADCが低下する。
MRI T2WI DWI
後頭葉優位の皮質下白質や基底核を中心に高信号域を認める。左右対称分布が多く、出血や増強効果を伴いうる。 等信号。高信号を呈することがあるが、T2 shine throughによるもの。ADCは上昇

MRAで一過性の狭窄像が描出される可能性あり。

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PRESの3つの分布のパターン(Bartynskiら)

  1. holohemispheric watershed pattern:血管枝配域に沿った分布を示すタイプ。
  2. superior frontal sulcus pattern:1)に似るが、より上前頭回の障害が目立つタイプ。
  3. dominant parieto-occipital pattern:古典的な頭頂後頭葉の皮質・皮質下が障害されるタイプ。

・これらの3タイプの発生頻度は20%程度でほぼ同じ。他、基底核、脳幹部、大脳深部白質、脳梁にも病変が生じる(それぞれ10%程度)。

症例 50歳代男性 徐々に意識障害をきたしたため来院した。血圧 204/150 mmHg

PRES2007年放射線科診断専門医試験問題10より引用

橋が腫大しており、T2強調像やFLAIR像で軽度の高信号を示している。DWIでは明らかな高信号なし。やや高信号?血圧も高く、PRESに矛盾しない所見。
動画で学ぶPRES(高血圧による)
FLAIRで小脳半球、右側後頭葉の皮質〜皮質下白質に高信号あり。DWIは異常なし。ADCは上昇する典型的なPRES。(降圧により症状軽快、MRで消失)

▶キー画像

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