乳房MRの適応とは

・乳腺MRIは感度に比べて特異度が低いことが知られており(偽陽性が多い)、MR検出病変の正診率は15-40%と言われる。

・乳房MRIの適応は以下。

存在診断

・ハイリスク女性のスクリーニング。

※遺伝性乳癌・卵巣癌症候群(HBOC):BRCA1/2の遺伝子変異陽性者への予防的治療、MRIによるサーベイランス。

BRCA1あるいはBRCA2遺伝子変異を持つ女性に対する乳房MRIスクリーニングが早期発見に有用か?→Probable(ほぼ確実)

・occult primary(原発巣不明癌)の精査。

・術後乳房:
a. 乳房温存術後の残存病変の検出
b. 乳房再建術後の再発評価
c. インプラント乳房内の乳癌検出。

質的診断

・従来の画像で所見が不確定な場合。MRIは癌を検出する感度はもっとも高い。ただし、特異度の幅は広い。

・術後乳房:乳房温存術後の瘢痕と再発の鑑別

術前診断

・乳管内癌の有無とその広がり診断

・周囲(大胸筋および皮膚)への浸潤の評価。

・同側および対側の多発癌の検出。

→温存療法の範囲決定、乳棒切除術への変更に用いられる。

(戸崎光宏ほか、乳癌画像のすべて 臨床画像vol.24.No.4:p453,2008)

化学療法(術前化学療法:NAC)の効果判定

ガイドライン

American collage of Radiology (ACR): Breast imaging and intervention, practice guidelines (2008)

1.スクリーニング:ハイリスク患者、対側乳房、豊胸術後

2.病変の広がり診断:局所進展、多発性、多中心性 筋膜浸潤、残存病変 術前化学療法

3.臨床所見または画像所見の付加的評価:
・乳癌の局所再発
・原発巣不明癌 
・病変の鑑別(USやMMGによる生検不可の場合) 
・術後組織再建患者の再発の評価 
・MRIガイド下生検
Breast MRI: guidelines from the European Society of Breast Imaging (2008)
1.従来の画像で所見が不確定な場合 
2.術前staging 
3.原発不明癌患者での乳房の精査 
4.術前化学療法の効果判定 
5.乳房温存手術後の局所再発の除外
6.MRIスクリーニング 
7.人工物の画像 
8.MRIガイド下生検と病変の局在

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