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2017年に実際に専門医試験を受けられて合格されたペンネーム

の先生方に解答作成を手伝っていただきました。ありがとうございました。

解答ここはこうじゃないかなどございましたら、一番下のコメント欄に記載いただければ幸いです。

基礎(1-15)

1,加速過分割照射で使われている分割線量(1 回線量)はどれか。1 つ選べ。

a 1.0 Gy
b 1.5 Gy
c 2.0 Gy
d 2.5 Gy
e 3.0 Gy

1,正解:b

2,LQ モデルで,1 回の照射線量を d,照射回数を n とした場合,照射効果を表す式はどれか。1 つ選べ。

a n(α + βd)
b n(αd+ βd)
c n(αd+ β2d)
d n(αd+ βd2
e n(d+ α/βd2)

2,正解:d

関連)被ばく線量に応じた細胞の反応にかかわる諸モデル

3,半数致死線量を照射した場合に最も起こりやすいのはどれか。1 つ選べ。

a 骨髄死
b 心臓死
c 腸管死
d 肺臓死
e 中枢神経死

3,正解:a

  • 半数致死線量はヒトでは約4Gyとされています。
  • 1桁→骨髄死 2桁→腸管死 3桁→中枢神経死
  • 過去問で問われた知識の組み合わせ問題でした。放射線科専門医試験対策「被ばく」にまとめてみました。

4,分割照射で抗腫瘍効果の増強が期待できるのはどれか。2 つ選べ。

a 再増殖
b 再酸素化
c 亜致死損傷の修復
d 細胞周期の再分布
e DNA 二重鎖切断の修復

4,正解:b,d

  • 放射線治療における4つのRのうち、
    ・再酸素化 Reoxygenation:分割照射をすることにより、腫瘍細胞のうちの放射線抵抗性の低酸素細胞に再酸素化が起こり、酸素効果により、放射線感受性が高まっていく。
    ・細胞周期内での再分布 Redistribution:分割照射をすることにより、1回の照射で生き残った感受性の低い細胞周期にいた細胞が他の感受性の高い細胞周期に移行していく。
    の2つはいずれも放射線感受性を高める、という意味で抗腫瘍効果の増強と考えてよいのではないでしょうか。
    ちなみに4つのRの残り2つは
    ・亜致死障害からの回復 Repair
    ・再増殖 Repopulation
    です。

5,日本人男性の体内放射能はどの程度か。1 つ選べ。

a 7 ベクレル
b 70 ベクレル
c 700 ベクレル
d 7,000 ベクレル
e 70,000 ベクレル

5,正解:d

関連)呼吸や食品摂取によって体内に取り込まれる放射性物質

6,エックス線の測定器について,吸収線量を測定するのに適した装置(A)とエネルギー測定に適した装置(B)との組み合わせとして正しいのはどれか。1 つ選べ。

(A)             (B)
a GM 検出器・・・・・・・・・電離箱線量計
b GM 検出器・・・・・・・・・シンチレーション検出器
c 電離箱線量計・・・・・・・・GM 検出器
d 電離箱線量計・・・・・・・・シンチレーション検出器
e シンチレーション検出器・・・GM 検出器

6,正解:d

NaI(Tl)シンチレーション検出器

ガンマ(γ)線測定装置として、微量のタリウム(Tl)を含むヨウ化ナトリウム(NaI)の結晶からなるシンチレーション検出器を通称NaI(Tl)シンチレータと呼んでいる。(中略)シンチレータは、(1)シンチレーションの減衰時間が短いので、分解時間の小さな速い計測ができる、(2)蛍光量と吸収エネルギーの比例関係からエネルギー測定ができる、などという利点がある。

原子力百科事典ATOMICA より引用。

電離箱線量計

電離箱線量計では入射放射線によって作られた全電荷を求めることができる。(中略)電離箱線量計は吸収線量の測定に利用されている。

臨床放射線vol.56 no.4 2011より引用。

 

7,MRI で高信号を示すのはどれか。2つ選べ。

a T2 強調像での線維化
b T2 強調像での石灰化
c T1 強調像でのメラニン
d FLAIR 像でのヘモジデリン
e T1 強調像でのメトヘモグロビン

7,正解:c,e

  • T1で高信号:脂肪、亜急性期の出血など
  • T1で低信号:液体成分など
  • T2で高信号:嚢胞や壊死などの液体成分、脂肪
  • T2で低信号:出血、石灰化、繊維化など  です。

関連)頭部MRIの信号パターンと鑑別診断(T1WIで高信号/T2WIで低信号)

8,コンプトン効果の模式図を示す。(A),(B)および(C)の組み合わせとして正しいのはどれか。1つ選べ。

(A)     (B)     (C)
a 入射光子・・・散乱電子・・・反跳光子
b 入射光子・・・反跳電子・・・散乱光子
c 入射電子・・・散乱光子・・・反跳電子
d 入射電子・・・反跳光子・・・散乱電子
e 入射光子・・・散乱電子・・・反跳光子

2017ninteii8

8,正解:b(採点除外)

aとeの選択肢が完全に同じであったため、採点を除外しますと試験中にアナウンスがありました。光子線(X線、ガンマ線)と物質の相互作用(光電効果、コンプトン効果、電子対生成、光核反応)に関しては頻出ですので押さえておきましょう。

関連)

9,IVR における患者皮膚線量の低減策として正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 照射野を絞る。
b 透視時間を短くする。
c 拡大透視を多用する。
d パルス透視を高レートにする。
e X 線管球と患者の距離を近づける。

9,正解:a,b

過去にも出題されています。

被曝を低減するには

  • 透視時間を短縮する。
  • 患者をX線管球からはなるべくはなし、検出器には近づける。(皮膚線量は線源からの距離の二乗に反比例するし、人体を通過した後も距離の二乗に反比例して減水するため、検出器から離すとフィードバック機構により被爆増加)
  • 管球前面に付加フィルターを装着する。
  • 寝台をガントリーの中心におく。
  • 線量率の低い透視モードにする。
  • 拡大透視を使いすぎない
  • 管球前面に負荷フィルターを装着する。
  • 撮像では秒間フィルム数を減らす。
  • アンダーチューブを使う(オーバーチューブでは術者の上半身の被爆が増加するため)。
  • パルス透視機能のパルスレートを減らす。
    などです。ちなみに、体の厚い患者では線量率がたかくなり、斜位や側面での撮像をする場合も線量が増加する。

10,放射線による胎児への影響として確率的影響と考えられているのはどれか。2 つ選べ。

a 流 産
b 形態異常
c 遺伝的影響
d 精神発達遅滞
e 小児がん発生

10,正解 c,e

  • c.e. :〇 遺伝的影響に関してはまだ確認されていないともされているが。a,b,dが確定的影響なので〇でよいと思われる。胎児のみならず、放射線被ばくによる確定的および確率的影響については頻出なので抑えておくべきであろう。発癌と遺伝的影響が確率的と覚えておけばだいたい過去問には対応できる。掘り下げると発癌の潜伏期間について問われることがあるが、固形癌は10年以上、白血病のみ2~3年以降と覚えておけばおおむね大丈夫と思われる。

11,CT 検査を受ける患者の被ばく低減に有用なのはどれか。2 つ選べ。

a 電圧を上げる。
b 電流を上げる。
c 多相撮影を推奨する。
d ガントリーの中心に患者を置く。
e 撮影範囲を必要最小限にする。

11,正解 d,e

  • d.e. CT検査の被ばく低減に関しては、過去問では他にもピッチファクターを大きくする、AECを調整する、といった選択肢が挙げられている。多相撮影を行えばその分被曝が増える。患者(撮影したい部位)をガントリーの中心に置けばその分FOVを小さくでき、少ない被曝で空間分解能の高い画像が得られる。

12,医療事故調査制度について正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 解剖が必要である。
b 診療所も対象である。
c 予期した死亡も含む。
d 対象は死亡と死産である。
e 死亡時画像診断が必要である。

12,正解 b,d

  • b.d. 日本医療安全調査機構のホームページによると「医療事故」の定義は、
    ①すべての病院、診療所(歯科を含む。)又は助産所に勤務する医療従事者が提供した医療に起因する(又は起因すると疑われる)死亡又は死産
    ②医療機関の管理者が当該死亡又は死産を予期しなかったもの
    とされていました。解剖やAIの必要性はないと思われる。

13, ヨード造影検査について誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a 検査前の腎機能評価には eGFR が推奨されている。
b 緊急検査の場合も可能な限り事前にリスクを説明する。
c 検査直前の静注ステロイド投与は副作用低減に有効である。
d 造影剤腎症のリスク低減に検査前後の生理食塩水投与が有効である。
e 喘息患者は治療で安定していても副作用発生リスクが健常人より高い。

13, 正解:c

  • 直前のステロイド投与は臨床的にこれまでよく行われていましたが、6時間以上前に投与するのが望ましいとされています。試験前に学会から情報が出ています。

関連)ヨード造影剤ならびにガドリニウム造影剤の急性副作用発症の危険性低減を目的としたステロイド前投薬に関する提言

14,診療録等の電子保存の三原則のうち,保存性に該当するのはどれか。2 つ選べ。

a 使用者認証を必須とした。
b 代行者による診療録入力を作成責任者が承認した。
c 停電による意図しないデータ喪失が起こらないようにした。
d 患者 ID が何らかの理由で二重になった場合に ID の統合を行えるようにした。
e PACS サーバ交換時に旧サーバに保存された画像が継続的に閲覧できるようにし た。

14, 正解:c,e

電子保存の三原則

  • ①真正性
  • ②見読性
  • ③保存性の3つ。

①は誰が書いたか、修正したかがわかること、②は誰でも読めること、③は決められた期間データがなくならないようにすること。

15,医療情報の標準化として誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a 医用画像の標準化と同義である。
b 通信プロトコルの標準化が必要である。
c DICOM 規格は医用画像の国際標準である。
d 電子カルテの標準規格として HL7 が広く使われている。
e 医療情報の施設間交換システムの作成に有用である。

15, 正解:a

  • a. 医療情報標準化の一環としてのDICOMなので、同義という部分が間違い。

診断(16-70)

16,頭蓋内生理的石灰化の好発部位はどれか。2 つ選べ。

a 視 床
b 被 殻
c 淡蒼球
d 下垂体
e 手綱交連

16,正解:c,e

  • おそらく新作。

関連)頭部CTで脳の生理的石灰化はどこに起こる?

17,MRI としてびまん性軸索損傷を最も鋭敏に検出できるのはどれか。1 つ選べ。

a T1 強調像
b T2 強調像
c T2*強調像
d 拡散強調像
e 磁化率強調像

17,正解:e

  • 2016-17の焼き直しです。

関連)2016年放射線科専門医試験解答+解説

18,急性期脳梗塞の画像所見として合致しないのはどれか。1 つ選べ。

a fogging effect
b 脳溝の狭小化
c hyperdense MCA sign
d 皮髄境界の不明瞭化
e レンズ核の輪郭の不明瞭化

18,正解:a

  • Early CT signについての出題。脳梗塞の出題は2015-16以来です。Early CT signは2010-26にも出題あり。

関連)early CT signの画像診断は?CTで脳梗塞を診断する!

19,石灰化が稀な腫瘍はどれか。1 つ選べ。

a 髄膜腫
b 聴神経鞘腫
c 乏突起神経膠腫
d びまん性星細胞腫
e 頭蓋咽頭腫(エナメル上皮腫型)

19,b>d(難問)

  • 聴神経鞘腫の石灰化は非常に稀(よくわかる脳MRI第3版より)、びまん性星細胞腫の石灰化の頻度は低い(約20%)(新頭部画像診断の勘ドコロより)です。
  • 聴神経腫瘍との鑑別が一番問題になってくる(同じく内耳道口に好発する)髄膜腫は石灰化の頻度が高く、びまん性星細胞腫と鑑別が必要な(同じくglioma系の)乏突起神経膠腫は石灰化の頻度が高いです。cとdにこの2つのglioma系の乏突起神経膠腫とびまん性星細胞腫が並べてある、という点からは、dを選んで欲しいのかもしれませんが、聴神経鞘腫の方が頻度としては低そうです。意図が読みにくく、そしてbが正解であればdはもう少し石灰化の多い腫瘍にしていただきたかった一問です。

20,髄膜腫の画像所見として誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a dural tail sign を高頻度に伴う。
b hypervascular な腫瘍であることが多い。
c 周囲に浮腫を伴う場合は悪性髄膜腫を疑う。
d 脳室内に発生する場合は側脳室三角部に多い。
e 硬膜付着部近傍に hyperostosis を伴うことが多い。

20,正解:c

  • 2014-26の焼き直しです。多発していたらNF2を疑って造影MRIが必要です(NF2に合併する脳病変は、造影しないと見えないものが多い)。
  • 周囲に浮腫を伴う場合は、単にサイズが大きい、脳実質を圧排している(特に皮質静脈を圧排する)時です。
  • 悪性髄膜腫は稀で、画像のみで良性との鑑別は難しいことも多いようですが、CT上は①extracranial mass②osteolysis③intracranial tumourを3徴として報告しているものがありました

関連)2014年放射線科専門医過去問+解答解説

21,MRI の拡散強調像で ADC が低下するのはどれか。1 つ選べ。

a 温度上昇
b 血管増生
c 血管原性浮腫
d 細胞密度増加
e 慢性期脳梗塞

21,正解:d

  • 2016-22の類題でしょうか。
  • ADCが低下する(=水分子が動きにくくなる)病態は①粘稠度↑②細胞密度↑③細胞性浮腫の3つです。それぞれ①膿瘍②悪性腫瘍③急性期脳梗塞、などが当てはまり、DWIで高信号となります。

関連)2016年放射線科専門医試験解答+解説

22,中耳および内耳疾患の診断に MRI が CT よりも有用なのはどれか。1 つ選べ。

a 骨化性迷路炎
b 窓型耳硬化症
c 耳小骨連鎖異常
d 迷路内神経鞘腫
e 上半規管裂隙症候群

22,正解:d

その他の選択肢はすべて骨病変なのでCT firstです。上半規管裂隙症候群は「上半規管を被っている中頭蓋窩天蓋や上錐体洞近傍の上半規管周囲に骨欠損を生じ, 瘻孔症状, Tullio現象, 難聴などさまざまな臨床症状を来す疾患単位」だそうです。もちろん試験が終わるまで知りませんでした(笑)

関連)Superior canal dehiscence syndrome (上半規管裂隙症候群)

23,上咽頭癌の TNM 分類において T4 となる進展領域はどれか。2 つ選べ。

a 眼 窩
b 上顎洞
c 頭蓋底
d 下咽頭
e 傍咽頭間隙

23,正解:a,d

  • 2014-16とほぼ同一問題です。
  • 上咽頭癌のステージ分類(特にT分類)は頻出です。治療の問題でも頻回に出題されます。上咽頭癌は解剖学的にアプローチが難しいからほぼ手術適応がなく、CRTが治療の主役だからよく出題されるらしいです。放射線科専門医試験対策「治療・頭頸部」にまとめてみました。

24,Warthin 腫瘍について正しいのはどれか。1 つ選べ。

a 高い ADC 値を示す。
b 顎下腺に好発する。
c 非喫煙男性に多い。
d 漸増性の造影パターンを示す。
e FDG-PET で高い SUV 値を示す。

24,正解:e

 

関連)耳下腺腫瘍の代表!ワルチン腫瘍の画像診断!

25, 疾患と所見との組み合わせとして正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 副甲状腺機能亢進症・・・骨膜骨形成
b 骨粗鬆症・・・・・・・・骨膜下骨吸収
c 腎性骨異栄養症・・・・・転移性石灰化
d 骨軟化症・・・・・・・・Looser’s zone(偽骨折)
e くる病・・・・・・・・・長管骨骨幹端の三角フラスコ変形

25,正解:c,d

  • 2011-28の焼き直しです。
  • a,b→副甲状腺機能亢進症が骨膜下骨吸収、軟部組織の石灰化です。骨膜骨形成は疲労骨折です。
  • e→三角フラスコ変形は大理石病

関連)

26,骨腫瘍と好発年齢との組み合わせとして誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a 軟骨肉腫・・・・・・10~20 歳
b Ewing 肉腫・・・・・  5~20 歳
c 骨巨細胞腫・・・・・20~50 歳
d 軟骨芽細胞腫・・・・10~20 歳
e 動脈瘤様骨囊腫・・・10~20 歳

26,正解:a

本によって記載も少しずつ異なっており、一つ一つを詳細に憶えるのは難しいですが、「20歳未満の悪性骨腫瘍は神経芽細胞腫の骨転移か、骨肉腫、Ewing肉腫の3つ」という記憶で解きました。

関連)原発性骨腫瘍の画像診断(年齢、部位、Xp)

27,骨疾患と骨単純 X 線写真の所見との組合せとして誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a 骨肉腫・・・・・・・・・・・放射状骨膜反応(スピクラ)
b 単純性骨囊腫・・・・・・・・fallen fragment sign
c 転移性骨腫瘍・・・・・・・・椎弓根(pedicle)サイン
d 非骨化性線維腫・・・・・・・Codman 三角
e Langerhans 細胞組織球症・・・頭蓋骨打ち抜き像

27,正解:d

非骨化性線維腫はdon’t touch lesionなのでCodman三角のような悪性度の高い骨膜反応は出ないと思います。

関連)

28,骨腫瘤性病変のうち周囲に広範な浮腫性変化を伴いやすいのはどれか。2 つ選べ。

a 内軟骨腫
b 骨軟骨腫
c 類骨骨腫
d 軟骨芽細胞腫
e 線維性骨異形成

28,正解:c,d

  • 2012-20の焼き直しです。
  • 内軟骨腫は、骨内に発生する硝子軟骨性病変なので浮腫なし。2012-20ではそのほか浮腫を来す疾患として、Brodie膿瘍、ストレス(疲労)骨折が挙げられています。他、好酸球性肉芽腫も良性腫瘍ですが浮腫を伴います。

関連)2012年放射線科専門医過去問診断16−20

29,結核性脊椎炎の画像所見の特徴として誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a 椎体癒合
b 脊椎周囲の石灰化
c 椎間板への早期波及
d 複数レベルのスキップ病変
e 脊椎周囲の境界明瞭な膿瘍

29,正解:c

  • 2016-29で化膿性脊椎炎が(問題文には明示されていませんが結核性脊椎炎と対比して)出題されており、焼き直しです。この2問の選択肢を照らし合わせて整理しておきましょう。
  • 結核性脊椎炎の特徴は、石灰化、cold abscess(感染徴候に乏しく巨大化しやすい)、3椎体以上の病変、胸腰椎移行部や胸椎に多い、椎間板は保持され穿破は後期まで起こらない、などです。
  • もっと昔の問題だと2008-33も椎間板への進展などがキーワードで出題されています(そこまで昔のなんて、、、やりませんよね!?)。

関連)2016年放射線科専門医試験解答+解説

30,乳児期の骨折として被虐待児症候群に特異的なのはどれか。2 つ選べ。

a 鎖骨骨折
b 肋骨骨折
c 骨幹端骨折
d 頭蓋骨線状骨折
e 長管骨骨幹部骨折

30,正解:b,c

  • 頻出です。そのほか、肩甲骨や胸骨、棘突起、肋骨の中では第1肋骨や背側肋骨が特異的です。小児でも骨軟部でも出題されるので詳しく憶えておきましょう。

関連)小児虐待による外傷の特徴と診断

31,高分解能 CT 所見として特発性肺線維症(IPF/UIP)の診断が否定的となるのはどれ か。1 つ選べ。

a 蜂巣肺
b 網状病変
c 牽引性気管支拡張
d 連続しない多発囊胞
e 肺底部優位の病変分布

31,正解:d

  • UIP patternの診断基準を憶えておきましょう。
  • 2013-37、2008-51焼き直しです。

関連)

32,肺分画症として誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a 局在は左下葉 S10 に多い。
b 病変内に軟骨が存在する。
c 肺葉内型が肺葉外型より多い。
d 肺葉内型の還流静脈は肺静脈である。
e 肺葉内型は合併奇形が高頻度である。

32,正解:e

  • 2012年までは頻出だった肺葉外vs肺葉内分画症の焼き直しです(2012-37,2011-36など)。
    なんと5年ぶりの出題!

関連)肺分画症とは?分類は?画像診断のポイントは?

33,肺炎症状を呈する患者の胸部 CT にて,広範に分布する小葉中心性粒状結節が主な所見 であった。可能性が高いのはどれか。2 つ選べ。

a レジオネラ肺炎
b クレブシエラ肺炎
c 非結核性抗酸菌症
d マイコプラズマ肺炎
e ニューモシスティス肺炎

33,正解:c,d

  • a,b→大葉性肺炎なので×。大葉性肺炎は、肺炎球菌・肺炎桿菌(クレブシエラ)・レジオネラを暗記しておけばOK(2011-32出題あり)。
  • e→スリガラス影が主体。

関連)

34,石綿関連疾患として誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a 胸膜斑
b 良性胸水
c 気管支拡張
d 円形無気肺
e 悪性中皮腫

34,正解:c

  • 2014-38で喫煙関連疾患が出題されています。選択肢はかぶっていませんが、2012-31で石綿曝露で見られる画像所見(下肺野末梢網状影)が出題されています。敢えて挙げるとすれば2006-53改題かと(もちろん、そこまで解いてませんから!)。

関連)石綿肺および石綿関連疾患のCT画像診断(アスベスト、塵肺、胸膜プラーク、中皮腫)

35,画像徴候として肺血栓塞栓症と関係が深いのはどれか。2 つ選べ。

a crazy-paving appearance
b extrapleural sign
c gloved finger sign
d knuckle sign
e mosaic perfusion

35,正解:d,e

36,胸部 CT にて気管支内に結節性病変を認めた。可能性が最も低いのはどれか。1 つ選べ。

a 粘表皮癌
b 肺過誤腫
c カルチノイド
d 腺様囊胞癌
e 硬化性血管腫

36,正解:e

  • e以外は「気管支 病名」で検索すると出てきます。b,cは気管支内に発生しうるものとして有名でしょうか。

37,右肺上葉に肺癌が存在する患者に術前の胸部 CT が施行された。転移が疑われる腫大が あった場合に N2 に分類される領域のリンパ節はどれか。2 つ選べ。

a 右鎖骨上窩リンパ節(#1R)
b 左上部気管傍リンパ節(#2L)
c 右気管傍リンパ節(#4R)
d 大動脈下リンパ節(#5)
e 気管分岐下リンパ節(#7)

37,正解:c,e

  • cの大動脈下リンパ節(#5)は対側縦隔にしかなく、N3です。左肺癌であれば#5はN2になっていました。
  • 肺癌の取り扱い規約(第8版)が2017年1月に変更されましたが、学会からは「試験の出題はUICC-TNM分類は第7版に準拠して出題」と事前に通知があり、古くなってしまったTNM分類を覚えて行きましたが、そういった事情に配慮されたのか、新旧で変更のなかったN分類の出題でした。

関連)肺癌のTNM分類と病期分類は?シェーマでわかりやすく!

38,胸部疾患として頭尾方向の分布が異なる特徴を示すのはどれか。1 つ選べ。

a 石綿肺
b 血行性転移
c サルコイドーシス
d 特発性肺線維症
e 非特異的間質性肺炎

38,正解:c

  • cは上中肺野優位、それ以外は下肺野優位。

関連)

39,喘息の既往のある患者の胸部 CT にて,上肺野優位の浸潤影,気管支拡張および気管支 粘液栓を示唆する所見が認められた。最も考えやすいのはどれか。1 つ選べ。

a 急性好酸球性肺炎(AEP)
b 気腫合併肺線維症(CPFE)
c 顕微鏡的多発血管炎(MPA)
d 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)
e アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)

39,正解:e

ABPAについては以下を参照。

【症状】
この病気は喘息を持っている患者さんに発症します。症状は喘息発作と同様で咳や痰、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)などですが、通常の喘息患者さんと比較してお薬がなかなか効きにくいことが多く、重症例では発熱や食欲不振、血痰や喀血、息苦しさなどを伴います。
【検査】
胸部エックス線では肺炎とよく似た影がみられ、胸部CTでは気管支の内側に痰が詰まったり(粘液栓)、気管支が拡張した変化がみられることがあります。また血液を用いたアスペルギルスに対するアレルギー検査などで診断の確定を行います。

日本呼吸器学会HPより引用

関連)肺アスペルギルス症の分類は?CT画像診断の特徴は?

40,冠動脈 CT について正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 収縮期早期で再構成する。
b β 遮断薬で脈拍数をコントロールする。
c 低心拍はアーチファクトの原因となる。
d 左冠動脈は右冠動脈より拍動による動きが大きい。
e プロスペクティブ心電図同期撮影は被ばくが少ない。

40,正解:b,e

  • dについては根拠となりそうなソースを見つけられませんでした。
  • e:

心電図同期管電流変調法やプロスペクティブ心電図同期撮影により、その他の心位相における被曝を低減もしくは省略でき、50% もしくは90% 程度までの合理的な被曝低減が可能となる。

心臓 CT に変革をもたらす最新技術より引用。

 

41,足関節の内果背側を走行する動脈はどれか。1 つ選べ。

a anterior tibial artery
b arcuate artery
c fibular artery
d lateral plantar artery
e posterior tibial artery

41,正解:e

関連)国立循環器病研究センター 足潰瘍・壊疽患者のカテーテル治療による血流変化を検証

42,腹部大動脈のステントグラフト留置後に,腹部造影 CT にて下腸間膜動脈からの逆行性 血流によるリークが見られた。分類として正しいのはどれか。1 つ選べ。

a type Ⅰa
b type Ⅰb
c type Ⅱ
d type Ⅲ
e type Ⅳ

42,正解:c

  • 4種類のエンドリークについてはこのサイトが簡潔にまとまっています。

関連)倉敷中央病院心臓血管外科HP

43,慢性血栓性肺高血圧症の造影 CT 所見として誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a abrupt narrowing
b complete obstruction
c intimal dilatation
d pouch/mural defect
e webs and band

43,正解:c

一般に慢性肺血栓塞栓症では, 急性例に認められるcut-off signやfilling defectsとは異なり,
1. pouch defects,
2. webs and bands,
3. intimal irregularities,
4. abrupt narrowing,
5. complete obstruction といった所見が特徴的とされる.

千葉大学呼吸器内科HPより引用。

ですので、intimal dilatationのcが誤りと思われます。

44,Marfan 症候群の診断基準として誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a 鳩 胸
b 漏斗胸
c 大動脈解離
d 脊柱管狭窄
e 上行大動脈拡張

44,正解:d

  • 腰仙椎部の硬膜拡張症というのはあるが、脊柱管狭窄はない。

関連)マルファン症候群

45,乳腺 MRI について誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a 主に病変の広がり診断の目的で行う。
b 通常腹臥位にて両側乳腺を同時に検査する。
c 造影ダイナミックスタディーでセンチネルリンパ節を同定可能である。
d 拡散強調像では非浸潤癌より浸潤癌の方が検出感度が良好である。
e 非腫瘤性病変で区域性の増強効果を見た場合は悪性の可能性が高い。

45,正解:d?

  • a.の選択肢の根拠はガイドラインより。”推奨グレード B MRIは乳癌の広がり診断において勧められる。”
  • c.についての研究結果”結論 造影 CT 及び磁性体造影剤 SPIO を用いた MRI により正確に SN 転移診断を行うことができ、SN 転移陰性例に SN 生検をも省略可能である。”
  • 「造影ダイナミックスタディーで」という選択肢の文面に合致するかどうかは自信がありませんが…。
  • d.についての研究結果”非浸潤癌と浸潤癌の間には有意差は認められず、両者のADC 値での鑑別は難しいと考えられた。”

46,マンモグラムの所見として悪性が示唆されるのはどれか。2 つ選べ。

a 構築の乱れ
b 分枝状石灰化
c 脂肪含有腫瘤
d リング状石灰化
e ポップコーン状石灰化

46,正解:a,b

47,乳腺粘液癌の超音波所見として最も考えにくいのはどれか。1 つ選べ。

a 形 状・・・・・楕円形
b 縦横比・・・・・大きい
c 後方エコー・・・減 弱
d 境界部・・・・・明瞭平滑
e 内部エコー・・・高~等エコー

47,正解:c

  • 内部は等から高エコー(線維腺腫より高エコー)を呈し、後方エコーは増強する。

関連)乳腺粘液癌とは?MRI画像診断のポイントは?

48,新生児期に認める胸部疾患と画像所見との組み合わせとして誤っているのはどれか。 1 つ選べ。

a 呼吸窮迫症候群(RDS)・・・・・肺野のすりガラス影
b 新生児一過性多呼吸・・・・・・・片側性の肺野透過性亢進
c 先天性横隔膜ヘルニア・・・・・・縦隔影の健常側偏位
d 先天性肺気道奇形(CPAM)・・・肺野の限局性透亮像
e 気管食道瘻(TEF)Gross C 型・・・胃泡の存在

48,正解:b

  • 選択肢a,b,dについては原裕子先生の日獨医報記事「新生児の胸部画像診断」にまとまっています(画像あり)。

RDSの単純写真(図2)では、肺は均一な含気不良を示し、網状顆粒状影(reticulogranular pattern)とairbronchogramを認める。これは虚脱した肺胞に空気を含む終末細気管支が重なって描出される所見である4)。肺胞が虚脱することにより肺容積は減少する。重症度によってすりガラス状陰影からwhite-outまでを呈し、単純写真上の重症度はI~IV度に分類されている(Bomsel分類)(図3)5)

新生児一過性多呼吸 ”単純写真では、肺血管陰影増強、肺門から両側対称性に広がる索状影、網状影が特徴的で、ときに葉間胸膜の肥厚や胸水を認める9)(図5)。

CPAMの画像所見は片側肺の一部に存在する単房/多房性胞性病変である。病変の存在部位や広がり、性状、胞の大きさはさまざまで、これらの評価に胎児MRIやCTは有用である。

新生児の胸部画像診断より引用

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49,新生児,乳児の消化管疾患と画像所見との組み合わせとして誤っているのはどれか。 1 つ選べ。

a 新生児胃破裂・・・・・・・・・・・・・Football sign
b 肥厚性幽門狭窄症・・・・・・・・・・・Cervix sign
c 十二指腸閉鎖症・・・・・・・・・・・・Triple bubble sign
d 中腸軸捻転を合併した腸回転異常症・・・Whirlpool sign
e 腸重積・・・・・・・・・・・・・・・・Target sign

49,正解:c

  • c の triple bubble signは空腸閉鎖。

関連)Jejunal atresia

50,小児の頭蓋骨画像所見と疾患との組み合わせとして誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a Wormian bone(縫合間挿骨)・・・骨形成不全症
b 長頭頭蓋(舟状頭蓋)・・・・・・・冠状縫合早期癒合症
c Lacunar skull・・・・・・・・・・・Chiari Ⅱ型奇形
d Beveled edge appearance・・・・・・Langerhans 細胞組織球症
e Cloverleaf 頭蓋・・・・・・・・・・Crouzon 症候群

50,正解:b

”典型例では両側冠状縫合早期癒合に伴う短頭蓋変形を呈する。他にも舟状頭蓋、三角頭蓋、塔状頭蓋、クロバーリーフ症候群を示すこともある一方で、生下時にははっきりせず成長に伴い頭蓋変形が出現してくることもある。

小児慢性特定疾患情報センターHPより引用。

 

51,脂肪抑制 T1 強調像で高信号を呈することが多いのはどれか。1 つ選べ。

a 線維腫
b 胆管細胞癌
c 高分化肝細胞癌
d 高分化脂肪肉腫
e 膵管内乳頭粘液性腫瘍

51,正解:c

  • 高分化型HCCでT1WIで高信号を呈するのは、腫瘍内に含まれる脂肪成分やFe,Cu,Zn,Mnなど金属沈着によるT1短縮効果を反映している。

関連)肝細胞癌のCT,MRI画像診断

52,MR cholangiopancreatography(MRCP)について誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a 小児でも撮像できる。
b 呼吸同期撮像が可能である。
c 消化管の再建術後でも撮像できる。
d 腹水が多量にあっても胆管・膵管を明瞭に観察できる。
e 胆管・膵管閉塞部の下流のみならず上流側も観察できる。

52,正解:d

  • 腹水が多量にあると胆管・膵管の観察は難しそうです…。

53,胆管癌の CT 所見として頻度が高いのはどれか。2 つ選べ。

a 不整壁肥厚
b 遅延性濃染
c 門脈腫瘍塞栓
d 胆管内限局病変
e びまん性同心円状胆管壁肥厚

53,正解:a,b

  • dを落としていいかどうか自信はありません。

54,腹腔動脈およびその分枝から分岐する膵枝として頻度が最も低いのはどれか。1つ選べ。

a 大膵動脈
b 背側膵動脈
c 下膵十二指腸動脈
d 前上膵十二指腸動脈
e 後上膵十二指腸動脈

54,正解:c

下膵十二指腸動脈は通常は上腸間膜動脈から分岐する。

関連)膵の栄養動脈とその周辺の動脈

55,膵腫瘤として女性に好発するのはどれか。2 つ選べ。

a 仮性囊胞
b 類表皮囊胞
c 粘液性囊胞腫瘍
d 充実性偽乳頭状腫瘍
e 膵管内乳頭粘液性腫瘍

55,正解:c,d

56,消化管の解剖について誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a 上行結腸は外膜を有する。
b 右胃動脈は総肝動脈から分岐することが多い。
c 下腸間膜静脈は Treitz 靱帯の外側辺縁部を走行する。
d 食道の生理的第三狭窄部は横隔膜食道裂孔部である。
e 辺縁動脈などによる側副路は小腸の方が大腸よりも多い。

56,正解:c

  • a:上行結腸は一部が漿膜に囲まれていますので、外膜を有します。
  • c:トライツ靭帯は横行結腸の右脚につき、十二指腸を固定しています。しばしば小腸閉塞の原因となります。上端が腹腔動脈や上腸間膜動脈につくなど様々なバリエーションがあるようです。下腸間膜動脈とは場所的に少し離れていると思われます。
  • d:食道の生理的狭窄部位は、食道起始部、気管分岐部、横隔膜貫通部です。
  • *全く同じ問題はでませんが、過去問の選択肢のひとつが入っている事が多いので、解剖に自信のない方は過去問をその部分だけでも多めに勉強しておくといいかと思います。(特に消化器と泌尿器)

関連)腸間膜(間膜)の画像診断!間膜の理解には主要な動静脈を同定する。

57,上部消化管造影について正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 第一斜位とは左前斜位を意味する。
b 検査前処置として水分摂取が推奨される。
c Schatzki 体位像では胃穹窿部を評価しやすい。
d 圧迫法は胃穹窿部の潰瘍性病変の描出に有用である。
e 腹臥位二重造影像でのバリウム貯留所見は前壁の陥凹性病変を示唆する。

57,正解:c,e

  • a:右前斜位
  • b:検査前は絶飲食(バリウムの付着が悪くなるので)
  • d:圧迫法では、前庭部、胃角部、体下部をみます。

58,潰瘍性大腸炎よりも Crohn 病を示唆するのはどれか。2 つ選べ。

a 大腸癌
b 瘻孔形成
c 仙腸関節炎
d スキップ病変
e 中毒性巨大結腸症

58,正解:b,d

  • 過去にもcrohn病と潰瘍性大腸炎の疾患特性について問う問題がでています。
Chron病 潰瘍性大腸炎
好発部位 回盲部、全消化管
直腸病変は稀
直腸より口側に連続性
主な内視鏡、X線所見 敷石像(cobblab stone appearance)
縦走潰瘍
非連続性病変(skip lesion)
偽ポリポーシス
鉛管像
ハウストラの消失
合併症 ろう孔、狭窄 中毒性巨大結腸症
原発性硬化性胆管炎

 

59,拡散強調像で拡散制限による高信号が最も顕著なのはどれか。1 つ選べ。

a 腎髄質
b 子宮筋層
c 膀胱粘膜
d リンパ節
e 前立腺辺縁域

59,正解:c

  • 拡散強調画像で拡散制限により高信号となるのは、
    ①細胞密度が高い
    ②浮腫
    ③粘稠度が高い組織です。
    正常組織でも、卵巣やリンパ節、子宮内膜等は高信号になります。

60,泌尿器領域の解剖として正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 腎の区域動脈の間に吻合はない。
b 尿管は腸骨動脈の背側を走行する。
c 膀胱頸部のリンパは外腸骨リンパ節に流れる。
d 右副腎静脈は右腎静脈に合流して下大静脈に還流する。
e 男性の後部尿道は前立腺部尿道と膜様部尿道からなる。

60.正解:a,e

  • a:

    腎動脈は一般に約5本の枝に分岐する。これらの分枝は、それぞれ、終動脈で、各枝の分布域は他の分布域との間に吻合をもたない。このような各動脈を区域動脈といい、各分布域を腎区域という(慶大解剖学HPより引用)。

 

b:尿管は総腸骨動脈の腹側を走行しています。UAV(尿管、動脈、静脈)の順で並んでいます。

 

  • c:

主な臓器の流入リンパ節は次のようなものであるが、実際には個人差も多い。(中略)膀胱 → 内腸骨リンパ節(上面は外腸骨リンパ節)(知っておきたい泌尿器のCT・MRI(学研メディカル秀潤社)p352より引用)

61,水腎症の原因になりにくいのはどれか。1 つ選べ。

a 膀胱憩室
b 後部尿道弁
c 重複腎盂尿管
d 下大静脈後尿管
e 腎盂尿管移行部狭窄

61,正解:a

  • b:後部尿道弁は先天性の疾患で、新生児期に重い水腎症や膀胱の腫大を来します。胎児の尿道が拡張しているのが特徴的な所見です。
  • c:先天性の尿路奇形として最多です。
  • d:下大静脈の後ろを尿管が走っているため水腎を来す。
  • e:こどもの水腎症の原因として最多で、水腎症の原因の70-80%は腎盂尿管移行部狭窄。

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62,MRI の T1 強調像で病変部の flow void が最も顕著なのはどれか。1 つ選べ。

a 腎盂癌
b 腎動静脈瘻
c 精索静脈瘤
d ナットクラッカー症候群
e 原発性アルドステロン症

62,正解:b

  • flow void=血流あるいはCSFの流れのために発生する信号消失。他に、脳動静脈奇形、もやもや病などでも認められる。

63,停留精巣について正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 不妊のリスクが高い。
b 腺癌発生のリスクが高い。
c 5 歳までに精巣固定術を行う。
d 精巣が鼠径管内に留まっていると外傷を受けやすい。
e 生後 4 か月の時点で精巣が陰囊内に存在しない場合に診断される。

63,正解:a,d

  • a:正解;過去問の焼き直し
  • b:精巣腫瘍のリスクが5倍程度上昇
  • c:生後6ヶ月から2歳で手術
  • d:その通り
  • e:生後6ヶ月までに陰嚢内に。1歳以降は下降してくる事はほぼない。

関連)日本泌尿器科学会HP

64,ADC 値の低下が最も顕著なのはどれか。1 つ選べ。

a 尿膜管囊胞
b 卵巣線維腫
c 傍腎盂囊胞
d 卵管卵巣膿瘍
e 前立腺肥大結節

64,正解:d

  • 膿瘍の拡散制限によりADC値は低下する。

65,重複子宮に合併しやすいのはどれか。1 つ選べ。

a 腎低形成
b 卵巣欠損
c 処女膜閉鎖
d 重複腎盂尿管
e 腎盂尿管移行部狭窄

65,正解:a

  • 重複子宮には尿路奇形を伴う事が多いそうです。片側腎欠損が多い様なのでこの中の選択肢で選ぶならaでしょうか?産婦人科学会によれば、とにかく重複子宮を見つけたら腎盂造影を施行する様勧めています。

関連)

 

66,子宮内膜肥厚精査のため行われた MRI を読影する際に臨床情報として有用性が最も低 いのはどれか。1 つ選べ。

a 喫煙歴
b 妊娠出産歴
c 乳癌の既往の有無
d 検査当日の月経周期
e エストロゲン補充療法の有無

66,正解:a

  • b,c,e:子宮がんのリスクとなるため必要。
  • d:内膜の厚さを判断するため必要。

67,子宮内膜症を鑑別に挙げる必要性が高いのはどれか。1 つ選べ。

a 膀胱憩室内に生じた腫瘤
b 尿膜管に生じた囊胞性腫瘤
c 子宮頸部間質内に生じた腫瘤
d ダグラス窩に生じた癒着性病変
e 子宮筋腫内に生じた出血性病変

67,正解:d

  • 子宮内膜症の特徴は繰り返す出血による癒着であり、dが正解です。
  • 子宮内膜症の癒着に関しては頻出です。

68,腫瘍に対する経皮的針生検を行う際の臓器とガイド画像との組み合わせとして,適切で ないのはどれか。1 つ選べ。

a 骨・・・・・CT
b 肝・・・・・US
c 腎・・・・・US
d 肺・・・・・MRI
e 乳 腺・・・MRI

68,正解:d

 

69,肝細胞癌に対する TACE の適応とならないのはどれか。1 つ選べ。

a 高齢者
b 少量の腹水
c 肝内両葉多発病変
d 門脈二次分枝に腫瘍栓
e 血清総ビリルビン値 3.0 mg/dl

69,正解:e

  • 過去問の焼き直しです。
  • d:門脈本幹の塞栓では適応にならない。

70,IVR について正しいのはどれか。2 つ選べ。

a ファイバードコイルは永久塞栓物質である。
b ゼラチンスポンジの塞栓効果は 6 か月程度続く。
c 5F カテーテルには 0.035 inch ガイドワイヤーを使用する。
d 総肝動脈の選択にはループ型カテーテルの使用は避ける。
e 大腿動脈穿刺時には鼠径靭帯から 5 cm 下方の右大腿動脈を狙う。

70,正解:a,d,(c?)

  • b:ゼラチンスポンジの効果は約2-6週間続く(7ヶ月持続した例もある):血管塞栓術に用いるゼラチンスポンジのガイドライン 2013より
  • c: 「5F 0.035inch」で検索すると、5Fカテーテルと0.035inchガイドワイヤーの使用は可能と思われます。5Fカテーテルには他サイズのガイドワイヤーも使用可能なので、0.035inch「のみ」使用するという意味であれば誤りですが…。
  • e:大腿動脈下1/4レベルで穿刺。頻出です。

核医学(71-85)

71,核医学検査で用いられる核種とその物理学的半減期との組み合わせとして誤っている のはどれか。1 つ選べ。
a 13N・・・約 20 分
b 18F・・・約 110 分
c 123I・・・約 13 時間
d 131I・・・約 8 日
e 201Tl・・・約 3 日

71,正解:a

  • a→10分。半減期は毎年出題されます。

関連)放射線科専門医試験対策「半減期」ゴロ付き

72,静脈に投与されない放射性医薬品はどれか。1 つ選べ。

a 67Ga-citrate
b 99mTc-DMSA
c 99mTc-MAG3
d 111In-DTPA
e 123I-BMIPP

72,正解:d

  • 脳槽シンチグラフィなので髄注です。

関連)放射線科専門医試験対策「核医学・神経受容体・脳槽シンチ」

73,放射性医薬品と検査項目との組み合わせとして正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 99mTc-GSA・・・・・アシアロ糖タンパク質受容体
b 99mTc-HM-PAO・・・心筋血流
c 99mTc-MAA・・・・・肺血流
d 123I-BMIPP・・・・・アミノ酸代謝
e 123I-iomazenil・・・・ドーパミン受容体

73,正解:a,c

  • 肝胆道系はこちらにまとめてみました。
  • b→脳血流、c→脂肪酸代謝、e→ベンゾジア「ゼ」ピン(イオマ「ゼ」ニルと関連づけて憶えます)

74,放射性医薬品としてダイナミック撮像に用いられる頻度が最も低いのはどれか。 1 つ選べ。

a 67Ga-citrate
b 99mTc-MAG3
c 99mTc-MDP
d 99mTc-pertechnetate
e 123I-IMP

74,正解:a?

  • b,腎動態シンチ、静注後経時的に撮像。
  • c,3相骨シンチが可能。
  • d,唾液腺シンチやメッケル憩室シンチでは30分間撮像。

関連)腎動態シンチグラフィとは?腎機能評価をどのようにする?

75,放射性医薬品として投与件数あたりの副作用発生頻度が最も高いのはどれか。1つ選べ。

a 18F-FDG
b 99mTc-HMDP
c 123I-iomazenil
d 123I-MIBG
e 131I-adosterol

75,正解:e

  • 131I-adosterolは溶媒にエタノールが使われているので、急速投与すると副作用(悪心など)を起こすことがある。そのため、生理食塩水での希釈や30秒以上かけてゆっくり投与する必要あり。

76,疾患として99mTc-pertechnetate が診断に有用ではないのはどれか。1 つ選べ。

a Basedow 病
b Meckel 憩室
c Warthin 腫瘍
d Sjögren 症候群
e 心アミロイドーシス

76,正解:e

  • 99mTc-pertechnetateは甲状腺シンチ、唾液腺シンチ、メッケル憩室シンチで用いる。

77,検査項目として SPECT で評価できないのはどれか。1 つ選べ。

a 酸素代謝
b 脳血液量
c 脳血流量
d ドーパミントランスポータ
e 中枢性ベンゾジアゼピン受容体

77,正解: a

  • a:酸素代謝はPETを用います。

78,123I-ioflupane SPECT で線条体の集積低下がみられることが多い疾患はどれか。 2 つ選べ。

a 本態性振戦
b 前頭側頭型認知症
c 皮質基底核変性症
d Lewy 小体型認知症
e Alzheimer 型認知症

78,正解 :c,d

  • 過去問の焼き直しです。よく出る疾患の血流低下部位は下記です。
  • Pick病:前頭・側頭葉
  • 大脳皮質基底核変性症:左右非対称性の中心溝周囲、頭頂葉、基底核部
  • Alzheimer病:後部帯状回、楔前部
  • DLB:後頭葉+Alzheimer病パターン
  • 進行性核上性麻痺:両側前頭葉
  • パーキンソン病:大脳皮質全般
  • 脳血管性認知症:前頭葉を中心に非対称性、不均一

しっかり覚えましょう。

79,SPECT による安静時の心筋血流と心筋脂肪酸代謝の同時評価において,疾患として血 流/代謝ミスマッチを呈する頻度が高いのはどれか。1 つ選べ。

a 拡張型心筋症
b 肥大型心筋症
c 大動脈弁狭窄症
d 陳旧性心筋梗塞
e 僧帽弁閉鎖不全症

79,正解 :b

  • 過去問の焼き直しです。以下、適応疾患をまとめておきます。AMIとOMI、拡張型心筋症と肥大型心筋症の引っかけはよく出るので注意。
  • ①不安定狭心症
  • ②冠攣縮性狭心症
  • ③虚血性心筋症(心不全)
  • ④AMI:OMIではミスマッチなく、両方低下
  • ⑤肥大型心筋症
  • ⑥ストレス心筋症
  • ⑦拡張相肥大型心筋症
  • ⑧ファブリ病、ミトコンドリア心筋症
  • ⑨Ⅰ型CD36欠損症
  • ⑩透析心筋障害

80,心筋 SPECT に用いる放射性医薬品として,安静時投与の遅延像にて心筋バイアビリ ティを評価するのはどれか。1 つ選べ。

a 99mTc-MIBI
b 99mTc-tetrofosmin
c 123I-BMIPP
d 123I-MIBG
e 201TlCl

80,正解:e

  • 心筋バイアビリティの判定は様々なモダリティで可能である。安静心筋血流SPECT、心筋FDG-PET(PET/CTではない)、ドブタミン負荷エコー、遅延造影MRIなどがある。心筋血流SPECTを使う場合は、安静時に投与されたトレーサーが病変部にどの程度取り込まれるかでバイアビリティを判定する。
  • a.b. 99mTc-MIBI、tetrofosmin :× 心筋血流を評価する薬剤。細胞内での保持にミトコンドリアの膜電位が関与しているため、遅延像撮影によって心筋のミトコンドリア機能障害・代謝障害を評価可能。通常再分布しないので安静時投与の遅延像では心筋バイアビリティは評価できないと思われる。
  • c. 123I-BMIPP :× 心筋脂肪酸代謝を評価する薬剤。心筋血流-脂肪酸代謝の乖離から心筋バイアビリティを判定する。
  • d. 123I-MIBG :× 心臓交感神経機能を評価する薬剤。慢性心不全、心筋症、パーキンソン病、糖尿病性神経障害、アミロイドーシスの診断に用いられるが、心筋バイアビリティの判定に使用するのは一般的ではない。
  • e. 201TlCl :〇 心筋血流を評価する薬剤。能動輸送によって心筋細胞に取り込まれる。遅延像を撮影することによって、早期像では描出されない虚血残存心筋の存在を確認できる。
    参考資料: BRAND NEW 心臓核医学(金原出版)

81,放射性医薬品として糸球体濾過率の計測に使用されるのはどれか。1 つ選べ。

a 99mTc-PMT
b 99mTc-DMSA
c 99mTc-DTPA
d 99mTc-MAG3
e 99mTc-pertechnetate

81,正解:c

  • a.99mTc-PMT :× 肝胆道シンチグラフィー。胆道系の疎通性を評価する。
  • b.99mTc-DMSA :× 腎静態シンチグラフィー。腎皮質機能の評価に用いる。
  • c.99mTc-DTPA :〇 腎動態シンチグラフィー。DTPAは糸球体で濾過され、再吸収されないためGFRの計測に使用できる。
  • d.99mTc-MAG3 :× 腎動態シンチグラフィー。MAGは尿細管から分泌され再吸収されないため、有効腎血漿流量を評価できる。
  • e.99mTc-pertechnetate :× 99mTcO4のこと。甲状腺シンチグラフィー、唾液腺シンチグラフィー、メッケル憩室、副甲状腺シンチグラフィーに応用可能。

82,臓器として18F-FDG の明瞭な集積が見られた場合に病的である可能性が最も高いのは どれか。1 つ選べ。

a 眼 筋
b 口蓋扁桃
c 膵 臓
d 大 腸
e 子宮内膜

82,正解:c

  • c. 膵臓 :〇 FDG-PETにおける生理的集積は頻出問題。脳、頚髄、咽頭、扁桃、声帯、咬筋、女性の乳腺(特に授乳中)、胸腺、肝臓、膀胱、腸管、副腎、月経初期および排卵前後の子宮内膜、排卵前後の卵巣、精巣、褐色脂肪、骨髄などたくさんある。

83,疾患として18F-FDG の集積が亢進することが最も少ないのはどれか。1 つ選べ。

a 悪性黒色腫
b Warthin 腫瘍
c 甲状腺未分化癌
d 細気管支肺胞上皮癌
e びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫

83, 正解:d

  • 過去問通り。BACはGGNで集積はしにくい。FDGは10mm以下の病変には集積しにくい。

84,FDG PET の保険適用として正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 認知症の原因疾患の鑑別
b 腫瘍マーカー高値の症例のスクリーニング
c 悪性リンパ腫患者における化学療法の治療効果判定
d 心臓サルコイドーシス患者で炎症部位の診断が必要とされる場合
e 早期胃がん患者で他の検査や画像診断で病期診断が確定できない場合

84, 正解:c,d

  • PETの保険適用は早期胃がんを除く悪性腫瘍で他の検査、画像診断により病期診断、転移・再発の診断が確定できない患者、虚血性心疾患による心不全患者における心筋組織のバイアビリティ診断、又は心サルコイドーシスにおける炎症部位の診断が必要とされる患者、難治性部分てんかんで外科切除が必要とされる患者の3つ。
  • b. スクリーニングで用いてはいけません。
  • c. 悪性リンパ腫に限っては治療効果判定に用いてよいことになっています。
  • e. トリッキーな書き方ですが他の選択肢が明らかに正しいので×。早期胃がん、の診断名では保険通りません。

85,89Sr を用いた内用療法として正しいのはどれか。1 つ選べ。

a 骨転移のない前立腺癌に適応がある。
b 主としてアルファ線が治療効果に寄与する。
c 治療前の骨シンチグラフィの施行は必須である。
d アルカリフォスファターゼの値を考慮して投与量を調節する。
e 投与後数日で見られる疼痛の増悪は治療抵抗性の指標となる。

85, 正解:c

  • 89Srは骨転移の治療薬です。
  • a,c. 骨シンチで集積のある骨転移に適応がある
  • b. β線。α線なのは骨転移あり、内臓転移なしの前立腺癌に用いる223Ra。
  • d. 投与量は体重から決める
  • e. 投与後数日で一時的に疼痛が増悪することはフレア現象と言われるが、数日で落ち着き鎮痛効果がでてくる。治療抵抗性というわけではない。

治療(86-105)

86,放射線感受性が最も低いのはどれか。1 つ選べ。

a 精上皮腫
b 甲状腺乳頭癌
c 乳腺乳頭腺管癌
d 胃マルトリンパ腫
e 子宮頸部扁平上皮癌

86,正解:b

  • 細胞分裂が盛んな臓器ほど感受性が高い。
  • 肝、腎上皮、唾液腺、甲状腺上皮は低い。
  • 頻出問題です。

87,組織内照射に用いないのはどれか。1 つ選べ。

a 125I
b 137Cs
c 192Ir
d 198Au
e 223Ra

87,正解:e

  • a-d:密封小線源療法
  • e:非密封小線源療法(静脈投与)。外来での治療が可能で、虚勢抵抗性前立腺癌に使用。半減期は11.4日で、4週毎に計6回まで投与可能です。α線放出核種です。

88,体幹部定位放射線治療の適応でないのはどれか。1 つ選べ。

a 前立腺癌Ⅰ期
b 肝細胞癌Ⅰ期
c 子宮頸癌ⅠB 期
d 脊髄動静脈奇形
e 非小細胞肺癌ⅠA 期

88,正解:c

  • c:全骨盤照射+腔内照射
  • 過去問の焼き直し
  • a:前立腺癌に対するSBRTは2016年4月より適応されました。

関連)各治療法について綺麗にまとまっています。→大船中央病院 放射線治療センターHP

89,強度変調放射線治療(IMRT)として誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a 回転照射で行える。
b 固定多門照射で行える。
c 逆方向治療計画を用いる。
d 線量処方はアイソセンターで行う。
e 症例毎に物理的検証が必要である。

89,正解:d

  • d;D95処方です。
  • ちなみに、D95処方とはDVH上で、PTVの容積の95%を包含する線量(Gy)です。
  • アイソセンター処方を行うのは通常照射の時です。

90,疾患と放射線治療との組み合わせとして誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a 下咽頭癌・・・・・・・強度変調放射線治療
b 胃癌多発脳転移・・・・全脳照射
c 食道癌脊椎転移・・・・体幹部定位照射
d 乳癌乳房温存術後・・・乳房接線照射
e 限局型小細胞肺癌・・・予防的全脳照射

90,正解:c

  • c:通常照射で行います。

91,処方線量が通常分割照射で 60 Gy 以上となるのはどれか。2 つ選べ。

a 髄芽腫の根治照射
b 直腸癌の術前照射
c 下咽頭癌の根治照射
d 前立腺癌の術後照射
e 肛門管癌の根治照射

91,正解:c,d

  • a.髄芽腫の根治照射 :× 術後照射として全脳全脊髄に対して54Gy程度。化学療法と併用して、全脳全脊髄に23.4-25Gy、腫瘍床(もしくは後頭蓋窩)に54Gyの照射となる。
  • b.直腸癌の術前照射 :× 本邦や米国では術前照射として化学療法と併用して45-50.4Gy程度となる。欧州のやり方では化学療法を併用せず、25Gy/5回という寡分割照射がメインとなっている。
  • c.下咽頭癌の根治照射 :〇 化学療法(シスプラチンやセツキシマブ)と併用して70Gy/35回の根治照射を行う。
  • d.前立腺癌の術後照射 :〇 術後照射で行う場合は60-64Gy程度の照射となる。術後PSA再発に対する救済照射では64Gy以上が望ましい。なお、術後ではない根治照射では70-80Gyとさらに高線量となる。
  • e.肛門管癌の根治照射 :× 化学療法(5-FUとマイトマイシンC)と併用して54-59.4Gyの根治照射を行う。やむなく放射線治療単独にする場合は60-70Gy程度照射することもあるが、こういう問題では標準治療の場合で選択すると思うので、×であろう。

92,頭蓋内胚腫(germinoma)として正しいのはどれか。1 つ選べ。

a 若年発症は少ない。
b 10 年生存率は約 80%である。
c 化学療法で CR の場合には放射線治療を省略する。
d 化学療法で PR の場合の標準的照射範囲は全脳全脊髄である。
e 化学療法後の標準的投与線量は 24 Gy/12 回/2.5 週程度である。

92,正解:e

  • a.若年発症は少ない。 :× 10-20歳代に好発する。
  • b.10年生存率は約80%である。 :× 90~95%程度。ほぼ完治する疾患といえる。
  • c.化学療法でCRの場合には放射線治療を省略する。 :× 奏功した場合は総線量を減らす向きもあるが、省略できるというエビデンスはない。
  • d.化学療法でPRの場合は標準的照射範囲は全脳全脊髄である。 :× 基本は全脳室照射となる。播種がある場合や基底核原発の場合は全脳全脊髄となる。となるとこれも正解となりそうだが、eが正しいと思われるので相対的に×となるか。
  • e.化学療法後の標準的投与線量は24Gy/12回/2.5週程度である。 :〇 24~40Gy程度となる。「少なくないか?」と思うかもしれないが、1995年から始まった「厚生労働省がん研究助成金による胚細胞腫に対する多施設共同臨床試験」ではジャーミノーマに対しては照射範囲を狭くし、線量を減らし(50Gyから24Gy)ても10年生存率97%であった。照射省略こそまだ難しいが、線量はどんどん減らしていく方向にあるようだ。

93,髄芽腫術後の照射法として正しいのはどれか。1 つ選べ。

a 局所照射
b 全脳照射
c 全脳室照射
d 拡大局所照射
e 全脳全脊髄照射

93,正解:e

  • a. 局所照射 :× 低悪性度神経膠腫や髄膜腫、少数転移性脳腫瘍に対する照射法。
  • b. 全脳照射 :× 多発脳転移や悪性リンパ腫、播種のある胚腫に対する照射法。
  • c. 全脳室照射 :× 播種のない胚腫に対する照射法。
  • d. 拡大局所照射 :× 高悪性度神経膠腫に対する照射法。
  • e. 全脳全脊髄照射 :〇 髄芽腫に対する照射法。

94,早期声門癌(T1N0M0)の根治的放射線治療における標準的 CTV はどれか。1 つ選べ。

a 患側声帯
b 声帯全体
c 喉頭全体
d 喉頭全体と患側頸部リンパ節領域
e 喉頭全体と両側頸部リンパ節領域

94,正解:b

  • b. 声帯全体 :〇 放射線治療計画ガイドラインに回答あり。これにセットアップエラーなどを追加して5cm×5cmの照射野になる。

95,進行頭頸部癌の放射線治療の併用薬剤として有効なのはどれか。1 つ選べ。

a ソラフェニブ
b クリゾチニブ
c セツキシマブ
d ベバシズマブ
e トラスツズマブ

95,正解:c

  • a. ソラフェニブ :× 根治治療不能の肝細胞癌、腎癌、甲状腺癌に対する薬剤。商品名ネクサバール。B-Rafキナーゼ活性やKIT受容体チロシンキナーゼ活性、VEGFRやPDGFRなどのマルチチロシンキナーゼ阻害剤である。現状放射線治療と併用することによるメリットは得られていない。
  • b. クリゾチニブ :× ALK融合遺伝子陽性の切除不能非小細胞肺癌に対する薬剤。商品名ザーコリ。現状放射線治療と併用することによるメリットは得られていない。
  • c. セツキシマブ :〇 大腸癌や頭頚部癌に対する薬剤。商品名アービタックス。EGFR阻害剤であり、頭頚部癌に対しては放射線治療との併用で放射線単独と比較しての上乗せ効果が知られている(Bonner試験:NEJM2006;354:567-78)。現場ではシスプラチン併用ができない患者に対して用いられていることが多いのでは。
  • d. ベバシズマブ :× VEGF阻害剤。商品名アバスチン。大腸癌、非小細胞肺癌、乳癌、卵巣癌など多種の転移性腫瘍に対して承認されているが、放射線治療との併用のエビデンスはない。悪性膠芽腫に対する有望な薬剤とされており、放射線による脳壊死の治療にも用いられる。
  • e. トラスツズマブ :× HER2阻害剤。商品名ハーセプチン。HER2過剰発現の見られる乳癌に対する薬剤であるが、放射線治療と併用することは一般的ではない。

96,甲状腺癌の放射性ヨード内用療法として誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a 甲状腺全摘後に行う。
b 髄様癌は適応である。
c 多発肺転移は適応である。
d 治療の 2 週間前からヨード制限食を開始する。
e サイログロブリン値が腫瘍残存状態と相関する。

96,正解:b

  • a. 甲状腺全摘後に行う。 :〇 残存甲状腺に対するアブレーションであろうと、術後再発や転移に対する治療であろうと全摘後に行うことが原則。
  • b. 髄様癌は適応である。 :× 乳頭癌、濾胞癌といった分化癌のみが適応となる。
  • c. 多発肺転移は適応である。 :〇 適応となる。転移巣にI-131集積が認められる場合は寛解も期待でき、ガイドラインでは推奨グレードAとされている。この場合は入院が必要な程度の放射線量を投与する必要がある(3700~5550MBq)。
  • d. 治療の2週間前からヨード制限食を開始する。 :〇 甲状腺組織にヨードを取り込ませるためにヨード制限が必要。2週間程度前から低ヨード食の摂取が推奨される。
  • e. サイログロブリン値が腫瘍残存状態と相関する。 :〇 甲状腺全摘術を受けた患者で,抗サイログロブリン抗体を同時に測定して陰性である場合,血中サイログロブリン測定は再発マーカーとして有用である。ガイドラインでも推奨グレードAとされている。なお、部分切除では再発マーカーとしての意義は乏しい。

97,Ⅲ期非小細胞肺癌の化学放射線療法として正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 肺野の腫瘤は定位照射の適応である。
b 線量計算に不均質補正を必要としない。
c CR が得られれば予防的全脳照射を行う。
d 60 Gy/30 回/6 週が標準的線量分割である。
e 腫瘍の呼吸性移動の把握に 4D-CT を用いる。

97,正解:d,e

  • a. 肺野の腫瘤は定位照射の適応である。 :× 1期の話であり、3期では基本的に適応とならない。
  • b. 線量計算に不均質補正を必要としない。 :× 線量計算に不均質補正を行わない場合、空気や肺のような本来放射線の吸収が少ない部位にも放射線が吸収される誤った計算をされてしまう。肺癌の治療のようなAirの多い部位の腫瘍の場合は不均質補正を必ず行うべきである。
  • c. CRが得られれば予防的全脳照射を行う。 :× 限局型小細胞肺癌の話である。
  • d. 60Gy/30回/6週が標準的線量分割である。 :〇 なお、これ以上の線量増加は合併症の増加につながり、予後は短縮されてしまうという臨床試験の結果が得られている(RTOG0617)。
  • e. 腫瘍の呼吸性移動の把握には4D-CTを用いる。 :〇 深吸気および深呼気のCTを用いるといった方法や、透視で確認するといった方法もある。

98,食道癌の根治的化学放射線療法(処方線量 60 Gy/30 回/6 週)として適切でないのは どれか。1 つ選べ。

a 肺の V20 Gy が 50%
b 肺の最大線量が 62 Gy
c PTV の平均線量が 60 Gy
d PTV の最低線量が 57 Gy
e 脊髄の最大線量が 35 Gy

98,正解:a

  • a. 肺のV20Gyが50% :× V20Gyとは20Gy以上照射される肺の相対体積のことである。これが35%を超えてくると症候性肺炎のリスクが高まるとされており、50%は適切ではない。逆に言うとこれくらい照射しないと腫瘍全体を含めることができないような進行食道癌であれば、根治照射適応外ということになる。
  • b. 肺の最大線量が62Gy :〇 上記のV20Gyと違い、ピンポイントで62Gy照射される程度であれば問題とならない。
  • c. PTVの平均線量が60Gy :〇 非常によいプランと言える。
  • d. PTVの最低線量が57Gy :〇 肺内のPTVでは不均質補正を行うと60Gy入らないことも多い。57Gyは許容範囲内と言える。
  • e. 脊髄の最大線量が35Gy :〇 脊髄のTD5/5を確認。47Gy以内であれば問題となることは少ない。

99,乳房温存照射として正しいのはどれか。2 つ選べ。

a GTV は腫瘍床である。
b 非浸潤癌は適応である。
c 寡分割照射法は用いない。
d 乳癌死の絶対リスクが低下する。
e 術前化学療法で病理学的 CR となった場合は必要ない。

99, 正解:b,d

  • 問題文が乳房温存術後照射と書いて欲しいところですが…
  • a, GTV=Gross tumor volume; 肉眼的腫瘍体積。術後で肉眼的腫瘍はない。
  • b, 非浸潤がんも現在は適応と考えられていますが、70歳以上であれば省略してもよいという考え方もあります。
  • c, これまでは50Gy/25frが一般的であったが、42.56Gy/16frでの寡分割照射のデータが日本でも出ている。ちなみに適応は浸潤癌・腫瘍径3cm以下。
  • d, 術後照射をする目的がこれです。
  • e. 術後病理がCRでも照射は行います。省略できるエビデンスがない。

100,胃マルトリンパ腫の放射線治療に伴う有害事象として頻度が最も低いのはどれか。 1 つ選べ。

a 肝障害
b 幽門狭窄
c 放射線宿酔
d 胃粘膜障害
e 放射線肺臓炎

100, 正解:c

  • 胃は放射線に弱いので胃粘膜障害や宿酔は起こりやすい。肝障害、腎障害(とくに左)は放射線が通るのでありえる。胃は横隔膜直下にあり肺底部に照射野がかかることがあり、肺臓炎は確率的事象なので起きてもよい。胃マルトリンパ腫を治療するような24-36Gyでは晩期障害は少ないのでcが正解と思われます。頻度として確かめられるデータは見つけられませんでした。

101,疾患と治療法との組合わせとして正しいのはどれか。1 つ選べ。

a 食道癌・・・・根治的化学放射線療法
b 肝臓癌・・・・術後化学放射線療法
c 膵臓癌・・・・体幹部定位放射線治療
d 直腸癌・・・・根治的化学放射線療法
e 肛門管癌・・・術前化学放射線療法

101, 正解:a

  • a, 手術不能の局所進行食道癌は根治的CRTの適応
  • b, 5cm以内で転移のない肝臓癌は体幹部定位放射線治療の適応。
  • c, 局所進行膵臓癌は根治的CRTもしくは化学療法の適応。術前CRTも行われることがある。
  • d, 直腸癌は欧米では術前CRTが標準的に行われている。
  • e, 肛門管癌は根治的CRTの適応。

102,放射線単独治療が標準治療なのはどれか。1 つ選べ。

a 鼻腔 NK 細胞リンパ腫Ⅰ期
b 脳びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫
c 球結膜ろ胞辺縁帯 B 細胞リンパ腫Ⅰ期
d 精巣びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫Ⅰ期
e 口蓋扁桃びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫Ⅰ期

102, 正解:c

  • a, 限局期NK-Tcellリンパ腫はCRTで治療する。レジメンはDeVIC+RT。
  • b, 脳DLBCLはMTX大量療法→RT。このとき通常の全脳照射よりもしっかり眼窩後部を含めるように計画すること。
  • c, 濾胞性リンパ腫I期のこと。放射線単独で治療する。化学療法の上乗せにより再発率が低くなるエビデンスはない。
  • d, 精巣DLBCLはR-CHOP→健側を含めたRT。再発予防として行われる。
  • e, 扁桃原発DCBCLは通常のDLBCLと同様の治療となります。なのでR-CHOP±IFRT。

103,白血病の骨髄破壊性全身照射として誤っているのはどれか。1 つ選べ。

a 線量率は 1 Gy/分で行う。
b 急性有害事象に耳下腺炎がある。
c 線量分割は 12 Gy/6 回/3 日で行う。
d 晩期有害事象に間質性肺炎がある。
e 造血幹細胞移植の前処置として行われる。

103, 正解:a

  • 骨髄破壊性全身照射は白血病などに対する造血幹細胞移植の前に行われ、患者の骨髄を破壊することと生着をよくする目的で行われる。全身に12Gy/6fr/3日という大線量があたることになる(半数致死線量は4Gyでしたね)。
  • 線量率については、総線量14Gyを越えると有害事象が増えるため、5-10cGy/minが望ましい。線量率10cGy/minを越えるとIP発生率が上がると治療ガイドラインに記載がありました。

104,子宮頸癌の放射線治療として正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 中央遮蔽の幅を 4 cm とした。
b 全骨盤照射の総線量を 60 Gy とした。
c CT 画像を基に腔内照射の治療計画を施行した。
d 腟浸潤がないので閉鎖リンパ節を CTV から外した。
e 腔内照射の代わりに強度変調放射線治療(IMRT)を用いた。

104, 正解:a,c

  • a, 中央遮蔽は3-4cm
  • b,ステージによって全骨盤と中央遮蔽の線量は異なるが、外照射の総線量は50Gy。
  • c, 腔内照射の治療計画をするときでも病変の広がりによって線量分布は工夫する。腔内照射のときにアプリケーターを入れた状態でCTを取り直して計画をする3次元計画も行われている。
  • d, 閉鎖リンパ節は所属リンパ節なので含める。

105,前立腺癌の強度変調放射線治療(IMRT)として正しいのはどれか。2 つ選べ。

a 排尿直後に施行する。
b 低リスク例には用いない。
c 直腸線量の低減に有用である。
d 高リスク例ではホルモン療法を併用する。
e 晩期直腸出血は治療後 10 年が発症のピークとなる。

105, 正解:c,d

  • a, 小腸線量と膀胱線量を下げるために、尿を貯めて照射する
  • b,d, 低リスク例では放射線単独。中・高リスク例はホルモン療法を併用する。
  • c, IMRTによって前立腺への線量増加をしつつ直腸線量を下げられるようになった。
  • e, 晩期直腸出血のピークは治療終了後1年くらい。

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